« 2018年12月 | トップページ | 2019年2月 »

2019年1月の5件の記事

2019年1月27日 (日)

1月20日~1月26日の週に観た劇場映画

1月20日(日曜)~1月26日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。全豪オープンテニスとサッカーのアジア大会がちょうど開催されていて、それらのテレビ観戦にも時間が取られました。

320_99 ★愛と銃弾(伊) ⇒クライム・サスペンス・アクションと歌と踊りのミュージカル的要素が入り交じった作品は珍しいのではないか またロマンスとコメディの要素も入っている イタリアの映画作品には筆者は余り詳しくないが、イタリア・ローマ出身のマルコ・マネッティ(1968~)とアントニオ・マネッティ(1970~)のマネッティ兄弟が監督・脚本・製作 南イタリアの風光明媚なナポリを舞台に、水産市場を支配するマフィアの殺し屋が昔の恋人と衝撃的に再開することから話が展開 終盤にはいろいろなトリックも仕掛けられていて目が離せない 原題は"Ammore e Malavita"(コルシカ語?)="Sweet and bad"=「甘さと悪さ、甘く悪い」か 邦題もなかなか考えられている
パットマン 5億人の女性を救った男(印) ⇒インドで大ヒットした作品であり、日本でもロング・ランになっているので、遅まきながら鑑賞 本作のモデルになったアルナーチャラム・ムルガナンダム(印・1962~)はインドでも、米国でも有名で数々の賞を受賞しているようだ しかしながら、日本では生理用ナプキンというと、どうしてもすぐにユニ・チャーム社を思い出してしまうので、かなり印象が薄い ナプキンの原料はセルロース・ファイバーで、原料購入時は白い板(元々は住宅の断熱材用か)であることは知らなかった 原題は単に"Padman"
映画刀剣乱舞 ⇒筆者には何のことかよく分からないが、DMMの刀剣育成シュミレーションゲーム「刀剣乱舞 ONLINE」の映画化らしい 映画化に先立って、すでにアニメ、ミュージカル、舞台など派生コンテンツが登場 天正10年(1582年)の本能寺の変を主題として、はるか未来の歴史修正主義者が暗殺されたはずの織田信長(1534~1582)を助けるために時間遡行(そこう)軍を派遣 それに対し歴史守護者の審神者(さにわ)は刀剣を擬人化した刀剣男子たちを送り込み応戦 ゲームがオリジナルだけあって、発想は特に自由で逆転に次ぐ逆転で結構面白い ロケは昨年2018年春に茨城県つくばみらい市行われた模様 他に東映京都撮影所(太秦映画村)も使われたようだ
マスカレード・ホテル ⇒直木賞作家・東野圭吾(大阪市・1958~)の同名原作ミステリ小説(2011)の映画化 原作はシリーズ化されており、第2作「マスカレード・イブ」(短編集・2014)と第3作「マスカレード・ナイト」(2017)が出版されている 本作では、東京の一流ホテル「ホテル・コルテシア東京」での連続殺人が予告されており、ホテルのフロント・マンとして潜入捜査を行う刑事新田浩介と優秀なフロント・レディの山岸尚美の2人を中心とした活躍で、犯人を追い詰める様を描く 新田役には木村拓哉(東京都・1972~)を、山岸役には長澤まさみ(静岡県・1987~)をキャスティング 東野は新田を表現する時にキムタクをイメージしていたというだけあって、木村は素で演技することで役に成りきっていた 他の豪華キャストの後押しもあって結構面白い仕上がり 原作が東京都中央区日本橋蛎殻町にあるロイヤル・パーク・ホテルをモデルにしていることは有名らしい 撮影は2017年10月~11月に行われ、ホテル・ロビーとフロント・バックヤードは世田谷区成城にある東宝スタジオにある大きな8番ステージに精密なセットを造って撮影した模様 また、客室廊下や宴会場はロイヤル・パーク・ホテルの本物を借用した撮影したとのこと ホテルの屋上シーンは渋谷区代々木の山野美容専門学校の屋上でロケ撮影したようだ 名古屋城の映像も登場するので一部名古屋市のロケもあったはず ドローンによる撮影やVFXのDI(デジタル中間体)という技術も活用
夜明け ⇒映画監督の是枝裕和(東京都・1962~)と西川美和(広島県・1974~)が中心になって設立された製作者集団「文福」が製作した作品で、長らく両監督のアシスタントを務めてきた広瀬奈々子監督(神奈川県・1987~)の初長編 それぞれ過去を抱えた青年と中高年木工所経営者の出会い、葛藤、別れを描く ロケ地は九十九里海岸に面する千葉県旭市、匝瑳(そうさ)市など 昨年2018年の真冬に撮影

320_100バハールの涙(仏・ベルギー・ジョージア・スイス) ⇒2014年夏にイスラム過激派組織(IS)がイラクのトルコ国境に近いクルド人自治区になだれ込み、成人男子は射殺し、女性と子供を人質に 女性は奴隷(性奴隷を含む)になり、男の子たちは戦士教育の対象に 7,000人の女性が拉致されたが、半数は戻っていないらしい 奴隷状態から脱走した女性たちが戦士となり、男は女に殺されると天国に行けないと恐れられる女性武装部隊を編成し、自分たちの男の子の救出に向かったという実話に基づく作品 本作ではこの女性武装部隊の隊長バハールをイラン出身で現在はフランス・パリに在住の女優ゴルシフテ・ファラハニ(1983~)が演じ、2015年11月11日から13日までの出来事・戦闘をレポートするフランス人女性ジャーナリスト・マチルドをフランス人女優エマニュエル・ベルゴ(1967~)が演じる 女性戦士たちは「女、命、自由」を標榜し戦い、マルチドはシリア・ホムスの内戦取材時の怪我で左目を失明したジャーナリストの鑑(かがみ)としての設定 さすがにイラクのクルド人自治区ではロケできなかったので、似た環境・風景のグルジアで撮影されたようだ 原題は"Les filles du soleil"(仏)="The girls of the sun"=「太陽の女たち」か 邦題は終盤のシーンを基に創作か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月20日 (日)

1月13日~1月19日の週に観た劇場映画

1月13日(日曜)~1月19日(土曜)の週は、11本の劇場映画を観ました。今回は鑑賞本数が少々多くなり、またやや芸術的で難解な作品があったので、記事レポートのアップに苦労しました。

未来を乗り換えた男(独・仏) ⇒原題は"Transit"=「乗換え」か ドイツの女性作家アンナ・ゼーガース(1900~1983)の同名原作小説(1943)の映画化 第二次世界大戦時のドイツによるユダヤ人抹殺(ホロコースト)を、現代のフランスのパリとマルセイユに置き換えて演出 現代欧州に影を差す難民問題とナショナリズム高揚とダブらせたようだ したがって、課題は分かるが内容に追随しずらくなったかも… ラストの展開は意味深
320_97蜘蛛の巣を払う女(英・独・スウェーデン・加・米) ⇒「ドラゴンタトゥーの女」(2011)の続編 前作と同様に、黑づくめ女性ライダーが乗る単車が針葉樹林の中の雪道を走り抜ける格好良く、颯爽としたイメージは素晴らしい 前作が3部作の予定だったのが第1部の製作費が膨らんで1作で製作中止になったらしいが、今作もソニーは結構費用をかけているようで、ハッキング、カーチェイス、格闘アクション、そして終盤の意表を突く屋敷内ハッキングの映像には驚く エンドクレジットにはポスプロ担当者が百数十名と意外に少な目 舞台は一部米国ワシントンD.C.も登場するがほぼ全編スウェーデンの首都ストックホルム 今回ヒロインのリスベット役がルーニー・マーラ(米NY州出身・1985~)からクレア・フォイ(英・1984~)に、記者ミカエル役がダニエル・クレイグ(英・1968~)からスベリル・グドナソン(スウェーデン・1978~)に、監督がデビッド・フィンチャー(米コロラド州デンバー出身・1962~)からフェデ・アルバレス(ウルグアイ出身・1978~)にそれぞれ交代 グドナソンは昨年日本公開の作品「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」(スウェーデン・デンマーク・フィンランド・2017)でボルグそっくりな演技 アルバレス監督は前作が結構怖かったホラー作品「ドント・ブリーズ」(2016) 本作の原作はスウェーデンの作家スティーグ・ラーソン(1954~2004)の「ミレニアム」3部作、つまり「ドラゴン・タトゥーの女」(2005)、「火と戯れる女」(2006)そして「眠れる女と狂卓の騎士」(2007) 第4部は未完の遺作があったようだが、出版社はダヴィド・ラーゲルクランツ(スウェーデン・1962~)に依頼して第4部「蜘蛛の巣を払う女」(2015)を出版 本作は実はこの第4部の映画化 すでにラーゲルクランツによる第5部「復讐の炎を吐く女」(2017)も完成しているが、この映画化はいかに 原題は"The Girl in the Spider's Web"で邦題どおりか
ゴールデン・スランバー(韓) ⇒原題は"Golden Slumber"=「黄金の睡眠」か 千葉県松戸市出身の作家・伊坂幸太郎(1971~)の同名原作小説(2007)の映画化 原作小説は本屋大賞(2008年)を受賞しており、日本でも2010年に映画化されているので、本作は韓国でのリメイクになる 国家によりテロ殺人犯にされた善良な若者市民が、友人たちの助けを借りながら国家の追手から逃げる 「ゴールデン・スランバー」はビートルズ最終版の楽曲らしい
MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド ⇒原題も"Most Beautiful Island"=「最も美しい島」 「最も美しい島」とは米国ニューヨーク市のマンハッタン島らしい ここに移民してきた若い美女たちが、底辺で暮らす中、一獲千金の仕事に喰らいつく 現実とも幻想とも知れない世界 スペイン出身のアナ・アセンシオ(1978~)が監督・脚本・主演の主要3役
マチルド、翼を広げ(仏) ⇒パリでアルツハイマー的な母親と2人で暮らす9歳の少女が主役 少女だけと言葉を交わせるフクロウと離れて暮らす父親の助けを借りて生き延びる 少女が学校教材の骸骨見本を埋葬すること、言葉を話せるフクロウ、水中の少女など、幻想的で黙示的なシーンが多い フランスの映画監督ノミエ・ルヴォヴスキ(1964~)が脚本も母親役も兼ねる 原題は"Demain et tous les autres jours"(仏)="Tomorrow and every other day"=「明日と隔日(1日おき)」だが、どういう意味だろう

この道 ⇒詩人・北原白秋(熊本県生まれ・福岡県育ち・1885~1942)と作曲家・山田耕筰(東京都・1886~1965)の長年にわたる友情を描く 白秋役は演技に定評のある大森南朋(なお)(東京都・1972~)が演じる 「この道」は2人が作詞作曲した日本の代表的童謡で、本作の主題歌でもありEXILEのATSUSHI(埼玉県出身・1980~)が歌う 撮影は主に東映京都撮影所(太秦映画村)で行われたが、一部神奈川県箱根町の富士屋ホテルなどでもロケされた模様
320_98レッスル!(韓) ⇒主演のユ・ヘンジ(韓・1970~)がとにかく面白い 2017年に日本公開された「LUCK-KEY ラッキー」(韓・2016)で筆者は彼に注目したが、韓国の渥美清(東京都・1928~1996)と言って差し支えないだろう ユはその後「コンフィデンシャル 共助」(韓・2017)、「タクシー運転手 約束は海を越えて」(韓・2017)そして「1987、ある闘いの真実」(韓・2017)の韓国主要ヒット作品にバイプレーヤーとしてことごとく出演している 本作では、妻を亡くした元レスリング代表選手の主人公ギボに扮し、何でも人のせいにする大人になれない息子を金メダリストにすることに全身全霊を尽くす しかし、母親から次々と再婚相手を紹介されたり、家族ぐるみの付き合いの他家族の娘から強い恋心を寄せられたり、さまざま恋愛トラブルに巻き込まれる 目標を達成しその後は、世の男たちが羨(うらや)む展開に 原題は"Love+Sling"で、和訳すると「愛+(レスリング・ユニフォームの肩にかける)つり帯」か
Dsc_0595_01君から目が離せない Eyes on you ⇒主演の秋沢健太郎(秋田県出身・1988~)に当て書きした脚本で、篠原哲雄監督(東京都・1962~)が製作 夢と恋愛の狭間で揺れ動く若者を描く 演劇中心で活動してきた秋沢に合わせた劇中劇のスタイルで最初の冬の部は東京都世田谷区下北沢が舞台 夏の部は篠原監督の作品「月とキャベツ」(1996)のオマージュでもあり、群馬県中之条町や四万温泉にも展開 秋の部では武家屋敷の紅葉が美しい秋田県仙北市角館へ 写真は上映後のトークショーでのワン・ショット 向かって左から篠原哲雄監督、主演の秋沢健太朗、そして助演で秋沢の友人の中村優一(神奈川県出身・1987~) 元ジャニーズの中村は喋りまくっていた 観客はほとんど女性で筆者は肩身が狭かった
サイドマン スターを輝かせた男たち ⇒米国のブルース・シンガーで、「シカゴ・ブルースの父」と称されるマディ・ウォーターズ(米ミシシッピ州出身・1913~1983)のサイド・マン、いわゆるバック・ミュージシャンとして長年活躍した3人に焦点を当てたドキュメンタリー 3人とは、ピアニストのパイントップ・パーキンス(米ミシシッピ州出身・1913~2011)、ドラマーのウィリー・”ビッグ・アイズ”・スミス(米アーカンソー州出身・1936~2011)、そしてギタリストのヒューバート・サムリン(米ミシシッピ州出身・1931~2011) なお、米国ブルース・ミュージックはロックンロール・ミュージックの生みの親だそうだ 原題は"Sidemen: Long Road to Glory"=「サイド・メン:栄光への長い道」か
LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て ⇒ラブ・ホテルの1室のワン・シーンで、超長回しの撮影で、舞台劇のような展開 主人公がカバンの中に仕込んだカメラがカバンごと動いて視野が変化する凝った創り 場面は変わらないのに、話が次々と展開・変化する考え抜かれた内容 エンド・クレジットにも映像があり、そこも見物 俳優でもある宅間孝行(東京都・1970~)が監督(兼脚本)し、歌手でもある三上博史(東京都生まれ・神奈川県横浜市育ち・生年不詳)が主演

マイル22 ⇒「テッド」シリーズ(2012・2015)で世界的に有名になった俳優・歌手のマーク・ウォールバーグ(米マサチューセッツ州ボストン出身・1971~)が主演し、俳優・脚本家でもあるピーター・バーグ(米ニューヨーク出身・1962~)が監督 2人は4回目の組合せらしい 本作では、超危険物質盗難の犯罪に対処するため米国政府の高度機密組織が編成され、最強の部隊と完璧な頭脳の組合せで重要参考人を空港までの22マイルを護送しようとする 完璧な頭脳チームが率いているからか、話の展開が速く筆者が付いていけないところもあった ロケは米国ジョージア州アトランタとコロンビアの首都ボゴタで行われ、ボゴタには多種大量の本物の銃器を移送 撮影には多数の小型カメラが使用され、緊迫した映像も結構取り入れられている 原題も"Mile 22"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月13日 (日)

1月6日~1月12日の週に観た劇場映画

1月6日(日曜)~1月12日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。年末年始は通常中だるみ状態になりますが、それでも注目できる作品がありました。

320_95こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 ⇒身障者の自立と介助ボランティアという難題をテーマにした、北海道札幌市在住のノンフィクション作家・渡辺一史(愛知県名古屋市出身・1968~)の著書「こんな夜更けにばななかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(2003)の映画化 主人公・鹿野靖明(1959~2002)を演じるのは北海道江別市出身の大泉洋(1973~) 鹿野は11歳(小学校6年生)の時に進行性筋ジストロフィーと診断され20歳までの寿命と言われる 彼は23歳の時に障碍者施設から飛び出し自立を決心 自立するために自ら介助ボランティアを募集し、彼らを鍛えながら20年間の自立生活を送る その陰には「いつも自分にかかり切りだった母親を自分のくびきから解放し、彼女自身の人生を送ってほしい」との強い気持ちが… 不遜で、要求が多くて、ボランティアを悩ますが、決して憎めない明るい性格の主人公を大泉が適役として熱演 鹿野は2002年42歳で亡くなるが、彼の介助ボランティア500人はいまだに彼の母親のもとに集まるそうだ 昨年2018年6月にオール北海道ロケで撮影されたようだ 鹿野は札幌に住んでいたので札幌市内がメイン 観てすぐに分かったのは北大キャンパス(中央ローンと50年間以上も現役のクラーク会館)、三角山、旭山公園など 市内のロケ地は西区(昔の琴似町)中心に中央区、北区、豊平区、白石区、清田区、南区など広範囲にわたり、住宅内での撮影には、鹿野が実際に住んでいた西区山の手団地(身障者用車椅子住宅)を使ったようだ 札幌以外ではラストにとても美しい風景・映像を観せてくれる美瑛町が登場
320_96迫り来る嵐(中) ⇒本格的な中国版フィルム・ノワールが登場 中国山東省威海市出身のドン・ユエ(董越・1976~)監督の初長編 2017年の第30回東京国際映画祭でワールド・プレミアされ話題を呼んだ 2008年に主人公が出所するシーンで始まり、1997年長寧市(多分架空の街)の国営製鋼所の敷地内での連続女性殺人事件に戻る 工場の警備係の主人公は警察と協力・反目しながらも犯人探しに集中 1997年は英国が中国に香港を返還した特別な年であり、都市化と産業構造の変化の波で都市近郊の工場でリストラも発生 雨降りのシーンが多く、画面は黒っぽくとにかく暗いのは当時の中国の雰囲気を表現か 登場人物全員がタバコをとにかく吸い続け、当時の中国の市民生活や文化も垣間見える 終盤主人公が仕掛ける罠が自分自身をも絡めとっていく姿を描く 原題は「暴雪将至 The Looming Storm」(中・英)で邦題どおり
ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス(英) ⇒英国の人気ファッション・デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド(1941~)を3年間にわたり追ったドキュメンタリー パンク・ロックのデザインから始まり、ファッションの一大ブランド・アイコンになり、そして環境・人権活動家にもなる姿を描く 原題は"Westwood: Punk, Icon, Activist"=「ウエストウッド:パンク、アイコン、活動家」か
ホイットニー アイ・オールウェイズ・ラブ・ユー(英) ⇒世界最高の売上げを誇る歌手の一人である、米国のホイットニー・ヒューストン(1963~2012)のドキュメンタリー作品 英国人監督が製作したので、なぜか英国製 暴動が起きるような黒人街の米国ニュージャージー州ニュー・アークで生まれたホイットニーは、母シシー・ヒューストン(1933~)がゴスペル歌手、従姉のディオンヌ・ワーウィック(1940~)も歌手という音楽一族のもとに生まれ、幼少期から英才教育を受ける 1985年に全米メジャー・デビューした後はヒット曲を連発 1992年にケヴィン・コスナー(1955~)と共演した初主演映画「ボディ・ガード」の主題歌「オールウェイズ・ラブ・ユー」が世界的に大ヒットし絶頂期を迎える 「オールウェイズ・ラブ・ユー」(1973)は米国ポップ・カントリー音楽の大御所・シンガーソングライターのドリー・バートン(1946~)の27曲目のシングルで、そのカバーだったことは知らなかった しかし、本作ではホイットニーのお陰で暮らしている兄弟姉妹や父親が周りにいつも入れ替わり沢山存在 マサチューセッツ州ボストン出身のR&B歌手ボビー・ブラウン(1969~)と絶頂期の1992年に結婚してからいろいろな問題が… 観た後の感想だが、歌唱のシーンがやや少なく、インタビュー場面が多く、低予算のB級作品かという感じ 原題は単に"Whitney"
アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング ⇒人生は外見ではなく、心の持ち方で変わることを暗示し、全ての人々に希望を与えるかもしれないファンタジー・コメディ作品 ある意味ではやや平凡なテーマに陥りそうだが、米国ニューヨーク市出身の人気コメディエンヌであるエイミー・シューマー(1981~)がヒロインを熱演 原題は"I Feel Pretty"、あえて和訳すれば「可愛く感じること」か

22年目の記憶(韓) ⇒2014年韓国製の本作が実話に基づくものだとは、日本人の筆者としてはなかなか想像しにくい 最近中国の卓球界が仮想の日本女子選手を育成して、彼女らを練習台とするという話を聞いたことがあるが、それに似たことかも… 1972年7月4日に韓国パク・チョンヒ(朴正熙・1917~1979)大統領と北朝鮮のキム・イルソン(金日成・1992~1994)国家主席との間で、平和的な祖国統一を目指す南北共同声明が発表され、南北首脳会談の機運が高まった 韓国では大統領がそのためのリハーサルを行えるように、売れないが秘密厳守できる役者を探しキム・イルソンのコピーとして育成 選抜・育成法は超過激なもので、その部分が本作の核でもある 1972年の南北首脳会談は世界情勢が変わり行われなかったが、すべてが忘れ去られつつあった22年後の1994年に、キム・ヨンサム(金泳三・1927~2015)大統領の時に再び会談の機運が高まり、リハーサルが行われようとしていた 実際の会談はキム・イルソンが死去したため中止になった 原題は"My Dictator"=「私の独裁者」で、邦題の意味は分からなくはないがやや行き過ぎか
クリード 炎の宿敵 ⇒6作製造されたシルベスター・スタローン(1946~)脚本・主演の映画「ロッキー」シリーズ(1976~2006)のスピンオフ作品であった「クリード チャンプを継ぐ男」(2015)の続編 今回もスタローンが脚本を担当し、トレーナー・コーチ役で出演 相変わらずボクシングの試合シーンは迫力があるが、やや予定調和的な内容で物足りないかも 原題は"Creed II"=「クリードⅡ」
ヒューマン・フロー 大地漂流(独) ⇒中国北京生まれの現代美術家アイ・ウェイウェイ(1957~)が製作・監督したドキュメンタリー作品で、世界中で発生している難民の実情を緻密に追っている 世界の難民は6,500万人を超えており、本作ではギリシャ・レスポス島のシリア・イラク難民、バングラディシュのロヒンギャ難民、ドイツでの難民施設、米墨国境地帯での難民など、時間をかけ淡々と紹介されるので、かえって説得力がある アイは2008年の四川大地震で多数の児童が死亡した責任問題を追及したため、中国当局に弾圧・拘束されたことから現在はドイツに住む 原題は単に"Human Flow"で、あえて和訳すると「人間の流れ」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月 6日 (日)

1月1日~1月5日の週に観た劇場映画

1月1日(火曜)~1月5日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。新年早々は、隣国韓国との係わりを理解するのに役立つ2作品を拝見しました。

シシリアン・ゴースト・ストーリー(伊・仏・スイス) ⇒イタリア・シシリア(島)の美しい自然と少年少女の切ない愛が、台詞が少ない映像中心で描かれる 1993年にイタリアのシチリアで実際に起きた「ジュセッペ・ディ・マッテオ少年誘拐監禁事件」を基に、イタリア人作家マルコ・マンカッソーラ(1973~)が書いた短編を、やはりシチリア出身の2人の監督が映画化 作品中の最後のテロップにあるが、結局少年は殺害されて酸で溶かされたらしい 原題は"Sicilian Ghost Story"で、邦題どおりだが、あえて意訳すると「シシリア幽霊物語」か
ワイルド・ストーム ⇒タイトルから嵐と闘う人々を描く作品かと思ったら、ハリケーンを利用して米国FRB(連邦準備制度:中央銀行)の使用済みドル紙幣粉砕処理工場から現金6億ドル(約600億円)を強奪しようとする話であった 実在の施設かどうか分からないが、確か米国アラバマ州にあるとしている、使用済みドル紙幣をシュレッダーにかけて粉砕する工場を、ハッキング・潜入して強奪する強盗犯を描く 生き延びたFRB職員と気象学者らがあらゆる方法を駆使して戦う ハリケーンそのものやハリケーンの被害を表現するVFX映像は凄い 原題は"The Hurricane Heist"=「ハリケーン強盗」でこの方がずっと分かりやすい
共犯者たち(韓) ⇒本作と次の「スパイネーション 自白」(韓・2016)、これら2つの韓国ドキュメンタリー作品を観て、いかに筆者が韓国の社会・政治について無知だったかを思い知らされた 本作「共犯者たち」では、保守派のイ・ミョンバク(李明博・1941~)第17代大統領(任期:2008~2013)とパク・クネ(朴槿恵・1952~)第18代大統領(任期:2013~2017)が行った、約9年間にわたる言論弾圧・報道支配が描き出される 韓国全土をカバーする2大放送ネットワークがいずれも政府系の公営放送・MBC(設立:1961)と公共放送・KBS(設立:1973)だというのも驚き (株)MBC(韓国文化放送)は公益財団の放送文化振興会が7割の株式を所有し、KBC(韓国放送公社)は政府100%出資 イ・ミョンバク政権は2008年の発足直後にBSE問題で輸入禁止していた米国産牛肉を輸入再開したが、メディアの疑問報道などにより国民の支持を失いかけたことにより、MBCとKBSに政治介入・人事介入し言論弾圧 一連の弾圧で2012年にMBCを解雇されたチェ・スンホ記者らが調査報道を行うニュース打破を設立し、チェ本人が監督し本ドキュメンタリーを製作 日本の報道姿勢に対する警鐘にもなっている 昨年2017年政権交代しリベラル派・左派のムン・ジェイン(文在寅・1953~)が第19代大統領(任期:2017~5年間予定)が誕生したためか、チェ・スンホがMBCの社長に選任されている 原題は"Criminal Conspiracy"=「刑事陰謀」か
320_94スパイネーション 自白(韓) ⇒本ドキュメンタリー作品を観て、韓国では考え方の優先順位が『個人自分自身の成果・利益>家族の利益>属する団体・派閥の成果・利益>国益>正義』であるということがよく分かった 本作は前出の「共犯者たち」(韓・2017)と同様にニュース打破のチェ・スンホが監督し、妹の自白だけで韓国在住の脱北者をスパイとして起訴する国家情報院の欺瞞・証拠捏造を炙り出す 韓国の警察機関や検察機関いかに恣意的で、自分たちの成果を上げるためには平気で嘘をつき、自白強要し、仕舞いには証拠捏造・偽造するかを明らかにする 国家情報院は前身が韓国中央情報部(KCIA)であり、パク・チョンヒ(朴正熙・1917~1979)第5~9代大統領(任期:1963~1979)時代の1975年から拷問も含め手段を選ばずスパイ捏造を平気で行っていたようだ 本作では中国、タイや日本など外国でも取材を行い、中国・地方政府公文書の偽造問題などの裏付け取材を敢行 筆者が冒頭に示した優先式(不等式)をよく見れば「韓国海軍駆逐艦による日本哨戒機(海上自衛隊)へのロック・オン事件」などに対する、韓国政府・社会の反応の仕方がよく理解できると思う 原題は"Spy Nation"で邦題はそのままだが、意訳すると「スパイだらけの国」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月 1日 (火)

新年のご挨拶(2018年に鑑賞し、これはと感じた劇場映画作品)

己亥(つちのとい/きがい) とにかく世界平和を

よき新春をお迎えのことと存じます
本年もよろしくお願い申し上げます

昨年は、いろいろな分野で光と陰が交錯した一年でした
今年は、平成の終わり、相次ぐ自然災害への備え、統一地方選と参院選、消費税増税、米中の覇権争い、北朝鮮非核化問題、北方領土問題などなど目を離せないことが山積みです

昨年は407本の劇場映画作品を鑑賞しました これはと感じた作品12本を以下にご紹介いたします

スリー・ビルボード(英):一主婦が米国の田舎のぐうたら警察と闘う
今夜、ロマンス劇場で(日):映画への愛とオマージュにあふれる
しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(加・アイルランド):タイトルどおり

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(英):毒舌家の決断
トレイン・ミッション(米・英):限られた列車空間での次々のサスペンス
モーリーズ・ゲーム(米):天才的米国美女ゲーム場経営者の実話

ビューティフル・デイ(英):映像・音楽の切れ味抜群のフィルム・ノワール
万引き家族(日):ご存じのとおり、現代日本社会の断面を鋭く切り開く
カメラを止めるな!(日):ワン・カットとその種明かしの組合せが秀逸

1987、ある闘いの真実(韓):韓国民主化運動のきっかけとなった事実
チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(米・英):まるでシェイクスピア
ボヘミアン・ラプソディ(米):あたかも「クイーン」そのものが公演しているよう

皆様方にとって、輝かしい新年となるようお祈り申し上げます

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2018年12月 | トップページ | 2019年2月 »