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2019年5月の4件の記事

2019年5月26日 (日)

5月19日~5月25日の週に観た劇場映画

5月19日(日曜)~5月25日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。何度かゴルフをプレーしたため、話題がやや旧くなりました。

コレット(英・米) ⇒フランスの女流作家シドニー=ガブリエル・コレット(1873~1954)の伝記的作品 舞台はすべてフランスだが、英国と米国の共同製作なので台詞はすべて英語 コレットはフランスの田舎サン・ソヴールの出身だが結婚して1893年に花の都パリに出る 夫のゴースト・ライターになったり、パントマイムや踊り子をしたりしながら、フランス有数の女流作家になる 夫も同性愛だったが本人もそうで、19世紀末から20世紀中にかけて爛熟した仏芸術の旗手の一人で、ウーマン・リブの先駆けとも思われる ココ・シャネル(仏・1883~1971)やジャン・コクトー(仏・1889~1963)ととても親しく、またオードリー・ヘップバーン(英・1929~1993)を発掘したことでも知られる 原題も"Colette"で邦題どおり
魔睡 ⇒森鴎外(島根県津和野町出身・1862~1922)の同名原作短編小説(1909)を映画化 催眠術を使った性犯罪行為をテーマにした作品で、本作も成人指定 台詞・物言いやセットは大正時代を反映していると思われるが、男女の行為は昔も今も変わらないのか… 作品中に千葉県の小湊鉄道線の上総鶴舞(かずさつるまい)駅らしい「かづさつるまい」駅が登場するので、ロケは千葉県だったのではないか
コンフィデンスマンJP ⇒映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005)を始めとして、ヒットした数々の映画やTVドラマの脚本を担当した古沢良太(こさわりょうた・神奈川県厚木市出身・1973~) 彼のオリジナル同名TVドラマの映画化 長澤まさみ(静岡県磐田市出身・1987~)などの主要キャストはそのまま ストーリーは逆転に次ぐ逆転で、何が本筋が分からなくなるほど 舞台がかなりの部分香港なので、猛暑の中昨年7月29日から10日間香港ロケを敢行したようだ 日本では東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県などでロケ撮影した模様
320-20190605t230929863居眠り磐音 ⇒福岡県北九州市出身の小説家・佐伯泰英(1942~)の時代劇シリーズ「居眠り磐音」(全51巻・2002~2016)の映画化 佐伯時代劇小説の初映画化であり、松坂桃李(神奈川県茅ケ崎市出身・1988~)が時代劇初主演 18世紀後半の江戸と豊後関前藩(大分県杵築市がモデル)の場面から物語が始まる 封建社会における主従関係、男女関係、派閥・権力争いなどはこんなものかと感じた しかし、家のために女性が犠牲になり、最後は江戸吉原の太夫までに登り詰めるのはいかがなものか ロケ地は大分県杵築市、滋賀県彦根市、そして京都太秦の松竹撮影所など

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年5月19日 (日)

5月12日~5月18日の週に観た劇場映画

5月12日(日曜)~5月18日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。スーパーヒーロー・ファンタジー・アクション作品にいいものがありました。

ドント・ウォーリー ⇒米国オレゴン州生まれの風刺漫画家ジョン・キャラハン(1951~2010) 彼は8歳の時に女性教師から受けた性的虐待がきっかけで、12歳からアルコール乱用になり、さらに21歳の時に自動車事故で下半身麻痺となり電動車椅子生活 27歳の時に禁酒しアル中を脱却し風刺漫画家生活に入る 彼の自伝小説"Don't Worry, He Won't Get Far on Foot"=「心配無用、彼は徒歩では遠くに行けない」(1989・邦訳なし)をガス・ヴァン・サント監督(ケンタッキー州出身・1952~)が映画化 俳優ロビン・ウィリアムス(イリノイ州出身・1951~2014)が1994年にこの映画化権を獲得していたが、彼の死去で主演をホアキン・フェニックス(米国プエルトリコ出身・1974~)に代えて製作 ロケ地はキャラハンが後年実際に住んでいたオレゴン州ポートランド市とカリフォルニア州ロサンゼルス市など アマゾン作品で、原題はキャラハンの自伝小説と同じ
RBG 最強の85才 ⇒「ビリーブ 未来への大逆転」(2018・日本公開2019)で詳しく描かれた現米国最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg:RBG・1933~)に関するドキュメンタリー 彼女はニューヨーク市ブルックリン区の貧しいユダヤ人家庭に生まれたが、コーネル大、ハーバード大、そしてコロンビア大で苦学し、その後男女平等を確保するための裁判に取り組んだ 米国女性の権利保障・拡大は彼女によって達成されたと言ってもかまわない 娘のジェーン・ギンズバーグ(ニューヨーク州出身・1955~)のインタビュー中心に進行するが、民主党系の元大統領のジミー・カーター(ジョージア州出身・1924~)、ビル・クリントン(アーカンソー州出身・1946~)、そしてバラク・オバマ(ハワイ州出身・1961~)の3氏も登場 原題は単に"RBG" 女性で3文字で呼ばれる人物は珍しいらしい
320-20190524t233314566シャザム! ⇒DCコミックスの新しい形のヒーロー 終盤の場面には初代ヒーローのスーパーマンの影も 基本的には勧善懲悪のファンタジー・アクション作品だが、親子兄弟の断絶・母子家庭の問題・家族愛・養子里親家庭の課題などファミリーを扱う作品にもなっている 1974年の米国ニューヨーク州北部をドライブする70年代風大型セダンの疾走映像から始まり、舞台は現代のペンシルベニア州の州都フィラデルフィアに移る VFXの技術者は割と少なく100人規模 続編も匂わすような終わり方 原題は"Shazam!" この名は神話伝説の神々の名前から採っているという話もあるが、もう感動詞(感嘆詞)にもなっているというような指摘もある
僕に、会いたかった ⇒島根県立隠岐島後高校(隠岐・中ノ島・海士町)の有名な島留学制度を基軸に、隠岐・西ノ島・西ノ町の漁港で働く、海難事故で記憶喪失になった漁師の日常、そして彼らを取り巻く島民たちとの交流を描く 「たたら侍」(2017)など地元島根県の作品にこだわる錦織良成監督(出雲市出身・1962~)が製作(兼脚本) 「たたら侍」と同様に本作でもEXILE HIRO(五十嵐広行・広島県竹原市生れ横浜市出身・1969~)がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、彼が会長のLDHが配給 主役の漁師役はEXILE TAKAHIRO(田崎敬浩・山口県下関市生まれ長崎県佐世保市出身・1984~)が、その母親役を松坂慶子(東京都大田区出身・1952~)が、そして東京から島留学の女子高生役を山口まゆ(東京都出身・2000~)がそれぞれ演じる ロケ撮影は、2018年3月末から4月中にかけて西ノ町と海士町で行われた 西ノ島の景勝地・魔天崖・赤尾展望台・鬼舞展望所をカバーし、隠岐島前高校、浦郷漁協、あすか食堂(あすか軽食喫茶)なども使われた
轢き逃げ 最高で最悪の日 ⇒水谷豊(北海道芦別市出身・1952~)が監督製作した2本目の長編映画作品 脚本も彼の完全オリジナルとのこと 企業内での派閥争い、嫉妬する同僚の駆引き、娘を亡くした父親の必死の捜査などいろいろ工夫されている しかし、やや必然性が感じにくいプロットもあるような感じが… ラスト・シーンが手紙なのはやはり泣かせる 舞台の街は神倉市となっているが、ロケ撮影はほとんど神戸市で行われた模様 北野エリア、元町、南京町、三宮、神戸大学、小磯記念美術館、アジュール舞子、ポートアイランドなどが使われたようだ 轢き逃げ事件現場の「喫茶スマイル」前の坂は東灘区住吉山手9丁目あたりの坂らしいが、喫茶店そのものは合成のようだ

ある少年の告白 ⇒米国人作家ガラード・コンリー(アーカンソー州出身)の原作小説"Boy Erased: A Memoir"=「消された少年:回想録」(2016)の映画化 牧師の息子で同性愛の少年は、両親によって州認可の矯正施設に入所させられる そこでは非人間的でかなりひどい扱いを受ける 米国では未だ30数州でこの種の矯正施設が認可されているそうだ キリスト教は同性愛に厳しいが、神道や仏教はそれほどでもないのでは… 原題はやはり"Boy Erased"=「消された少年」
320-20190524t233439891アベンジャーズ エンドゲーム ⇒こちらはマーベル・コミックのヒーローたちが集結した「アベンジャーズ」シリーズ3作品(2012・2015・2018)に続く実写版第4作で、完結編 サノスとの闘いにより半数のスーパーヒーローたちを失ったアベンジャーズは、タイム・トラベルを利用して全員を復活させようとする 3時間の長尺だが、全てのヒーローたちが登場する超大型アクション編なため、余り厭きることはない 結局アイアン・マンとブラック・ウィドウ(ナターシャ)は死に、キャプテン・アメリカは老人となる しかし、しっかり近日公開の「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」につないでいる 3時間のVFXを製作するためには1,500人くらいの技術者が必要だったようだ 原題も"Avengers: Endgame"
幸福なラザロ(伊) ⇒20世紀末になってもイタリアの片田舎で違法に搾取される労働者たち その中で貧しくても、お人好しで幸せなラザロ 農場主の悪事が発覚しても、どこまでも真っすぐで、そのままで幸せなラザロ まるで現代のイエス・キリスト 最後は中上流の普通の人々に理解されなかったか… 原題は"Lazzaro felice"="Lazarus happy"で邦題どおりか
320-20190524t233513298僕たちは希望という名の列車に乗った(独) ⇒ドイツ人のディートリッヒ・ガルストカ(1939~2018)が自身の実体験を書いたノンフィクション小説「沈黙する教室 1956年東ドイツ 自由のために国境を越えた高校生たちの真実の物語」(独語原題"Das schweigende Klassenzimmer: eine wahre Geschichte über Mut, Zusammenhalt und den Kalten Krieg"="The silent classroom: a true story of courage, cohesion and the Cold War"=「沈黙する教室:勇気と結束、そして冷戦に関する実話」2006・邦訳2019) 「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」(独語原題:"Der Staat gegen Fritz Bauer"="The state against Fritz Bauer"=「国家対フリッツ・バウアー」2015・日本公開2017)のラース・クラウメ監督(伊生まれ独在住・1973~)が製作(兼脚本) 第二次世界大戦(1939~1945)後の米ソ冷戦・東西冷戦時の隠れた実話がまだまだありそうだ 1956年10月のハンガリー動乱の犠牲者に対し2分間の黙とうを捧げたため、東独政府を敵に回した進学高校のクラスを描く 社会主義政府が高校生たちに対して、彼らの親たちも巻き込んだ、いかにも陰湿で独善的で欺瞞に満ちた扱い・処分を行ったかが描かれる 舞台は当時東独のスターリンシュタットで、ポーランドとの国境の街 現在はアイゼンヒュッテンシュタットと改名されている 原作小説の舞台は実は別の街シュトルコー 1956年末には4人以外のクラスの級友全員がベルリン経由で西独に脱出し、そこで高校卒業資格取得試験を受けた この時はまだ東西ベルリンを隔てる壁は建設されていなかったそうだ 本作製作にもアマゾンが参加しているようだ 原題は単に"Das schweigende Klassenzimmer"(独)="The silent classroom"=「沈黙する教室」で、邦題はかなりな意訳
あの日々の話 ⇒劇団「玉田企画」が2016年と2018年に公演した同名舞台劇を、主宰する玉田真也監督(兼原案・脚本、石川県出身・1986~)が映画化 舞台劇らしく基本的にカラオケ・ボックスの部屋だけでのストーリー展開で、台詞と仕草・表情で全体を盛り上げる 大学生のサークルの二次会で起こりそうな期待とハプニングを描く ほぼすべてカラオケ・ボックスの部屋のセットで撮影した模様 終映後のトークショーに本作の玉田監督と現在大ヒットしている「愛がなんだ」(2018)の今泉力哉監督(兼脚本、福島県出身・1981~)が登場 舞台と映画の違いなどが話された後、今泉監督の第9作目の「愛がなんだ」の話に 筆者はこの作品と今泉監督のイメージの違いにやや驚く 福島県人的な感じもする 彼は9月公開の、伊坂幸太郎(千葉県出身・1971~)の原作小説(2014)を映画化した作品「アイネクライネナハトムジーク」をしきりに宣伝

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年5月12日 (日)

5月5日~5月11日の週に観た劇場映画

5月5日(日曜)~5月11日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。インディーズ・自主制作的なB級作品が多かったが、いずれも結構面白いと思いました。

リアム16歳、はじめての学校(加) ⇒母子家庭で、母親から自宅で英才教育を受けていた16歳の息子が、一目惚れから公立高校に通学することになったことから始まるすれ違い、愛憎などを描く 原題は"Adventures in Public School"=「公立学校での冒険」
キュクロプス ⇒「シン・ゴジラ」(2016)で助監督を務めた大庭功睦(おおばのりちか・福岡県出身・1978~)が自主制作(兼監督・脚本)した作品 フィルム・ノワール的な作品で、キュクロプスとはフランスの画家オディロン・ルドン(1840~1916)が描いた、神話に登場する一つ目の巨人 大庭監督の貯金全額450万円に加えて両親から借金をして総額650万円の低予算で製作したとは思えないレベル 充分にリアリティがあり、警察とヤクザの関係もかくありなんと思わせるほど 撮影は2017年3月10日から10日間で千葉県木更津市、館山市などで短期集中的に行われたようだ
主戦論 ⇒米国フロリダ州出身の日系米国人ミキ・デザキ(1983~)が製作した韓国人慰安婦に関する論争を扱ったドキュメンタリー 日本での英語教育の経験もあるデザキ氏がクラウドファンディングで資金調達をし、監督・脚本・撮影・編集・ナレーションを担当した完全自主制作 したがって、一方の主張だけに与せずに両論をなるべく公平に扱おうとしており、両陣営から多くの論客が登場 彼女らが慰安婦(コムフォート・レディ)なのか姓奴隷(セックス・スレーヴ)なのかが最大の論点だと感じた 米軍のヒアリング資料も含めて現存する資料では姓奴隷であったという証拠はないが、韓国の慰安婦支援団体はそうだと主張する慰安婦がいる限り事実を認めろと議論 筆者にとっての新しい事実としては、韓国の慰安婦支援団体は、ベトナム戦争(1955~1975)時に韓国兵がベトナム女性を凌辱し落し子が多く生まれた問題についても像を造って支援していること しかし、問題を起こした韓国軍や韓国政府に対して謝罪や補償を求めている訳ではなさそう 原題は"Shusenjo: The Main Battleground of the Comfort Women Issue"=「主戦場:慰安婦問題の主戦場」か
320-20190514t141248124オーヴァーロード ⇒前半は戦争映画、後半はホラー映画という、余り観たことのない不思議なミックスの作品 「スター・トレック」や「スター・ウォーズ」シリーズの製作・監督・脚本まで務めるほどになった大物プロデューサー・J・J・エイブラムス(米国ニューヨーク市出身・1966~)が製作陣のトップ 原案・脚本は「ハンガー・ゲーム」(2012)の脚本を担当したビリー・レイ(米国テネシー州出身・1971~) 第二次世界大戦(1939~1945)欧州戦線で、連合国側がノルマンディ上陸作戦(1944)を実行する時の話 連合国側の空爆支援を妨害する電波を出す枢軸国ドイツ側のアンテナが、フランスの海岸近くの村で教会の塔に設置されている この塔を爆破するミッションを与えられた連合国米国の空挺部隊が、激しい高射砲の砲火を浴びて墜落しそうな航空機機体から降下するところからすべてが始まるが、かなりリアル 以降地上の潜入戦・スパイ戦・ゲリラ戦になるが、フランスの村人との交流、ドイツ軍将校の振舞い、ドイツ軍の地下秘密研究所等々と話がだんだんホラー化 フランス娘の叔母が自宅2階の部屋で怪物として突如登場する場面は怖かった B級作品に分類されるとは思われるが、一見の価値あり 原題は"Overlord"=「絶対君主、最高君主」か("Overload"=「過負荷、過積載」ではない)
ザ・フォーリナー 復讐者(英・中・米) ⇒英国のスパイ・アクション小説家スティーヴン・レザー(1956~)の原作小説「チャイナマン」(1992・邦訳1996)の映画化 「007 ゴールデンアイ」(1995)と「007 カジノ・ロワイヤル」(2006)のマーティン・キャンベル(ニュージーランド出身・1943~)が監督し、ジャッキー・チェン(香港出身・1954~)とピアース・ブロスナン(アイルランド出身・1953~)が主演 「007 ゴールデンアイ」ではブロスナンは初ジェームズ・ボンド役でキャンベルとタッグを組んだ 元米国特殊部隊員(チェン)、元IRA(アイルランド共和軍)活動家のアイルランド政治家(ブロスナン)、そしてIRA過激派の3者が入り乱れたアクションが描かれる IRAのテロ活動がまだ盛んだった頃が舞台なのでやや旧い感じがするし、チェンがカンフーを封印したアクションに特化したのはいかがなものか ロケ撮影は英国ロンドンとその北方50kmにあるルートンで行われた模様 原題は"The Foreigner"=「外国人」

初恋 お父さん、チビがいなくなりました ⇒鹿児島県指宿市出身の漫画家・西炯子(にしけいこ)の連載コミック「お父さん、チビがいなくなりました」(2013~2015)の実写映画化 老年夫婦の日常生活の課題について、「マエストロ!」(2015)の小林聖太郎(しょうたろう)監督(大阪市出身・1971~)が本作を製作 倍賞千恵子(東京都豊島区出身・1941~)、藤竜也(中国北京市生まれ・1941~)、そして星由里子(東京都千代田区出身・1943~2018)というベテラン俳優陣が起用された 退職後の亭主がこんな感じでは、妻から離婚を求められても仕方がないような気がしながら観た 黒猫チビが結構重要な役割を果たすが、この猫はとてもよく訓練されていると思った 星は昨年5月に亡くなったので、これが遺作とのこと 昨年2018年2月から3月にかけて撮影され、ロケ首都圏の東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県 老夫妻が暮らす家は東京都昭島市にある一軒家らしい
320-20190514t141305104ラ・ヨローナ 泣く女 ⇒悪霊物にはある程度免疫があり、灯り・音楽・場面転換などの観客を怖がらせるテクニックについてはよく理解しているつもりの筆者でも、本作は充分に怖かった 1963年にメキシコで起きた悲劇から発生した悪霊が、1973年の米国ロサンゼルス市に現れ、人々を恐怖に陥れる 1973年の設定なので携帯電話はもちろんないし、人々は巨大なステーション・ワゴンを運転しており、また今は誰もはかないラッパ・ズボンをはいている ただハッピー・エンドなのは救い 視覚効果を得意とする米国人マイケル・チャベスが監督し、ホラー作品を得意とするジェームズ・ワン監督(マレーシア出身・豪州在住・1977~)と米国人脚本家のゲイリー・ダウベルマンが製作陣に加わっている ワン監督は「ソウ」シリーズや「死霊館」シリーズを監督又は製作しており、ダウベルマンは「IT イット ”それ”が見えたら、終わり」(2017)の脚本を担当 原題は"The Curse of La Llorona"=「ラ・ヨローナの呪い」

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2019年5月 5日 (日)

4月28日~5月4日の週に観た劇場映画

4月28日(日曜)~5月4日(土曜)の週は、5本の劇場映画を観ました。10連休中は映画館がとても混雑していて、鑑賞数が限られました。

イメージの本(スイス・仏) ⇒フランス・ヌーベル・ヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダール(パリ出身・1930~)の最新作 新たに撮影した映像に、様々な絵画、映画、文章、音楽を巧みにコラージュし、現代の暴力、戦争、不和などに満ちた世界に対する“怒り”をのせて、この世界が向かおうとする未来を指し示すものらしい 斬新な色彩による映像には驚かされるが、やはり筆者にはよく分からない 原題は"Le livre d'image"(仏)="The image book"で、邦題どおりか
320a僕たちのラストステージ(英・加・米) ⇒恥ずかしながら喜劇役者コンビ・ローレル&ハーディのことはよく知らなかった スタン・ローレル(英国出身・1890~1965)とオリヴァー・ハーディ(米国ジョージア州出身・1892~1957)のコンビで、映画がサイレントからトーキーに変化する時代に活躍 漫才コンビのような2人は日本でも「極楽コンビ」として親しまれたようだ 本作では、2人の人気が頂点にあった1937年に物語が始まり、映画製作者と決別した後落ち目になり、1953年に復活をかけた英国ツアーを企画 ニューカッスル、グラスゴーなど場末からスタートしたが、ついにはロンドンのライセウム劇場で2,000人の観客の前で公演 ロンドンでは劇場近くの最高級のサヴォイ・ホテルに泊まり、それぞれの夫人を米国から呼び寄せることができたが… ジョン・S・ベアード監督(英国スコットランド出身・1972~)がオリジナルの映像もふんだんに使用し、実物そっくりに扮した2人に巧みに演じさせる ロケ地はロンドンを中心に、すべて英国内だった模様 特に気が付いたのは、当時の背広のカラー(襟)が今のものと比べてとても幅広く、2倍くらいあることか 原題は"Stan & Ollie"=「スタンとオリー」
麻雀放浪記2020 ⇒戦前東京府東京市生まれの小説家・雀士・阿佐田哲也(本名:色川武大・1929~1989)の原作小説「麻雀放浪記」(青春編1969・風雲編1970・激闘編1971・番外編1972)を映画化 2度目の映画化であり、1作目は青春編を基に1984年に製作された「麻雀放浪記」 イラストレーターの和田誠(大阪市出身・1936~)が監督(兼脚本)し、真田広之(東京都品川区出身・1960~)が主演 今回の2作目は、何と終戦直後1945年の東京の焼け跡から2020年オリンピック中止の東京にタイム・スリップするという大きなトリックを加えて製作 「孤狼の血」(2018)の白石和彌(北海道旭川市出身・1974~)が監督し、斎藤工(たくみ・東京都港区出身・1981~)が主演・熱演 2020年には国民全員がマイ・ナンバーで管理されており、メガネ型スマホで顔を観るといかなる人物であるか分かるという監視社会 出演者の1人であるピエール瀧(静岡市出身・1967~)が今年2019年3月にコカイン使用容疑で逮捕されたが、筆者の観る限り端役だったためか東映は予定どおり公開強行 撮影は東映東京撮影所(練馬区)で主に行われたと想像されるが、台東区などでのロケ撮影もあった模様
バースデー・ワンダーランド ⇒岩手県出身の児童文学作家・柏葉幸子(かしわばさちこ・1953~)の原作児童小説「地下室からのふしぎな旅」(1981)のアニメ映画化 柏葉の本業は薬剤師らしい ワーナー・ブラザーズも製作に係わっており、とにかくお花畑のシーンがカラフルで美しい 筆者はやはりアニメは苦手
320-20190507t135313151愛がなんだ ⇒この歳になって久々に男女の恋愛について考えさせられた ここには同性愛は登場しない 恋愛とは何と感情的なものか 恋愛とは何と一方的なものか 恋愛とは何と揺れ動くものか 恋愛とは何とコントロールできないものか 恋愛とは何と一人相撲なのか いろいろな思いがあふれてきた 共感する30歳前後の若者が多いのか連日劇場は満員 特に女性観客が多く目立つ また若いカップルも結構いた 原作は、最近その作品がよく映画化されている直木賞作家角田光代(横浜市出身・1967~)の同名原作小説(2003) 一応描かれているのは、一方的に男に恋する女と逆に一方的に女に恋する男 そして女同士は幼馴染み 主人公の身長148.5cmの岸井ゆきの(神奈川県出身・1992~)と185cmの成田凌(埼玉県出身・1993~)のバランスの悪さも結構イケてるのかもしれない 本作に触発されたかもしれないが、「美人が婚活してみたら」(2019)にも観客が回っているよう ロケ地は東京都を主体に山梨県と千葉県だったようだ 東京都各地、千代田区・港区・世田谷区・練馬区・板橋区・渋谷区・国立市などで撮影されたらしいが、特に世田谷区豪徳寺の商店街が重要な場所として使われている

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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