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2019年5月12日 (日)

5月5日~5月11日の週に観た劇場映画

5月5日(日曜)~5月11日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。インディーズ・自主制作的なB級作品が多かったが、いずれも結構面白いと思いました。

リアム16歳、はじめての学校(加) ⇒母子家庭で、母親から自宅で英才教育を受けていた16歳の息子が、一目惚れから公立高校に通学することになったことから始まるすれ違い、愛憎などを描く 原題は"Adventures in Public School"=「公立学校での冒険」
キュクロプス ⇒「シン・ゴジラ」(2016)で助監督を務めた大庭功睦(おおばのりちか・福岡県出身・1978~)が自主制作(兼監督・脚本)した作品 フィルム・ノワール的な作品で、キュクロプスとはフランスの画家オディロン・ルドン(1840~1916)が描いた、神話に登場する一つ目の巨人 大庭監督の貯金全額450万円に加えて両親から借金をして総額650万円の低予算で製作したとは思えないレベル 充分にリアリティがあり、警察とヤクザの関係もかくありなんと思わせるほど 撮影は2017年3月10日から10日間で千葉県木更津市、館山市などで短期集中的に行われたようだ
主戦論 ⇒米国フロリダ州出身の日系米国人ミキ・デザキ(1983~)が製作した韓国人慰安婦に関する論争を扱ったドキュメンタリー 日本での英語教育の経験もあるデザキ氏がクラウドファンディングで資金調達をし、監督・脚本・撮影・編集・ナレーションを担当した完全自主制作 したがって、一方の主張だけに与せずに両論をなるべく公平に扱おうとしており、両陣営から多くの論客が登場 彼女らが慰安婦(コムフォート・レディ)なのか姓奴隷(セックス・スレーヴ)なのかが最大の論点だと感じた 米軍のヒアリング資料も含めて現存する資料では姓奴隷であったという証拠はないが、韓国の慰安婦支援団体はそうだと主張する慰安婦がいる限り事実を認めろと議論 筆者にとっての新しい事実としては、韓国の慰安婦支援団体は、ベトナム戦争(1955~1975)時に韓国兵がベトナム女性を凌辱し落し子が多く生まれた問題についても像を造って支援していること しかし、問題を起こした韓国軍や韓国政府に対して謝罪や補償を求めている訳ではなさそう 原題は"Shusenjo: The Main Battleground of the Comfort Women Issue"=「主戦場:慰安婦問題の主戦場」か
320-20190514t141248124オーヴァーロード ⇒前半は戦争映画、後半はホラー映画という、余り観たことのない不思議なミックスの作品 「スター・トレック」や「スター・ウォーズ」シリーズの製作・監督・脚本まで務めるほどになった大物プロデューサー・J・J・エイブラムス(米国ニューヨーク市出身・1966~)が製作陣のトップ 原案・脚本は「ハンガー・ゲーム」(2012)の脚本を担当したビリー・レイ(米国テネシー州出身・1971~) 第二次世界大戦(1939~1945)欧州戦線で、連合国側がノルマンディ上陸作戦(1944)を実行する時の話 連合国側の空爆支援を妨害する電波を出す枢軸国ドイツ側のアンテナが、フランスの海岸近くの村で教会の塔に設置されている この塔を爆破するミッションを与えられた連合国米国の空挺部隊が、激しい高射砲の砲火を浴びて墜落しそうな航空機機体から降下するところからすべてが始まるが、かなりリアル 以降地上の潜入戦・スパイ戦・ゲリラ戦になるが、フランスの村人との交流、ドイツ軍将校の振舞い、ドイツ軍の地下秘密研究所等々と話がだんだんホラー化 フランス娘の叔母が自宅2階の部屋で怪物として突如登場する場面は怖かった B級作品に分類されるとは思われるが、一見の価値あり 原題は"Overlord"=「絶対君主、最高君主」か("Overload"=「過負荷、過積載」ではない)
ザ・フォーリナー 復讐者(英・中・米) ⇒英国のスパイ・アクション小説家スティーヴン・レザー(1956~)の原作小説「チャイナマン」(1992・邦訳1996)の映画化 「007 ゴールデンアイ」(1995)と「007 カジノ・ロワイヤル」(2006)のマーティン・キャンベル(ニュージーランド出身・1943~)が監督し、ジャッキー・チェン(香港出身・1954~)とピアース・ブロスナン(アイルランド出身・1953~)が主演 「007 ゴールデンアイ」ではブロスナンは初ジェームズ・ボンド役でキャンベルとタッグを組んだ 元米国特殊部隊員(チェン)、元IRA(アイルランド共和軍)活動家のアイルランド政治家(ブロスナン)、そしてIRA過激派の3者が入り乱れたアクションが描かれる IRAのテロ活動がまだ盛んだった頃が舞台なのでやや旧い感じがするし、チェンがカンフーを封印したアクションに特化したのはいかがなものか ロケ撮影は英国ロンドンとその北方50kmにあるルートンで行われた模様 原題は"The Foreigner"=「外国人」

初恋 お父さん、チビがいなくなりました ⇒鹿児島県指宿市出身の漫画家・西炯子(にしけいこ)の連載コミック「お父さん、チビがいなくなりました」(2013~2015)の実写映画化 老年夫婦の日常生活の課題について、「マエストロ!」(2015)の小林聖太郎(しょうたろう)監督(大阪市出身・1971~)が本作を製作 倍賞千恵子(東京都豊島区出身・1941~)、藤竜也(中国北京市生まれ・1941~)、そして星由里子(東京都千代田区出身・1943~2018)というベテラン俳優陣が起用された 退職後の亭主がこんな感じでは、妻から離婚を求められても仕方がないような気がしながら観た 黒猫チビが結構重要な役割を果たすが、この猫はとてもよく訓練されていると思った 星は昨年5月に亡くなったので、これが遺作とのこと 昨年2018年2月から3月にかけて撮影され、ロケ首都圏の東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県 老夫妻が暮らす家は東京都昭島市にある一軒家らしい
320-20190514t141305104ラ・ヨローナ 泣く女 ⇒悪霊物にはある程度免疫があり、灯り・音楽・場面転換などの観客を怖がらせるテクニックについてはよく理解しているつもりの筆者でも、本作は充分に怖かった 1963年にメキシコで起きた悲劇から発生した悪霊が、1973年の米国ロサンゼルス市に現れ、人々を恐怖に陥れる 1973年の設定なので携帯電話はもちろんないし、人々は巨大なステーション・ワゴンを運転しており、また今は誰もはかないラッパ・ズボンをはいている ただハッピー・エンドなのは救い 視覚効果を得意とする米国人マイケル・チャベスが監督し、ホラー作品を得意とするジェームズ・ワン監督(マレーシア出身・豪州在住・1977~)と米国人脚本家のゲイリー・ダウベルマンが製作陣に加わっている ワン監督は「ソウ」シリーズや「死霊館」シリーズを監督又は製作しており、ダウベルマンは「IT イット ”それ”が見えたら、終わり」(2017)の脚本を担当 原題は"The Curse of La Llorona"=「ラ・ヨローナの呪い」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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