7月7日~7月13日の週に観た劇場映画
7月7日(日曜)~7月13日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。リアリティのある作品が筆者の心に響きます。
・いちごの唄 ⇒人気脚本家の岡田惠和(よしかず・東京都三鷹市出身・1959~)がシンガーソングライターで「銀杏BOYS」のメンバーの峯田和伸(山形県出身・1977~)の楽曲を基に書き上げた同名原作(2018)・脚本を映画化 児童養護施設「いちご園」出身の女の子を巡っての中学生時代そして10年後の青春時代の淡い恋を描く ダブル主演はいずれも二世タレントで、フリー・アナウンサーの古舘伊知郎(東京都北区出身・1954~)の息子の古舘佑太郎(世田谷区出身・1991~)と俳優石橋凌(福岡県久留米市出身・1956~)と原田美枝子(東京都豊島区出身・1958~)の次女の石橋静河(東京都出身・1994~) ロケ撮影は昨年(2018年)秋に群馬県沼田市、東京都大田区・杉並区・中野区などで行われた模様
・神と共に 第二章:因と縁(韓) ⇒韓国のWebコミックを実写映画化した2部作の後編 「神と共に 第一章:罪と罰」(韓・2018)の続編 物語の筋は第一章と基本的に同じだが、「新感染 ファイナル・エクスプレス」(韓・2016)で日本でも有名になったマ・ドンソク(ソウル出身・米国在住・1971~)が新たに参戦 冥界の使者たちの因縁が明らかになる
・Diner ダイナー ⇒ホラー小説家・平山夢明(ゆめあき・神奈川県川崎市出身・1961~)の同名原作小説(2009)を蜷川実花(東京都東久留米市出身・1972~)監督、藤原竜也(埼玉県秩父市出身・1982~)主演で映画化 さすがの舞台劇・劇中劇のような展開で、アクション・ファンタジーも満載 他の殺し屋キャスト、また美術・衣装・料理・音楽などのスタッフも一流どころを揃えている 特に食堂の装飾美術を大御所・横尾忠則(兵庫県西脇市出身・1936~)が担当しているのは特筆される 撮影の大部分は世田谷区にある東宝スタジオ内のセットで行われたようだが、ロケ撮影も茨城県境町にあるさしま環境センター(ごみ処理場跡地で「ファブル」(2019)のロケにも使われた)やメキシコのグアナファト(メキシコ1美しい街)で行われた模様
・スパイダーマン ファー・フロム・ホーム ⇒「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019)の続編と位置付けられているようだ ただし、いずれもマーベルの製作だが、配給は前回のディズニーから今回はソニーに交替 舞台はニューヨーク市、メキシコ・イステンコ、プラハ、ベルリン、ロンドンと移り、最後はホーム・グラウンドのニューヨーク市に戻る ファンタジー・アクション・シーンはロンドンが舞台のものが主体 筆者には何のリアリティも感じさせないが、最後に展開されたファンタジー・アクション・シーンがすべてイルージョンでありフェイクであるようなこと(そもそもそうなのだが…)を暗示するのはどういう意味だろうか マーベル・コミックの原作はスタン・リー(ニューヨーク市出身・1922~2018)が担当していたようだ
▼アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場(フィンランド) ⇒原題は"Tuntematon sotilas"(フィンランド)="Unknown Soldiers"=「無名戦士」 フィンランドの著名な小説家ヴァイニョ・リンナ(1920~1992)の同名原作小説(1954)の映画化 自身の戦争体験を基に書いたもので、1955年と1985年に続いて3度目の映画化らしい 1939~1940年の冬戦争でソ連に奪われたカレリア地方を奪還すべく、第二次世界大戦(1939~1945)中にドイツと同盟を組んで、1941年ドイツ軍のソ連侵攻に合わせてフィンランド軍もカレリア地方に進出し継続戦争(フィンランドは冬戦争の継続と称した)を開始 本作はこの継続戦争をテーマとしている フィンランド軍は1941年秋にはソ連領内に進攻しカレリア地方の中心都市ペトロザボーツクを占領 しかし、1944年にはソ連軍のカレリア攻勢が始まり、9月には休戦となりフィンランドのカレリア地方奪還は失敗に終わる 当時使用された各種機関銃や戦車などもリアルに登場し、超大量の爆薬が使用されたため、まるでドキュメンタリーのような映像になっている フィンランドでは過去最高の観客動員数を記録したようだ
・こはく ⇒長崎県佐世保市出身の横尾初喜(はつき・1979~)監督が、自身の半生を参考にオリジナル企画で製作 故郷・佐世保市を舞台に、父親不在で育った兄弟がある日突然父親捜しを始め、隠されていたいろいろな事実・真実に出会い、クライマックスに 主人公の弟に井浦新(あらた・東京都日野市出身・1974~)、兄に大橋彰(埼玉県秩父市出身・1974~)そして弟の妻に遠藤久美子(東京都葛飾区出身・1978~)をそれぞれ配役 大橋はお盆で局部を隠す裸芸で知られている芸人のアキラ100%であり、遠藤は横尾監督の実の妻 地元で家業のガラス工房を継いだ、自立した弟と、東京で芸能界入りを目指したが出戻った、虚言癖のある兄 この2人の協力・対立・すれ違いなどの絡みが本作の見所 ロケ撮影は昨年(2018年)3月末~4月上旬に6~7割を佐世保市で、その他長崎市、大村市などで行われた模様 タイトルの「こはく」は琥珀色(アンバー)をイメージしており、アンバー色調の映像画面を大事にしているようだ
▼ゴールデン・リバー(米・仏・ルーマニア・西) ⇒原題は"The Sisters Brothers"=「シスター兄弟」 カナダの小説家パトリック・デウイット(コロンビア州シドニー出身・米国オレゴン州ポートランド在住・197~)の同名原作小説(2011・邦訳「シスターズ・ブラザーズ」2013)の映画化 主演のジョン・C・ライリー(イリノイ州シカゴ出身・1965~)が原作に惚れ込み2011年の発刊直後に映画化権を取得 第68回カンヌ国際映画祭(2015)パルムドールを受賞した「ディーパンの闘い」(2015)を製作した、フランス人のジャック・オーディアール(パリ出身・1952~)が監督(兼脚本)し、ルーマニアとスペインでロケ撮影されたため4ヶ国の共同製作の米国西部劇となっている 舞台はカリフォルニアのフォルサム・レイクそしてアメリカン川(現カリフォルニア州サクラメント郊外)で金が発見されて3年目・1851年の米国西海岸 当時最高の殺し屋シスターズ兄弟が富豪商人の命で、私立探偵の情報を基に、盗まれたと称する、金を探す化学式を持ち去った化学者を追う 5月にオレゴン準州のオレゴン・シティを馬で出発し、マートル・クリーク、ウルフ・クリーク、ジャクソン・ビルを通過し、ついにサン・フランシスコに到着 馬による一種のロード・ムービーでもある 兄をジョン・C・ライリー、弟をホアキン・フェニックス(プエルトリコ出身・1974~)、探偵をジェイク・ギレンホール(ロサンゼルス出身・1980~)そして化学者をリズ・アーメッド(英国ウェンブリー出身・1982~)と、それぞれ名優たちが演じる 殺し屋の姓がシスターズ(姉妹)とか、弟がアル中とか、科学者は民主主義の地建設を目指しているとか、従来の西部劇にはないやや崩れたストーリーが… 歯ブラシと歯磨き粉が小道具として登場し笑いを誘うが、米国ではこの頃現在のものに近い歯ブラシが発明されたようだ
・ニューヨーク 最高の訳あり物件(独) ⇒ニューヨーク市マンハッタンを舞台にしたドイツ映画(オール・マンハッタン・ロケ) 「ハンナ・アーレント」のマルガレーテ・フォン・トロッタ(ドイツ・ベルリン出身・1942~)が製作 資産家ニックの所有する高級マンションで暮らす女性デザイナー(愛人)のところに、ドイツから前妻(未離婚)が現れて、ギクシャクした共同生活を始めるというコメディ・ドラマ 原題は"Forget About Nick"=「さようなら、ニック」又は「ニックのことは忘れて」で、邦題はかなりの意訳
(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品
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