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2019年10月の4件の記事

2019年10月27日 (日)

10月20日~10月26日の週に観た劇場映画

10月20日(日曜)~10月26日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。ずいぶん風変わりな作品が多かったような気がします。

イエスタデイ(英) ⇒ビートルズが大好きな監督と脚本家が考え出した作品らしい 設定は面白いが、現実味が余り感じられないのが少し難点か ファンタジーとして観れば、ビートルズの楽曲が心地いいが、緊張が続かない 監督は「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)や「トレイン・スポッティング」(1996)のダニー・ボイル(英・1956~) 脚本は「戦火の馬」(2011)や「ノッティング・ヒルの恋人」(1999)のリチャード・カーティス(ニュージーランド出身・英国国籍・1956~)が担当 原題も"Yesterday"
e1c10b0cc9e0d9bb楽園 ⇒「悪人」(2007)「さよなら渓谷」(2008)「横道世之介」(2009)「怒り」(2014)など映画化された作品が多い人気小説家・吉田修一(長崎市出身・1968~)の短編集「犯罪小説集」(2016)が原作 それを読んだ瀬々敬久(せぜたかひさ・大分県豊後高田市出身・1960~)監督が、そのうちの2編を基に映画化 「64 ロクヨン」(2016)や「菊とギロチン」(2018)のように丁寧な映像製作 長野県山間部の限界集落を舞台にして、田舎の旧態依然とした人間関係の中で発生した複数の事件について、その謎と顛末を描く 「罪」「罰」「人」の3章構成になっており、時間軸は飛びながらも観客の目を引き付け続けるのは流石 ただし、もうこんな田舎は残っていないのではないかと思う ロケ撮影は昨年(2018年)9~10月に、長野県飯山市を中心に、長野市、松本市、駒ケ根市など各地で行われた模様
スペシャルアクターズ ⇒「カメラを止めるな!」(2017・2018)で興行収入31億円以上という大ヒットを飛ばした上田慎一郎監督(京都府生まれ・滋賀県長浜市出身・1984~)の満を持した長編第2作目 松竹ブロードキャスティングの企画で製作がスタートしたが、前作大ヒット後は超多忙でスランプに陥り大変だったようだ しかし、1,500人超のオーディション応募者から15人を選択し、スタッフ・キャスト総出でアイデアを絞り出したようだ クランク・インの2ヶ月前に脚本すべてを書き直したとのこと 今年(2019年)5月14日にクランク・インし、撮影期間はわずか19日間で、6月1日にクランク・アップ ロケ地は東京都や神奈川県の某所か やはりノー・カット撮影が多い ただし、最初から仕掛けがあると思って観ているから、ドンデン返しが続いても、申し訳ないが、やや物足りない感じがする それから効果音がやや耳に付いた
ガリーボーイ(印) ⇒インドのヒップホップ界も熱気を帯びているようだ 本作は、ムンバイ(ボンベイ)のスラムで育った青年がラッパーとしてのし上がる様を描く 幼馴染みで医者の娘との不釣り合いな恋愛も登場するが、この娘が異常にヤキモチ焼き 女性ミュージシャンや先輩ラッパーとの出会いを経て、コンテストに挑むところがクライマックス 原題も"Gully Boy"だが、直訳すると「溝の少年」か
ab93e77f0850c13fボーダー 二つの世界(スウェーデン・デンマーク) ⇒嗅覚が驚異的に鋭く、悪事についても検知できる、スウェーデンの港に勤務する入国・税関審査官 そこに同類らしき人間が現れ、より野生的・動物的な風貌、男女の性徴や食物の違い、尻尾があったのではないかという疑問、雷への原始的な恐怖などなど、不思議なイメージであふれる ホモ・サピエンス以外の人類、例えば欧州に存在していたネアンデルタール人的なものを想像しているのかもしれない 現在地球上に存在している唯一のヒト(人類)の種であるホモ・サピエンスとネアンデルタール人はヒトという属は同じだが、種が違うとされている 彼らの交雑により子孫はできない、あるいはできてもその子孫は不妊だと考えられている ウマとロバは同属だが異種なので、ラバという子供はできてもラバの子孫はできない ヒトは1種だと思っている現代人には理解しにくい作品だが、ウマというヒトとロバというヒトが存在すると考えれば少しはわかるのではないか 原題は"Gräns"(スウェーデン)="Border"=「境界」か 原作者はヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(スウェーデン・1968~)で、筆者が好きな作品「ぼくのエリ 200歳の少女」(スウェーデン・2008、日本公開:2010)の原作小説「MORSE モールス」(スウェーデン・2004、邦訳:2009)の著者でもある 監督はイラン・テヘラン生まれでデンマークに住むアリ・アッバシ(1981~) 両者は本作では脚本も兼ねている

108 海馬五郎の復讐と冒険 ⇒福岡県出身のマルチタレント、俳優・劇作家・演出家・脚本家・映画監督・コラムニストの松尾スズキ(北九州市生まれ・1962~)がパワー全開した作品のようだ 本作でも監督・脚本を兼ね、主役の海馬五郎を演じる 妻役に元アイドルの中山美穂(長野県佐久市生まれ・東京都小金井市出身・1970) R18+指定で裸身が沢山登場するが、なぜか心から抱きたいと思うことはなかった ロケ地は詳細不明だが、エンド・クレジットには埼玉県の富士見市や入間市の名が挙がっていた

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年10月20日 (日)

10月13日~10月19日の週に観た劇場映画

10月13日(日曜)~10月19日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。ラグビー・ワールドカップ決勝トーナメントやプロ野球日本シリーズとテレビ応援も忙しかったですね。

31e919c8a9f6a416英雄は嘘がお好き(仏) ⇒フランス流エスプリというかユーモアを前面に押し出した舞台劇のようなコメディ 台詞は多いがスムーズで、駆け引きも豊富にあり、ネズミ講のような話も面白いし、ミイラ取りがミイラになるオチも秀逸 舞台は1809年~1812年にブルゴーニュに暮らす富豪一族の屋敷 この頃はナポレオン・ボナパルト(コルシカ島出身・1769~1821)が君臨していて、欧州戦線を拡大していた 1809年フランス軍将校として出征する主人公が次女に婚姻を申し込みそのまま戦場へ 全く手紙が来ないので長女が代筆しいつの間にか主人公は英雄に祭り上げられる 3年後みすぼらしい格好で主人公が帰還し大混乱が… 口から出まかせ、嘘八百の主人公を「アーティスト」(仏・2011)で第84回アカデミー賞(2012)主演男優賞を受賞したジャン・デュジャルダン(パリ出身・1972~)が演じる 元々はコメディアンだったらしい流石の演技 共演はフランスの多才な女優メラニー・ロラン(パリ出身・1983~) 筆者は、彼女の胸にある3つの大きなホクロが気になった 原題は"Le Retour du Héros"(仏)="The Return of the Hero"=「英雄の帰還」だが、この方が邦題よりしっくりくるかも…
クロール 凶暴領域 ⇒こういう作品をシチュエーション・スリラーというらしい 話を展開させるために設定された空間・場所・情況で巻き起こる様々な現象や恐怖を描くものということだ 確かに本作もハリケーンが襲い来る米国フロリダ州で、実家に取り残された実父を助けに行った大学競泳選手の娘が、浸水する実家の地下で出会う凶暴な大ワニの集団との遭遇・格闘というシチュエーションだ なぜ地下にいるのかとか、スマホの使い方・かけ方とか、不思議なところもあるが、それはそれとしてこの特殊なサバイバル・スリラーを息を詰めて怖がればいいのだと思う 水中のスタント・ダブルが多数活躍しているようだし、凶暴なワニのVFXも素晴らしい やはりシチュエーション・スリラーである「ドント・ブリーズ」(2016)の製作に係わったサム・ライミ(ミシガン州出身・1959~)が製作陣に 原題は単に"Crawl"=「クロール(泳法)」
ブルーアワーにぶっ飛ばす ⇒CMディレクターの箱田優子(茨城県出身・1982~)の初監督作品(兼脚本) 若手映像作家の発掘を目的とした「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」で審査員特別賞を受賞した企画(脚本)の映画化 主人公は女性CMディレクターで箱田自身がモデルのようだ 直言居士でバリバリ仕事をこなすキャリア・ウーマンだが、実直な夫がいるのに会社同僚と不倫中 満たされているようで満たされていない主人公が、茨城県にいる母から病気の祖母に会いに来てほしいとの電話を受け、舞台が都会から田舎へ 親友から半ば強制され、忘れたい故郷・茨城に車で帰ることになるが、二人で毒舌を吐きながら、実家、両親、祖母、酪農業、自然などに邂逅しながら自分自身を取り戻しているように観える 男である筆者にはうかがい知れない部分もあるが、キャリア・ウーマンの皆さんはとても共感できるところが多いようで、アジアでも高評価 主人公を「海街diary」(2015)の夏帆(かほ・東京都出身・1991~)が、親友を今年公開の「新聞記者」(2019)主演で話題を呼んだシム・ウンギョン(韓国ソウル出身・1994~)が演じる ロケ撮影は昨年(2018年)夏に東京都内、そして茨城県行方市・石岡市・小美玉市・笠間市・牛久市などで行われた模様
3f15c84f7382072115ミニッツ・ウォー(仏・ベルギー) ⇒アフリカのジブチという国(面積:四国の約1.3倍、人口約96万人)をご存じだろうか 紅海からアデン湾そしてアラビア海・インド洋に出るところにあるマンデブ海峡に面した、地政学上重要な場所に存在 周りをエチオピア、エリトリアそしてソマリアで囲まれる ジブチは1977年までフランスの最後の植民地だった 独立の前年(1976年)に発生した、独立派武装組織によるスクール・バス・ジャック人質事件の実話に基づいた作品 バスには軍関係者の子供たちが乗っており、ソマリア国境まで移動し、同志政治犯の即時釈放とフランスからの独立を要求 そこに勇敢なアメリカ人女性教師が到着し、制止を振り切りバスまで辿り着く その後フランス政府が人質救出のための特殊介入班を編成し、パリからエジプト・カイロ経由で派遣される 今にも越境しようとする犯人たちに対して、外交に頼ろうとするフランス政府の優柔不断さが彼らを苦しめ、ギリギリの決断を迫られる 特殊介入班による救出は米国CIAエージェントの1人を加えた狙撃手5人が同時にバス・ジャック犯人5人を狙撃するという驚くべき作戦を採用 しかしながら、直後ソマリア部隊(裏にソ連KGBも)と国境を挟んだ激しい銃撃戦に突入 女性教師をボンド・ガールにもなったオルガ・キュリレンコ(ソ連出身・現ウクライナ国籍・1979~)が、特殊班のリーダー(大尉)をアルバン・レノアール(仏・1980~)が演じる 原題は"L'Intervention"(仏)="The Intervention"=「介入」か 邦題は、最後の戦闘が15分間位なのだろうか、クライマックスのそこに焦点を当てたものではないか 撮影はモロッコの沙漠地帯で行われた模様 フランスでは奇跡の人質救出とされ、これがフランスの対テロ特殊部隊GIGN(国家憲兵隊治安介入部隊)発足の契機となったそうだ

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年10月13日 (日)

10月6日~10月12日の週に観た劇場映画

10月6日(日曜)~10月12日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。娯楽秀作が結構多かったように思います。

毒戦 BELIEVER(韓) ⇒香港・中国合作の「ドラッグ・ウォー 毒戦」(2013)を韓国でリメイクした作品らしい 韓国ではハリウッド作品を抑えて大ヒットした模様 麻薬取締に関するクライム・サスペンス・アクションもの 麻薬製造・流通のボスが分からないまま、内部協力者も使いながら追い詰めていくが… 韓国作品らしいアクションは見物 原題は"Believer"で、直訳すると「信者、信じる者」だが、邦題はかなりの意訳か
サラブレッド ⇒筆者も住んていたことのある米国コネチカット州 都市郊外には富裕層が住む大邸宅が存在 その一つを舞台にした、4章(4幕)仕立てのお洒落なサスペンス・ドラマ 2人のやや大人びた少女の会話が秀逸で、建前と本音と嘘が入り交じり、惨劇に至る 原題も"Thoroughbreds"だが、これは「将来性のある少女たち」を示唆しているのだろうか
50850e144cceebcbジョン・ウィック:パラベラム ⇒キアヌ・リーブズ(レバノン・ベイルート生まれ・カナダ・トロント出身・1964~)主演の「ジョン・ウイック」シリーズ(2014・2017)の第3作目 続編も製作されそうな感じで終わっている ストーリーはともかく、柔道や日本の武芸(マーシャルアーツ)をふんだんに取り入れたアクション・シーンは堪能できる 銃(ガン)とカンフーを組み合わせたガン・フー、車を使ったカー・フー、走る車を盾にするマー(馬)・フー、犬とともに戦うドッグ・フー、無数のナイフを使ったナイ・フーなど次々と新しい技が登場 舞台はニューヨーク市とモロッコのようだが、ニューヨーク公共図書館内での激闘、馬の後ろ脚で蹴り殺すなど斬新なアクションも登場 終盤にはオマージュ的な鏡の部屋での対決もあり、そこには日本の鎧兜が置かれており、日本刀や日本語も使われる ご存じのとおりリーブスは千葉真一(福岡市出身・1939~)の大ファンで千葉の映画からアクションを学んだと公言 「マトリックス」(1999)でリーブズのスタント・ダブルだったチャド・スタエルスキ(米国マサチューセッツ州出身・1968~)が「ジョン・ウィック」シリーズ全3作すべてを監督 さらに第3作目の本作には「アトミック・ブロンド」(2017)や「デッドプール2」(2018)の監督デヴィット・リーチが製作総指揮に加わっている 原題は"John Wick: Chapter 3 - Parabellum"=「ジョン・ウィック:第3章ーパラベラム」 パラベラムとはゲオルグ・ルガー(墺・独・1849~1923)が開発した、銃器の強化弾丸のことらしい
ea45f01d934919b9蜜蜂と遠雷 ⇒女流小説家・恩田陸(りく・青森市生まれ・1964~)の同名原作小説(2016)の映画化 恩田は多作でも知られ、本小説は2017年に直木賞と本屋大賞を初めてダブル受賞 恩田は転勤族の娘らしく、名古屋市、長野県松本市、富山市、秋田市、宮城県仙台市、茨城県水戸市と引越しを繰り返している 趣味が読書と音楽で、ピアノを習っていたこともあるのは、本作の基礎になっているのかもしれない 「勝手にふるえてろ」(2017)と「万引き家族」(2018)の松岡茉優(東京都出身・1995~)が主演し、松坂桃李(神奈川県茅ケ崎市出身・1988~)と若手男優2人が共演 4人はすべてピアノ・コンクールに挑戦するピアニスト役なので、裏側に4人の本物の最前線・実力派プロ・ピアニストが控える ピアノ協奏曲では、多数の楽器演奏者も参加 したがって、演奏シーンは実にリアル ロケ撮影は昨年(2018年)10月中旬~12月中旬に行われ、演奏会場が主要な舞台なので、埼玉県入間市にある武蔵野音楽大学の音楽ホール・バッハザールをメインに、栃木県佐野市、東京都江東区、横浜市などで行われた
ジョーカー ⇒DCコミックスの英雄バットマンの仇敵ジョーカーの、完全に映画オリジナルの誕生秘話だという 架空の街ゴッサム・シティで、母親の面倒を見ながら人々を喜ばすコメディアンとして成功しようとする主人公 社会の無理解に苛まれ、次第に反逆児となり、同じ思いを共有する人々のリーダーとなるのか… 正直言って、筆者にもよく分からないところがあるが、今年の第76回ヴェネチア国際映画祭(2019)で本作が金獅子賞を受賞したように、欧州ではそういうところも芸術的と見なされるような気がする 監督(兼脚本・製作)は「ハングオーバー」シリーズ(2009・2011・2013)のトッド・フィリップス(ニューヨーク市出身・1970~) 主演は「ビューティフル・デイ」(英・仏・米・2017)で第70回カンヌ国際映画祭(2017)男優賞を受賞したホアキン・フェニックス(プエルトリコ出身・1974~)で、名優ロバート・デ・ニーロ(ニューヨーク市出身・1943~)が脇を固める ロケ地はニューヨーク市内各地とニュージャージー州のニューアークとジャージー・シティのあたりのようだ 原題も"Joker"

最高の人生の見つけ方 ⇒2007年の米国製同名作品の日本製リメイク 両者とも配給はワーナー・ブラザーズ 米国作品の原題は"The Bucket List"=「棺桶リスト」で、リストは主役2人で作るが、日本作品では少女の作ったリスト 原案はジャスティン・ザッカム(米国コネチカット州出身・1980~) 米国作品の監督が「スタンド・バイ・ミー」(1986)のロブ・ライナー(ニューヨーク市出身・1947~)で、主演がともに名優のジャック・ニコルソン(ニュージャージー州出身・1937~)とモーガン・フリーマン(テネシー州出身・1937~) 日本作品の監督は「のぼうの城」(2012)や「引っ越し大名!」(2019)の犬童一心(東京都出身・1960~)で、主演の2人は吉永小百合(東京都渋谷区出身・1945~)と天海祐希(東京都台東区出身・1967~) 米国側のリメイク条件はかなり厳しかったようだが、リメイク・二番煎じの限界もありそう 秘書役のムロツヨシ(神奈川県横浜市出身・1976~)は、最近各種映画で顔を観るだけあって好演 ロケ地は京都市、長崎市、五島列島、静岡県、茨城県など全国各地、そして米国カリフォルニア州か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年10月 6日 (日)

9月29日~10月5日の週に観た劇場映画

9月29日(日曜)~10月5日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。史実の事件に基づく作品は、やはり力強いと思いました。

707784765d2a838dライリー・ノース 復讐の女神(米・香) ⇒主役のジェニファー・ガーナー(米国テキサス州ヒューストン出身・1972~)のアクションが素晴らしく、「アトミック・ブロンド」(2017)のシャーリーズ・セロン(南アフリカ出身・1975~)以来久々に楽しんだ 雌伏5年敢然と悪に立ち向かう 米国と香港の合作なので、カンフー・アクションも組み込まれているようだ 「96時間」(仏・2008)のピエール・モレル(仏・1964~)が監督で、リュック・ベッソン(パリ出身・1959~)が製作・脚本 原題は"Peppermint"=「ペパーミント」だが、確かペパーミントは事件の前に娘が食べていたアイスクリームの味だったかな…
ヘルボーイ ⇒原作は米国の漫画家マイク・ミニョーラ(カリフォルニア州バークレー出身・1960~)の代表作である漫画シリーズ(1993~) 今やアカデミー賞監督であるギレルモ・デル・トロ(墨・グアダラハラ出身・1964~)により「ヘルボーイ」(2004)と「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」(2008)と2回映画化されているが、今回原作者の完全監修で再映画化 何の知見も得られないが、観て楽しむ分には問題ない 特殊メイクがなかなかだし、多数のスタント・ダブルと数百人のVFX担当が存在 続編もありそうな終わり方 原題も"Hellboy"で、あえて和訳すると「地獄の少年」か
6a01661a6f4782b2ホテル・ムンバイ(豪・印・米) ⇒2008年11月26日夜にインドで発生した、イスラム過激派によるムンバイ(旧ボンベイ)同時多発テロの史実に基づいた作品 鉄道駅、2ヶ所の5つ星ホテル、病院、映画館などが襲撃され、同時多発的に10件のテロ立てこもり事件に発展 1,300km離れたニューデリーから陸軍の特殊部隊が到着し、11月29日朝にすべての拠点を制圧し解放したが、170人余りが死亡 本作は、タージマハル・ホテルでは500人を超える宿泊客と従業員が巻き込まれたが、32人(半数は従業員)しか死者が出なかったという事実に焦点を当てた オーストラリア人監督のアンソニー・マラス(南オーストラリア州アデレード出身)が初長編作品として取り組んだ 彼は共同脚本のジョン・コリー(英国スコットランド出身・1955~)と共に、ムンバイ・テロ事件を1年間徹底的に調査 生存者、警察官、ホテルの宿泊客や従業員、そして犠牲となった人々の家族から話を聴取 さらに、テロの実行犯と首謀者の通話を傍受した録音記録を研究し、裁判記録や大量の新聞記事を読み、何百時間ものテレビ報道や生存者のインタビュー映像を見たという タージマハル・ホテルの人質救出に大きな役割を果たしたヘマント・オベロイ料理長を実名で登場させ、インドの名優アヌパム・カー(1955~)が演じる 従業員のキー・マンのアルジュンは、何人かのホテル従業員をモデルにシーク教徒として創り出され、「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)や「マリーゴールド・ホテル」シリーズ(2012・2015)のデヴ・パテル(英国ロンドン出身・1990~)に当て書きされたそうだ 筆者が注目したのは、イスラム過激派幹部はまるでカルト教団の教祖的で、イスラム教徒が貧しいのは他宗教の教徒が経済的に奪ったからだと青少年を洗脳している 両親にお金を渡す代わりに、若者をジハード(聖戦)戦士として送り込み、他教徒を殺戮しまくらせた したがって、イスラム教徒は殺しにくいようなシーンが登場するが、今現在はイスラム教徒同士が殺し合いをやっている しかしながら、本作は宗教、人種、文化などの差を越えて人々が協力すれば、最後には希望と未来があることを示唆しているのだろう タージマハル・ホテル外観の映像は本物を使ったようだが、他の実にリアルな部分は、一部オーストラリア・アデレードで撮影された以外は、ムンバイ内外でロケ撮影された模様 原題も"Hotel Mumbai"
任侠学園 ⇒マユツバで観に行ったが、コミカルでトリックもあり、思ったより面白かった ヤクザはヤクザだが、ヤクザの規律を学校に適用すると上手く運営できるのではないかという発想は理解できる 問題のある高校の校長や教員よりヤクザの方がまともに見えるのは不思議 主演はヤクザ・組#2役の西島秀俊(東京都八王子市出身・1971~)だが、親分役の西田敏行(福島県郡山市出身・1947~)が好顔演技 原作は北海道出身の超多作小説家・今野敏(三笠市生まれ・1955~)の任侠シリーズ(2004~2018)で、その内の「任侠学園」(2007)が基になっていると思う 今野はTVドラマ「ハンチョウ」シリーズの原作者ともして有名 監督は木村ひさし(東京都出身・1967~)で、TVドラマを達数手掛けている 次劇場映画作品「屍人荘の殺人」(2019)が12月13日に公開を控える ロケ撮影は昨年(2018年)8月下旬~9月に、千葉県流山市、東京都葛飾区・中野区などで行われた模様
惡の華 ⇒「悪の華」(仏・1857)はフランスの詩人・批評家シャルル・ボードレール(パリ出身・1821~1867)の韻文詩集 本映画作品の原作は、群馬県桐生市出身の漫画家・押見修造(1981~)がボードレールのモチーフを基に、思春期の自我の彷徨を描いた同名連載漫画(2009~2014) TVアニメ化・舞台演劇化もされているが、今回は独創的・幻想的な作風の井口昇(東京都出身・1969~)監督が映画化 片田舎の盆地にある中学校での思春期の暗黒面が描かれ、次にさいたま市大宮にある高校での解放・カタルシスにつながる 筆者にはやや同じような話が繰り返されるのが苦痛だった ひかりテレビが製作に入っているので、ひかり中学やひかり遊園地が登場するのが面白い ロケ撮影は昨年(2018年)11月~12月に、主に群馬県桐生市の中学校、神社、渡良瀬川河川敷、遊園地などで行われた模様 ラストシーンの海岸は千葉県銚子市の犬吠埼のようだ

お嬢ちゃん ⇒神奈川県出身の二ノ宮隆太郎(1986~)監督の長編3作目(兼脚本) 前作までは自ら出演していたが、今回は女優の萩原みのり(名古屋市出身・1997~)を起用し、監督の生まれ故郷・鎌倉市を舞台に、半分当て書きしたらしい 鎌倉の日常に中にあふれる監督の怒りを、ヒロインが代弁しているようだ 画面はスタンダード・サイズで、アスペクト比は1:1.33(3:4) 終映後にトークショーがあり、二ノ宮と宇賀那健一(神奈川県出身・1984~)両監督が登場し、居酒屋での会話のよう 小柄な二ノ宮監督自身が「普段はペコペコしている自分が映画に怒りをぶつけた」と語る 宇賀那監督の次作「魔法少年☆ワイルドバージン」は今年(2019912月に公開予定で、次々作「転がるビー玉」(2020年1月公開予定)で萩原を主演で起用 ロケ地は、当然鎌倉市で由比ヶ浜、長谷、稲村ヶ崎などのあたりか
33cbe98807ca8253宮本から君へ ⇒とにかく熱く、真っ直ぐ・一直線で、激しく、エネルギッシュで、限界がない主人公・宮本浩を演じるのは池松壮亮(そうすけ・福岡市出身・1990~) 恋人のヒロイン・中野靖子を演じるのは蒼井優(福岡県出身・1985~) 2人の濡れ場も結構あり、レイプされるシーンもあるため、もし代役を使っていなければ、役とはいえ、筆者ならば嫉妬すると思うが、夫の山ちゃんこと山里亮太(千葉市出身・1977~)はどうなのだろう 原作は新井英樹(神奈川県出身・1963~)の同名連載漫画(1990~1994) 「ディストラクション・ベイビーズ」(2016)の真利子哲也(東京都出身・1981~)がTVドラマ化(2018)し、今回さらに挑戦的に映画化(兼脚本) 新井も宮本の父親役で出演 ロケ撮影は昨年(2018年)9月末~10月末に、東京都文京区・渋谷区・北区、千葉県松戸市・柏市などで行われた模様 時間的にはピエール瀧(静岡市出身・1967~)は不祥事後に復帰出演しているのか…

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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