10月20日~10月26日の週に観た劇場映画
10月20日(日曜)~10月26日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。ずいぶん風変わりな作品が多かったような気がします。
・イエスタデイ(英) ⇒ビートルズが大好きな監督と脚本家が考え出した作品らしい 設定は面白いが、現実味が余り感じられないのが少し難点か ファンタジーとして観れば、ビートルズの楽曲が心地いいが、緊張が続かない 監督は「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)や「トレイン・スポッティング」(1996)のダニー・ボイル(英・1956~) 脚本は「戦火の馬」(2011)や「ノッティング・ヒルの恋人」(1999)のリチャード・カーティス(ニュージーランド出身・英国国籍・1956~)が担当 原題も"Yesterday"▼楽園 ⇒「悪人」(2007)「さよなら渓谷」(2008)「横道世之介」(2009)「怒り」(2014)など映画化された作品が多い人気小説家・吉田修一(長崎市出身・1968~)の短編集「犯罪小説集」(2016)が原作 それを読んだ瀬々敬久(せぜたかひさ・大分県豊後高田市出身・1960~)監督が、そのうちの2編を基に映画化 「64 ロクヨン」(2016)や「菊とギロチン」(2018)のように丁寧な映像製作 長野県山間部の限界集落を舞台にして、田舎の旧態依然とした人間関係の中で発生した複数の事件について、その謎と顛末を描く 「罪」「罰」「人」の3章構成になっており、時間軸は飛びながらも観客の目を引き付け続けるのは流石 ただし、もうこんな田舎は残っていないのではないかと思う ロケ撮影は昨年(2018年)9~10月に、長野県飯山市を中心に、長野市、松本市、駒ケ根市など各地で行われた模様
・スペシャルアクターズ ⇒「カメラを止めるな!」(2017・2018)で興行収入31億円以上という大ヒットを飛ばした上田慎一郎監督(京都府生まれ・滋賀県長浜市出身・1984~)の満を持した長編第2作目 松竹ブロードキャスティングの企画で製作がスタートしたが、前作大ヒット後は超多忙でスランプに陥り大変だったようだ しかし、1,500人超のオーディション応募者から15人を選択し、スタッフ・キャスト総出でアイデアを絞り出したようだ クランク・インの2ヶ月前に脚本すべてを書き直したとのこと 今年(2019年)5月14日にクランク・インし、撮影期間はわずか19日間で、6月1日にクランク・アップ ロケ地は東京都や神奈川県の某所か やはりノー・カット撮影が多い ただし、最初から仕掛けがあると思って観ているから、ドンデン返しが続いても、申し訳ないが、やや物足りない感じがする それから効果音がやや耳に付いた
・ガリーボーイ(印) ⇒インドのヒップホップ界も熱気を帯びているようだ 本作は、ムンバイ(ボンベイ)のスラムで育った青年がラッパーとしてのし上がる様を描く 幼馴染みで医者の娘との不釣り合いな恋愛も登場するが、この娘が異常にヤキモチ焼き 女性ミュージシャンや先輩ラッパーとの出会いを経て、コンテストに挑むところがクライマックス 原題も"Gully Boy"だが、直訳すると「溝の少年」か▼ボーダー 二つの世界(スウェーデン・デンマーク) ⇒嗅覚が驚異的に鋭く、悪事についても検知できる、スウェーデンの港に勤務する入国・税関審査官 そこに同類らしき人間が現れ、より野生的・動物的な風貌、男女の性徴や食物の違い、尻尾があったのではないかという疑問、雷への原始的な恐怖などなど、不思議なイメージであふれる ホモ・サピエンス以外の人類、例えば欧州に存在していたネアンデルタール人的なものを想像しているのかもしれない 現在地球上に存在している唯一のヒト(人類)の種であるホモ・サピエンスとネアンデルタール人はヒトという属は同じだが、種が違うとされている 彼らの交雑により子孫はできない、あるいはできてもその子孫は不妊だと考えられている ウマとロバは同属だが異種なので、ラバという子供はできてもラバの子孫はできない ヒトは1種だと思っている現代人には理解しにくい作品だが、ウマというヒトとロバというヒトが存在すると考えれば少しはわかるのではないか 原題は"Gräns"(スウェーデン)="Border"=「境界」か 原作者はヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(スウェーデン・1968~)で、筆者が好きな作品「ぼくのエリ 200歳の少女」(スウェーデン・2008、日本公開:2010)の原作小説「MORSE モールス」(スウェーデン・2004、邦訳:2009)の著者でもある 監督はイラン・テヘラン生まれでデンマークに住むアリ・アッバシ(1981~) 両者は本作では脚本も兼ねている
・108 海馬五郎の復讐と冒険 ⇒福岡県出身のマルチタレント、俳優・劇作家・演出家・脚本家・映画監督・コラムニストの松尾スズキ(北九州市生まれ・1962~)がパワー全開した作品のようだ 本作でも監督・脚本を兼ね、主役の海馬五郎を演じる 妻役に元アイドルの中山美穂(長野県佐久市生まれ・東京都小金井市出身・1970) R18+指定で裸身が沢山登場するが、なぜか心から抱きたいと思うことはなかった ロケ地は詳細不明だが、エンド・クレジットには埼玉県の富士見市や入間市の名が挙がっていた
(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品
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