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2019年10月20日 (日)

10月13日~10月19日の週に観た劇場映画

10月13日(日曜)~10月19日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。ラグビー・ワールドカップ決勝トーナメントやプロ野球日本シリーズとテレビ応援も忙しかったですね。

31e919c8a9f6a416英雄は嘘がお好き(仏) ⇒フランス流エスプリというかユーモアを前面に押し出した舞台劇のようなコメディ 台詞は多いがスムーズで、駆け引きも豊富にあり、ネズミ講のような話も面白いし、ミイラ取りがミイラになるオチも秀逸 舞台は1809年~1812年にブルゴーニュに暮らす富豪一族の屋敷 この頃はナポレオン・ボナパルト(コルシカ島出身・1769~1821)が君臨していて、欧州戦線を拡大していた 1809年フランス軍将校として出征する主人公が次女に婚姻を申し込みそのまま戦場へ 全く手紙が来ないので長女が代筆しいつの間にか主人公は英雄に祭り上げられる 3年後みすぼらしい格好で主人公が帰還し大混乱が… 口から出まかせ、嘘八百の主人公を「アーティスト」(仏・2011)で第84回アカデミー賞(2012)主演男優賞を受賞したジャン・デュジャルダン(パリ出身・1972~)が演じる 元々はコメディアンだったらしい流石の演技 共演はフランスの多才な女優メラニー・ロラン(パリ出身・1983~) 筆者は、彼女の胸にある3つの大きなホクロが気になった 原題は"Le Retour du Héros"(仏)="The Return of the Hero"=「英雄の帰還」だが、この方が邦題よりしっくりくるかも…
クロール 凶暴領域 ⇒こういう作品をシチュエーション・スリラーというらしい 話を展開させるために設定された空間・場所・情況で巻き起こる様々な現象や恐怖を描くものということだ 確かに本作もハリケーンが襲い来る米国フロリダ州で、実家に取り残された実父を助けに行った大学競泳選手の娘が、浸水する実家の地下で出会う凶暴な大ワニの集団との遭遇・格闘というシチュエーションだ なぜ地下にいるのかとか、スマホの使い方・かけ方とか、不思議なところもあるが、それはそれとしてこの特殊なサバイバル・スリラーを息を詰めて怖がればいいのだと思う 水中のスタント・ダブルが多数活躍しているようだし、凶暴なワニのVFXも素晴らしい やはりシチュエーション・スリラーである「ドント・ブリーズ」(2016)の製作に係わったサム・ライミ(ミシガン州出身・1959~)が製作陣に 原題は単に"Crawl"=「クロール(泳法)」
ブルーアワーにぶっ飛ばす ⇒CMディレクターの箱田優子(茨城県出身・1982~)の初監督作品(兼脚本) 若手映像作家の発掘を目的とした「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」で審査員特別賞を受賞した企画(脚本)の映画化 主人公は女性CMディレクターで箱田自身がモデルのようだ 直言居士でバリバリ仕事をこなすキャリア・ウーマンだが、実直な夫がいるのに会社同僚と不倫中 満たされているようで満たされていない主人公が、茨城県にいる母から病気の祖母に会いに来てほしいとの電話を受け、舞台が都会から田舎へ 親友から半ば強制され、忘れたい故郷・茨城に車で帰ることになるが、二人で毒舌を吐きながら、実家、両親、祖母、酪農業、自然などに邂逅しながら自分自身を取り戻しているように観える 男である筆者にはうかがい知れない部分もあるが、キャリア・ウーマンの皆さんはとても共感できるところが多いようで、アジアでも高評価 主人公を「海街diary」(2015)の夏帆(かほ・東京都出身・1991~)が、親友を今年公開の「新聞記者」(2019)主演で話題を呼んだシム・ウンギョン(韓国ソウル出身・1994~)が演じる ロケ撮影は昨年(2018年)夏に東京都内、そして茨城県行方市・石岡市・小美玉市・笠間市・牛久市などで行われた模様
3f15c84f7382072115ミニッツ・ウォー(仏・ベルギー) ⇒アフリカのジブチという国(面積:四国の約1.3倍、人口約96万人)をご存じだろうか 紅海からアデン湾そしてアラビア海・インド洋に出るところにあるマンデブ海峡に面した、地政学上重要な場所に存在 周りをエチオピア、エリトリアそしてソマリアで囲まれる ジブチは1977年までフランスの最後の植民地だった 独立の前年(1976年)に発生した、独立派武装組織によるスクール・バス・ジャック人質事件の実話に基づいた作品 バスには軍関係者の子供たちが乗っており、ソマリア国境まで移動し、同志政治犯の即時釈放とフランスからの独立を要求 そこに勇敢なアメリカ人女性教師が到着し、制止を振り切りバスまで辿り着く その後フランス政府が人質救出のための特殊介入班を編成し、パリからエジプト・カイロ経由で派遣される 今にも越境しようとする犯人たちに対して、外交に頼ろうとするフランス政府の優柔不断さが彼らを苦しめ、ギリギリの決断を迫られる 特殊介入班による救出は米国CIAエージェントの1人を加えた狙撃手5人が同時にバス・ジャック犯人5人を狙撃するという驚くべき作戦を採用 しかしながら、直後ソマリア部隊(裏にソ連KGBも)と国境を挟んだ激しい銃撃戦に突入 女性教師をボンド・ガールにもなったオルガ・キュリレンコ(ソ連出身・現ウクライナ国籍・1979~)が、特殊班のリーダー(大尉)をアルバン・レノアール(仏・1980~)が演じる 原題は"L'Intervention"(仏)="The Intervention"=「介入」か 邦題は、最後の戦闘が15分間位なのだろうか、クライマックスのそこに焦点を当てたものではないか 撮影はモロッコの沙漠地帯で行われた模様 フランスでは奇跡の人質救出とされ、これがフランスの対テロ特殊部隊GIGN(国家憲兵隊治安介入部隊)発足の契機となったそうだ

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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