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2019年11月 3日 (日)

10月27日~11月2日の週に観た劇場映画

10月27日(日曜)~11月2日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。独特で、個性的な作品が多いようです。

ロボット2.0(印) ⇒2012年に日本でもヒットしたロボット(印・2010)の続編 主演ラジニカーント(インド・バンガロール出身・1950~)と監督・脚本シャンカル(印・1963~)は同じ 舞台はチェンナイ(マドラス)で、相変わらず次々と登場する、無限に多いとも思える新種のキャラクターに驚かされる 時代に合わせて今回はスマホが飛び去り、何者かに強奪されることから物語は始まる したがって、次々と登場する小さなキャラクターが結構主要な役割を果たしている エンド・クレジットで歌と踊りが披露されるが、本編では含まれず新しいインド映画の潮流を示しているのかもしれない ポスプロ・VFXの量は膨大で、エンド・クレジットには1,000人規模の名前を表示 原題は単に"2.0"
ジェミニマン ⇒「ブロークバック・マウンテン」(2005)と「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」(2012)でアカデミー賞監督賞を2度受賞したアン・リー(台・1954~)監督が、主演にウィル・スミス(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身・1968~)を起用して製作 スミスが一人二役を演じるが、若いスミスはCGで創り出したものとのこと モーション・キャプチャーでスミス実物の動きをCGに取り込んで制作したようだ 実物のギャラよりCGの製作費の方が高額だったという話もある したがって、スミス同士のバトル・アクションは見物 原題は"Gemini Man"で邦題どおりだが、あえて直訳すると「双子の、瓜二つの男」か
c94d5cc634ffa9efT-34 レジェンド・オブ・ウォー(露) ⇒ロシア製の戦車対戦アクションは見所が多かった 小型カメラを装着した本物の戦車を走らせたそうだ 徹甲弾では戦車正面の装甲を破れないらしく、したがって徹甲弾がはね返ったり、かすったり時には戦車内ではキーンというとても高い大きな金属音がするようで、本作ではそれを再現しているのが大変リアル また、砲弾には徹甲弾と榴弾の2種類があって、対戦車での使用方法を示してくれる 第二次世界大戦(1939~1945)中の1941年11月27日モスクワ西方郊外のネフェドヴォで1台のT-34ロシア戦車がティーガー(タイガー)戦車からなるドイツ戦車隊を迎え撃った 1944年にその時のドイツ戦車隊長と捕虜になったロシア戦車長が収容所で再会し、ドイツ戦車隊の訓練に捕獲ロシア戦車を動かすように司令することから後半のスリリングな展開に ロシアそして世界のVFX技術が結集されている 原題は単に"T-34"
フッド ザ・ビギニング ⇒ご存じのとおり、ロビン・フッドとは中世イングランドの伝説上の人物 13世紀頃に活躍したとされており、フッド(フード、頭巾)被った義賊であり、日本なら鼠小僧のようなものか… 本作の舞台は英国ノッティンガムで、ストーリーはよく練られているように思う 小領主の主人公が十字軍に徴兵されアラビア半島で戦うシーンもある 故郷に帰還した後、富の偏在と重税に反旗を翻すが、住民が支援し住宅の壁にフッド(頭巾)を飾る 弓を駆使した戦闘アクションは新鮮 原題は単に"Robin Hood"=「ロビン・フッド」
ea19a4b43a70ce0fアダムズ・アップル(デンマーク・独) ⇒宗教と人間性について考えさせられる不思議な作品 舞台は仮釈放された受刑者を更生させる施設を兼ねたある田舎の教会 そこではとても風変わりだが、元気一杯の聖職者が保護司・身元引受人)が活躍 ネオナチのスキンヘッド男が新たに到着するところから話は始まる 教会にはすでに元過激派のようなパキスタン移民の男とアル中でメタボの元テニス選手がいる 教会には大きな林檎の木があり、ネオナチはアップル・パイを作ることが当面の目標となる 旧約聖書のヨブ記と「アダムのりんご」の寓話を土台にして創出されたとのことで、悪魔という言葉が頻出 神と悪魔、善と悪が入り乱れ、なるようにしかならないような気がする やはり最後には奇蹟らしき事々が起こり… ソフト・ロック・グループのビージーズ(英・豪・米)のシングル"How Deep Is Your Love"(1977・邦題「愛はきらめきの中に」)が作中に何度も流れる(歌はカバーかもしれない) 主役の聖職者を演じるのはマッツ・ミケルセン(デンマーク・コペンハーゲン出身・1965~) 監督・脚本はアナス・トーマス・イェンセン(デンマーク・1972~) 原題も"Adam's Apples"

真実(仏・日) ⇒昨年「万引き家族」(2018)で第71回カンヌ国際映画祭(2018)の最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和(東京都練馬区生まれ・清瀬市育ち・1962~)監督が仏・日合作で製作(兼脚本) フランスの名女優カトリーヌ・ドヌーブ(パリ出身・1943~)とジュリエット・ビノシュ(パリ出身・1964~)、そして米国からイーサン・ホーク(テキサス州オースティン出身・1970~)を起用 多分に当て書きが多く、大女優である主人公の映画製作に係わる物語としており、ドヌーブに敬意を表した作りか すべてをパリでロケ撮影したそうで、晩秋~初冬のパリの風景は美しい 原題は"La vérité"(仏)="The truth"で邦題どおり
CLIMAX クライマックス(仏・ベルギー) ⇒形にとらわれないダンス・オーディションの作品のように始まる ワン・カット長回しのシーンが続き、強烈なダンス音楽に合わせ踊っているのはハイ・レベルのダンサーたちだと気付く 用意されたサングリアの中に薬物が入っているのか、飲んだ者たちは徐々に異常な行動に カメラも真上からなど自由な位置から撮影するが、最後には上下逆様になり狂気で混乱する様子を表わすのか… 1996年に恐らくフランスの雪深い山奥の古いホールで実際に起きた事件に基づいているという 監督・脚本は独特で強烈で衝撃的な作品を連発するギャスパー・ノエ(1963~) ノエはアルゼンチンのブエノスアイレスで生まれるが、子供時代数年間を米国ニューヨーク市で過ごし、最終的には1976年にフランスに移住 彼の多様な文化的背景がこういう、やや意味不明だが先鋭的・芸術的な作品を生み出すのだろうか 評価が割れる問題作のせいか観客は結構多い 原題も"Climax"(仏・英)

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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