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2019年11月10日 (日)

11月3日~11月9日の週に観た劇場映画

11月3日(日曜)~11月9日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。音楽が重要な役割を担っている作品が多かったと思います。

5402f19f88eca7e6閉鎖病棟 それぞれの朝 ⇒原作は精神科医でもある小説家帚木蓬生(ははきぎほうせい・福岡県小郡市出身・1947~)の小説「閉鎖病棟」(1994) 1999年に続き2度目の映画化 監督は「学校の怪談」シリーズ(1995~1999)の平山秀幸(福岡県北九州市出身・1950~) 今回は主役を死刑執行の失敗で生き残ったが車椅子生活になり、結局精神科病院に送られた殺人犯とし、笑福亭鶴瓶(大阪市平野区出身・1951~)が演じた いろいろな理由で精神科病院に入院している人々の群像劇でもある 鶴瓶の好演に呼応して助演の綾野剛(岐阜市出身・1982~)と小松菜奈(山梨県出身・1996~)の演技も光った 綾野も小松もあまり綺麗ではない役に挑戦 暴れん坊役の渋川清彦(群馬県渋川市出身・1974~)の演技も香辛料 ロケ撮影は今年(2019年)1月~2月に長野県小諸市の小諸高原病院を中心に、松本市・上田市、そして神奈川県平塚市・秦野市などで行われた模様 東映東京撮影所(練馬区)も使われたようだ
e88c3c51877af3aeパリに見出されたピアニスト(仏・ベルギー) ⇒ロング・ランになっていたので遅まきながら鑑賞 パリ北駅でピアノを弾いていた半やさぐれ少年が音楽教師の目に留まり、本格的にクラシック・ピアノを学ぶ クライマックスのラスト30分間の展開は見事で感動を誘う 貧困、家族、犯罪、音楽教師、特訓、コンクール、そしてコンクールに駆け込むと筋立てが揃えばほぼ完璧 ラスト・シーンではセルゲイ・ラフマニノフ(露出身・1873~1943)の難しいピアノ協奏曲が演奏される 原題は"Au bout des doigts"(仏)="At fingertips"=「指先で」か
マイ・ビューティフル・デイズ ⇒原題は"Miss Stevens"=「ミス・スティーヴンス」で、母子家庭に育った29歳の女性高校英語教師レイチェル・スティーヴンスの話だった ある夏彼女は生徒たちに頼まれて、男子2人・女子1人の3人を引率して遠方の街で行われる演劇大会に参加 やや内気な男子ビリーが直接思いをぶつけて来る フォーク・ロック・バンド「アメリカ」の「金色の髪の少女」(1975)が効果的に使われる 25歳から8年間高校教師だった本作監督(兼脚本)のジュリア・ハートの自伝的作品(2016)のようで、本作で注目を浴びた 邦題はビリーの方に重点を置いたものか… ミス・スティーヴンス役をリリー・レーブ(ニューヨーク市出身・1982~)が、ビリー役を「君の名前で僕を呼んで」(2017)のティモシー・シャラメ(ニューヨーク市出身・1995~)が演じる
IT イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。 ⇒モダン・ホラーの開拓者にして第一人者である米国の小説家スティーヴン・キング(メイン州ポートランド出身・1947~)の作品は実に多数映像化されている 彼の小説「IT イット」(1986)をアンディ・ムスキエティ(アルゼンチン・ブエノスアイレス出身・1973~)監督が「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」(2017)として映画化 同監督がその時代設定だった1989年の27年後(2016年)を描いたのが本作 米国北東部の田舎町デリー(ニュー・ハンプシャー州か)に殺人ピエロ(クラウン)が再び現れたので、各地に散らばっていた負け犬7人が集結 時々フラッシュバックするが、女性と黒人以外は、すぐにはどの子供がどの大人になったのか分かりにくく、それを想像するのが面白い ピエロのペニーワイズだけが同じ配役で、当然ながら他のすべての配役は年長に 結局2人が死んで、7人が5人になったが、少し無用に長いような気もする 蜘蛛のラスボスのようなピエロと対戦するため、スタント・ダブルも多い ロケ撮影はカナダのトロントで行われた模様
人生、ただいま修行中(仏) ⇒職業婦人のような女性観客を多数見かけた それもそのはず、本作はフランス・パリ郊外の看護学校で看護師を目指して学ぶ若者たちを追ったドキュメンタリー作品 フランスらしく多様な人種の若者たちが、熱心に看護師技術の習得に励む様子を映す 1年後には本物の患者に対して実習に入る インタビューでは彼女ら・彼らの真剣な態度、無償の情熱、そして出自の悩みが感じられる フランスのドキュメンタリー製作の第一人者二コラ・フィリベール(ナンシー出身・1951~)が監督・撮影・編集 原題は"De chaque instant"(仏)="From each moment"=「一瞬一瞬を」か

2394c56f3744a573グレタ GRETA ⇒冒頭の美しいピアノ曲、フランツ・リスト(ハンガリー・1811~1886)の「愛の夢」が印象的 全編ピアノ曲が重要な役割 ニューヨーク市で親友の家に同居し、高級レストランのウェイトレスとして働く若く美しい女性がヒロイン 地下鉄の車内で発見した置き忘れの高級ハンドバッグを届けるために、持ち主と思われる1人暮しの老婦人の家に訪れたことからすべてが始まる 中盤からホラー・サスペンスの様相を強めていく 終盤はやや現実離れしているように思えるがが、割と静かに進む犯罪行為は結構怖かった エンディングも気が利いている ヒロイン役はクロエ・グレース・モレッツ(ジョージア州アトランタ出身・1997~)が、老婦人役はイザベル・ユペール(パリ出身・1953~)が演じる 監督(兼脚本)は「クライング・ゲーム」(1992)のニール・ジョーダン(アイルランド出身・1950~) 時々ニューヨーク市の風景を挿入しているが、ロケ撮影はカナダ・トロントで行われた模様 原題も"Greta"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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