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2019年12月15日 (日)

12月8日~12月14日の週に観た劇場映画

12月8日(日曜)~12月14日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。社会問題に切り込んだ素晴らしい作品と米国のマフィア暗黒史を扱った超長編・超大作に出合いました。

ひとよ ⇒「孤狼の血」(2018)の白石和彌(北海道旭川市出身・1974~)監督が桑原裕子(東京都出身・1976~)の原作を映画化 主演に佐藤健(さいたま市岩槻区出身・1989~)、その兄に鈴木亮平(兵庫県西宮市出身・1983~)、妹に松岡茉優(東京都出身・1995~)、母親に田中裕子(大阪府池田市出身・1955~)、他に筒井真理子(山梨県甲府市出身・1960~)、佐々木蔵之介(京都市上京区出身・1968~)など、錚々たる俳優陣を揃えた 残念ながら、設定が少し旧式過ぎ、時代錯誤的ではないだろうか 父親の家庭内暴力(DV)は現在すでに社会的に対応していること、正当防衛に関する扱い、有罪で収監された母親が釈放後ほとぼりを冷ますために放浪し15年間帰宅しなかったこと、DVの被害者である母親が15年経っても近所・地域のコミュニティで批判・非難されることなど、今のセンスには合わないところが散見 ロケ撮影は今年(2019年)5~6月に、茨城県神栖市(浜松タクシー)・大洗市(大洗港)・鹿嶋市、千葉県香取市・酒々井町などで行われた模様
わたしは光をにぎっている ⇒若手有望監督の中川龍太郎(神奈川県川崎市出身・1990~)が製作(監督兼脚本) 主演に松本穂香(大阪府堺市出身・1997~)を起用し、田舎から上京したヒロインが徐々に東京下町に馴染んでいく様子を描く 東京下町に残る銭湯やひしめき合う商店街・飲食店街のイメージは美しい ロケ撮影は昨年(2018年)10~11月に、長野県信濃町(野尻湖)、東京都清瀬市(銭湯伸光湯)・葛飾区、神奈川県横浜市などで行われた模様
25c032962f4b0fd5アイリッシュマン ⇒マーティン・スコセッシ(ニューヨーク市出身・1942~)監督が、ロバート・デ・ニーロ(ニューヨーク市出身・1943~)を主演に迎え製作した、第二次世界大戦(1939~1945)後の米国東海岸マフィアの実態・暗黒史を描く作品 2人の組合せは実に9回目という ネットフリックスの自主製作で、3時間半と超長編の上、ネット配信が主体で公開劇場が限られているために劇場鑑賞しずらかった 元検事で作家のチャールズ・ブラントが書いたノンフィクション小説「I Heard You Paint Houses: Frank "The Irishman" Sheeran and Closing the Case on Jimmy Hoffa(家を塗るのを聞いた《銃撃して家に血が飛び散ること》:フランク・”アイリッシュマン”・シーランとジミー・ホッファ事件の解明)」(2004)が原作 邦訳版は「アイリッシュマン」(2019) 本書はマフィアの運転手兼ヒットマンだったフランク・シーラン(ペンシルベニア州出身・1920~2003)の告白による未解決殺人事件の解明に挑んでいる シーランはペンシルべニア州マフィアのボスだったラッセル・バファリーノ(伊シチリア島生まれ・1903~1994)に仕え、数々の殺人を代行し、ついには米・加運送業界の労働組合(トラック組合)委員長だったジミー・ホッファ(インディアナ州出身・1913~1975《失踪》)の失踪に偽装した殺害に至る シーランはアイルランド系であるが、第二次世界大戦中に北アフリカ・イタリア戦線に参戦しており、その時にイタリア語を学び、また戦争犯罪ともいえる非情冷酷な殺人に慣れたものと思われる 本作中には、アイリッシュの誇りであったジョン・F・ケネディ大統領(1917~1963)の暗殺にマフィアが係わったような話も登場 シーランをロバート・デ・ニーロが、ホッファをアル・パチーノ(ニューヨーク市出身・1940~)が、そしてバファリーノをジョー・ペシ(ニュージャージー州出身・1943~)がそれぞれ演じている
MANRIKI ⇒俳優で映画監督でもある斎藤工(監督名義は本名の齊藤使用・東京都港区出身・1981~)を軸に集まった創作集団「チーム万力」が製作 主に、斎藤が企画・プロデュース、ピン芸人の永野(一樹・宮崎市出身・1974~)が原案・脚本、そして映像ディレクターの清水康彦(福井県坂井市出身・1981~)が監督と分担し、さらに斎藤と永野は出演も モデルの世界では小顔が持てはやされるので、小顔を望む女性が多いことに違和感を持ったことが企画・発想の原点らしい 小顔にするために万力を使った美容整形手術という奇想天外のアイデアを導入したブラック・コメディ タイトルは「顔デカ」でもいいかと思った
cbb90e74a836ae55家族を想うとき(英・仏・ベルギー) ⇒英国の巨匠ケン・ローチ(ウォリックシャー州出身・1936~)監督の最新作 ローチ監督は「麦の穂をゆらす風」(アイルランド・英・2006)と「わたしはダニエル・ブレイク」(英・仏・2016)で2度もカンヌ国際映画祭パルムドールを獲得 彼は一度は引退を決意したようだが、英国で労働環境がますます悪化・過酷化し、社会格差が拡大する現実に驚き、社会問題を扱わなければという一種の使命感から映画製作現場に戻ったとのこと 英国作品らしいしっかりとした創りで、労働条件・環境を生々しく再現するとともに、長時間勤務により家族の絆が破壊される様子を丁寧に描写 英国にはゼロ時間契約というものがあることを今回初めて知った ゼロ時間契約では下請けの配送自営業者は労働時間がゼロ、つまり収入がゼロということもあるという前提のものらしい 本作のニューカッスル・アポン・タインに住む主人公が結んだフランチャイズ宅配業務の契約では、委託された配送量をこなすためには長時間労働をしなければならないのに、自己都合の休業の場合は自分で代替人を探す必要があること、遅延・紛失などの配送事故の場合は厳しいペナルティが課されることなど、一方的に配送委託事業者側が有利・優位なものとなっている 何か日本のコンビニ事業会社とコンビニ店を運営するフランチャイズ自営業者との間の契約に似ていなくもない 主人公の妻は福祉介護士としてパートタイムの訪問介護業務に従事しているが、自分の車を売って夫の配送用バンを購入したためにバス移動となり長時間労働化 両親が余り家にいないことで、家族関係の崩壊が進むが、家族の絆をわずかに確かめながらも、生活のために仕事に出る 原題は"Sorry We Missed You"=「お会いできなくて申し訳ありません」で、日本の不在配達票に相当する伝票に書かれている表題だが、伝票には敷地内の倉庫に納めたことや近所に預けたことなどの書込みもできる 本作が配送業の話であることを示している

M/村西とおる狂熱の日々 完全版 ⇒基本的には、AV監督の村西とおる(福島県いわき市出身・1948~)が1996年7月20日から8月3日まで2週間、夏の北海道で行ったAV撮影現場を追ったドキュメンタリー作品 筆者の故郷なので懐かしい映像が多く、函館大沼公園、札幌、支笏湖、稚内、網走、知床五湖、カムイワッカの滝などらしき光景が 知床五湖やカムイワッカの滝はヒグマがよく出没するので要注意だと思う 時々波乱万丈の村西とおるの半生が紹介されるが、本人の話しっぷりは綾小路きみまろ(鹿児島県志布志市出身・1950~)のそれによく似ていると感じた

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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