11月24日~11月30日の週に観た劇場映画
11月24日(日曜)~11月30日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。日本の漫画・アニメがフランスで実写映画化されたのには驚きました。
・決算!忠臣蔵 ⇒歴史学者・山本博文(岡山県津山市出身・1957~)の著書「『忠臣蔵』の決算書」(2012)の映画化 山本は東大史料編纂所の教授でもあり、江戸時代の政治・経済・社会に関する著書が多数 江戸時代は、藩や武家の経理・財務情況について正確に記録された資料が沢山残っているといわれる 埋もれているものを発掘して解読すれば、まだまだ金の面から新しい物語が生まれそうだ 本作では300年余り前の江戸元禄時代に起きた赤穂事件について、吉良邸討入りまでの赤穂藩の資産・費用の限界などを、現在の貨幣価値に換算しながら、面白可笑しく描く 監督は「忍びの国」(2017)の中村義洋(茨城県出身・1970~)で、堤真一(兵庫県西宮市出身・1964~)や岡村隆史(大阪市東淀川区出身・1970~)が出演 製作には松竹と吉本が入っている ロケ撮影は、今年(2019年)冬に滋賀県彦根市(彦根城)・近江八幡市(八幡堀)、京都府京都市(松竹撮影所・随心院)・亀岡市、大阪府守口市、兵庫県赤穂市(赤穂城)などで行われた模様
・ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 ⇒「Dearダニー 君へのうた」(2015)で初監督デビューしたダン・フォーゲルマン(米国ニュージャージー州出身・1976~)が監督製作(兼脚本) 全体を5章構成にし、ニューヨークとスペインを舞台に、2家族の運命と宿命を大きく描く 時系列がかなり前後しており、登場人物も多いので、1回の鑑賞では分かりずらいところがあるかもしれない ボブ・ディランの唄が主題歌に 原題も"Life Itself"だが、直訳すると「人生そのもの」か
・地獄少女 ⇒「貞子vs伽椰子」(2016)、「不能犯」(2018)などホラー作品を多く手がけている、白石晃志(こうじ・福岡県出身・1973)監督が、アニメーターのわたなべひろし(熊本市出身)の原案を映画化(兼脚本) 主演は玉城ティナ(沖縄県出身・1997~) 正直に言って、ホラー感覚は理解できるが、話は少し何が何だか分からなかった ロケ撮影は、昨年(2018年)9~10月に東京都渋谷区、千葉県柏市、神奈川県藤沢市・横浜市などで行われた模様▼エンド・オブ・ステイツ ⇒ジェラルド・バトラー(英国スコットランド・グラスゴー出身・1969~)の「エンド・オブ・~("~Has Fallen")」シリーズ(2013・2016)の3作目 したがって、本作原題も"Agel Has Fallen"=「堕ちた天使」なので、邦題「米国の終わり」は少し誇張しすぎでは… 今回は米国大統領の暗殺未遂犯と仕組まれた、大統領直属のシークレット・サービス・エージェントがFBIの捜査から逃走し、ついにはホワイトハウス政権の中枢の真犯人を炙り出すまでを描く 無数のドローンを使った爆撃シーンから始まって、山間部での無数の仕掛け爆弾、カーチェイス、病院の爆破など、目が離せないアクション・シーンが連続 本作の凝った派手な爆破シーンは特に見物 家族への愛、離別していた父親との再会・関係修復など、ハリウッド作品らしいところもある 周知のとおり、バトラーはミュージカル映画「オペラ座の怪人」(2004)の難役の主役を好演してブレーク
▼シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(仏) ⇒「シティーハンター」といえば、漫画家・北条司(北九州市小倉区出身・1959~)の連載漫画作品(1985~1991) 非常に数多くTVアニメ化され、また確か計4本の劇場映画アニメ作品も製作された(最新版は今年2019年公開) 実写映画化作品としては1993年の香港版があったが、今回欧州フランスで初めて実写映画化 フランスでも本漫画作品が広く受け入れられていることが分かった 本作も実にハチャメチャで、下ネタ満載 しかしながら、アクションも本格的で物凄く面白かった 「もっこり」というテロップの台詞が度々登場するが、フランス語では何と言っていたのだろう 原題は"Nicky Larson et le parfum de Cupidon"(仏)="Nicky Larson and Cupid's scent"=「ニッキー・ラーソンとキューピッドの香り」 フランスのアニメでは主役のリョウ(冴羽獠)はニッキー・ラーソンと呼ばれており、原作漫画をこよなく愛するフィリップ・ラショー(仏・1980~)監督がこの主役も熱演
・ドクター・スリープ ⇒米国のホラー小説家スティーヴン・キング(メイン州ポートランド出身・1947~)の同名原作小説(2013、邦訳:2015)の映画化 本作は「シャイニング」(1977、映画:1980)の続編で、40年後を描いている 前作の惨劇を生き残り、ニュージャージー州で暮らす主人公が、同じ超能力(サイキック)を有する少女を見出し、ニュー・イングランド地方、オハイオ州を抜けて、ついにはコロラド州山中の惨劇のホテルに向かう 正直に言うと、何が何だか分からないままに終わったような気がする 監督・脚本はマイク・フラナガン(マサチューセッツ州出身・1978~)、主演はユアン・マクレガー(英国スコットランド出身・1971~) 原題も"Doctor Sleep"だが、あえて和訳すると「眠っていた博士」か▼テルアビブ・オン・ファイア(ルクセンブルク・仏・イスラエル・ベルギー) ⇒イスラエル・エルサレムの撮影所で働くパレスチナ人の主人公 毎日面倒な検問所を通る時に、イスラエル軍の司令官と知合いに 現代のイスラエル・パレスチナでユダヤ人とパレスチナ人の交流を描く 戦いの合間のコメディとも言える 現地料理のフムスが主要な小道具として使われる フムスとは、ゆでたヒヨコマメに、ニンニク、練り胡麻、オリーブオイル、レモン汁などを加えてすりつぶし、塩で調味したペースト状の料理らしい 監督(兼脚本)はサフメ・ゾアビ(イスラエル・1975~) 原題も"Tel Aviv on Fire"=「戦火のテル・アヴィヴ」か これは本作中の撮影所で製作している作品名のようだ
(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品
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