カテゴリー「映画(2019年)」の45件の記事

2019年11月24日 (日)

11月10日~11月23日の2週間に観た劇場映画

11月10日(日曜)~11月23日(土曜)の2週間は、7本の劇場映画を観ました。関西へ紅葉狩りに参りましたので鑑賞数が少なく、2週間分をまとめてレポートします。

ターミネーター ニュー・フェイト ⇒「ターミネーター」シリーズの6作目だが、1・2作目(1984・1991)を監督(兼脚本)したジェームズ・キャメロン(カナダ・オンタリオ州出身・1954~)が製作に復帰 監督は「デッドプール」(2016)のティム・ミラー(米国メリーランド州出身・1964~) その後「タイタニック」(1997)そして「アバター」(2009)ど超大ヒットを飛ばした監督が製作に戻ったので期待が大きかったが、1991年の続編としたため新規性・先進性が弱かったようだ 今回は水中のスタントも多く、VFXのスタッフもエンド・クレジットに千数百人 リンダ・ハミルトン(メリーランド州出身・1956~)とアーノルド・シュワルツェネッガー(オーストリア出身・1947~)が帰ってきたが、次はあるのか 原題は"Terminator: Dark Fate"=「ターミネーター:ダーク・フェイト(暗い・暗黒の運命)」
3d51d1ff1b46e7f0最初の晩餐 ⇒父親の死を迎え集まった家族、その複雑な内情がフラッシュバックを多用しながら次第に明かされる 通夜ぶるまいの料理のトラブルから始まって、子連れ同士の再婚、継母の料理の違い、登山・岩登り・雪山登山、継母の入院とその時の父の料理、不倫と自殺、長男の自立等々、結構大きなイベントが次々と連続 杉山麻衣(愛知県出身)プロデューサーの企画を常盤司朗(福岡県出身)監督(兼脚本)らが7年間をかけて映画化したそうだ 染谷将太(東京都江戸川区出身・1992~)、戸田恵梨香(神戸市出身・1988~)、窪塚洋介(神奈川県横須賀市出身・1979~)、斉藤由貴(横浜市出身・1966~)、永瀬正敏(宮崎県都城市出身・1966~)など豪華俳優陣が揃っている ロケ地はほぼ長野県上田市で、一部青木村 撮影は昨年(2018年)冬(2~3月)と夏(6~7月)の2期間に分けて行われた模様
永遠の門 ゴッホの見た未来(英・仏・米) ⇒画家から映画監督に転身したジュリアン・シュナーベル(ニューヨーク市出身・1951~)が製作 画家の監督だけあって、フィンセント・ファン・ゴッホ(オランダ出身・1853~1890)が光や色をどう捉え、いかにキャンバス上に展開していったかという、ファン・ゴッホの製作姿勢・技術・技法などを分かりやすく解説 主演はウィレム・デフォー(米国ウィスコンシン州出身・1955~)で、本作により第75回ベネチア国際映画祭(2018)の最優秀男優賞を受賞 撮影はファン・ゴッホが実際に生活し絵画制作に励んだ、南フランスのアルルで主に行われたようだ 現代風のピアノ音楽もよくマッチしていた 台詞が仏語と英語のミックスなのが面白い 原題は"At Eternity's Gate"=「永遠の門で」
D90dd5369647a7b0国家が破産する日(韓) ⇒1997年に韓国が通貨危機によりIMF(国際通貨基金)管理下に置かれた史実に基づいたフィクションではあるが、とてもリアリティに満ちている 他山の石として我々日本人にも教訓に満ちている 1996年に韓国は先進国クラブのOECDに加盟し、韓国国民が自国の発展に酔いしれていた時に、1997年アジア通貨危機の端を発した通貨危機に襲われる 韓国政府の無策により企業倒産が相次ぎ、ついにはIMFの管理下に置かれる IMFの指示は、不良債権一杯の金融機関を閉鎖し、金利を2倍にし、そして外資参入を自由化すること その結果街には300万人もの失業者が溢れる これらの事情を中央銀行幹部、財政局幹部、敏腕・辣腕投資家、そして中小企業経営者の目線から描く どこかの国も、自ら発動したことではあるが、通って来た道によく似ている 現在の韓国でも下手をすると再度このような経済情況になるのかもしれないという危機意識があるようだ 英語原題は単に"Default"=「デフォルト、破産、破綻、不履行」か
i 新聞記者ドキュメント ⇒「FAKE」(2016)などのドキュメンタリー映画作品を製作した森達也(広島県呉市出身・1956~)監督が本作を製作 映画「新聞記者」(2019)の同名原作小説(2017)の著者で、現役の中日新聞社会部記者の望月衣塑子(東京都出身・1975~)の取材現場と苦悩を追った 沖縄・辺野古への赤土埋立、森友学園・加計学園、前川喜平(奈良県御所市出身・1955~)元文科省事務次官、TBS記者によるジャーナリスト伊藤詩織(神奈川県出身・1989~)氏準強姦事件、そして首相官邸で行われる菅義偉(よしひで・秋田県湯沢市出身・神奈川県選出衆議院議員・1948~)内閣官房長官の記者会見での丁々発止のやり取りなどの問題が次々と提示される 権力を監視し闘う記者の勇気と姿勢を観てか、終映後に劇場観客から拍手が

187a5fd8c7a7fc35盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲(印) ⇒盲目のピアノ調律師から着想された、ボリウッド(ムンバイ)製の犯罪サスペンス・ブラック・コメディ作品 インド映画に特有のダンス・シーンはないが、かなり凝った作り 主人公アーカーシュは、ピアノ演奏芸術の質向上のために盲目の状態(目隠し)を維持しながら、ピアノ演奏の鍛練・実演をするインド男子青年 アーユシュマーン・クラーナー(インド北部チャンディガール市出身・1984~)が主人公を演じるが、ギターの弾語り歌手でもある彼は今回ピアノ演奏にも挑み、ついには目隠しでも吹替えなしで名演奏を聴かせる アーカーシュは街で偶然恋人に出会い、彼女の父親の店でピアノを弾き、そして店で出会った往年の大男優の住宅で、若い後妻の誕生日のためにピアノを演奏することに そこから不運にも次々と事件に巻き込まれ、主人公も本当に盲目になり、腎臓移植ビジネスの怪しい医者グループに狙われるなど、予測不能・捧腹絶倒の展開 近所の子供が主要な役割を果たし、警察署長も巻き込んだサスペンスに 原題は"Andhadhun"(ヒンディー)="Precipitately"=「急に、突然」で、意訳すると「急変」か 邦題は相当な意訳だが、分かりやすい
EXIT イクジット(韓) ⇒高層ビル群が聳える、韓国の某都会で突然毒ガスが発生 ガスは上へ上へ上昇するので、母親の喜寿祝いを開いていた一族はビルの屋上へ 屋上へのドアを開けるために、また元山岳部の主人公2人が最後まで取り残され高層クレーンまで逃げるために、ロック・クライミングとボルダリングの技術を全開 危険な跳躍やロープを使ったビルからビルへの綱渡りもあり、このあたりが本作後半のアクションの見所 また無数のドローンも登場 母親の喜寿のお祝いには皆がカラオケで唄って踊り騒ぎまくり、娘婿(女婿)も含めて息子たち一人ひとりが母親をおんぶしなければならない風習が興味深い 主題歌はまるで日本のポップスのよう 英語原題も"Exit"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年11月10日 (日)

11月3日~11月9日の週に観た劇場映画

11月3日(日曜)~11月9日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。音楽が重要な役割を担っている作品が多かったと思います。

5402f19f88eca7e6閉鎖病棟 それぞれの朝 ⇒原作は精神科医でもある小説家帚木蓬生(ははきぎほうせい・福岡県小郡市出身・1947~)の小説「閉鎖病棟」(1994) 1999年に続き2度目の映画化 監督は「学校の怪談」シリーズ(1995~1999)の平山秀幸(福岡県北九州市出身・1950~) 今回は主役を死刑執行の失敗で生き残ったが車椅子生活になり、結局精神科病院に送られた殺人犯とし、笑福亭鶴瓶(大阪市平野区出身・1951~)が演じた いろいろな理由で精神科病院に入院している人々の群像劇でもある 鶴瓶の好演に呼応して助演の綾野剛(岐阜市出身・1982~)と小松菜奈(山梨県出身・1996~)の演技も光った 綾野も小松もあまり綺麗ではない役に挑戦 暴れん坊役の渋川清彦(群馬県渋川市出身・1974~)の演技も香辛料 ロケ撮影は今年(2019年)1月~2月に長野県小諸市の小諸高原病院を中心に、松本市・上田市、そして神奈川県平塚市・秦野市などで行われた模様 東映東京撮影所(練馬区)も使われたようだ
e88c3c51877af3aeパリに見出されたピアニスト(仏・ベルギー) ⇒ロング・ランになっていたので遅まきながら鑑賞 パリ北駅でピアノを弾いていた半やさぐれ少年が音楽教師の目に留まり、本格的にクラシック・ピアノを学ぶ クライマックスのラスト30分間の展開は見事で感動を誘う 貧困、家族、犯罪、音楽教師、特訓、コンクール、そしてコンクールに駆け込むと筋立てが揃えばほぼ完璧 ラスト・シーンではセルゲイ・ラフマニノフ(露出身・1873~1943)の難しいピアノ協奏曲が演奏される 原題は"Au bout des doigts"(仏)="At fingertips"=「指先で」か
マイ・ビューティフル・デイズ ⇒原題は"Miss Stevens"=「ミス・スティーヴンス」で、母子家庭に育った29歳の女性高校英語教師レイチェル・スティーヴンスの話だった ある夏彼女は生徒たちに頼まれて、男子2人・女子1人の3人を引率して遠方の街で行われる演劇大会に参加 やや内気な男子ビリーが直接思いをぶつけて来る フォーク・ロック・バンド「アメリカ」の「金色の髪の少女」(1975)が効果的に使われる 25歳から8年間高校教師だった本作監督(兼脚本)のジュリア・ハートの自伝的作品(2016)のようで、本作で注目を浴びた 邦題はビリーの方に重点を置いたものか… ミス・スティーヴンス役をリリー・レーブ(ニューヨーク市出身・1982~)が、ビリー役を「君の名前で僕を呼んで」(2017)のティモシー・シャラメ(ニューヨーク市出身・1995~)が演じる
IT イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。 ⇒モダン・ホラーの開拓者にして第一人者である米国の小説家スティーヴン・キング(メイン州ポートランド出身・1947~)の作品は実に多数映像化されている 彼の小説「IT イット」(1986)をアンディ・ムスキエティ(アルゼンチン・ブエノスアイレス出身・1973~)監督が「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」(2017)として映画化 同監督がその時代設定だった1989年の27年後(2016年)を描いたのが本作 米国北東部の田舎町デリー(ニュー・ハンプシャー州か)に殺人ピエロ(クラウン)が再び現れたので、各地に散らばっていた負け犬7人が集結 時々フラッシュバックするが、女性と黒人以外は、すぐにはどの子供がどの大人になったのか分かりにくく、それを想像するのが面白い ピエロのペニーワイズだけが同じ配役で、当然ながら他のすべての配役は年長に 結局2人が死んで、7人が5人になったが、少し無用に長いような気もする 蜘蛛のラスボスのようなピエロと対戦するため、スタント・ダブルも多い ロケ撮影はカナダのトロントで行われた模様
人生、ただいま修行中(仏) ⇒職業婦人のような女性観客を多数見かけた それもそのはず、本作はフランス・パリ郊外の看護学校で看護師を目指して学ぶ若者たちを追ったドキュメンタリー作品 フランスらしく多様な人種の若者たちが、熱心に看護師技術の習得に励む様子を映す 1年後には本物の患者に対して実習に入る インタビューでは彼女ら・彼らの真剣な態度、無償の情熱、そして出自の悩みが感じられる フランスのドキュメンタリー製作の第一人者二コラ・フィリベール(ナンシー出身・1951~)が監督・撮影・編集 原題は"De chaque instant"(仏)="From each moment"=「一瞬一瞬を」か

2394c56f3744a573グレタ GRETA ⇒冒頭の美しいピアノ曲、フランツ・リスト(ハンガリー・1811~1886)の「愛の夢」が印象的 全編ピアノ曲が重要な役割 ニューヨーク市で親友の家に同居し、高級レストランのウェイトレスとして働く若く美しい女性がヒロイン 地下鉄の車内で発見した置き忘れの高級ハンドバッグを届けるために、持ち主と思われる1人暮しの老婦人の家に訪れたことからすべてが始まる 中盤からホラー・サスペンスの様相を強めていく 終盤はやや現実離れしているように思えるがが、割と静かに進む犯罪行為は結構怖かった エンディングも気が利いている ヒロイン役はクロエ・グレース・モレッツ(ジョージア州アトランタ出身・1997~)が、老婦人役はイザベル・ユペール(パリ出身・1953~)が演じる 監督(兼脚本)は「クライング・ゲーム」(1992)のニール・ジョーダン(アイルランド出身・1950~) 時々ニューヨーク市の風景を挿入しているが、ロケ撮影はカナダ・トロントで行われた模様 原題も"Greta"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年11月 3日 (日)

10月27日~11月2日の週に観た劇場映画

10月27日(日曜)~11月2日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。独特で、個性的な作品が多いようです。

ロボット2.0(印) ⇒2012年に日本でもヒットしたロボット(印・2010)の続編 主演ラジニカーント(インド・バンガロール出身・1950~)と監督・脚本シャンカル(印・1963~)は同じ 舞台はチェンナイ(マドラス)で、相変わらず次々と登場する、無限に多いとも思える新種のキャラクターに驚かされる 時代に合わせて今回はスマホが飛び去り、何者かに強奪されることから物語は始まる したがって、次々と登場する小さなキャラクターが結構主要な役割を果たしている エンド・クレジットで歌と踊りが披露されるが、本編では含まれず新しいインド映画の潮流を示しているのかもしれない ポスプロ・VFXの量は膨大で、エンド・クレジットには1,000人規模の名前を表示 原題は単に"2.0"
ジェミニマン ⇒「ブロークバック・マウンテン」(2005)と「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」(2012)でアカデミー賞監督賞を2度受賞したアン・リー(台・1954~)監督が、主演にウィル・スミス(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身・1968~)を起用して製作 スミスが一人二役を演じるが、若いスミスはCGで創り出したものとのこと モーション・キャプチャーでスミス実物の動きをCGに取り込んで制作したようだ 実物のギャラよりCGの製作費の方が高額だったという話もある したがって、スミス同士のバトル・アクションは見物 原題は"Gemini Man"で邦題どおりだが、あえて直訳すると「双子の、瓜二つの男」か
c94d5cc634ffa9efT-34 レジェンド・オブ・ウォー(露) ⇒ロシア製の戦車対戦アクションは見所が多かった 小型カメラを装着した本物の戦車を走らせたそうだ 徹甲弾では戦車正面の装甲を破れないらしく、したがって徹甲弾がはね返ったり、かすったり時には戦車内ではキーンというとても高い大きな金属音がするようで、本作ではそれを再現しているのが大変リアル また、砲弾には徹甲弾と榴弾の2種類があって、対戦車での使用方法を示してくれる 第二次世界大戦(1939~1945)中の1941年11月27日モスクワ西方郊外のネフェドヴォで1台のT-34ロシア戦車がティーガー(タイガー)戦車からなるドイツ戦車隊を迎え撃った 1944年にその時のドイツ戦車隊長と捕虜になったロシア戦車長が収容所で再会し、ドイツ戦車隊の訓練に捕獲ロシア戦車を動かすように司令することから後半のスリリングな展開に ロシアそして世界のVFX技術が結集されている 原題は単に"T-34"
フッド ザ・ビギニング ⇒ご存じのとおり、ロビン・フッドとは中世イングランドの伝説上の人物 13世紀頃に活躍したとされており、フッド(フード、頭巾)被った義賊であり、日本なら鼠小僧のようなものか… 本作の舞台は英国ノッティンガムで、ストーリーはよく練られているように思う 小領主の主人公が十字軍に徴兵されアラビア半島で戦うシーンもある 故郷に帰還した後、富の偏在と重税に反旗を翻すが、住民が支援し住宅の壁にフッド(頭巾)を飾る 弓を駆使した戦闘アクションは新鮮 原題は単に"Robin Hood"=「ロビン・フッド」
ea19a4b43a70ce0fアダムズ・アップル(デンマーク・独) ⇒宗教と人間性について考えさせられる不思議な作品 舞台は仮釈放された受刑者を更生させる施設を兼ねたある田舎の教会 そこではとても風変わりだが、元気一杯の聖職者が保護司・身元引受人)が活躍 ネオナチのスキンヘッド男が新たに到着するところから話は始まる 教会にはすでに元過激派のようなパキスタン移民の男とアル中でメタボの元テニス選手がいる 教会には大きな林檎の木があり、ネオナチはアップル・パイを作ることが当面の目標となる 旧約聖書のヨブ記と「アダムのりんご」の寓話を土台にして創出されたとのことで、悪魔という言葉が頻出 神と悪魔、善と悪が入り乱れ、なるようにしかならないような気がする やはり最後には奇蹟らしき事々が起こり… ソフト・ロック・グループのビージーズ(英・豪・米)のシングル"How Deep Is Your Love"(1977・邦題「愛はきらめきの中に」)が作中に何度も流れる(歌はカバーかもしれない) 主役の聖職者を演じるのはマッツ・ミケルセン(デンマーク・コペンハーゲン出身・1965~) 監督・脚本はアナス・トーマス・イェンセン(デンマーク・1972~) 原題も"Adam's Apples"

真実(仏・日) ⇒昨年「万引き家族」(2018)で第71回カンヌ国際映画祭(2018)の最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和(東京都練馬区生まれ・清瀬市育ち・1962~)監督が仏・日合作で製作(兼脚本) フランスの名女優カトリーヌ・ドヌーブ(パリ出身・1943~)とジュリエット・ビノシュ(パリ出身・1964~)、そして米国からイーサン・ホーク(テキサス州オースティン出身・1970~)を起用 多分に当て書きが多く、大女優である主人公の映画製作に係わる物語としており、ドヌーブに敬意を表した作りか すべてをパリでロケ撮影したそうで、晩秋~初冬のパリの風景は美しい 原題は"La vérité"(仏)="The truth"で邦題どおり
CLIMAX クライマックス(仏・ベルギー) ⇒形にとらわれないダンス・オーディションの作品のように始まる ワン・カット長回しのシーンが続き、強烈なダンス音楽に合わせ踊っているのはハイ・レベルのダンサーたちだと気付く 用意されたサングリアの中に薬物が入っているのか、飲んだ者たちは徐々に異常な行動に カメラも真上からなど自由な位置から撮影するが、最後には上下逆様になり狂気で混乱する様子を表わすのか… 1996年に恐らくフランスの雪深い山奥の古いホールで実際に起きた事件に基づいているという 監督・脚本は独特で強烈で衝撃的な作品を連発するギャスパー・ノエ(1963~) ノエはアルゼンチンのブエノスアイレスで生まれるが、子供時代数年間を米国ニューヨーク市で過ごし、最終的には1976年にフランスに移住 彼の多様な文化的背景がこういう、やや意味不明だが先鋭的・芸術的な作品を生み出すのだろうか 評価が割れる問題作のせいか観客は結構多い 原題も"Climax"(仏・英)

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年10月27日 (日)

10月20日~10月26日の週に観た劇場映画

10月20日(日曜)~10月26日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。ずいぶん風変わりな作品が多かったような気がします。

イエスタデイ(英) ⇒ビートルズが大好きな監督と脚本家が考え出した作品らしい 設定は面白いが、現実味が余り感じられないのが少し難点か ファンタジーとして観れば、ビートルズの楽曲が心地いいが、緊張が続かない 監督は「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)や「トレイン・スポッティング」(1996)のダニー・ボイル(英・1956~) 脚本は「戦火の馬」(2011)や「ノッティング・ヒルの恋人」(1999)のリチャード・カーティス(ニュージーランド出身・英国国籍・1956~)が担当 原題も"Yesterday"
e1c10b0cc9e0d9bb楽園 ⇒「悪人」(2007)「さよなら渓谷」(2008)「横道世之介」(2009)「怒り」(2014)など映画化された作品が多い人気小説家・吉田修一(長崎市出身・1968~)の短編集「犯罪小説集」(2016)が原作 それを読んだ瀬々敬久(せぜたかひさ・大分県豊後高田市出身・1960~)監督が、そのうちの2編を基に映画化 「64 ロクヨン」(2016)や「菊とギロチン」(2018)のように丁寧な映像製作 長野県山間部の限界集落を舞台にして、田舎の旧態依然とした人間関係の中で発生した複数の事件について、その謎と顛末を描く 「罪」「罰」「人」の3章構成になっており、時間軸は飛びながらも観客の目を引き付け続けるのは流石 ただし、もうこんな田舎は残っていないのではないかと思う ロケ撮影は昨年(2018年)9~10月に、長野県飯山市を中心に、長野市、松本市、駒ケ根市など各地で行われた模様
スペシャルアクターズ ⇒「カメラを止めるな!」(2017・2018)で興行収入31億円以上という大ヒットを飛ばした上田慎一郎監督(京都府生まれ・滋賀県長浜市出身・1984~)の満を持した長編第2作目 松竹ブロードキャスティングの企画で製作がスタートしたが、前作大ヒット後は超多忙でスランプに陥り大変だったようだ しかし、1,500人超のオーディション応募者から15人を選択し、スタッフ・キャスト総出でアイデアを絞り出したようだ クランク・インの2ヶ月前に脚本すべてを書き直したとのこと 今年(2019年)5月14日にクランク・インし、撮影期間はわずか19日間で、6月1日にクランク・アップ ロケ地は東京都や神奈川県の某所か やはりノー・カット撮影が多い ただし、最初から仕掛けがあると思って観ているから、ドンデン返しが続いても、申し訳ないが、やや物足りない感じがする それから効果音がやや耳に付いた
ガリーボーイ(印) ⇒インドのヒップホップ界も熱気を帯びているようだ 本作は、ムンバイ(ボンベイ)のスラムで育った青年がラッパーとしてのし上がる様を描く 幼馴染みで医者の娘との不釣り合いな恋愛も登場するが、この娘が異常にヤキモチ焼き 女性ミュージシャンや先輩ラッパーとの出会いを経て、コンテストに挑むところがクライマックス 原題も"Gully Boy"だが、直訳すると「溝の少年」か
ab93e77f0850c13fボーダー 二つの世界(スウェーデン・デンマーク) ⇒嗅覚が驚異的に鋭く、悪事についても検知できる、スウェーデンの港に勤務する入国・税関審査官 そこに同類らしき人間が現れ、より野生的・動物的な風貌、男女の性徴や食物の違い、尻尾があったのではないかという疑問、雷への原始的な恐怖などなど、不思議なイメージであふれる ホモ・サピエンス以外の人類、例えば欧州に存在していたネアンデルタール人的なものを想像しているのかもしれない 現在地球上に存在している唯一のヒト(人類)の種であるホモ・サピエンスとネアンデルタール人はヒトという属は同じだが、種が違うとされている 彼らの交雑により子孫はできない、あるいはできてもその子孫は不妊だと考えられている ウマとロバは同属だが異種なので、ラバという子供はできてもラバの子孫はできない ヒトは1種だと思っている現代人には理解しにくい作品だが、ウマというヒトとロバというヒトが存在すると考えれば少しはわかるのではないか 原題は"Gräns"(スウェーデン)="Border"=「境界」か 原作者はヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(スウェーデン・1968~)で、筆者が好きな作品「ぼくのエリ 200歳の少女」(スウェーデン・2008、日本公開:2010)の原作小説「MORSE モールス」(スウェーデン・2004、邦訳:2009)の著者でもある 監督はイラン・テヘラン生まれでデンマークに住むアリ・アッバシ(1981~) 両者は本作では脚本も兼ねている

108 海馬五郎の復讐と冒険 ⇒福岡県出身のマルチタレント、俳優・劇作家・演出家・脚本家・映画監督・コラムニストの松尾スズキ(北九州市生まれ・1962~)がパワー全開した作品のようだ 本作でも監督・脚本を兼ね、主役の海馬五郎を演じる 妻役に元アイドルの中山美穂(長野県佐久市生まれ・東京都小金井市出身・1970) R18+指定で裸身が沢山登場するが、なぜか心から抱きたいと思うことはなかった ロケ地は詳細不明だが、エンド・クレジットには埼玉県の富士見市や入間市の名が挙がっていた

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年10月20日 (日)

10月13日~10月19日の週に観た劇場映画

10月13日(日曜)~10月19日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。ラグビー・ワールドカップ決勝トーナメントやプロ野球日本シリーズとテレビ応援も忙しかったですね。

31e919c8a9f6a416英雄は嘘がお好き(仏) ⇒フランス流エスプリというかユーモアを前面に押し出した舞台劇のようなコメディ 台詞は多いがスムーズで、駆け引きも豊富にあり、ネズミ講のような話も面白いし、ミイラ取りがミイラになるオチも秀逸 舞台は1809年~1812年にブルゴーニュに暮らす富豪一族の屋敷 この頃はナポレオン・ボナパルト(コルシカ島出身・1769~1821)が君臨していて、欧州戦線を拡大していた 1809年フランス軍将校として出征する主人公が次女に婚姻を申し込みそのまま戦場へ 全く手紙が来ないので長女が代筆しいつの間にか主人公は英雄に祭り上げられる 3年後みすぼらしい格好で主人公が帰還し大混乱が… 口から出まかせ、嘘八百の主人公を「アーティスト」(仏・2011)で第84回アカデミー賞(2012)主演男優賞を受賞したジャン・デュジャルダン(パリ出身・1972~)が演じる 元々はコメディアンだったらしい流石の演技 共演はフランスの多才な女優メラニー・ロラン(パリ出身・1983~) 筆者は、彼女の胸にある3つの大きなホクロが気になった 原題は"Le Retour du Héros"(仏)="The Return of the Hero"=「英雄の帰還」だが、この方が邦題よりしっくりくるかも…
クロール 凶暴領域 ⇒こういう作品をシチュエーション・スリラーというらしい 話を展開させるために設定された空間・場所・情況で巻き起こる様々な現象や恐怖を描くものということだ 確かに本作もハリケーンが襲い来る米国フロリダ州で、実家に取り残された実父を助けに行った大学競泳選手の娘が、浸水する実家の地下で出会う凶暴な大ワニの集団との遭遇・格闘というシチュエーションだ なぜ地下にいるのかとか、スマホの使い方・かけ方とか、不思議なところもあるが、それはそれとしてこの特殊なサバイバル・スリラーを息を詰めて怖がればいいのだと思う 水中のスタント・ダブルが多数活躍しているようだし、凶暴なワニのVFXも素晴らしい やはりシチュエーション・スリラーである「ドント・ブリーズ」(2016)の製作に係わったサム・ライミ(ミシガン州出身・1959~)が製作陣に 原題は単に"Crawl"=「クロール(泳法)」
ブルーアワーにぶっ飛ばす ⇒CMディレクターの箱田優子(茨城県出身・1982~)の初監督作品(兼脚本) 若手映像作家の発掘を目的とした「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」で審査員特別賞を受賞した企画(脚本)の映画化 主人公は女性CMディレクターで箱田自身がモデルのようだ 直言居士でバリバリ仕事をこなすキャリア・ウーマンだが、実直な夫がいるのに会社同僚と不倫中 満たされているようで満たされていない主人公が、茨城県にいる母から病気の祖母に会いに来てほしいとの電話を受け、舞台が都会から田舎へ 親友から半ば強制され、忘れたい故郷・茨城に車で帰ることになるが、二人で毒舌を吐きながら、実家、両親、祖母、酪農業、自然などに邂逅しながら自分自身を取り戻しているように観える 男である筆者にはうかがい知れない部分もあるが、キャリア・ウーマンの皆さんはとても共感できるところが多いようで、アジアでも高評価 主人公を「海街diary」(2015)の夏帆(かほ・東京都出身・1991~)が、親友を今年公開の「新聞記者」(2019)主演で話題を呼んだシム・ウンギョン(韓国ソウル出身・1994~)が演じる ロケ撮影は昨年(2018年)夏に東京都内、そして茨城県行方市・石岡市・小美玉市・笠間市・牛久市などで行われた模様
3f15c84f7382072115ミニッツ・ウォー(仏・ベルギー) ⇒アフリカのジブチという国(面積:四国の約1.3倍、人口約96万人)をご存じだろうか 紅海からアデン湾そしてアラビア海・インド洋に出るところにあるマンデブ海峡に面した、地政学上重要な場所に存在 周りをエチオピア、エリトリアそしてソマリアで囲まれる ジブチは1977年までフランスの最後の植民地だった 独立の前年(1976年)に発生した、独立派武装組織によるスクール・バス・ジャック人質事件の実話に基づいた作品 バスには軍関係者の子供たちが乗っており、ソマリア国境まで移動し、同志政治犯の即時釈放とフランスからの独立を要求 そこに勇敢なアメリカ人女性教師が到着し、制止を振り切りバスまで辿り着く その後フランス政府が人質救出のための特殊介入班を編成し、パリからエジプト・カイロ経由で派遣される 今にも越境しようとする犯人たちに対して、外交に頼ろうとするフランス政府の優柔不断さが彼らを苦しめ、ギリギリの決断を迫られる 特殊介入班による救出は米国CIAエージェントの1人を加えた狙撃手5人が同時にバス・ジャック犯人5人を狙撃するという驚くべき作戦を採用 しかしながら、直後ソマリア部隊(裏にソ連KGBも)と国境を挟んだ激しい銃撃戦に突入 女性教師をボンド・ガールにもなったオルガ・キュリレンコ(ソ連出身・現ウクライナ国籍・1979~)が、特殊班のリーダー(大尉)をアルバン・レノアール(仏・1980~)が演じる 原題は"L'Intervention"(仏)="The Intervention"=「介入」か 邦題は、最後の戦闘が15分間位なのだろうか、クライマックスのそこに焦点を当てたものではないか 撮影はモロッコの沙漠地帯で行われた模様 フランスでは奇跡の人質救出とされ、これがフランスの対テロ特殊部隊GIGN(国家憲兵隊治安介入部隊)発足の契機となったそうだ

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年10月13日 (日)

10月6日~10月12日の週に観た劇場映画

10月6日(日曜)~10月12日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。娯楽秀作が結構多かったように思います。

毒戦 BELIEVER(韓) ⇒香港・中国合作の「ドラッグ・ウォー 毒戦」(2013)を韓国でリメイクした作品らしい 韓国ではハリウッド作品を抑えて大ヒットした模様 麻薬取締に関するクライム・サスペンス・アクションもの 麻薬製造・流通のボスが分からないまま、内部協力者も使いながら追い詰めていくが… 韓国作品らしいアクションは見物 原題は"Believer"で、直訳すると「信者、信じる者」だが、邦題はかなりの意訳か
サラブレッド ⇒筆者も住んていたことのある米国コネチカット州 都市郊外には富裕層が住む大邸宅が存在 その一つを舞台にした、4章(4幕)仕立てのお洒落なサスペンス・ドラマ 2人のやや大人びた少女の会話が秀逸で、建前と本音と嘘が入り交じり、惨劇に至る 原題も"Thoroughbreds"だが、これは「将来性のある少女たち」を示唆しているのだろうか
50850e144cceebcbジョン・ウィック:パラベラム ⇒キアヌ・リーブズ(レバノン・ベイルート生まれ・カナダ・トロント出身・1964~)主演の「ジョン・ウイック」シリーズ(2014・2017)の第3作目 続編も製作されそうな感じで終わっている ストーリーはともかく、柔道や日本の武芸(マーシャルアーツ)をふんだんに取り入れたアクション・シーンは堪能できる 銃(ガン)とカンフーを組み合わせたガン・フー、車を使ったカー・フー、走る車を盾にするマー(馬)・フー、犬とともに戦うドッグ・フー、無数のナイフを使ったナイ・フーなど次々と新しい技が登場 舞台はニューヨーク市とモロッコのようだが、ニューヨーク公共図書館内での激闘、馬の後ろ脚で蹴り殺すなど斬新なアクションも登場 終盤にはオマージュ的な鏡の部屋での対決もあり、そこには日本の鎧兜が置かれており、日本刀や日本語も使われる ご存じのとおりリーブスは千葉真一(福岡市出身・1939~)の大ファンで千葉の映画からアクションを学んだと公言 「マトリックス」(1999)でリーブズのスタント・ダブルだったチャド・スタエルスキ(米国マサチューセッツ州出身・1968~)が「ジョン・ウィック」シリーズ全3作すべてを監督 さらに第3作目の本作には「アトミック・ブロンド」(2017)や「デッドプール2」(2018)の監督デヴィット・リーチが製作総指揮に加わっている 原題は"John Wick: Chapter 3 - Parabellum"=「ジョン・ウィック:第3章ーパラベラム」 パラベラムとはゲオルグ・ルガー(墺・独・1849~1923)が開発した、銃器の強化弾丸のことらしい
ea45f01d934919b9蜜蜂と遠雷 ⇒女流小説家・恩田陸(りく・青森市生まれ・1964~)の同名原作小説(2016)の映画化 恩田は多作でも知られ、本小説は2017年に直木賞と本屋大賞を初めてダブル受賞 恩田は転勤族の娘らしく、名古屋市、長野県松本市、富山市、秋田市、宮城県仙台市、茨城県水戸市と引越しを繰り返している 趣味が読書と音楽で、ピアノを習っていたこともあるのは、本作の基礎になっているのかもしれない 「勝手にふるえてろ」(2017)と「万引き家族」(2018)の松岡茉優(東京都出身・1995~)が主演し、松坂桃李(神奈川県茅ケ崎市出身・1988~)と若手男優2人が共演 4人はすべてピアノ・コンクールに挑戦するピアニスト役なので、裏側に4人の本物の最前線・実力派プロ・ピアニストが控える ピアノ協奏曲では、多数の楽器演奏者も参加 したがって、演奏シーンは実にリアル ロケ撮影は昨年(2018年)10月中旬~12月中旬に行われ、演奏会場が主要な舞台なので、埼玉県入間市にある武蔵野音楽大学の音楽ホール・バッハザールをメインに、栃木県佐野市、東京都江東区、横浜市などで行われた
ジョーカー ⇒DCコミックスの英雄バットマンの仇敵ジョーカーの、完全に映画オリジナルの誕生秘話だという 架空の街ゴッサム・シティで、母親の面倒を見ながら人々を喜ばすコメディアンとして成功しようとする主人公 社会の無理解に苛まれ、次第に反逆児となり、同じ思いを共有する人々のリーダーとなるのか… 正直言って、筆者にもよく分からないところがあるが、今年の第76回ヴェネチア国際映画祭(2019)で本作が金獅子賞を受賞したように、欧州ではそういうところも芸術的と見なされるような気がする 監督(兼脚本・製作)は「ハングオーバー」シリーズ(2009・2011・2013)のトッド・フィリップス(ニューヨーク市出身・1970~) 主演は「ビューティフル・デイ」(英・仏・米・2017)で第70回カンヌ国際映画祭(2017)男優賞を受賞したホアキン・フェニックス(プエルトリコ出身・1974~)で、名優ロバート・デ・ニーロ(ニューヨーク市出身・1943~)が脇を固める ロケ地はニューヨーク市内各地とニュージャージー州のニューアークとジャージー・シティのあたりのようだ 原題も"Joker"

最高の人生の見つけ方 ⇒2007年の米国製同名作品の日本製リメイク 両者とも配給はワーナー・ブラザーズ 米国作品の原題は"The Bucket List"=「棺桶リスト」で、リストは主役2人で作るが、日本作品では少女の作ったリスト 原案はジャスティン・ザッカム(米国コネチカット州出身・1980~) 米国作品の監督が「スタンド・バイ・ミー」(1986)のロブ・ライナー(ニューヨーク市出身・1947~)で、主演がともに名優のジャック・ニコルソン(ニュージャージー州出身・1937~)とモーガン・フリーマン(テネシー州出身・1937~) 日本作品の監督は「のぼうの城」(2012)や「引っ越し大名!」(2019)の犬童一心(東京都出身・1960~)で、主演の2人は吉永小百合(東京都渋谷区出身・1945~)と天海祐希(東京都台東区出身・1967~) 米国側のリメイク条件はかなり厳しかったようだが、リメイク・二番煎じの限界もありそう 秘書役のムロツヨシ(神奈川県横浜市出身・1976~)は、最近各種映画で顔を観るだけあって好演 ロケ地は京都市、長崎市、五島列島、静岡県、茨城県など全国各地、そして米国カリフォルニア州か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年10月 6日 (日)

9月29日~10月5日の週に観た劇場映画

9月29日(日曜)~10月5日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。史実の事件に基づく作品は、やはり力強いと思いました。

707784765d2a838dライリー・ノース 復讐の女神(米・香) ⇒主役のジェニファー・ガーナー(米国テキサス州ヒューストン出身・1972~)のアクションが素晴らしく、「アトミック・ブロンド」(2017)のシャーリーズ・セロン(南アフリカ出身・1975~)以来久々に楽しんだ 雌伏5年敢然と悪に立ち向かう 米国と香港の合作なので、カンフー・アクションも組み込まれているようだ 「96時間」(仏・2008)のピエール・モレル(仏・1964~)が監督で、リュック・ベッソン(パリ出身・1959~)が製作・脚本 原題は"Peppermint"=「ペパーミント」だが、確かペパーミントは事件の前に娘が食べていたアイスクリームの味だったかな…
ヘルボーイ ⇒原作は米国の漫画家マイク・ミニョーラ(カリフォルニア州バークレー出身・1960~)の代表作である漫画シリーズ(1993~) 今やアカデミー賞監督であるギレルモ・デル・トロ(墨・グアダラハラ出身・1964~)により「ヘルボーイ」(2004)と「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」(2008)と2回映画化されているが、今回原作者の完全監修で再映画化 何の知見も得られないが、観て楽しむ分には問題ない 特殊メイクがなかなかだし、多数のスタント・ダブルと数百人のVFX担当が存在 続編もありそうな終わり方 原題も"Hellboy"で、あえて和訳すると「地獄の少年」か
6a01661a6f4782b2ホテル・ムンバイ(豪・印・米) ⇒2008年11月26日夜にインドで発生した、イスラム過激派によるムンバイ(旧ボンベイ)同時多発テロの史実に基づいた作品 鉄道駅、2ヶ所の5つ星ホテル、病院、映画館などが襲撃され、同時多発的に10件のテロ立てこもり事件に発展 1,300km離れたニューデリーから陸軍の特殊部隊が到着し、11月29日朝にすべての拠点を制圧し解放したが、170人余りが死亡 本作は、タージマハル・ホテルでは500人を超える宿泊客と従業員が巻き込まれたが、32人(半数は従業員)しか死者が出なかったという事実に焦点を当てた オーストラリア人監督のアンソニー・マラス(南オーストラリア州アデレード出身)が初長編作品として取り組んだ 彼は共同脚本のジョン・コリー(英国スコットランド出身・1955~)と共に、ムンバイ・テロ事件を1年間徹底的に調査 生存者、警察官、ホテルの宿泊客や従業員、そして犠牲となった人々の家族から話を聴取 さらに、テロの実行犯と首謀者の通話を傍受した録音記録を研究し、裁判記録や大量の新聞記事を読み、何百時間ものテレビ報道や生存者のインタビュー映像を見たという タージマハル・ホテルの人質救出に大きな役割を果たしたヘマント・オベロイ料理長を実名で登場させ、インドの名優アヌパム・カー(1955~)が演じる 従業員のキー・マンのアルジュンは、何人かのホテル従業員をモデルにシーク教徒として創り出され、「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)や「マリーゴールド・ホテル」シリーズ(2012・2015)のデヴ・パテル(英国ロンドン出身・1990~)に当て書きされたそうだ 筆者が注目したのは、イスラム過激派幹部はまるでカルト教団の教祖的で、イスラム教徒が貧しいのは他宗教の教徒が経済的に奪ったからだと青少年を洗脳している 両親にお金を渡す代わりに、若者をジハード(聖戦)戦士として送り込み、他教徒を殺戮しまくらせた したがって、イスラム教徒は殺しにくいようなシーンが登場するが、今現在はイスラム教徒同士が殺し合いをやっている しかしながら、本作は宗教、人種、文化などの差を越えて人々が協力すれば、最後には希望と未来があることを示唆しているのだろう タージマハル・ホテル外観の映像は本物を使ったようだが、他の実にリアルな部分は、一部オーストラリア・アデレードで撮影された以外は、ムンバイ内外でロケ撮影された模様 原題も"Hotel Mumbai"
任侠学園 ⇒マユツバで観に行ったが、コミカルでトリックもあり、思ったより面白かった ヤクザはヤクザだが、ヤクザの規律を学校に適用すると上手く運営できるのではないかという発想は理解できる 問題のある高校の校長や教員よりヤクザの方がまともに見えるのは不思議 主演はヤクザ・組#2役の西島秀俊(東京都八王子市出身・1971~)だが、親分役の西田敏行(福島県郡山市出身・1947~)が好顔演技 原作は北海道出身の超多作小説家・今野敏(三笠市生まれ・1955~)の任侠シリーズ(2004~2018)で、その内の「任侠学園」(2007)が基になっていると思う 今野はTVドラマ「ハンチョウ」シリーズの原作者ともして有名 監督は木村ひさし(東京都出身・1967~)で、TVドラマを達数手掛けている 次劇場映画作品「屍人荘の殺人」(2019)が12月13日に公開を控える ロケ撮影は昨年(2018年)8月下旬~9月に、千葉県流山市、東京都葛飾区・中野区などで行われた模様
惡の華 ⇒「悪の華」(仏・1857)はフランスの詩人・批評家シャルル・ボードレール(パリ出身・1821~1867)の韻文詩集 本映画作品の原作は、群馬県桐生市出身の漫画家・押見修造(1981~)がボードレールのモチーフを基に、思春期の自我の彷徨を描いた同名連載漫画(2009~2014) TVアニメ化・舞台演劇化もされているが、今回は独創的・幻想的な作風の井口昇(東京都出身・1969~)監督が映画化 片田舎の盆地にある中学校での思春期の暗黒面が描かれ、次にさいたま市大宮にある高校での解放・カタルシスにつながる 筆者にはやや同じような話が繰り返されるのが苦痛だった ひかりテレビが製作に入っているので、ひかり中学やひかり遊園地が登場するのが面白い ロケ撮影は昨年(2018年)11月~12月に、主に群馬県桐生市の中学校、神社、渡良瀬川河川敷、遊園地などで行われた模様 ラストシーンの海岸は千葉県銚子市の犬吠埼のようだ

お嬢ちゃん ⇒神奈川県出身の二ノ宮隆太郎(1986~)監督の長編3作目(兼脚本) 前作までは自ら出演していたが、今回は女優の萩原みのり(名古屋市出身・1997~)を起用し、監督の生まれ故郷・鎌倉市を舞台に、半分当て書きしたらしい 鎌倉の日常に中にあふれる監督の怒りを、ヒロインが代弁しているようだ 画面はスタンダード・サイズで、アスペクト比は1:1.33(3:4) 終映後にトークショーがあり、二ノ宮と宇賀那健一(神奈川県出身・1984~)両監督が登場し、居酒屋での会話のよう 小柄な二ノ宮監督自身が「普段はペコペコしている自分が映画に怒りをぶつけた」と語る 宇賀那監督の次作「魔法少年☆ワイルドバージン」は今年(2019912月に公開予定で、次々作「転がるビー玉」(2020年1月公開予定)で萩原を主演で起用 ロケ地は、当然鎌倉市で由比ヶ浜、長谷、稲村ヶ崎などのあたりか
33cbe98807ca8253宮本から君へ ⇒とにかく熱く、真っ直ぐ・一直線で、激しく、エネルギッシュで、限界がない主人公・宮本浩を演じるのは池松壮亮(そうすけ・福岡市出身・1990~) 恋人のヒロイン・中野靖子を演じるのは蒼井優(福岡県出身・1985~) 2人の濡れ場も結構あり、レイプされるシーンもあるため、もし代役を使っていなければ、役とはいえ、筆者ならば嫉妬すると思うが、夫の山ちゃんこと山里亮太(千葉市出身・1977~)はどうなのだろう 原作は新井英樹(神奈川県出身・1963~)の同名連載漫画(1990~1994) 「ディストラクション・ベイビーズ」(2016)の真利子哲也(東京都出身・1981~)がTVドラマ化(2018)し、今回さらに挑戦的に映画化(兼脚本) 新井も宮本の父親役で出演 ロケ撮影は昨年(2018年)9月末~10月末に、東京都文京区・渋谷区・北区、千葉県松戸市・柏市などで行われた模様 時間的にはピエール瀧(静岡市出身・1967~)は不祥事後に復帰出演しているのか…

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年9月29日 (日)

9月22日~9月28日の週に観た劇場映画

9月22日(日曜)~9月28日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。ラグビー・ワールド・カップをテレビ観戦するのにも忙しかったです。

18537ffaf230dcc0見えない目撃者 ⇒2011年の韓国作品「ブラインド」(日本公開:2014)の日本版リメイク 先に中国版リメイク作品「見えない目撃者」(中・韓・2015)があり、筆者はこの作品を観たような気がする イントロや事件冒頭のシーン、そして犯人の登場の仕方などはかなり変えられている気がするが、視力を失った有能な元女性警察官が悪と戦う構図は共通 若いスケボー少年がだんだんと目覚めていく様子も心地よい 犯人の意外性、街中でのチェイス、そして盲目の人には有利な暗闇での対決など、韓国原作ならではの緊張感がある サスペンス作品初主演の吉岡里帆(京都市出身・1993~)が盲目の女性を熱演 ロケ撮影は今年(2019年)冬に、東京都立川市、埼玉県草加市、横浜市、茨城県小美玉市、栃木県など首都圏一帯で行われた模様
人間失格 太宰治と3人の女たち ⇒写真家でもある蜷川実花(東京都東久留米市出身・1974~)監督の4作目の作品のようだ 構想に7年以上をかけたらしいが、結構事実に沿っているのではないか… 太宰治(本名:津島修治・青森県金木村:現五所川原市出身・1909~1948)と3人の女性が本名で登場 3人の女性とは妻の津島美知子(旧姓:石原・島根県浜田市出身・1912~1997)と、没落華族で歌人・作家の太田静子(滋賀県愛荘町出身・1913~1982)そして美容師の山崎富榮(東京都文京区出身・1919~1948) 作中で演じたのは、それぞれ宮沢りえ(東京都練馬区出身・1973~)、沢尻エリカ(東京都出身・1986~)そして二階堂ふみ(沖縄県那覇市出身・1994~)という豪華女優陣 一方、太宰は蜷川指名の小栗旬(東京都小平市出身・1982~) 1946年~1948年の出来事を描いており、太宰が太田の日記から「斜陽」(1947)を書いたことや、東京・三鷹の玉川上水での山崎との心中(1948)など、よく知られた逸話も使われている 1947年に生まれた、次女・里子と太田の娘・治子も赤ん坊として登場 ご存じのとおり、里子は後の小説家の津島佑子(東京都三鷹市出身・1947~2016)であり、治子はやはり作家の太田治子(神奈川県小田原市出身・1947~)である 撮影は昨年(2018年)11月~12月に、松竹撮影所(京都市)を中心に、東京都中央区銀座・千代田区有楽町、神奈川県小田原市・葉山町、埼玉県日高市、富山市、京都市などでもロケが行われた模様
アイネクライネナハトムジーク ⇒伊坂幸太郎(千葉県松戸市出身・仙台市在住・1971~)の短編集「アイネクライネナハトムジーク」(2014)を映画化 伊坂がファンだという斉藤和義(栃木県壬生町出身・1966~)が音楽を担当し、作品中で繰り返し歌われる主題歌「小さな夜」を製作 群像劇に定評があるとして伊坂が白羽の矢を立てた、「愛がなんだ」(2019)の今泉力哉(福島県郡山市出身・1981~)が監督 主演の2人、三浦春馬(茨城県土浦市出身・1990~)と多部未華子(東京都出身・1989~)、の10年間にわたる恋愛を中心とした群像劇なので、残念ながら焦点が少しボケ気味 オール仙台ロケで撮影され、ロケ地は仙台駅前ぺディストリアンデッキをはじめとして、仙台市青葉区・泉区・太白区などの各地 「アイネクライネナハトムジーク」はドイツ語で、"Eine Kleine Nachtmusik"(独)="A Little Night Music"=「夜の音楽小品」か
アド・アストラ ⇒ブラッド・ピット(米国オクラホマ州出身・1963~)が製作・主演 遠い宇宙へ行くためには、まず地球から月に向かい、次に火星に渡り、そして太陽系の果てを目指すというのが普通の手順になるのだろうか 72日間も無重力状態で宇宙旅行しているのに運動しなくていいのかとか、終わり方がやや中途半端だとか感じた ただ無重力シーンがかなり多く、撮影は結構過酷だったのでは… 原題は"Ad Astra"(ラテン)="To the Stars"=「星々へ」か
タロウのバカ ⇒「日日是好日」(2018)や「さよなら渓谷」(2013)の大森立嗣(たつし・東京都出身・1970~)監督の11本目の長編作品 大森監督の初監督作品「ゲルマニウムの夜」(2005)以前から温めていた構想を今回映画化(兼脚本・編集)したものとのこと 意味も分からずに生きていることへの大いなる挑戦のように観える ただ生きるということは、こんなにも暴力的になるのだろうか… 100%ロケ撮影で製作されたようで、昨年(2018年)9月に東京都足立区、埼玉県三郷市、千葉県木更津市などで撮影された模様

9d47045e796e1ea8ゴーストマスク 傷(韓) ⇒なぜか男性観客が多かった 日本の「口裂け女」都市伝説と韓国の「美容整形」神話から構想されたホラー作品らしい 特にラストの半時間は壮絶で強烈 キャスト・スタッフの大部分は日本人だが、韓国で撮影された韓国製作品 ロケ地は、ソウル市内の明洞・南大門・漢江・江南・金浦空港などと扶餘(プヨ)郡の模様 原題は"Ghost Mask: Scar"で邦題どおり

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年9月22日 (日)

9月15日~9月21日の週に観た劇場映画

9月15日(日曜)~9月21日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。話題作が多く、別の意味でも問題になった作品がありました。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ⇒米国のクエンティン・タランティーノ監督(テネシー州ノックスヴィル出身・1963~)の9本目の長編作品(兼脚本) 9本には「キル・ビル」2部作(2003・2004)が含まれているので実質10本かもしれない 少し話はそれるが、これら9本の中で筆者が一番好きなのは「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012)かな タランティーノ監督は自作にカメオ出演することで有名だが本作には登場しない 本作は1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いており、前半は時代の流れで売れなくなった西部劇スターとその専属スタントマンの苦悩の話 それぞれレオナルド・デカプリオ(カリフォルニア州ロサンゼルス出身・1974~)とブラッド・ピット(オクラホマ州出身・1963~)の2大スターが初共演で演じる 2人のモデルはバート・レイノルズ(ミシガン州出身・1936~2018)とハル・ニーダム(テネシー州メンフィス出身・1931~2013)だといわれる 後半は「チャーリー・セズ マンソンの女たち」(2018)でも描かれた、チャールズ・マンソン(オハイオ州シンシナティ出身・1934~2017)が率いたカルト集団「マンソン・ファミリー」との接触を描く 1969年初めに主人公たちの隣に引っ越してきたロマン・ポランスキー監督(パリ出身ポーランド人・1933~)とその妻でハリウッド女優のシャロン・テート(テキサス州ダラス出身・1943~1969)との出会いも描く ただし、全米にショックを与えた、1969年夏にマンソン・ファミリーがテートをお腹の中の胎児とともに殺害する事件は登場しない 当時のハリウッドあたりの街並み、自動車、ファッション、国道101号等々の再現は見事で、相当の予算を費やしたと思う 本作は少々長いので全編緊張が続かないかもしれない 最後の1時間位のアクションで充分だとも思う 原題は"Once Upon a Time... in Hollywood"で、直訳すると「昔々…ハリウッドで」か
09d42e0f7ad5c951荒野の誓い ⇒本格的な西部劇作品だった インディアン戦争終結期の1892年の米国ニュー・メキシコ州にある騎兵隊本部から話は始まる 歴戦の英雄(大尉)が死期を迎えたシャイアン族の酋長を故郷モンタナ州の熊の渓谷まで送り届けるという、やや不快なミッションを与えられる 背景には先住民との融和をさらに図るという、ワシントンDCにある合衆国政府の意向があった 馬でニュー・メキシコ州からコロラド州(フォート・ウィンスロー)とワイオミング州を経てモンタナ州へ向かうという、道なき道を進む、一種のロード・ムービーともいえよう 途中でコマンチ族により家族を皆殺しにされた開拓一家の夫人を拾う その後、苦しく、悲しい様々な闘い、争いを乗り越える 先住民の服装・文化そして言語を研究し正確に再現しているようだ また、スタンド・カラーのシャツと襟付きのチョッキを着て、ジャケットの一番上のボタンを留めるという、当時の男性のスーツ姿も拝める 本作は、脚本家ドナルド・スチュアート(ミシガン州デトロイト出身・1930~1999)の原案を「クレイジー・ハート」(2009)のスコット・クーパー監督(ヴァージニア州出身・1970~)が映画化(兼脚本) 「アメリカン・ハッスル」(2013)や「バイス」(2018)のクリスチャン・ベール(英国ウェールズ出身・1974~)と「ゴーン・ガール」(2014)のロザムンド・パイク(ロンドン出身・1979~)が共演 シャイアン族の酋長役には「ダンス・ウィズ・ウルヴズ」(1990)にも出演していた、純血チェロキー族のウェス・ステューディ(オクラホマ州出身・1947~) 原題は"Hostiles"で直訳すると「敵対者ら、仇ら」か
記憶にございません! ⇒舞台にTVドラマに大活躍の三谷幸喜(東京都世田谷区出身・1961~)の8本目の映画作品(監督兼脚本) 三谷作品らしく主演の中井貴一(世田谷区出身・1961~)をはじめとして男女の実力派俳優陣が勢揃い 本作も面白く、娯楽としては申し分ないとは思うが、全体を貫く一本の骨太の筋がないように感じる ゆえに、薄っぺらい、上っ面の笑いになっていないかが気になる 撮影は昨年(2018年)猛暑の夏に行われたようで、首相公邸はフジ・テレビ(港区)のスタジオに、首相官邸は東宝スタジオ(世田谷区)に大きめのセットを造った模様 ロケ地も多く、東京都新宿区、中央区、台東区などに加え、ホテルに港区の虎ノ門ヒルズ・アンダーズ東京、病院に埼玉県羽生市の総合病院、ゴルフ場に茨城県かすみがうら市の千代田CCなどを使用したらしい
9cdd359a0d99a234僕のワンダフル・ジャーニー ⇒3度生まれ変わる犬のナレーションが良く、泣かされてしまった 犬の輪廻転生があるかどうかは分からないが、犬好きの方には絶対お薦め 米国ミシガン州の田舎とニューヨーク市が舞台 米国の作家W・ブルース・キャメロン(ミシガン州出身・1960~)の小説"A Dog's Journey"=「犬の旅路」(2012・邦訳:「僕のワンダフル・ジャーニー」2019)が原作 彼の前作小説"A Dog's Purpose"=「犬の目的」(2010・邦訳:「野良犬トビーの愛すべき転生」2012)は「僕のワンダフル・ライフ」(2017)として映画化されており、本作はその続編ともなっている 次作小説"A Dog's Promise"=「犬の約束」(2019)も出版予定とのことで、続々編の映画作品も期待される 本作の原題も"A Dog's Journey"だが、邦題は前作同様かなりの意訳
アス ⇒「ゲット・アウト」(2017)(監督兼脚本)で第90回アカデミー賞脚本賞(2018)を獲得し、一躍世界的に有名になったジョーダン・ピール監督(米国ニューヨーク市出身・1979~)のオリジナル作品(兼脚本) 米国カリフォルニア州サンタ・クルーズのリゾート海岸と遊園地が舞台 バカンスを楽しみに来た、裕福な黒人4人家族が襲われる恐怖の一夜を描く 1986年頃の携帯電話がない時代の設定 満たされないクローンたちが、ドッペルゲンガー的に登場し人を襲う 当時から分断されつつあった米国社会を暗喩しているようだ 原題も"Us"=「私たち」

プライベート・ウォー(英・米) ⇒英国サンディ・タイムズの女性ジャーナリスト・マリー・コルヴィン(米国ニューヨーク市出身・1956~2012)が、片目の失明などのPTSDに苦しみながらも、紛争地域の最前線を取材を続けた実話に基づく作品 彼女に関する米国の作家マリー・ブレンナー(テキサス州サン・アントニオ出身・1949~)の同名原作の映画化 コルヴィンは、2012年2月にシリアのホムスでシリア政府軍の無差別空爆の取材中に死亡 紛争地帯の撮影はヨルダンの沙漠地帯を使った模様 原題も"A Private War"
211008a07bf9112e台風家族 ⇒市井昌秀(富山県射水市出身・1976~)監督のオリジナル脚本による製作 夫人で女優の今野早苗(栃木県出身・1978~)とのユニット「市井点線」で同名小説(2019)も出版 銀行強盗、遺産相続(争族)、葬儀屋事業の継承、ユーチューバー、認知症、振り込め詐欺、時効の問題等々、現代社会にお馴染みの話題が勢揃い これらをコミカルに描く ペットボトルから作った風車が数回登場するのが印象的 主人公の鈴木家の長男を演じるのはは草彅剛(愛媛県生まれ・埼玉県春日部市出身・1974~)で、次男は新井浩文(青森県弘前市出身・韓国籍・1979~) 現在公判中の新井の事件により、今年6月の公開が延期され9月からの限定公開となっている 新井の演じる起業家風の実業家が一番まともに観えるのが不思議 終盤の台風が到来するシーンですべてが明らかに… ロケ撮影は昨年(2018年)6月末~7月末の猛暑の中、栃木県佐野市・栃木市を中心に、東京都足立区・世田谷区・渋谷区、茨城県高萩市などで行われた模様 栃木県では空調のない家屋で撮影したため、暑さで大変だったようだ

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

2019年9月15日 (日)

9月8日~9月14日の週に観た劇場映画

9月8日(日曜)~9月14日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。想像を絶する作品、意表を突く作品、観応えのある作品が多くありました。

トリプル・スレット(タイ・中・米) ⇒原題も"Triple Threat"だが、直訳すると「3拍子揃った人、3分野に優れた人」らしいが、本作では「3人の驚異の男」くらいだろう 3人を演じるのは、トニー・ジャー(タイ・スリン県・1976~)、イコ・ウワイス(インドネシア・ジャカルタ出身・1983~)そしてタイガー・チェン(中国四川省成都市出身・1975~) 3人はそれぞれムエタイ、シラットそしてカンフーの達人 ストーリーはともかく、3人と英・米俳優陣との過激な連続アクション・シーンは見物
777f223e19c1f1e5フリー・ソロ ⇒原題も"Free Solo"で、「フリー・ソロ」とは地面から垂直に切り立った高さ数百mの岩壁を、非常時の命綱となるロープや安全装置を一切使用することなく、自らの手と足だけを頼りに登攀する、最も危険な究極のクライミング・スタイル 米国カリフォルニア州サクラメント出身の世界的フリー・クライマー、アレックス・オノルド(1985~)がおよそ1年間の準備期間を経て、2017年6月にヨセミテ国立公園(カリフォルニア州)にそびえ立つ、高さ約975mの花崗岩でできた断崖絶壁エル・キャピタンをフリー・ソロで登攀するまでを追ったのが本作 詳細な現地調査、現地でのトレーニング、恋人との時間と感情を排する難しさ、100%準備完了で安全だと思えること等々も観せる フリー・クライミングで一緒に登攀し、美しく、危険で、素晴らしい映像を撮影した撮影監督ジミー・チン(ミネソタ州出身・1973)の手腕も見事 本作は今年の第91回アカデミー賞(2019)の長編ドキュメンタリー賞を受賞
チャーリー・セズ マンソンの女たち ⇒米国ではチャールズ・マンソン(オハイオ州シンシナティ出身・1934~2017)が率いたカルト集団「マンソン・ファミリー」が犯した連続殺人事件はとても有名 カリフォルニア州に実在したこの集団のメンバーは女性が多く、マンソンは聖書の黙示録を独自に解釈して彼女らを洗脳していたようだ 黙示録は一種の終末思想であり、日本のオウム真理教の情況ともよく似ている 1969年夏にマンソンの指示によりファミリーのメンバーは自ら手を下して、ハリウッド女優のシャロン・テート(テキサス州ダラス出身・1943~1969)をお腹の中の胎児とともに殺害したのは全米にショックを与えた 多分マンソンが獄死したのを契機に、終身刑で獄中生存中の女性メンバーに焦点を当てた本作を製作したのではないか マンソン・ファミリーの事件は、クエンティン・タランティーノ監督(テネシー州ノックスヴィル出身・1963~)が製作した「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019)の主要テーマでもある 原題は"Charlie Says"=「チャーリー曰く」か
afdde8aa2a172ec7メランコリック ⇒予算300万円の自主制作B級作品だが、物語の展開は意表を突いており、なかなか見応えがあった "One Goose"という、皆川暢二(ようじ・神奈川県出身・1987~)、田中征爾(福岡県出身・1987~)そして磯崎義知(鹿児島県出身・1988~)の3人からなるユニットが製作 皆川が製作と主演、田中が監督・脚本・編集、そして磯崎が出演とアクション演出をそれぞれ分担 第31回東京国際映画祭(2018)日本映画スプラッシュ部門で田中が監督賞を受賞 「ジムノペティ」風の音楽で静かに始まったが、東大出のフリーターの主人公が銭湯のアルバイトを始めたところから物語は一気に展開 高校の同窓会、そしてそこから始まる恋など観客に馴染みのありそうな話題も登場 銭湯の風呂場で人間を短時間に解体できるのか、銭湯のボイラーで解体した人体を短時間で焼けるのか、人体焼却時の臭いの問題、等々ウソ臭い点は気になる また、途中から妙な連帯感が生まれ、最後は超ハッピーなシーンになるが、最後までフィルム・ノワールでいった方が良かったのでは… ロケ撮影は、2017年冬の10日間の夜間に、千葉県浦安市猫実にある銭湯「松の湯」、東京都大田区糀谷の居酒屋「ごち糀谷」などで、超特急で行われた模様
カーマイン・ストリート・ギター ⇒米国ニューヨーク市カーマイン・ストリート42番地にある「カーマイン・ストリート・ギターズ」というギター工房の1週間を追ったドキュメンタリー 工房はマンハッタン南部のグリニッジ・ヴィレッジにあり、近隣の地区の建築廃材を再活用したギター造りに特徴 約200年前に伐採された木材が発見されており、特にバウリー地区で使われていたパイン(松)を使ったバウリー・パインのエレキ・ギターが有名 携帯もネットも使用しない職人・店主が運営する非日常の世界に、頻繁に有名ギタリストが訪れる 原題も"Carmine Street Guitars"

81da6f8f030efa5b6シークレット・スーパースター(印) ⇒インドではまだこのような家父長制、男尊女卑、女児の間引きなどの旧弊が残っているのだろうか それとも物語の持って行き方のためだろうか 偏屈で暴力的な夫の行為は今ではドメスティック・ヴァイオレンス(DV)だ しかし、現代的にユー・チューブで歌手としての才能を見い出された娘は、母と共に現状から抜け出し成功に向かう 最後はとても感動的だった 製作・出演を兼ねるインドの俳優アーミル・カーン(ムンバイ出身・1965~)の歌と踊りは最近の流行か… 原題も"Secret Superstar"で、直訳すると「秘密の超スター」か
天気の子 ⇒そろそろかと思って観た 原作・脚本・監督を兼ねる新海誠(本名:新津誠・長野県小海町出身・1973~)の絵はとても美しいと思うがが、話としてはやや平凡ではないか… だからか緊張が続かなかった 雨の日が連続して、東京の半分が水に浸っても、生活ができているというのが想像しにくい エンド・クレジットを凝視すると、数百人以上のクリエーターが係わっているようだ
かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ⇒くだらないと思ったが面白かった 確かに惚れた方、先に告白した方、恋焦がれた方が弱いというのは真理かもしれない 新潟県佐渡市(佐渡島)出身の赤坂アカ(男性・1988~)の同名原作連載漫画(2015~)の実写映画化 今年(2019年)TVアニメ化もされた 舞台は一流高校の生徒会室が中心、家は貧しいが頭脳明晰で優秀な男子生徒会長と富豪家の出身の女子副会長の恋のバトル King & Princeの平野紫耀(しょう・名古屋市出身・1997~)と橋本環奈(福岡県出身・1999~)が共演 監督は「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」(2017)の河合勇人(愛知県刈谷市出身・1969~)で、脚本は「翔んで埼玉」(2019)の徳永友一(1976~)が担当 「房総半島(内房)の花火大会は午後9時までやっている」という件(くだり)があるが、調べてみると午後8時50分までとか午後8時30分までとかの花火大会が確かにあった ロケ撮影は今年(2019年)3~4月にお台場(東京都港区)、江の島(神奈川県藤沢市)、明星大(東京都日野市)、東京農工大(東京都府中市)、横浜市などで行われた模様

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

| | コメント (0)

より以前の記事一覧