カテゴリー「映画(2019年)」の10件の記事

2019年3月10日 (日)

3月3日~3月9日の週に観た劇場映画

3月3日(日曜)~3月9日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。グリーン・ブックはさすがに見応えのある作品でした。

320_20190314t022835818 ★★★グリーン・ブック ⇒本年の第91回アカデミー賞(2019年)作品賞、脚本賞そして助演男優賞を獲得 1962年米国ニューヨーク市から始まった実話を基にしているが、さすがに最後まであきさせずに観続けられる感動作になっている もちろん白人の視点から描かれており一方的だ、米国における黒人差別の過酷さが充分に描かれていないなどの批判はある 監督はドタバタ喜劇映画作品を得意としてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー(ペンシルベニア州出身・1956~) 主役トニー・“リップ”・バレロンガ(1930~2013)をヴィゴ・モーテンセン(ニューヨーク市出身・1958~)が、共演のドクター・ドナルド・シャーリー(1927~2013)をマハーシャラ・アリ(カリフォルニア州出身・1974~)が演じる 1962年ニューヨーク市のカーネギー・ホールの上階に住み、大活躍中の天才黒人ピアニスト・ドン・シャーリーがまだ合法的な黒人差別が残る米国南部への演奏旅行をあえて企画 ブロンクス区在住で、ナイトクラブの用心棒だったトニーを、クラブが改装のため閉鎖中の間、運転手・同行者として雇う そういう意味では、最終盤のトニーの自宅でのクリスマス・イブのシーンまで米国南部を巡るロードムービーにもなっている モーテンセンは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(2001・2002・2003)の出演で知られているが、前作主演の「はじまりへの旅」(2016)の破天荒で野生人的な役より、本作の少し腹がだぶついているが直情的で荒っぽい役の方がより合っている アリは第89回アカデミー賞(2017)作品賞を獲得した「ムーンライト」(2016)で同賞助演男優賞を受賞しているが、本作で再び助演男優賞を授与された トニー・バレロンガの実子ニック・バレロンガ(ニューヨーク市出身・1959~)が脚本を担当している 無学のトニーに妻への手紙の書き方を指導するところ(伏線になっている)、公民権法(1964年)前夜の南部で同法を推進していたジョン・F・ケネディ第35代大統領(1917~1963)の実弟で司法長官だったロバート・ケネディ(1925~1968)が登場するところ、南部アラバマ州バーミンガムの公演会場でレストランに入場させてくれなかった2人が黒人専用のレストラン・バー・ライヴハウスで食事をし飛入り演奏をするところなどが、特に印象に残った 原題も"Green Book"で邦題どおり グリーン・ブックとはニューヨーク市の郵便集配人だったヴィクター・H・グリーン(黒人・1892~1960)により1936年から1966年の間に毎年出版されていた黒人が利用可能な施設を記したガイドブックのこと
空の瞳とカタツムリ ⇒若者たちの友情、性、潔癖症などについて、モラトリアム的な雰囲気を描いているのかもしれない 2人の主役女優縄田かのん(大阪府・1988~)と中神円(東京都・1992~)には、先が分かっていても知らないように演技するリアリズム演技が求められたらしい 体当たり演技をした2女優は終映後のトークショーに登壇し、劇場出口でのお見送りをしてくれたが、2人とも170cm近くの長身だった 映画館のシーンは群馬県高崎市にあるところでだったそうだ
ナポリの隣人(伊) ⇒イタリア・ナポリ生れで弁護士から小説家に転身したロレンツォ・マローネ(1974~)の原作小説"La tentazione di essere felici"="The temptation to be happy"=「幸せになる誘惑」を、ジャンニ・アメリオ監督(伊・1945~)が映画化 本作の原題は"La tenerezza"(伊)="The tenderness"=「優しさ、慈愛」で少し変えられている 本作の主役は元弁護士の老人で、原作者の名前ロレンツォのまま登場 妻を亡くした老人が娘や息子との関係に悩むなか、隣家に引っ越してきた一家との関係に心の安らぎを見出すが…
移動都市 モータル・エンジン ⇒英国ブライトン出身のSF小説家フィリップ・リーヴ(1966~)の同名原作小説(2001)の映画化 最終戦争で荒廃した地球上で、巨大で強力な移動都市が弱小都市を補食するという話だが、筆者はなかなか付いていけなかった 原題は"Mortal Engines"で原作どおりだが、直訳すると「殺人・補食機関」か
320_20190314t025522331岬の兄妹 ⇒大阪府出身の片山慎三監督(1981~)の初長編作品 数々の助監督経験を基に、1人で監督、脚本、製作、編集までこなした、意欲的な作品 2人とも障碍を持つ兄妹が必死に生きる姿を執拗に追う 兄は左足が不自由で、妹は発達障碍 妹は必然的に兄が嫌う売春的行動に走るが、女としての悦びや生活の糧などの現実がちらつく 自治体からの社会福祉関係の支援業務は、意識的に物語から除外しているようだ 独立系として製作しているため、10人程度の少数チームで三浦半島突端の三崎漁港を中心に四季折々にロケ撮影を敢行 片山監督は完成までに約2年を費やしたそうだ タイトルは当初「三崎の兄妹」だったそうだが、パソコンの誤変換で「岬の兄妹」が出てきてこの方がいいとなったらしい ロケ地は神奈川県三崎市の他に横須賀市、川崎市か

デッドエンドの思い出(韓・日) ⇒東京都文京区出身の小説家・吉本ばなな(旧筆名:よしもとばなな・1964~)の同名原作小説(2003)の映画化 韓国の女流監督チェ・ヒョンヨン(1988~)の初長編作品(兼脚本) 韓国の元アイドルと日本の若手男優を主役として起用し、ぼぼ全編名古屋市内でロケ撮影 驚きと悲しみから話は始まるが、その後は終始ほのぼのとした雰囲気に 原題は"Memories of a Dead End"=「行き止まりの思い出」で、邦題どおり

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年3月 3日 (日)

2月24日~3月2日の週に観た劇場映画

2月24日(日曜)~3月2日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。不思議な作品に出会いました。結構「春眠暁を覚えず」の状態になりました。

ファースト・マン ⇒米国NASA(米国航空宇宙局)のアポロ計画の下、1969年7月にアポロ11号で人類最初の有人月面着陸に成功したニール・アームストロング船長(1930~2012)の半生を描く 米国の大学教授(歴史)ジェームズ・R・ハンセンの原作伝記小説「ファースト・マン:ニール・アームストロングの生涯」(2005)の映画化 「セッション」(2014)と「ラ・ラ・ランド」(2016)のデイミアン・チャゼル監督(ロードアイランド州出身・1985~)が主役に「ラ・ラ・ランド」でも組んだライアン・ゴズリングを起用して製作 アポロ計画はジョン・F・ケネディ大統領(1917~1963・任期:1961~1963)が主導したもので、1961年から1972年にかけて実施 今とは比べものにならない未熟なコンピューターや宇宙船で、宇宙飛行士の優れた操縦技術により6回の有人月面着陸を成功させた 訓練中などで様々なトラブルが発生し何人もの宇宙飛行士の命が失われた 撮影は主にジョージア州アトランタのオープン・セットで行われたが、テキサス州ヒューストンのケネディ宇宙センターとカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地も使われた 原題も"First Man"
THE GUILTY ギルティ(デンマーク) ⇒スウェーデンの新鋭監督グスタフ・モーラー(1988~)の初長編作品 全編ほぼ電話受付の緊急指令室(日本の110番的なものか)だけのシーンで、電話を介した会話だけで物語が展開するサスペンス作品 事情があって電話受付の仕事に回されている警官と誘拐されたとする主婦との会話から意外な事実が 原題は"Den skyldige"(デンマーク)="The guilty"=「犯人」
十二人の死にたい子供たち ⇒「天地明察」(2009・映画:2012)の冲方丁(うぶかた・とう)(岐阜県出身・1977~)の同名原作ミステリー小説を「人魚の眠る家」(2018)の堤幸彦監督(三重県生れ・1955~)が映画化 筆者には進行が平板だったので、途中から記憶が曖昧 ロケは群馬県藤岡市にある公立藤岡総合病院の廃病院 この病院は2017年暮に移転したので、通電し設備もそろったままの幸運なロケ地で2018年冬に撮影された模様
320_20190303t093930201ビール・ストリートの恋人たち ⇒原題は"If Beale Street Could Talk"で、邦題は意訳されているが、直訳すると「もしビール・ストリートが話せたら」か 米国の小説家ジェイムズ・ボールドウィン(ニューヨーク市ハーレム出身・1924~1987)の同名原作小説(1974・新和訳本2019出版あり)の映画化 ビール・ストリートはテネシー州メンフィス中心街にある通りで、アフリカ系米国人の音楽・ブルースの聖地 本作はニューヨーク市のハーレムが舞台で、19歳のヒロインと22歳の青年の純粋で瑞々しい恋愛を描くが、同時に当時の白人警官の黒人に対する差別的・犯罪的な扱いや、黒人がいかに住居を借りるのが難しかったかが登場する 「ムーンライト」(2016)で第89回アカデミー賞(2017)作品賞・脚本賞を獲得した黒人監督バリー・ジェンキンス(フロリダ州出身・1979~)が製作(兼脚本) 本作ではヒロインの母親役を演じたレジーナ・キング(カリフォルニア州出身・1971~)が第91回アカデミー賞(2019)助演女優賞を受賞 ボールドウィンはキング牧師ことマーティン・ルーサー・キング・ジュニア(ジョージア州出身・1929~1968)とともに公民権運動にも参加した 本作製作陣には、米国IT企業大手のオラクルの創業者ラリー・エリソン(ニューヨーク市出身・1944~)の娘で、アンナプルナ・ピクチャーズ創始者のミーガン・エリソン(カリフォルニア州出身・1986~)、そしてプランBエンターテインメントの所有者・ブラッド・ピット(オクラホマ州出身・1963~)が製作総指揮者として名を連ねている
劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ ⇒アニメではあるが、ランキング上位で人気があるようなので鑑賞 ストーリーは他愛ないと思うが、「もっこり」などが度々登場しかなりエッチ 2、3度缶ビールを飲むシーンがあるが、ブランドはいずれもサントリー・プレミアム・モルツ アニメにもプロダクト・プレイスメントがあるのだろうか 終盤の戦闘シーンは新宿遊園(新宿御苑のもじりか)が舞台だが、かようにも破壊していいものか…

320_20190303t093848208 ▼▼翔んで埼玉 ⇒恐らく結構な製作費をかけたと思うが、出来上がりは壮大なB級作品 「バタリロ!」シリーズ(1978~)で有名らしい新潟市出身の漫画家・魔夜峰央(1953~)の同名原作漫画(1982・1983)の映画化 現在は神奈川県横浜市に住む魔夜が、新潟市から一時埼玉県所沢市に転居し、結果編集者の近くに住むことになり、追い詰められて制作した作品らしい 原作に現代の内容を加えて、現在の感覚に近い作品としている 埼玉県を徹底的に揶揄し罵倒する流れとなっているが、逆に自虐ネタとして面白くかえって埼玉県礼賛にもなっているか 監督は、「テルマエ・ロマエ」シリーズ(2012・2014)と「今夜、ロマンス劇場で」(2018)の武内英雄(千葉県出身・1966~) エンド・クレジットに流れる、実は埼玉県春日部市生まれのはなわ(1976~)の主題歌「埼玉県のうた」(2019)は爆笑もの 終映後若者中心の観客席からは拍手が沸き上がった ロケ撮影は、昨年2018年4月~5月に東京都、神奈川県、茨城県、群馬県、埼玉県、栃木県など広域首都圏各地でだったようだ
あの日のオルガン ⇒久保つぎこ(神奈川県出身・1943~)の原作小説「あの日のオルガン 疎開保育園物語」(2018)を、平松恵美子監督(岡山県出身・1967~)が映画化(兼脚本) 日に日に空襲が激しくなる太平洋戦争(1941~1945)末期の1944年に、東京都品川区の戸越保育園が独自に他1ヶ所の園とともに保育士11人、未就学児童53人の集団疎開を検討 埼玉県蓮田市に無人の荒れ寺を見付け、そこに集団疎開 疎開保育園を開園し、未就学児童53人全員の命を守ったことを描く ご存じのとおり1945年3月10日に米軍爆撃機が東京を大空襲・爆撃 多数の未就学児童を含む約10万人の人々が亡くなった ロケ地は京都太秦の松竹撮影所、京都府亀岡市の丹波国分寺などのようだ
Noise ノイズ ⇒2008年6月8日に発生した東京の秋葉原無差別殺傷事件に直接・間接に影響を受けた若者たちの苦悩と闇を描く 父子家庭における父親と娘の関係、DV、地下アイドル活動、JKリフレ(筆者はこれが何かは知らなかった)、母子家庭における青年の社会への反抗・反乱、芸能プロ・スカウトの異常さ(体の要求)など、現在の秋葉原を巡る様々な裏事情が登場 監督・脚本・編集・企画・製作を兼ねる若手の松本優作(兵庫県出身・1992~)が2015年から準備を始め、2017年に本初長編作品を完成 ロケ撮影はリアル秋葉原中心で行われた模様 聴覚障碍者に音を振動として届けるオンテナという上映方法も実施 終映後、松本監督、音楽のbenvox、撮影監督の岸健太郎(兼出演)、そして出演の來河侑希の4人がトークショーに登場

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2019年2月24日 (日)

2月17日~2月23日の週に観た劇場映画

2月17日(日曜)~2月23日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。とても面白く、いい作品が多かったように思います。

320_20190225t075409314 ★▼★女王陛下のお気に入り(アイルランド・英・米) ⇒英国スチュアート朝最後の君主であるアン女王(1665~1714)と彼女のまつわる2人の女官女性の実話に基づいた作品 アンはイングランド・スコットランド女王(1702~1707)を兼ね、そして最初のグレート・ブリテン(大英帝国)女王に戴冠 2人の女性はサラ・ジェニングス(サラ・チャーチル・1660~1744)とアビゲイル・ヒル(アビゲイル・メイシャム・1670~1734)で従姉妹同士 アンの側近にはもう1人エリザベス・シーモア(1667~1722)という女官女性がいたようだが登場せず 作品の主題はサラからアビゲイルへの女王の寵愛つまり権力がどう移動したかに焦点を当てる スピードと変化のある8部構成で、面白可笑しく、豪華華麗な衣装をまとい、ロウソクばかりの照明のセピア色の美しい映像、そしてパイプ・オルガンも多用した音楽で魅せる 当時の英国は第一次産業革命前夜であるが退廃した雰囲気の中で政治が行われていたことに驚く アンは実に17回妊娠したが、1人も成人していないし、代わりにウサギを飼っていたようだ また王室・貴族を含め実に多くの人々が天然痘により亡くなっている アンは常に足を揉ませており、女官たちとのレズビアンも想像させる サラの夫のジョン・チャーチル(初代マールバラ公・1650~1722)の属するホイッグ党とアビゲイルに近いロバート・ハーリー(1661~1724)のトーリー党の政争も描かれるジョン・チャーチルはフランス・スペインとの戦争を戦っていたが、トーリー党は戦争を終結させる ジョン・チャーチルつまりサラ・ジェニングスの子孫には、第二次世界大戦終了の首相ウィンストン・チャーチルや現チャールズ英国皇太子の前妻ダイアナがいる 監督は「ロブスター」(アイルランド・英・ギリシャ・仏・蘭・米・2015)のヨルゴス・ランティモス(ギリシャ・1973~) アンをオリヴィア・コールマン(英・1974~)、アビゲイルをエマ・ストーン(米・1988~)、そしてサラをレイチェル・ワイズ(英・1970~)の実力派女優がそれぞれ演じている オリヴィア・コールマンは直近の第91回アカデミー賞(2019)で主演女優賞を見事射止めた 原題は単に"The Favourite"=「お気に入り」
フォルトゥナの瞳 ⇒「永遠の0」(2006)や「海賊と呼ばれた男」(2012)の小説家・百田尚樹(大阪市・1956~)の同名原作小説(2014)を映画化したファンタジー作品 「坂道のアポロン」(2018)や「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016)の三木孝浩(徳島県出身・1974~)が監督し、神木隆之介(埼玉県出身・1993~)と有村架純(兵庫県出身・1993~)が主演 いろいろ伏線が張られているが、最後に明らかになる真実に驚かされる 携帯ショップはauであり、登場する車はレクサスなので、提携するKDDIとトヨタのプロダクト・プレイスメントか また、人が死に過ぎるような気もするが… 昨年2018年5月~6月のロケ地は主に関西圏で、神戸市を中心とした兵庫県、そして大阪府、奈良県(奈良盆地南部)などか
アクアマン ⇒米国DCコミックのアクアマンを主役にした実写ファンタジー作品 海底に沈んだアトランティス帝国を巡る戦いを描く 海底世界の美しい世界をVFXで描く ポスプロ・VFXにはエンド・クレジットでは1,000人以上が参加 コスチュームとメイクアップの担当が多いのに注目
320_20190225t075450384バジュランギおじさんと、小さな迷子(印) ⇒見逃したと思っていた本作を遅ればせながら劇場鑑賞 現在もインドとパキスタンがその領有権を巡って争いを続けている、高山が美しいカシミール地方が最初と最後の舞台 そこに暮らす口の利けない少女が母親と一緒にインドのイスラム寺院にお詣りに行き口が利けるように祈る 少女は帰途に母親からはぐれ迷子になるが、それを救ったのが主人公のパワン(バジュランギおじさん) 彼は保護した少女がパキスタン人だと発見し、デリーからパキスタンのカシミール地方まで700kmの道のりを2人で旅し、パキスタンの家族に送り届けようとする 終盤はその気がないのに感涙 各地でロケ撮影をし、インド映画らしく唄と踊りにあふれる ヒンディー教とイスラム教の相違と反発、売春窟での人身売買、インド・パキスタン国境の実態、またSNS時代のニュース・報道の実態なども描かれる インドの人気俳優サルマン・カーン(1965~)がパワンを演じ、途中にパワンの半生が挿入されるがやや冗長 パワンの彼女ラスィカーを俳優一家のカリーナ・カブール(1980~)が演じるが、目の上下の黒々としたアイラインがやや不自然 彼女は最後のお涙頂戴のシーンでアイラインのない顔で登場するが、こちらの方がとても自然 原題は"Bajrangi Bhaijaan"(ヒンディー)=「バジュランギおじさん」か
320_20190225t075541082_2盆唄 ⇒2011年3月の東日本大震災、大津波そして福島第1原発事故により最大の被害を受けた福島県双葉町 その双葉町に脈々と引き継がれてきたお盆の盆唄と盆踊りを、京都市出身で沖縄県在住の中江裕司監督(1960~)が追ったドキュメンタリー作品 映像は2015年8月から始まり、2017年8月にいわき市の避難所での各地区の盆唄競演で終わる 最後の盆唄フィナーレは実に感動的 途中で100年前に福島県からハワイに移住した人々がフクシマ・オンドを歌い継いでいること、福島の盆唄のルーツは富山県南砺市にあることなどが語られる 富士山の宝永大噴火(1707)後の飢饉で相馬(福島県)の人口が9万人から3万人と3分の1になったため、相馬の藩主が加賀越中(富山県)から移民を呼んだことは全く知らなかった その時に盆唄も一緒に伝えられたきたのだろう 双葉町の盆唄にまつわる文化・芸能は確かなものであり、双葉町に帰還できる日はいつかまだまだ判然としないが、是非継続してもらいたいものだと思った

アリータ バトル・エンジェル ⇒原作は東京都出身で現在は茨城県つくば市在住の木城ゆきと(1967~)のSF漫画「銃夢(ガンム)」(1991~1995) 「アバター」(2009)と「タイタニック」(1997)で世界興行収入第1位と第2位を有するジェームズ・キャメロン監督(加出身・1954~)が脚本・製作を担当し、「シン・シティ」(2005)のメキシコ系米国人・ロバート・ロドリゲス(1968~)が監督 昨年2018年第90回アカデミー賞作品賞を獲得した「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017)のギレルモ・デル・トロ監督(墨・1964~)は日本アニメのファンであり、彼がキャメロン監督に「銃夢」のアニメを紹介したというのは有名な話らしい 本作品は高度で完璧な映像を駆使したSFファンタジー・エンターテインメント作品として観ればいいと思う 筆者の好きな役者クリストフ・ヴァルツ(オーストリア出身・1956~)が助演で出演している エンド・クレジットを観ると、ポスプロ・VFXに千数百人の名前が挙がっているのには驚く 何となく続編がありそうな感じでは終わっている 原題も"Alita: Battle Angel"
サムライマラソン ⇒原作は、映画にもなった「超高速!参勤交代」(2013)を書いた脚本家・小説家の土橋章宏(大阪府出身・1969~)の小説「幕末まらそん侍」(2014) 江戸時代・幕末の1855年に上野(こうずけ)安中藩(今の群馬県安中市周辺)藩主の板倉勝明(1809~1857)が藩士の鍛練のために行った徒競走・安政遠足(とおあし)の史実に基づく 安政遠足とは安中城内から碓氷峠の熊野権現まで7里余りの中山道をと徒歩競争させたもので、日本史上初のマラソンといわれる 企画・プロデュースの中沢敏明(1947~)とジェレミー・トーマス(英・1949~)が組んで原作を一大国際プロジェクトに組み上げた ジェレミー・トーマスは1987年第60回アカデミー賞で作品賞以下9部門を獲得した「ラスト・エンペラー」(1987)の製作者 主役は佐藤健(埼玉県出身・1989~)でヒロインに小松菜奈(山梨県出身・1996~) 佐藤健は主演した「るろうに剣心」シリーズ(2012~2014)のように走りまくった 小松菜奈の日本髪姿はやや似合わないか ロケ撮影は2017年9月~7月に山形県鶴岡市で行われた模様 主にスタジオセディック庄内オープンセットが使用され、遠足シーンでは羽黒山と三瀬(さんぜ)海岸でも撮影されたようだ
君が君で君だ ⇒「アズミ・ハルコは行方不明」(2016)や「アイスと雨音」(2018)などの意欲作を発表したいる松井大悟(福岡県出身・1985~)監督が本作の監督・原作・脚本を担当 昨年2018年7月に公開された作品だが、何となく見逃しており、半年振りに出会って鑑賞 大人になれない、いい年をした男3人の真面目に、そして真剣に狂った生活を描く 手持ちカメラを多用して撮影 主題歌は尾崎豊(1965~1992)の「僕が僕であるために」(1983) ロケ撮影は2017年7月に神奈川県横浜市・相模原市、東京都台東区・港区などで行われた模様

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2019年2月17日 (日)

2月10日~2月16日の週に観た劇場映画

2月10日(日曜)~2月16日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。なかなか難解な作品もありました。

ともしび(仏・伊・ベルギー) ⇒英国の大女優シャーロット・ランプリング(1946~)が主演 全体的にとても静かな進行で、まるで無声映画のよう 35mフィルムで撮影したので、画面は横が狭い4:3 ユリの花から芯(雌しべ・雄しべ)を抜くこと、雪を散らす小道具が登場すること、成犬の譲渡があること、70代のヒロインの裸身を晒すこと、地下鉄の下りエレベーターを使わずに階段を歩いて下りることなど、筆者には不思議な場面が多々ある 原題は"Hannah"(仏)=「アンナ」でヒロインの名前
バーニング 劇場版(韓) ⇒村上春樹(京都府出身・1949~)の短編小説「納屋を焼く」(1983)を韓国のイ・チャンドン監督(1954~)が翻案して製作した作品 焼くものが納屋からビニール・ハウスに変わっている 階級闘争の雰囲気も漂う 田舎の日没シーンでのヒロインの鳥の影絵、鳥の舞、乳首を晒すところが見物か 3人の会話の中に「中国人は自分が中心 儒教国ではない」というのがあって驚いた 筆者から見るとこれはそのまま韓国人にも当てはまる 原題は"Burning"=「焼くこと・燃やすこと」か
320_20190219t043329676七つの会議 ⇒岐阜県出身の直木賞作家・池井戸潤(1963~)の同名原作小説(2012)の映画化 主演が狂言師の野村萬斎(1966~)で、狂言師、歌舞伎役者、ミュージカル俳優、ミュージシャン、落語家など特色のある出演者を大物・ベテラン俳優陣に加えた豪華キャスト陣 高度成長時代にモーレツ社員が跋扈していた時には、営業部隊があのような猛烈な檄を飛ばされるのは当たり前だったかもしれない しかし、現在ではパワハラ・セクハラの概念が一般化しており、社内に110番制度もある会社も多く、こういうことは常態化していないと思う ただ、品質データや検査データの擬装・改竄・隠蔽は、人手不足からなくならないと思うし、現実社会でも結構頻繁に内部告発されているのはご存じのとおり ロケ撮影は昨年(2018年)4月~6月に東京都・神奈川県以外に、栃木県宇都宮市、埼玉県行田市・深谷市・草加市、群馬県前橋市・高崎市などで行われた模様
あまのがわ ⇒母子家庭で育つ主人公の女子高生 仕事一途だが教育熱心な母親に反発し、学校でのイジメもあって不登校に 和太鼓を教えてくれた祖母の入院で鹿児島に 屋久島や種子島の親戚や知人を訪ね、ロボットと友達に 最後には母親の理解も得て鹿児島のおはら祭りで太鼓を叩く ロケは2017年11月に鹿児島県鹿児島市・屋久島・種子島、そして東京都で行われた
ジュリアン(仏) ⇒フランスの新鋭監督・グザヴィエ・ルグラン(1979~)の初長編作品(兼脚本)で第74回ヴェネツィア国際映画祭(2017)で銀獅子賞を獲得 フランスではDVがらみの離婚の場合、子供の親権を巡る争いははこんなにも激しいのか… 原題は"Jusqu'à la garde"(仏)="Even the guard"=「ガード・護衛までも」か

320_20190219t043344585 ★半世界 ⇒稲垣吾郎(東京都・1973~)が「新しい地図」に移ってから多分初めての主演映画作品だと思う 「北のカナリアたち」(2012)の阪本順治監督(大阪府堺市・1958~)がオリジナル脚本で製作 山林の中の炭焼き窯で備長炭を黙々と生産するのが主人公 北海道の自衛隊から帰ってきた同級生と地元で中古車店を営む同級生の3人が揃ったところから物語は展開 家業の継続、子供の教育・イジメ、夫婦関係、旅館・漁業などのの地場産業等々が描かれる 日本の平和な地域社会(半世界)と日本全体そして海外の全世界が対比されているよう タイムカプセルを掘り出すが元に戻すように、生きるということは何かを問うているような気がする 白炭(備長炭)の炭焼きの仕事がどのようなものか、また火力の強い白炭の他に黒炭というものがあることを知った 全編三重県の伊勢志摩で昨年(2018年)冬にオールロケ撮影され、南伊勢町を中心に志摩市、鳥羽市などがロケ地となった模様

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2019年2月10日 (日)

2月3日~2月9日の週に観た劇場映画

2月3日(日曜)~2月9日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。今回も鑑賞本数が多く、また連休で行事も多かったため、記事作成に苦労しました。

雪の華 ⇒鹿児島県出身の歌手・中島美嘉(1983~)の同名大ヒット曲(2003年)をモチーフにした映画化 余命を設定された病の人の話になっているので、容易に感涙 ただ見かけは元気そうなので常に違和感はある 音楽は葉加瀬太郎(大阪府・1968~)が担当しており、彼がヴァイオリンで奏でるゆっくりした「雪の華」もいい ロケ地の半分はフィンランドで、2018年の冬と夏に長期ロケを行い、ヘルシンキ大聖堂などヘルシンキ市内とオーロラの聖地フィンランド北部のレヴィで撮影した模様 国内のロケ地は江東区萬年橋や渋谷区代官山駅など東京都内各地と横浜市八景島シーパラダイスなど 企画の小笠原明男(北海道出身・1956~2018)が昨年5月に亡くなったため、彼に捧げる作品になっている
飛べない鳥と優しいキツネ(韓) ⇒原題は"Student A"=「学生A、女子中学生A」 韓国の原題と同名のWeb小説の映画化 孤独だが、ゲーム大好きな女子中学生の恋と友情を描く
ひかりの歌 ⇒1.33:1(4:3)のスタンダード・サイズの画面だった 東京都出身の杉田協士(きょうし)監督(1977~)がコンテストで選んだ4首の「光」をテーマにした短歌を原作にして企画・製作した作品 突然故郷北海道札幌の映像が流れ、小樽始発で滝川往きの電車が登場したのには驚いた
320_20190210t084216292ドキュメンタリー映画 岡本太郎の沖縄 ⇒1970年に大阪で開催された万国博覧会の会場に造られた「太陽の塔」で有名な前衛芸術家・岡本太郎(1911~1996)が1959年と1966年の2回沖縄を訪問し、惚れ込んでいる その2回の沖縄訪問時の写真と記録映像を、現代の沖縄映像・インタビューと組み合わせて、葛山喜久(かつらやま よしひさ)監督が製作したドキュメンタリー作品 沖縄本島北から南まで、そして石垣島・竹富島まで足を延ばしているが、芭蕉布の里・喜如嘉(きじょか)と久高島(くだかじま)に時間を割いている 特に、久高島は神話と信仰の島であり、風葬とイザイホーを紹介 1966年はイザイホーが12年に1回行われる午(うま)の年に当たる 残念ながら、イザイホーは1990年に終了してしまう
赤い雪 Red Snow ⇒雪国での未解決少年失踪事件が少年の兄の曖昧な記憶とともに蒸し返され、次世代の混沌とした関係に 叫びが多く、映像が暗いなというのが筆者の感想 女流若手監督甲斐さやかの初長編作品(兼脚本) ロケ撮影は2017年冬に山形県新庄市、大蔵村肘折温泉などで行われた模様

フロントランナー ⇒1988年の米国大統領選挙で、民主党の予備選挙で先頭を走っていたコロラド州選出のゲイリー・ハート上院議員(1936~)が不倫報道一発で沈む様子(事実)を描く ヒュー・ジャックマン(豪・1968~)がハート上院議員を演じるが、予備選挙戦から撤退した時の最後の演説は説得力があると感じた 選挙キャンペーン陣営の中での会話「上院議員の半数は不倫をしている」は衝撃的 原題も"The Front Runner"で邦題どおり
ヴィクトリア女王 最後の秘密(英・米) ⇒実話に基づいた映画作品「あなたを抱きしめる日まで」(英・2013)で涙と感動を呼んだスティーヴン・フリアーズ監督(英・1941~)と女優ジュディ・ディンチ(英・1934~)が再びタッグを組んだ作品 ヴィクトリア英国女王(1819~1901)が夫と従僕を亡くして元気を失っていた1887年に、在位50周年記念式典の記念金貨の贈呈役としてインドから渡ってきた若者アブドゥルとの交流を描く 原題は"Victoria and Abdul"=「ヴィクトリアとアブドゥル」
ミスター・ガラス ⇒「シックス・センス」(1999)で一流監督入りしたインド系米国人映画監督M・ナイト・シャマラン(1970~)が「アンブレイカブル」(2000)の続編として製作した作品(監督・製作・脚本の3役兼務) 3作品いずれにも出演しているドイツ系米国人俳優ブルース・ウィルス(1955~)とシャマラン監督は家族ぐるみの付合いらしい 作品のベースにあるのはスーパーヒーロー(超能力者、サイキック)の話であり、本作でも3人が登場する 原題は"Glass"=「ガラス」で、「ガラスのように脆いスーパーヒーロー」を指すのだろう
320_20190210t082829250BACK STREET GIRLS ゴクドルズ ⇒明らかにB級作品だと思われるが、東映の十八番であるヤクザ映画と近年のブームであるアイドル映画が見事に合体 アイドルに変身した3人の若者ヤクザたちが、その魂を温存したまま矛盾に満ちたアイドル活動 警察に協力して街中で「暴力団追放」のキャンペーン活動を行うなど喜劇的でもある それでも、しっかりと喧嘩・格闘のアクション・シーンは豊富 岩城滉一(東京都・1951~)が3人の親分役で、昨年亡くなった大杉漣(徳島県・1951~2018)が敵方親分役でそれぞれ登場 ロケ地は千葉県や東京都各地か また、渋谷区恵比寿にある(株)フィナンシャル・エージェンシーが、本作ロケに社長室、スカイラウンジ、エントランスなどを使用した旨ホームページで紹介
ちいさな独裁者(独・仏・ポーランド) ⇒本作が実話に基づくものだと知って驚愕 第二次世界大戦(1939~1945)でドイツの敗色が濃厚となっていた1945年4月の出来事で、ドイツ軍の脱走兵が逃走中に置き去られたドイツ軍大尉の制服を発見することから話は展開 すっかり大尉に成りすました彼は、部下を従え他の将校を納得させ、暴虐の限りを尽くす ハリウッド作品「RED レッド」(2010)や「ダイバージェント」シリーズ3作の後半2作「NEO」(2015)と「FINAL」(2016)の監督を務めた、ドイツ人のロベルト・シュヴェンゲ(1968~)が監督(兼脚本) 見せかけ、つまり制服だけで周囲を支配できるというポピュリズムの原点を風刺し、ナショナリズムや極右政党の活動が目に付く現代社会に警鐘か 原題は"Der Hauptmann"="The captain"=「大尉」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年2月 3日 (日)

1月27日~2月2日の週に観た劇場映画

1月27日(日曜)~2月2日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。1週間に鑑賞する作品数が2桁になると、コメントを考え書き上げるのに苦労します。

天才作家の妻 40年目の真実(スウェーデン・米・英) ⇒原題は"The Wife"=「妻」 米国ニューヨーク市在住の女流作家メグ・ウォリッツアー(1959~)の原題と同名の原作小説(和訳本(2019)のタイトルは邦題と同じ)を、米国の女優で脚本家のジェーン・アンダーソン(1954~)が映画化(脚本・製作総指揮) 女性が表舞台になかなか出られなかった時代から、女性も男性と同等に活躍できる時代に変化するにしたがって、天才ゴーストライターであったノーベル賞作家の妻の意識や姿勢の動揺を描く 舞台は米国ニューヨーク州・コネッチカット州とスウェーデンのストックホルムだが、撮影は英国スコットランドのグラスゴー周辺でセット撮影も含めて行われたようだ
サスペリア(伊・英) ⇒イタリアの映画監督・映画プロデューサー・脚本家のダリオ・アルジェント(1940~)が1977年に製作したホラー映画作品「サスペリア」を、「君の名前で僕を呼んで」(2017)のルカ・グァダニーノ(伊・1971~)監督がリメーク グァダニーノ監督は10歳の時にアルジェント監督の作品を観て惚れて、それ以来の念願を今回実現 1977年に米国からドイツ(今回はベルリン)のダンス・カンパニーに入団するために来た少女を中心に、6場面にわたって話が展開 女性の身体の美しさをも強調したホラー作品だが、魔女ものは筆者には余りピンとこない 原題は"Suspiria"(ラテン?)="Breathlessness"=「息切れ」か
二階堂家物語 ⇒2020東京オリンピック公式映画監督の河瀬直美(奈良県・1969~)がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、イランの首都テヘラン出身の女流監督アイダ・パナハンデ(1979~)が監督・脚本を担当 奈良県天理市で地元の種苗会社を経営する名家二階堂家の後継者問題を描く 昨今は資本と経営の分離が当然のように進んでいることから、やや古風な課題を扱っているともいえる やたら雨のシーンが多かったのも気になる 全編作品の舞台となっている天理市にでロケ撮影された模様
320_20190203t111532728そらのレストラン ⇒筆者の故郷・北海道の話なので、ポスターを添付 北海道せたな町(人口約8千人)にある村上牧場が主な舞台のモデル この牧場は高台にあり海(日本海)の見える牧場として知られた放牧牧場で、チーズ工房も併設 本作では村上牧場は設楽牧場として登場し、農場主・亘理(わたる)を北海道出身の大泉洋(江別市・1974~)が演じる またベテラン・チーズ職人として北海道出身の小日向文世(三笠市・1954~)が出演 大泉は北海道シリーズとされる作品「しあわせのパン」(2012)と「ぶどうのなみだ」(2014)に続き第3弾の本作にも主演 小日向は年間数本以上の映画作品に助演で登場する人気者 本作はせたな町の生産者グループ「やまの会」のメンバーたちの日常を基にしており、地場産の新鮮なチーズ、野菜、肉、魚などを使って1日限りの屋外レストランを開くまでを描く 監督(兼脚本)は「サクラダリセット 前篇・後篇」(2017)の深川栄洋(よしひろ)(千葉県・1976~) ロケは、2017年9月から2018年1月にかけて主にせたな町で行われた模様
デイアンドナイト ⇒大阪府出身の俳優・阿部進之介(1982~)が企画・原案を提供し、藤井道人(みちひと)監督(東京都・1986~)に相談し、プロデューサーとして俳優の山田孝之(鹿児島県・1983~)が加わり、3人で脚本を仕上げた作品 昼と夜、善と悪の境目が見方によって変わることをテーマに、重厚なタッチで登場人物たちの苦悩を描く やや進行が遅いので、冗長な感じも ロケ地はほぼ秋田県で、秋田市、鹿角(かづの)市、由利本荘市などで撮影か

チャンブラにて(伊・米・仏・スウェーデン) ⇒長靴型をしたイタリアの長靴のつま先の方にあるレッジョ・カラブリア県に住むロマの少年と家族の日常を描く 少年の属するアマート一族が多数実名のアマートで出演しており、最近加わったアフリカ系黒人住民も含めてチャンブラというスラム地区での生活実態が分かる 原題は"A Ciambra"(伊)="In Ciambra"で、邦題どおりか
320_20190203t111335300愛唄 約束のナクヒト ⇒音楽グループGReeeeNの3枚目のシングル曲「愛唄」(2007)をモチーフにした作品 脚本にもGReeeeNが参加し、「愛唄」に込めたイメージを表現 タイトルにあるように、やはり終盤は泣けた 映像的には、ガン患者にしては余りやつれていないし、結構元気そうにしか観えないので、当初かなり違和感があったが、ストーリーの進め方が巧みで自然に涙を誘う ずいぶん前の唄になったが、今度カラオケで「愛唄」を歌ってみたくなった 主人公の実家は神奈川県横浜市保土ヶ谷区の笹山アーケードに設定されているので、ロケ撮影は昨年2018年春に横浜市、東京都江東区などで行われた模様 また病院のロケには杉並区の佼成会病院や西東京市の武蔵野徳洲会病院が使われたようだ
500年の航海(比) ⇒フェルディナンド・マゼラン(葡・1480~1521)の世界一周航海(周航)(1519~1522)について、実は世界初の周航を達成したのはフィリピン出身の奴隷・エンリケであったという説を唱える作品 エンリケがなぜスペインに売られたか、当時のポルトガルとスペイン、そして神聖ローマ帝国との関係も描かれる フィリピンのキドラッド・タヒミック監督(1942~)が1980年代から35年間にわたり撮影 オリジナルよりは短く編集されているようだが、少々長い 原題は"Balikbayan #1 Memories of Overdevelopment Redux VI"=「バリクバヤン#1過剰展開の思い出Redux VI」かだが、意味不明
かぞくわり ⇒民族学者で作家の折口信夫(しのぶ)(大阪府出身・1887~1953)の「死者の書」(1939)に発想を得て、奈良県出身の塩崎祥平監督(1979~)が製作(兼脚本) 奈良県葛城市の二上山(にじょうさん)の麓にある當麻寺(たいまでら)が主要な舞台で、大津皇子(おおつのみこ・663~686)と中将姫(747~775)に関する伝承を基にしている ロケ地は奈良盆地南部の奈良県葛城市、桜井市など
ナチス第三の男(仏・英・ベルギー) ⇒昨年日本で公開された作品「ハイドリヒを撃て!『ナチの野獣』暗殺作戦」(チェコ・英・仏・2016)と同様のテーマ フランスの小説家ローラン・ビネ(1972~)の原作小説「HHhH プラハ、1942年」(2010、和訳2013)の映画化 本作の前半ではラインハルト・ハイドリッヒ(1904~1942)が妻の力も借りながらナチ党に入党し、ハインリッヒ・ヒムラー(1900~1945)の信任を得ていかに成り上がるかを描いている 当時欧州に在住していた1,100万人のユダヤ人をクレンジングすると言っていたのが、真におぞましく悲しい 原題は"The Man with the Iron Heart"=「鉄の心を持つ男」か

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2019年1月27日 (日)

1月20日~1月26日の週に観た劇場映画

1月20日(日曜)~1月26日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。全豪オープンテニスとサッカーのアジア大会がちょうど開催されていて、それらのテレビ観戦にも時間が取られました。

320_99 ★愛と銃弾(伊) ⇒クライム・サスペンス・アクションと歌と踊りのミュージカル的要素が入り交じった作品は珍しいのではないか またロマンスとコメディの要素も入っている イタリアの映画作品には筆者は余り詳しくないが、イタリア・ローマ出身のマルコ・マネッティ(1968~)とアントニオ・マネッティ(1970~)のマネッティ兄弟が監督・脚本・製作 南イタリアの風光明媚なナポリを舞台に、水産市場を支配するマフィアの殺し屋が昔の恋人と衝撃的に再開することから話が展開 終盤にはいろいろなトリックも仕掛けられていて目が離せない 原題は"Ammore e Malavita"(コルシカ語?)="Sweet and bad"=「甘さと悪さ、甘く悪い」か 邦題もなかなか考えられている
パットマン 5億人の女性を救った男(印) ⇒インドで大ヒットした作品であり、日本でもロング・ランになっているので、遅まきながら鑑賞 本作のモデルになったアルナーチャラム・ムルガナンダム(印・1962~)はインドでも、米国でも有名で数々の賞を受賞しているようだ しかしながら、日本では生理用ナプキンというと、どうしてもすぐにユニ・チャーム社を思い出してしまうので、かなり印象が薄い ナプキンの原料はセルロース・ファイバーで、原料購入時は白い板(元々は住宅の断熱材用か)であることは知らなかった 原題は単に"Padman"
映画刀剣乱舞 ⇒筆者には何のことかよく分からないが、DMMの刀剣育成シュミレーションゲーム「刀剣乱舞 ONLINE」の映画化らしい 映画化に先立って、すでにアニメ、ミュージカル、舞台など派生コンテンツが登場 天正10年(1582年)の本能寺の変を主題として、はるか未来の歴史修正主義者が暗殺されたはずの織田信長(1534~1582)を助けるために時間遡行(そこう)軍を派遣 それに対し歴史守護者の審神者(さにわ)は刀剣を擬人化した刀剣男子たちを送り込み応戦 ゲームがオリジナルだけあって、発想は特に自由で逆転に次ぐ逆転で結構面白い ロケは昨年2018年春に茨城県つくばみらい市行われた模様 他に東映京都撮影所(太秦映画村)も使われたようだ
マスカレード・ホテル ⇒直木賞作家・東野圭吾(大阪市・1958~)の同名原作ミステリ小説(2011)の映画化 原作はシリーズ化されており、第2作「マスカレード・イブ」(短編集・2014)と第3作「マスカレード・ナイト」(2017)が出版されている 本作では、東京の一流ホテル「ホテル・コルテシア東京」での連続殺人が予告されており、ホテルのフロント・マンとして潜入捜査を行う刑事新田浩介と優秀なフロント・レディの山岸尚美の2人を中心とした活躍で、犯人を追い詰める様を描く 新田役には木村拓哉(東京都・1972~)を、山岸役には長澤まさみ(静岡県・1987~)をキャスティング 東野は新田を表現する時にキムタクをイメージしていたというだけあって、木村は素で演技することで役に成りきっていた 他の豪華キャストの後押しもあって結構面白い仕上がり 原作が東京都中央区日本橋蛎殻町にあるロイヤル・パーク・ホテルをモデルにしていることは有名らしい 撮影は2017年10月~11月に行われ、ホテル・ロビーとフロント・バックヤードは世田谷区成城にある東宝スタジオにある大きな8番ステージに精密なセットを造って撮影した模様 また、客室廊下や宴会場はロイヤル・パーク・ホテルの本物を借用した撮影したとのこと ホテルの屋上シーンは渋谷区代々木の山野美容専門学校の屋上でロケ撮影したようだ 名古屋城の映像も登場するので一部名古屋市のロケもあったはず ドローンによる撮影やVFXのDI(デジタル中間体)という技術も活用
夜明け ⇒映画監督の是枝裕和(東京都・1962~)と西川美和(広島県・1974~)が中心になって設立された製作者集団「文福」が製作した作品で、長らく両監督のアシスタントを務めてきた広瀬奈々子監督(神奈川県・1987~)の初長編 それぞれ過去を抱えた青年と中高年木工所経営者の出会い、葛藤、別れを描く ロケ地は九十九里海岸に面する千葉県旭市、匝瑳(そうさ)市など 昨年2018年の真冬に撮影

320_100バハールの涙(仏・ベルギー・ジョージア・スイス) ⇒2014年夏にイスラム過激派組織(IS)がイラクのトルコ国境に近いクルド人自治区になだれ込み、成人男子は射殺し、女性と子供を人質に 女性は奴隷(性奴隷を含む)になり、男の子たちは戦士教育の対象に 7,000人の女性が拉致されたが、半数は戻っていないらしい 奴隷状態から脱走した女性たちが戦士となり、男は女に殺されると天国に行けないと恐れられる女性武装部隊を編成し、自分たちの男の子の救出に向かったという実話に基づく作品 本作ではこの女性武装部隊の隊長バハールをイラン出身で現在はフランス・パリに在住の女優ゴルシフテ・ファラハニ(1983~)が演じ、2015年11月11日から13日までの出来事・戦闘をレポートするフランス人女性ジャーナリスト・マチルドをフランス人女優エマニュエル・ベルゴ(1967~)が演じる 女性戦士たちは「女、命、自由」を標榜し戦い、マルチドはシリア・ホムスの内戦取材時の怪我で左目を失明したジャーナリストの鑑(かがみ)としての設定 さすがにイラクのクルド人自治区ではロケできなかったので、似た環境・風景のグルジアで撮影されたようだ 原題は"Les filles du soleil"(仏)="The girls of the sun"=「太陽の女たち」か 邦題は終盤のシーンを基に創作か

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2019年1月20日 (日)

1月13日~1月19日の週に観た劇場映画

1月13日(日曜)~1月19日(土曜)の週は、11本の劇場映画を観ました。今回は鑑賞本数が少々多くなり、またやや芸術的で難解な作品があったので、記事レポートのアップに苦労しました。

未来を乗り換えた男(独・仏) ⇒原題は"Transit"=「乗換え」か ドイツの女性作家アンナ・ゼーガース(1900~1983)の同名原作小説(1943)の映画化 第二次世界大戦時のドイツによるユダヤ人抹殺(ホロコースト)を、現代のフランスのパリとマルセイユに置き換えて演出 現代欧州に影を差す難民問題とナショナリズム高揚とダブらせたようだ したがって、課題は分かるが内容に追随しずらくなったかも… ラストの展開は意味深
320_97蜘蛛の巣を払う女(英・独・スウェーデン・加・米) ⇒「ドラゴンタトゥーの女」(2011)の続編 前作と同様に、黑づくめ女性ライダーが乗る単車が針葉樹林の中の雪道を走り抜ける格好良く、颯爽としたイメージは素晴らしい 前作が3部作の予定だったのが第1部の製作費が膨らんで1作で製作中止になったらしいが、今作もソニーは結構費用をかけているようで、ハッキング、カーチェイス、格闘アクション、そして終盤の意表を突く屋敷内ハッキングの映像には驚く エンドクレジットにはポスプロ担当者が百数十名と意外に少な目 舞台は一部米国ワシントンD.C.も登場するがほぼ全編スウェーデンの首都ストックホルム 今回ヒロインのリスベット役がルーニー・マーラ(米NY州出身・1985~)からクレア・フォイ(英・1984~)に、記者ミカエル役がダニエル・クレイグ(英・1968~)からスベリル・グドナソン(スウェーデン・1978~)に、監督がデビッド・フィンチャー(米コロラド州デンバー出身・1962~)からフェデ・アルバレス(ウルグアイ出身・1978~)にそれぞれ交代 グドナソンは昨年日本公開の作品「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」(スウェーデン・デンマーク・フィンランド・2017)でボルグそっくりな演技 アルバレス監督は前作が結構怖かったホラー作品「ドント・ブリーズ」(2016) 本作の原作はスウェーデンの作家スティーグ・ラーソン(1954~2004)の「ミレニアム」3部作、つまり「ドラゴン・タトゥーの女」(2005)、「火と戯れる女」(2006)そして「眠れる女と狂卓の騎士」(2007) 第4部は未完の遺作があったようだが、出版社はダヴィド・ラーゲルクランツ(スウェーデン・1962~)に依頼して第4部「蜘蛛の巣を払う女」(2015)を出版 本作は実はこの第4部の映画化 すでにラーゲルクランツによる第5部「復讐の炎を吐く女」(2017)も完成しているが、この映画化はいかに 原題は"The Girl in the Spider's Web"で邦題どおりか
ゴールデン・スランバー(韓) ⇒原題は"Golden Slumber"=「黄金の睡眠」か 千葉県松戸市出身の作家・伊坂幸太郎(1971~)の同名原作小説(2007)の映画化 原作小説は本屋大賞(2008年)を受賞しており、日本でも2010年に映画化されているので、本作は韓国でのリメイクになる 国家によりテロ殺人犯にされた善良な若者市民が、友人たちの助けを借りながら国家の追手から逃げる 「ゴールデン・スランバー」はビートルズ最終版の楽曲らしい
MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド ⇒原題も"Most Beautiful Island"=「最も美しい島」 「最も美しい島」とは米国ニューヨーク市のマンハッタン島らしい ここに移民してきた若い美女たちが、底辺で暮らす中、一獲千金の仕事に喰らいつく 現実とも幻想とも知れない世界 スペイン出身のアナ・アセンシオ(1978~)が監督・脚本・主演の主要3役
マチルド、翼を広げ(仏) ⇒パリでアルツハイマー的な母親と2人で暮らす9歳の少女が主役 少女だけと言葉を交わせるフクロウと離れて暮らす父親の助けを借りて生き延びる 少女が学校教材の骸骨見本を埋葬すること、言葉を話せるフクロウ、水中の少女など、幻想的で黙示的なシーンが多い フランスの映画監督ノミエ・ルヴォヴスキ(1964~)が脚本も母親役も兼ねる 原題は"Demain et tous les autres jours"(仏)="Tomorrow and every other day"=「明日と隔日(1日おき)」だが、どういう意味だろう

この道 ⇒詩人・北原白秋(熊本県生まれ・福岡県育ち・1885~1942)と作曲家・山田耕筰(東京都・1886~1965)の長年にわたる友情を描く 白秋役は演技に定評のある大森南朋(なお)(東京都・1972~)が演じる 「この道」は2人が作詞作曲した日本の代表的童謡で、本作の主題歌でもありEXILEのATSUSHI(埼玉県出身・1980~)が歌う 撮影は主に東映京都撮影所(太秦映画村)で行われたが、一部神奈川県箱根町の富士屋ホテルなどでもロケされた模様
320_98レッスル!(韓) ⇒主演のユ・ヘンジ(韓・1970~)がとにかく面白い 2017年に日本公開された「LUCK-KEY ラッキー」(韓・2016)で筆者は彼に注目したが、韓国の渥美清(東京都・1928~1996)と言って差し支えないだろう ユはその後「コンフィデンシャル 共助」(韓・2017)、「タクシー運転手 約束は海を越えて」(韓・2017)そして「1987、ある闘いの真実」(韓・2017)の韓国主要ヒット作品にバイプレーヤーとしてことごとく出演している 本作では、妻を亡くした元レスリング代表選手の主人公ギボに扮し、何でも人のせいにする大人になれない息子を金メダリストにすることに全身全霊を尽くす しかし、母親から次々と再婚相手を紹介されたり、家族ぐるみの付き合いの他家族の娘から強い恋心を寄せられたり、さまざま恋愛トラブルに巻き込まれる 目標を達成しその後は、世の男たちが羨(うらや)む展開に 原題は"Love+Sling"で、和訳すると「愛+(レスリング・ユニフォームの肩にかける)つり帯」か
Dsc_0595_01君から目が離せない Eyes on you ⇒主演の秋沢健太郎(秋田県出身・1988~)に当て書きした脚本で、篠原哲雄監督(東京都・1962~)が製作 夢と恋愛の狭間で揺れ動く若者を描く 演劇中心で活動してきた秋沢に合わせた劇中劇のスタイルで最初の冬の部は東京都世田谷区下北沢が舞台 夏の部は篠原監督の作品「月とキャベツ」(1996)のオマージュでもあり、群馬県中之条町や四万温泉にも展開 秋の部では武家屋敷の紅葉が美しい秋田県仙北市角館へ 写真は上映後のトークショーでのワン・ショット 向かって左から篠原哲雄監督、主演の秋沢健太朗、そして助演で秋沢の友人の中村優一(神奈川県出身・1987~) 元ジャニーズの中村は喋りまくっていた 観客はほとんど女性で筆者は肩身が狭かった
サイドマン スターを輝かせた男たち ⇒米国のブルース・シンガーで、「シカゴ・ブルースの父」と称されるマディ・ウォーターズ(米ミシシッピ州出身・1913~1983)のサイド・マン、いわゆるバック・ミュージシャンとして長年活躍した3人に焦点を当てたドキュメンタリー 3人とは、ピアニストのパイントップ・パーキンス(米ミシシッピ州出身・1913~2011)、ドラマーのウィリー・”ビッグ・アイズ”・スミス(米アーカンソー州出身・1936~2011)、そしてギタリストのヒューバート・サムリン(米ミシシッピ州出身・1931~2011) なお、米国ブルース・ミュージックはロックンロール・ミュージックの生みの親だそうだ 原題は"Sidemen: Long Road to Glory"=「サイド・メン:栄光への長い道」か
LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て ⇒ラブ・ホテルの1室のワン・シーンで、超長回しの撮影で、舞台劇のような展開 主人公がカバンの中に仕込んだカメラがカバンごと動いて視野が変化する凝った創り 場面は変わらないのに、話が次々と展開・変化する考え抜かれた内容 エンド・クレジットにも映像があり、そこも見物 俳優でもある宅間孝行(東京都・1970~)が監督(兼脚本)し、歌手でもある三上博史(東京都生まれ・神奈川県横浜市育ち・生年不詳)が主演

マイル22 ⇒「テッド」シリーズ(2012・2015)で世界的に有名になった俳優・歌手のマーク・ウォールバーグ(米マサチューセッツ州ボストン出身・1971~)が主演し、俳優・脚本家でもあるピーター・バーグ(米ニューヨーク出身・1962~)が監督 2人は4回目の組合せらしい 本作では、超危険物質盗難の犯罪に対処するため米国政府の高度機密組織が編成され、最強の部隊と完璧な頭脳の組合せで重要参考人を空港までの22マイルを護送しようとする 完璧な頭脳チームが率いているからか、話の展開が速く筆者が付いていけないところもあった ロケは米国ジョージア州アトランタとコロンビアの首都ボゴタで行われ、ボゴタには多種大量の本物の銃器を移送 撮影には多数の小型カメラが使用され、緊迫した映像も結構取り入れられている 原題も"Mile 22"

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2019年1月13日 (日)

1月6日~1月12日の週に観た劇場映画

1月6日(日曜)~1月12日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。年末年始は通常中だるみ状態になりますが、それでも注目できる作品がありました。

320_95こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 ⇒身障者の自立と介助ボランティアという難題をテーマにした、北海道札幌市在住のノンフィクション作家・渡辺一史(愛知県名古屋市出身・1968~)の著書「こんな夜更けにばななかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(2003)の映画化 主人公・鹿野靖明(1959~2002)を演じるのは北海道江別市出身の大泉洋(1973~) 鹿野は11歳(小学校6年生)の時に進行性筋ジストロフィーと診断され20歳までの寿命と言われる 彼は23歳の時に障碍者施設から飛び出し自立を決心 自立するために自ら介助ボランティアを募集し、彼らを鍛えながら20年間の自立生活を送る その陰には「いつも自分にかかり切りだった母親を自分のくびきから解放し、彼女自身の人生を送ってほしい」との強い気持ちが… 不遜で、要求が多くて、ボランティアを悩ますが、決して憎めない明るい性格の主人公を大泉が適役として熱演 鹿野は2002年42歳で亡くなるが、彼の介助ボランティア500人はいまだに彼の母親のもとに集まるそうだ 昨年2018年6月にオール北海道ロケで撮影されたようだ 鹿野は札幌に住んでいたので札幌市内がメイン 観てすぐに分かったのは北大キャンパス(中央ローンと50年間以上も現役のクラーク会館)、三角山、旭山公園など 市内のロケ地は西区(昔の琴似町)中心に中央区、北区、豊平区、白石区、清田区、南区など広範囲にわたり、住宅内での撮影には、鹿野が実際に住んでいた西区山の手団地(身障者用車椅子住宅)を使ったようだ 札幌以外ではラストにとても美しい風景・映像を観せてくれる美瑛町が登場
320_96迫り来る嵐(中) ⇒本格的な中国版フィルム・ノワールが登場 中国山東省威海市出身のドン・ユエ(董越・1976~)監督の初長編 2017年の第30回東京国際映画祭でワールド・プレミアされ話題を呼んだ 2008年に主人公が出所するシーンで始まり、1997年長寧市(多分架空の街)の国営製鋼所の敷地内での連続女性殺人事件に戻る 工場の警備係の主人公は警察と協力・反目しながらも犯人探しに集中 1997年は英国が中国に香港を返還した特別な年であり、都市化と産業構造の変化の波で都市近郊の工場でリストラも発生 雨降りのシーンが多く、画面は黒っぽくとにかく暗いのは当時の中国の雰囲気を表現か 登場人物全員がタバコをとにかく吸い続け、当時の中国の市民生活や文化も垣間見える 終盤主人公が仕掛ける罠が自分自身をも絡めとっていく姿を描く 原題は「暴雪将至 The Looming Storm」(中・英)で邦題どおり
ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス(英) ⇒英国の人気ファッション・デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド(1941~)を3年間にわたり追ったドキュメンタリー パンク・ロックのデザインから始まり、ファッションの一大ブランド・アイコンになり、そして環境・人権活動家にもなる姿を描く 原題は"Westwood: Punk, Icon, Activist"=「ウエストウッド:パンク、アイコン、活動家」か
ホイットニー アイ・オールウェイズ・ラブ・ユー(英) ⇒世界最高の売上げを誇る歌手の一人である、米国のホイットニー・ヒューストン(1963~2012)のドキュメンタリー作品 英国人監督が製作したので、なぜか英国製 暴動が起きるような黒人街の米国ニュージャージー州ニュー・アークで生まれたホイットニーは、母シシー・ヒューストン(1933~)がゴスペル歌手、従姉のディオンヌ・ワーウィック(1940~)も歌手という音楽一族のもとに生まれ、幼少期から英才教育を受ける 1985年に全米メジャー・デビューした後はヒット曲を連発 1992年にケヴィン・コスナー(1955~)と共演した初主演映画「ボディ・ガード」の主題歌「オールウェイズ・ラブ・ユー」が世界的に大ヒットし絶頂期を迎える 「オールウェイズ・ラブ・ユー」(1973)は米国ポップ・カントリー音楽の大御所・シンガーソングライターのドリー・バートン(1946~)の27曲目のシングルで、そのカバーだったことは知らなかった しかし、本作ではホイットニーのお陰で暮らしている兄弟姉妹や父親が周りにいつも入れ替わり沢山存在 マサチューセッツ州ボストン出身のR&B歌手ボビー・ブラウン(1969~)と絶頂期の1992年に結婚してからいろいろな問題が… 観た後の感想だが、歌唱のシーンがやや少なく、インタビュー場面が多く、低予算のB級作品かという感じ 原題は単に"Whitney"
アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング ⇒人生は外見ではなく、心の持ち方で変わることを暗示し、全ての人々に希望を与えるかもしれないファンタジー・コメディ作品 ある意味ではやや平凡なテーマに陥りそうだが、米国ニューヨーク市出身の人気コメディエンヌであるエイミー・シューマー(1981~)がヒロインを熱演 原題は"I Feel Pretty"、あえて和訳すれば「可愛く感じること」か

22年目の記憶(韓) ⇒2014年韓国製の本作が実話に基づくものだとは、日本人の筆者としてはなかなか想像しにくい 最近中国の卓球界が仮想の日本女子選手を育成して、彼女らを練習台とするという話を聞いたことがあるが、それに似たことかも… 1972年7月4日に韓国パク・チョンヒ(朴正熙・1917~1979)大統領と北朝鮮のキム・イルソン(金日成・1992~1994)国家主席との間で、平和的な祖国統一を目指す南北共同声明が発表され、南北首脳会談の機運が高まった 韓国では大統領がそのためのリハーサルを行えるように、売れないが秘密厳守できる役者を探しキム・イルソンのコピーとして育成 選抜・育成法は超過激なもので、その部分が本作の核でもある 1972年の南北首脳会談は世界情勢が変わり行われなかったが、すべてが忘れ去られつつあった22年後の1994年に、キム・ヨンサム(金泳三・1927~2015)大統領の時に再び会談の機運が高まり、リハーサルが行われようとしていた 実際の会談はキム・イルソンが死去したため中止になった 原題は"My Dictator"=「私の独裁者」で、邦題の意味は分からなくはないがやや行き過ぎか
クリード 炎の宿敵 ⇒6作製造されたシルベスター・スタローン(1946~)脚本・主演の映画「ロッキー」シリーズ(1976~2006)のスピンオフ作品であった「クリード チャンプを継ぐ男」(2015)の続編 今回もスタローンが脚本を担当し、トレーナー・コーチ役で出演 相変わらずボクシングの試合シーンは迫力があるが、やや予定調和的な内容で物足りないかも 原題は"Creed II"=「クリードⅡ」
ヒューマン・フロー 大地漂流(独) ⇒中国北京生まれの現代美術家アイ・ウェイウェイ(1957~)が製作・監督したドキュメンタリー作品で、世界中で発生している難民の実情を緻密に追っている 世界の難民は6,500万人を超えており、本作ではギリシャ・レスポス島のシリア・イラク難民、バングラディシュのロヒンギャ難民、ドイツでの難民施設、米墨国境地帯での難民など、時間をかけ淡々と紹介されるので、かえって説得力がある アイは2008年の四川大地震で多数の児童が死亡した責任問題を追及したため、中国当局に弾圧・拘束されたことから現在はドイツに住む 原題は単に"Human Flow"で、あえて和訳すると「人間の流れ」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年1月 6日 (日)

1月1日~1月5日の週に観た劇場映画

1月1日(火曜)~1月5日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。新年早々は、隣国韓国との係わりを理解するのに役立つ2作品を拝見しました。

シシリアン・ゴースト・ストーリー(伊・仏・スイス) ⇒イタリア・シシリア(島)の美しい自然と少年少女の切ない愛が、台詞が少ない映像中心で描かれる 1993年にイタリアのシチリアで実際に起きた「ジュセッペ・ディ・マッテオ少年誘拐監禁事件」を基に、イタリア人作家マルコ・マンカッソーラ(1973~)が書いた短編を、やはりシチリア出身の2人の監督が映画化 作品中の最後のテロップにあるが、結局少年は殺害されて酸で溶かされたらしい 原題は"Sicilian Ghost Story"で、邦題どおりだが、あえて意訳すると「シシリア幽霊物語」か
ワイルド・ストーム ⇒タイトルから嵐と闘う人々を描く作品かと思ったら、ハリケーンを利用して米国FRB(連邦準備制度:中央銀行)の使用済みドル紙幣粉砕処理工場から現金6億ドル(約600億円)を強奪しようとする話であった 実在の施設かどうか分からないが、確か米国アラバマ州にあるとしている、使用済みドル紙幣をシュレッダーにかけて粉砕する工場を、ハッキング・潜入して強奪する強盗犯を描く 生き延びたFRB職員と気象学者らがあらゆる方法を駆使して戦う ハリケーンそのものやハリケーンの被害を表現するVFX映像は凄い 原題は"The Hurricane Heist"=「ハリケーン強盗」でこの方がずっと分かりやすい
共犯者たち(韓) ⇒本作と次の「スパイネーション 自白」(韓・2016)、これら2つの韓国ドキュメンタリー作品を観て、いかに筆者が韓国の社会・政治について無知だったかを思い知らされた 本作「共犯者たち」では、保守派のイ・ミョンバク(李明博・1941~)第17代大統領(任期:2008~2013)とパク・クネ(朴槿恵・1952~)第18代大統領(任期:2013~2017)が行った、約9年間にわたる言論弾圧・報道支配が描き出される 韓国全土をカバーする2大放送ネットワークがいずれも政府系の公営放送・MBC(設立:1961)と公共放送・KBS(設立:1973)だというのも驚き (株)MBC(韓国文化放送)は公益財団の放送文化振興会が7割の株式を所有し、KBC(韓国放送公社)は政府100%出資 イ・ミョンバク政権は2008年の発足直後にBSE問題で輸入禁止していた米国産牛肉を輸入再開したが、メディアの疑問報道などにより国民の支持を失いかけたことにより、MBCとKBSに政治介入・人事介入し言論弾圧 一連の弾圧で2012年にMBCを解雇されたチェ・スンホ記者らが調査報道を行うニュース打破を設立し、チェ本人が監督し本ドキュメンタリーを製作 日本の報道姿勢に対する警鐘にもなっている 昨年2017年政権交代しリベラル派・左派のムン・ジェイン(文在寅・1953~)が第19代大統領(任期:2017~5年間予定)が誕生したためか、チェ・スンホがMBCの社長に選任されている 原題は"Criminal Conspiracy"=「刑事陰謀」か
320_94スパイネーション 自白(韓) ⇒本ドキュメンタリー作品を観て、韓国では考え方の優先順位が『個人自分自身の成果・利益>家族の利益>属する団体・派閥の成果・利益>国益>正義』であるということがよく分かった 本作は前出の「共犯者たち」(韓・2017)と同様にニュース打破のチェ・スンホが監督し、妹の自白だけで韓国在住の脱北者をスパイとして起訴する国家情報院の欺瞞・証拠捏造を炙り出す 韓国の警察機関や検察機関いかに恣意的で、自分たちの成果を上げるためには平気で嘘をつき、自白強要し、仕舞いには証拠捏造・偽造するかを明らかにする 国家情報院は前身が韓国中央情報部(KCIA)であり、パク・チョンヒ(朴正熙・1917~1979)第5~9代大統領(任期:1963~1979)時代の1975年から拷問も含め手段を選ばずスパイ捏造を平気で行っていたようだ 本作では中国、タイや日本など外国でも取材を行い、中国・地方政府公文書の偽造問題などの裏付け取材を敢行 筆者が冒頭に示した優先式(不等式)をよく見れば「韓国海軍駆逐艦による日本哨戒機(海上自衛隊)へのロック・オン事件」などに対する、韓国政府・社会の反応の仕方がよく理解できると思う 原題は"Spy Nation"で邦題はそのままだが、意訳すると「スパイだらけの国」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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