カテゴリー「映画(2019年)」の30件の記事

2019年7月28日 (日)

7月24日~7月27日に観た劇場映画

7月24日(水曜)~7月27日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。7月14日の週は札幌に参っておりましたので、今回も変則的な期間で報告します。

アマンダと僕(仏) ⇒美しいパリの街で暮らしていた主人公の青年男子、その姉と小さな娘、そして恋人が主な登場人物 背景には離婚がごく普通で母子家庭、父子家庭が普通に存在 パリ同時多発テロ(2015年11月)で最愛の姉を失くし、幼い少女と二人になって戸惑う主人公 主人公が親にになる決意を固め、ロンドンの母親に会い、田舎に帰った恋人にも会い、静かに立ち直る 第31回東京国際映画祭(2018年)で最高賞の東京グランプリと最優秀脚本賞をダブル受賞 原題は単に"Amanda"(仏)=「アマンダ」
320-20190802t172738957ハッピー・デス・デイ2U ⇒米国のどこにあるかは分からないが、ベイフィールド大学のキャンパスで学生たちに起きる死のタイム・ループを描くホラー・ファンタジー・ドタバタ学園作品 量子力学に基づいた実験装置が原因だということが分かり、何度も死を繰り返しながら解決策を探る 装置を製作した理系の3人の学生が東洋系男子、インド系男子、ユダヤ系女子という構図は米国の実情を表わしていそう 前作があったようだが、次作第3部も製作されそうだ エンド・クレジットには電通とフジテレビが製作に協力しているらしい 原題も"Happy Death Day 2U"だが、直訳すると「祝・君の死亡日」か
320-20190802t172817121劇場版パタリロ! ⇒新潟市出身の漫画家・魔夜峰央(まやみねお・本名:山田峰央・1953~)の同名原作漫画の映画化 魔夜は今年2月公開の「翔んで埼玉」(2019)で映画界でも一気に人気を博した 「パタリロ!」は1978年に連載が始まり、現在もまだ継続している超人気ナンセンス・ギャグ漫画 1982年にはテレビ・アニメ化され、2016年には2.5次元ミュージカル化 このミュージカルのキャスト・スタッフをそのまま引き継いで本作を映画化した模様 基本的にはドタバタ・ミュージカル・コメディだが、原作者も登場するし、歌舞伎、宝塚、スターウォーズ、007など、何でもありの作品 男色も扱っており、男同士のキスが長い 豊洲(東京都江東区)に遠征して最終回を鑑賞したが、これから2番館での上映があると思いきや…
チャイルド・プレイ ⇒最先端AIテクノロジー企業が製造・提供する「バディ人形」 その欠陥品が巻き起こすブラック・ユーモアから、ついには殺人マシーンと化す恐怖を上手く描く 欠陥品を生み出す中国の製造工場の実情、米国の販売店における返品の取扱いなども皮肉っているが、中でも怖いのはAI機能の暴走だろう 人形の名前「バディ Buddi」は"buddy"=「相棒、仲間」のもじりであり、「ボディ "body"」とは無関係 1988年以降7作品が製作されたシリーズの復活製作だとは知らなかった 原題は"Child's Play"で、「ままごと」という意味らしい
さらば愛しきアウトロー ⇒「明日に向かって撃て!」(1969)で一躍スター俳優になったロバート・レッドフォード(米国カリフォルニア州サンタモニカ出身・1936~)の引退主演作品とのこと 米国実在のアウトロー・フォレスト・タッカー(フロリダ州出身・1920~2004)を演じた 1980年代の米国で超紳士的な振舞いで銃をチラッと見せるだけで、銀行から現金を強奪したという人物 当時の米国ではそんなやり方でも銀行強盗が成立したのかと驚く またタッカーは16回も脱獄したことでも有名らしい 米国のジャーナリスト・デビット・グラン(コネチカット州出身・1967~)がタッカーについて書いて、雑誌「ザ・ニューヨーカー」(2003年1月27日号)に掲載された記事が原作 原作と本作原題は同じで、"The Old Man and the Gun"=「老人と銃」

320-20190802t172835530アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲(フィンランド・独・ベルギー) ⇒「アイアン・スカイ」(フィンランド・独・墺・2012)を製作したティモ・ヴオレンソラ監督(フィンランド・1979~)が、ファンからの熱望に応えてクラウド・ファンディングにより続編として製作したものらしい 月の裏側と地球の内側で、ナチスの亡霊たちと闘うドタバタ宇宙ブラック・コメディ スマホが頻繁に登場し、月でも宇宙でも使えるのが不思議 またスティーブン(・ジョブス)教なるもじりも登場 原題は"Iron Sky: The Coming Race"で、直訳すると「鉄の空:次のレース」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年7月24日 (水)

7月14日~7月23日に観た劇場映画

7月14日(日曜)~7月23日(火曜)は、5本の劇場映画を観ました。7月14日の週は札幌に参っておりましたので、今回は変則的な期間で報告します。

新聞記者 ⇒中日新聞(東京新聞)社会部記者の望月衣塑子(いそこ・東京都出身・1975~)の同名原作小説(2017)を映画化 小説は望月の記者取材経験を基に創作されたもの 本作主演を務めた、「サニー 永遠の仲間たち」(韓・2011)の女子高生主役だったシム・ウンギョン(韓国ソウル市出身・1994~)は望月自身の分身のように思える 監督(兼脚本)は「青の帰り道」(2018)や「デイアンドナイト」(2019)の藤井道人(みちひと・東京都出身・1986~) 今年(2019年)2月下旬からイチョウが色付く秋までの時間軸で、特区医療大学新設構想、文科省事務次官の処遇、総理担当記者のレイプ事件、外務省の文書改竄、外務官僚の自殺など、ここ2、3年の政治的出来事によく似たような案件が登場 内閣情報調査室(内調)を、行政府がネット経由で世論操作する機関と位置付け 仲間由紀恵(沖縄県浦添市出身・1979~)の亭主の田中哲司(三重県鈴鹿市出身・1966~)が内調の中心的悪役部長を演じ、その部下でいろいろ悩む外務官僚を松坂桃李(神奈川県茅ケ崎市出身・1988~)が熱演 望月も冒頭にテレビ討論番組の論客として受像機の中に登場 結構興味深い内容だが、上映館が拡がらないのはどこかから圧力が… 本作が事実だったら困るし、もし事実ならば日本も韓国化し政権交代時に毎回首相が逮捕されるようになりかねない ロケ撮影は東京都千代田区内幸町にある中日新聞東京本社社内でも行われた模様 筆者も同社内を訪れたことがある 他のロケ地は埼玉県新座市、東京都中央区・中野区などか
工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男(韓) ⇒1992年から1997年にかけて韓国国家安全企画部の要請で対北朝鮮スパイになった軍人(将校)の実話に基づく作品 中国北京での活動が主だが、北朝鮮で金正日総書記(1941~2011)にも面会 主に金泳三大統領(1927~2015・任期:1993~1998)の時代で、次の大統領が金大中(1925~2009・任期:1998~2003)になり対北朝鮮宥和政策を採用し大転換が起こった 主人公は結局二重スパイのようになってしまったので、韓国でも逮捕・投獄された 韓国と北朝鮮の関係は本当に難しいと思う 国境をまたいだ親戚は沢山いるし、発音は若干違うようだが、実際溶け込んでしまうとどちらの国の人かはなかなか見分けが付かないと想像される したがって、韓国には北のスパイやスパイもどきが沢山存在すると考えられ、その事実が韓国政治の混乱や日韓関係の困難さに結び付いているのではないか ロケ撮影は6ヶ月間にわたり韓国全国各地と台湾で行われた模様 原題は"The Spy Gone North"=「北に取り込まれたスパイ」か
三人の夫(香) ⇒香港のインディペンデント監督フルーツ・チャン(中国広東省出身・1959~)の娼婦三部作の第三部・完結編 人魚伝説を絡めて、海上生活をする精力絶倫の娼婦の姿を「海・陸・空」の3部に分け製作 主演女優は14~15kg太って熱演しているが、海中セックスの映像まである本作が15歳以上指定でいいのだろうか 気の利いた小道具が多く、アワビ、パパイヤ、ついには大ウナギまで登場 舞台は中国・香港と珠海 原題は「三夫 Three Husbands」で邦題どおりだが、その意味は鑑賞すれば分かる
ハッパGOGO 大統領極秘指令(ウルグアイ・米) ⇒ウルグアイ製の作品を初めて鑑賞 ウルグアイでは大麻が完全に合法化されたが、実は大麻不足に陥ったという話 ウルグアイの首都モンテビデオ出身・在住のデニー・ブレックナーという人物が監督・原案・脚本・主演をすべて兼ねている 元大統領のホセ・ムヒカ(モンテビデオ出身・1935~・大統領在任:2010~2015)が友情出演し、米国ワシントンDCでオバマ大統領と会談した場面も使われている 原題は"Get the Weed"=「草を入手しろ」⇒「大麻を手に入れろ」か
320-20190728t132256801無双の鉄拳(韓) ⇒「新感染 ファイナル・エクスプレス」(韓・2016)の出演で日本でも有名になり、今年日本公開された「神と共に 第二章:因と縁」(韓・2018)でも存在感を示したマ・ドンソク(ソウル出身・米国在住・1971~)が主演 韓国のドウェイン・ジョンソン(米国カリフォルニア州出身・1972~)とも呼ばれる身長178cm・体重100kgの巨体が躍動 若い女性を誘拐するが、身代金は要求せず逆に金を払うから忘れてくれという異常な誘拐犯と闘う これは一種の人身売買か… 原題は"Unstoppable"=「止められない」=「無敵」で邦題とほぼ同じか

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年7月14日 (日)

7月7日~7月13日の週に観た劇場映画

7月7日(日曜)~7月13日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。リアリティのある作品が筆者の心に響きます。

いちごの唄 ⇒人気脚本家の岡田惠和(よしかず・東京都三鷹市出身・1959~)がシンガーソングライターで「銀杏BOYS」のメンバーの峯田和伸(山形県出身・1977~)の楽曲を基に書き上げた同名原作(2018)・脚本を映画化 児童養護施設「いちご園」出身の女の子を巡っての中学生時代そして10年後の青春時代の淡い恋を描く ダブル主演はいずれも二世タレントで、フリー・アナウンサーの古舘伊知郎(東京都北区出身・1954~)の息子の古舘佑太郎(世田谷区出身・1991~)と俳優石橋凌(福岡県久留米市出身・1956~)と原田美枝子(東京都豊島区出身・1958~)の次女の石橋静河(東京都出身・1994~) ロケ撮影は昨年(2018年)秋に群馬県沼田市、東京都大田区・杉並区・中野区などで行われた模様
神と共に 第二章:因と縁(韓) ⇒韓国のWebコミックを実写映画化した2部作の後編 「神と共に 第一章:罪と罰」(韓・2018)の続編 物語の筋は第一章と基本的に同じだが、「新感染 ファイナル・エクスプレス」(韓・2016)で日本でも有名になったマ・ドンソク(ソウル出身・米国在住・1971~)が新たに参戦 冥界の使者たちの因縁が明らかになる
Diner ダイナー ⇒ホラー小説家・平山夢明(ゆめあき・神奈川県川崎市出身・1961~)の同名原作小説(2009)を蜷川実花(東京都東久留米市出身・1972~)監督、藤原竜也(埼玉県秩父市出身・1982~)主演で映画化 さすがの舞台劇・劇中劇のような展開で、アクション・ファンタジーも満載 他の殺し屋キャスト、また美術・衣装・料理・音楽などのスタッフも一流どころを揃えている 特に食堂の装飾美術を大御所・横尾忠則(兵庫県西脇市出身・1936~)が担当しているのは特筆される 撮影の大部分は世田谷区にある東宝スタジオ内のセットで行われたようだが、ロケ撮影も茨城県境町にあるさしま環境センター(ごみ処理場跡地で「ファブル」(2019)のロケにも使われた)やメキシコのグアナファト(メキシコ1美しい街)で行われた模様
スパイダーマン ファー・フロム・ホーム ⇒「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019)の続編と位置付けられているようだ ただし、いずれもマーベルの製作だが、配給は前回のディズニーから今回はソニーに交替 舞台はニューヨーク市、メキシコ・イステンコ、プラハ、ベルリン、ロンドンと移り、最後はホーム・グラウンドのニューヨーク市に戻る ファンタジー・アクション・シーンはロンドンが舞台のものが主体 筆者には何のリアリティも感じさせないが、最後に展開されたファンタジー・アクション・シーンがすべてイルージョンでありフェイクであるようなこと(そもそもそうなのだが…)を暗示するのはどういう意味だろうか マーベル・コミックの原作はスタン・リー(ニューヨーク市出身・1922~2018)が担当していたようだ
320-20190718t205314631アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場(フィンランド) ⇒原題は"Tuntematon sotilas"(フィンランド)="Unknown Soldiers"=「無名戦士」 フィンランドの著名な小説家ヴァイニョ・リンナ(1920~1992)の同名原作小説(1954)の映画化 自身の戦争体験を基に書いたもので、1955年と1985年に続いて3度目の映画化らしい 1939~1940年の冬戦争でソ連に奪われたカレリア地方を奪還すべく、第二次世界大戦(1939~1945)中にドイツと同盟を組んで、1941年ドイツ軍のソ連侵攻に合わせてフィンランド軍もカレリア地方に進出し継続戦争(フィンランドは冬戦争の継続と称した)を開始 本作はこの継続戦争をテーマとしている フィンランド軍は1941年秋にはソ連領内に進攻しカレリア地方の中心都市ペトロザボーツクを占領 しかし、1944年にはソ連軍のカレリア攻勢が始まり、9月には休戦となりフィンランドのカレリア地方奪還は失敗に終わる 当時使用された各種機関銃や戦車などもリアルに登場し、超大量の爆薬が使用されたため、まるでドキュメンタリーのような映像になっている フィンランドでは過去最高の観客動員数を記録したようだ

こはく ⇒長崎県佐世保市出身の横尾初喜(はつき・1979~)監督が、自身の半生を参考にオリジナル企画で製作 故郷・佐世保市を舞台に、父親不在で育った兄弟がある日突然父親捜しを始め、隠されていたいろいろな事実・真実に出会い、クライマックスに 主人公の弟に井浦新(あらた・東京都日野市出身・1974~)、兄に大橋彰(埼玉県秩父市出身・1974~)そして弟の妻に遠藤久美子(東京都葛飾区出身・1978~)をそれぞれ配役 大橋はお盆で局部を隠す裸芸で知られている芸人のアキラ100%であり、遠藤は横尾監督の実の妻 地元で家業のガラス工房を継いだ、自立した弟と、東京で芸能界入りを目指したが出戻った、虚言癖のある兄 この2人の協力・対立・すれ違いなどの絡みが本作の見所 ロケ撮影は昨年(2018年)3月末~4月上旬に6~7割を佐世保市で、その他長崎市、大村市などで行われた模様 タイトルの「こはく」は琥珀色(アンバー)をイメージしており、アンバー色調の映像画面を大事にしているようだ
320-20190718t205300587ゴールデン・リバー(米・仏・ルーマニア・西) ⇒原題は"The Sisters Brothers"=「シスター兄弟」 カナダの小説家パトリック・デウイット(コロンビア州シドニー出身・米国オレゴン州ポートランド在住・197~)の同名原作小説(2011・邦訳「シスターズ・ブラザーズ」2013)の映画化 主演のジョン・C・ライリー(イリノイ州シカゴ出身・1965~)が原作に惚れ込み2011年の発刊直後に映画化権を取得 第68回カンヌ国際映画祭(2015)パルムドールを受賞した「ディーパンの闘い」(2015)を製作した、フランス人のジャック・オーディアール(パリ出身・1952~)が監督(兼脚本)し、ルーマニアとスペインでロケ撮影されたため4ヶ国の共同製作の米国西部劇となっている 舞台はカリフォルニアのフォルサム・レイクそしてアメリカン川(現カリフォルニア州サクラメント郊外)で金が発見されて3年目・1851年の米国西海岸 当時最高の殺し屋シスターズ兄弟が富豪商人の命で、私立探偵の情報を基に、盗まれたと称する、金を探す化学式を持ち去った化学者を追う 5月にオレゴン準州のオレゴン・シティを馬で出発し、マートル・クリーク、ウルフ・クリーク、ジャクソン・ビルを通過し、ついにサン・フランシスコに到着 馬による一種のロード・ムービーでもある 兄をジョン・C・ライリー、弟をホアキン・フェニックス(プエルトリコ出身・1974~)、探偵をジェイク・ギレンホール(ロサンゼルス出身・1980~)そして化学者をリズ・アーメッド(英国ウェンブリー出身・1982~)と、それぞれ名優たちが演じる 殺し屋の姓がシスターズ(姉妹)とか、弟がアル中とか、科学者は民主主義の地建設を目指しているとか、従来の西部劇にはないやや崩れたストーリーが… 歯ブラシと歯磨き粉が小道具として登場し笑いを誘うが、米国ではこの頃現在のものに近い歯ブラシが発明されたようだ
ニューヨーク 最高の訳あり物件(独) ⇒ニューヨーク市マンハッタンを舞台にしたドイツ映画(オール・マンハッタン・ロケ) 「ハンナ・アーレント」のマルガレーテ・フォン・トロッタ(ドイツ・ベルリン出身・1942~)が製作 資産家ニックの所有する高級マンションで暮らす女性デザイナー(愛人)のところに、ドイツから前妻(未離婚)が現れて、ギクシャクした共同生活を始めるというコメディ・ドラマ 原題は"Forget About Nick"=「さようなら、ニック」又は「ニックのことは忘れて」で、邦題はかなりの意訳

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年7月 7日 (日)

6月30日~7月6日の週に観た劇場映画

6月30日(日曜)~7月6日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。心を揺さぶられる作品が多かったような気がします。

320-20190710t124823677COLD WAR あの歌、2つの心(ポーランド・英・仏) ⇒「イーダ」(ポーランド・デンマーク・2013)のパヴェウ・パヴリコフスキ監督(ポーランド・ワルシャワ出身・1957~)が製作(兼脚本) 第二次世界大戦(1939~1945)後の東西冷戦時代、ソ連を中心とした東側体制に組み込まれていたポーランドでの物語 いろいろな制約がある中でのすれ違いメロドラマで、それだけに切なく燃える 男性ピアノ奏者と女性歌手の恋愛なので、音楽もとても重要な役割を果たす モノクロ(白黒)のスタンダード・サイズの画面(3:4)で撮影されており、冷戦下のポーランドの雰囲気をよく表わしている 最近は冷戦時代の出来事をテーマとした作品が増えているようだ 映画の舞台は、1949年のポーランドで始まり、ワルシャワ、パリ、ユーゴスラビア、パリ、ポーランドと移り、1964年のパリに至る
凪待ち ⇒「孤狼の血」(2018)や「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017)の白石和彌監督(北海道旭川市出身・1974~)が製作 香取慎吾(横浜市出身・1977~)が主演し、競輪(ギャンブル)狂いのダメ男を熱演 愛人のところに居候している主人公が、首都圏(川崎市あたりか)から愛人の娘が暮らす、東日本大震災(2011)の被災地宮城県石巻市に生活拠点を移す ある事件により家族崩壊の危機を迎えるが、新たな家族愛を見出す ロケ撮影は昨年(2018)6月中旬から8月初めにかけて、主に石巻市で、加えて宮城県塩竃市・女川町、神奈川県川崎市、茨城県龍ヶ崎市などで行われた
320-20190710t124927318ガラスの城の約束 ⇒ニューヨーク市の著名なコラムニストで小説家・ジャーナリストであるジャネット・ウォールズ(アリゾナ州フェニックス出身・1960~)の同名原作自伝的小説(原題:"The Glass Castle"・2005、邦題と同名の邦訳:2019)の映画化 この小説はセレブの彼女がいかに過酷な子供時代を送っていたかを書いもので、米国でベストセラーとなる 定職を持たず、子供に満足な食事も与えられないが、夢を語るという、こんな破天荒な父親がいるのかと驚き、やはり米国はスケールが違うと思った 主人公は最終的に定住したウエスト・バージニア州ウェルチの家を出て、ニューヨーク市に向かいそこで奨学金を得て大学を卒業する このあたりが実に懐の深い米国の凄いところ エンディングでは本人、実妹そして実弟も登場する 主演は「ルーム」(加・アイルランド・英・米・2015)で第88回アカデミー賞(2016)主演女優賞を獲得したブリー・ラーソン(カリフォルニア州サクラメント出身・1989~) 監督(兼脚本)はハワイ州マウイ島出身のデスティン・ダニエル・クレットン(1978~) 原題"The Glass Castle"を直訳すると「ガラスの城」
ペトラは静かに対峙する(西・仏・デンマーク) ⇒スペイン・カタルーニャ州バルセロナ生まれの実力派監督ハイメ・ロサリス(1970~)の作品(兼脚本) カタルーニャの乾いた大地を舞台にしたサスペンス・ドラマだが、いきなり第2章から始まった 意外に静かな展開で、スペイン語が子守唄に… 原題は単に"Petra"=「ペトラ」

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2019年6月30日 (日)

6月23日~6月29日の週に観た劇場映画

6月23日(日曜)~6月29日(土曜)の週は、5本の劇場映画を観ました。上場企業の株主総会シーズンで、映画鑑賞の時間が限られました。

さよなら、退屈なレオニー(加) ⇒原題は"La disparition des lucioles"(仏)="The disappearance of fireflies"=「蛍の消滅、消失」で、珍しいカナダ・フランス語のカナダ製作品 昨年(2018年)の第31回東京国際映画祭「ユース」部門で「蛍はいなくなった」のタイトルで上映されたそうだ 大人になってからの生き方がまだ定まらない、17歳の少女のひと夏の成長を描く 筆者は緊張が続かなかった
X-MEN: ダーク・フェニックス ⇒現在はディズニー傘下のマーベル・コミック原作の「X-MEN」シリーズ(2000~)の第7作 筆者には同じマーベル・コミック原作の「アヴェンジャーズ」シリーズ(2008~・これまで計23作か)との区別が余り付かないが、観て楽しければいいかとっも思う 「X-MEN」はやはり現在ディズニー傘下の20世紀フォックスが製作に係わっていることが明らかな違いか 両シリーズとも、抱えている何百人もの画家や何千人ものVFX技術者などを雇用するために製作し続けるのだろう 原題は単に"Dark Phoenix"で、直訳すると「暗い・闇のフェニックス・不死鳥・驚異」か
320-20190709t130542651劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん ⇒筆者はオンライン・ゲームはやらないが、息子が学校の同級生たちと楽しんでいるのを横から観たことがある 未だにやっていると思うが、30歳前後の独身で一応会社勤めをしている、本作の主人公と同じようなものだと思う そういう意味で何となく身につまされる気がする 原作はマイディー(詳細不明)のブログで、2017年に同名で書籍化され、さらに同年にテレビ・ドラマ化もされたとのことだ 本劇場版では、主人公を坂口健太郎(東京都出身・1991~)が、その父を吉田鋼太郎(津京都出身・1959~)がそれぞれ演じている FFXIVのオンライン・ゲームそのものの画像も、全編の1/3程度登場するが、大画面にもかかわらず鮮明 ゲーム製造会社のスクエアエニックスがサーバーを撮影スタジオに準備したようだ リアル・ロケ撮影は静岡県の富士山麓の街、小山町あたりで行われたらしい
アラジン ⇒ディズニーのアニメ映画作品「アラジン」(1992)の実写映画化 ディズニーは次々とオリジナルのアニメ作品の実写映画化を図っており、多分その内すべてがそうなるであろう 実写映画化されると、衣装やセットがとても豪華であり、最新のVFX技術とも相まって、リアル感に富んだ、共感されやすい作品になる したがって、観客層が一気に拡がり、収益拡大につながることが多い カラオケでもよく唄われる主題歌「ホール・ニュー・ワールド」も健在 沙漠のロケは、ヨルダン南部のワディラム沙漠地帯で行われた模様 原題も"Aladdin"
320-20190709t130623204ザ・ファブル ⇒漫画家・南勝久(大阪府岸和田市出身・1971~)の同名原作連載コミック(2014~)を江口カン監督(福岡県出身・1967~)が実写映画化 主演にカリ、ジークンドー、USA修斗などのインストラクター資格を有する、格闘技オタクの岡田准一(大阪府枚方市出身・1980~)を据えている フランスからアクション監督・スタントマンのアラン・フィグラルツ(1962~)を招聘し、斬新で見応えのある連続アクション・シーンを実現 原作コミックの舞台は大阪であるが、ロケ地は主に茨城県、栃木県、神奈川県、東京都などの首都圏 終盤最高の盛り上がりとなる連続アクション・シーンは茨城県のごみ処理場跡地でロケ撮影された模様

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2019年6月23日 (日)

6月16日~6月22日の週に観た劇場映画

6月16日(日曜)~6月22日(土曜)の週は、9本の劇場映画を観ました。なかなかの力作がありました。

320-20190705t162421532▼ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた ⇒米国ニューヨーク市ブルックリン区レッドフックでレコード店を経営する父とロサンゼルスの医大への進学を目指す娘の物語 レッドフックはマンハッタン区、ブルックリン区、スタテン・アイランドそしてニュージャージー州ジャージー・シティに囲まれたアッパー湾に面している 妻の事故死により父子家庭となった、元バンドマンの父は娘に音楽の才能を見出してとても喜ぶ 終盤に2人がレコード店で行うライブは素晴らしく驚く 2人とも俳優であり歌手でもあるので当然か 結末は甘い夢の話ではないことが救い 原題は"Hearts Beat Loud"で、直訳すると「複数の心臓が音量大きく鼓動する」か
ハウス・ジャック・ビルト(デンマーク・仏・独・スウェーデン) ⇒数々の怪作・奇作・アダルト作品などの問題作を連発している、デンマークの映画監督ラース・フォン・トリアー(1956~)が製作(兼脚本) 過激な描写を使って連続殺人鬼(シリアル・キラー)の12年間にわたる5件のインシデント(事件)を描く 舞台は1970年代の米国ワシントン州らしく、映像も古びて観えるように工夫しているようだ エピローグでカタバシスし地獄で裁かれるのが救いか… 原題は"The House That Jack Built"=「ジャックが建てた家」
メン・イン・ブラック インターナショナル ⇒ソニー製作の、コミックをベースとするSFコメディ作品4作目 ニューヨークに本拠を置く機密組織MIB(メン・イン・ブラック)に女性エージェントが加わり、ロンドンに舞台を移し活躍 筆者にはX-MENシリーズと区別が付かないが、観ていて面白ければいいか… 沙漠のシーンはモロッコのマラケシュ付近でロケか 原題も"Men in Black International"
The Crossing ザ・クロッシング Part II(中) ⇒国共内戦と台湾へ向かう客船「太平輪」の沈没を扱った、ジョン・ウー監督(中国広州市生まれ香港出身・1946~)の作品の第2部 本作では、いよいよ上海を出航した「太平輪」が1949年1月27日夜に台湾籍の貨物船と衝突し、45分後に沈没した事故(史実)を描く 灯火管制していたにもかかわらず、乗組員は春節のお祝酒で泥酔して見張りを怠ったことが原因としている 北大西洋で発生したタイタニック号沈没事故(1912年4月14・15日)に比されるが、中国人の男たちは浮輪や板切れを奪い合ったり、子供から救命具を剥そうとしたりと、とても醜く、紳士的とは思えない 確かに死亡者数は約1,000人と同等 翌朝(28日)オーストラリアの軍艦が34人を救助したという 1948年の台湾ではもう赤狩りが行われていたことは知らなかった 和服でおかっぱ頭で登場する長澤まさみ(静岡県磐田市出身・1987~)はとても本人とは思えなかった 前半と比べて後半はやや冗長か 原題は「太平輪 彼岸 The Crossing 2」=「太平輪 向こう岸 (いろいろな)交差その2」か
旅のおわり世界のはじまり(日・ウズベキスタン) ⇒「散歩する侵略者」(2017)や「ダゲレオタイプの女」(仏・ベルギー・日・2016)の黒沢清監督(神戸市出身・1955~)が前田敦子(千葉県出身・1991~)を主役に起用して製作(兼脚本) 女性レポーターと3人の撮影クルーがウズベキスタンで苦闘する姿を描くとともに、電話で日本の恋人としか話ができない主人公の孤独を匂わせる 2018年7・8月にウズベキスタンで約1ヶ月のロケ撮影を敢行したらしく、特にタシケントのナヴォイ劇場や市場が印象的

悪い女はよく稼ぐ ⇒B級作品のようだが、進行のテンポも良く、「コンフィデンスマンJP」(2019)にも負けない詐欺コメディ作品 テレビ刑事ドラマ「太陽にほえろ!」のスタッフ・キャストが大集合して製作したらしい 東京都築地・人形町、横浜、神奈川県箱根(ホテル)、栃木県(ゴルフ場)、米国グアム・アトランタ、パリなどでロケ撮影 借りられる会場などを当て込んで脚本を書く柏原寛司(ひろし・東京都中央区日本橋出身・1949~)はさすが 終映後主演の長谷直美(東京都大田区出身・1956~)らが登場するトークショーがあったためか、84席の劇場はほぼ満員
泣くな赤鬼 ⇒小説家・重松清(岡山県津山市出身・1963~)の短編小説集「せんせい。」収録の同名原作短編小説を映画化 高校の野球部の鬼監督と野球部員の11年(2007年~2018年)を隔てた心の交流を描く ロケ撮影はすべて群馬県内で、高崎市、前橋市そして安中市
320-20190705t162450665クリムト エゴン・シーレとウィーンの黄金時代(伊) ⇒1897年にオーストリア・ウィーンで画家グスタフ・クリムト(墺・1862~1918)を中心に結成された新進芸術家グループ・ウィーン分離派(オーストリア造形芸術家協会)の活動史について解説したドキュメンタリー これはワルツ・音楽の都であったウィーンで19世紀末に起こった、エロスと精神について新たな美を追求する活動であり、フランスの印象派の活動には遅れていたが、絵画だけではなく建築、美術工芸、デザインなども含めた大きな運動であったようだ クリムトの弟子で、彼を崇める画家エゴン・シーレ(墺・1890~1918)も独自の創作活動を並行して展開 同時期にウィーンで活躍した精神医学者のジークムント・フロイト(墺・1856~1939)や作曲家・指揮者のグスタフ・マーラー(墺・1860~1911)などとも相互に影響し合っていたらしく、エロスと精神が当時の活動のテーマであったことは不思議ではない 筆者はウィーンでしばらく滞在したいと考えていたので、本作は観光のいい勉強になった 原題は"Klimt & Schiele - Eros and Psyche"=「クリムトとシーレ エロスと精神」
320-20190705t162507048誰もがそれを知っている(西・仏・伊) ⇒とてもよく練られ、美しく構成された家族サスペンス作品 「ゴーン・ガール」(2014)を彷彿とさせる緊張感で全編を引っ張る 願わくば結婚式後のパーティの描写がもう少し短くてもよかったのではないか… 金がありそうなところにはなくて、貧しそうに見えてもコツコツと働いているところに金がある、というのは世界共通か 「セールスマン」(イラン・仏・2016)のアスガー・ファルハディ監督(イラン・1974~)が製作(兼脚本) ウディ・アレン監督(1935~)の「それでも恋するバルセロナ」(米・西・2008)で共演し、2010年に結婚したペネロペ・クルス(西・1974~)とハビエル・バルデム(西・1969~)が共演 原題は"Todos lo saben"(西)="Everybody knows"=「誰もが、皆が知っている」か しかし、観客は誰も知らない

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年6月16日 (日)

6月9日~6月15日の週に観た劇場映画

6月9日(日曜)~6月15日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。今年も話題作がどんどん公開されています。

320-20190616t202712346長いお別れ ⇒認知症というものは、長い時間をかけて患者を見送ることだとよく分かった 時間が長いだけに、ただ悲しむだけではなく、いろいろ発生する事件をも余裕で受け止めて、笑い飛ばすことも必要だと感じた 原作は小説家・中島京子(東京都出身・1964~)の同名原作小説(2015) アルツハイマー型の認知症を患った父親が、徐々に父でも夫でもなくなっていく家族の10年間を描く 中島の実父がアルツハイマー型の認知症を2004年に発症し2013年亡くなった経験を基にしているそうだ 本作では、2009年春から2016年に亡くなるまでの7年間としていたと思う 中島が直木賞(第143回・2010年上半期)を受賞した「小さいおうち」(2010)も山田洋次監督(大阪府豊中市出身・1931~)により映画化(2014)されている 本作の監督(兼脚本)は「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016)で一躍有名になった中野量太(京都市出身・1973~) 家族の住宅は東京都狛江市の多摩川沿いにある設定だが、セット・ロケ地は千葉県野田市らしい その他のロケ地は狛江市多摩川緑地公園、野田市ノア・森の遊園地、神奈川県川崎市はるひ野駅、栃木県足利市などか
エリカ38 ⇒昨年亡くなった樹木希林(東京都出身・1943~2018)が盟友浅田美代子(東京都出身・1956~)のために企画した作品 浅田が主演だが樹木もその母親役で出演 樹木の本当に最後の遺作ではないか 2017年4月にタイで逮捕された山辺節子(熊本県益城町出身・1955~)の実話詐欺事件がモデル 山辺は企業へのつなぎ融資を騙った詐欺だが、本作では国際協力に関した資金詐欺でネズミ講(無限連鎖講)の雰囲気もある 本当の富裕層にはカリスマ性のある人物が語る感動する話には1,000万円程度のお金を提供することには何の問題もないようだ 企画・製作にチームオクヤマの社長でKATSU-doの会長である奥山和由(愛媛県生まれ東京都出身・1954~)が携わった 監督(兼脚本)は日比遊一(名古屋市出身・1964~) ロケ地は東京都内各地と栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、そしてタイ
The Crossing ザ・クロッシング Part I(中) ⇒「レッドクリフ」(Part 1:2008・Part 2:2009)のジョン・ウー監督(中国広州市生まれ香港出身・1946~)が第二次世界大戦(1939~1945)後の国共内戦(1946~1950)や中台関係の歴史的事実を基に製作したいと考えていた作品らしい 原題にある「太平輪」は当時の中華民国の客船名 1949年1月に約1,000人の国民党系の人々を乗せて、上海市から台湾の基隆市に向けて夜間航行中、無灯火だったため舟山群島海域の白節山付近で貨物船と衝突・沈没 生存者わずか50人という大惨事となった 本作は2部作であり、第1部(2014)では中国大陸における国共内戦で国民党側が敗戦していく様を描き、第2部(2015)では太平輪の沈没事故を中心に描く模様 2部併せて製作費76億円といわれ、日中韓の中堅俳優を起用し大きなスケールの作品としている 中国製であるが、筆者が観てもやや台湾寄り・西側寄りの編集になっているので、台湾では大ヒットしたが中国では大コケしたらしい 原題は「太平輪 乱世浮生 The Crossing 1」=「太平輪 混沌とした人生 (いろいろな)交差その1」か
パラレルワールド・ラブストーリー ⇒東野圭吾(大阪市生野区出身・1958~)の比較的初期の作品である同名原作小説(1995)の映画化 原作がそうなのだろうが、現実、記憶、幻覚、幻想、創られた記憶等々が入り交じって分かりにくい 監督は森義隆(埼玉県所沢市出身・1979~)で、宇多田ヒカル(1983~)の「嫉妬されるべき人生」が主題歌 ロケ地は埼玉県、東京都、神奈川県など首都圏各地
スノー・ロワイヤル ⇒2014年のノルウェー・スウェーデン・デンマーク合作のブラック・コメディ・アクション作品「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」(日本では劇場未公開)を製作したハンス・ぺテル・モランド監督(ノルウェー・1955~)自身が米国でセルフ・リメイク 主演はリーアム・ニーソン(北アイルランド出身・1952~) 息子の死の復讐を誓う、模範市民賞受賞の除雪作業員が、誤解に基づく込み入った情況に巻き込まれながらも目的遂行 クエンティン・タランティーノ(テネシー州出身・1963~)ばりの派手なアクションは見物 舞台は米国コロラド州内のスキーリゾートの設定だが、ロケ撮影はカナダのアルバータ州で行われた模様 原題は"Cold Pursuit"=「寒冷の中での追跡」かつ「冷酷な追跡」か 邦題は「007」シリーズからの連想か

320-20190617t015929616ホワイト・クロウ 伝説のダンサー(米・露・仏) ⇒ソ連生まれの天才バレエ・ダンサーであるルドルフ・ヌレエフ(1938~1993)が1961年5月にフランスのブルージュ空港で西側に亡命に至る経緯を描く シベリア鉄道の列車の中で生まれたヌレエフは、中央アジアのタタール系であり、幼少期からダンスに目覚め、1955年17歳の時にウファから出てレニングラード(現サンクトペテルブルグ)のワガノワ・キーロフ・バレエ学院に入学 名教師プーシキンに師事した後、1958年にキーロフ・バレエ団(現マリインスキー・バレエ団)に入団 わずか3年後の1961年に初の海外公演でフランス・パリに滞在し西側の自由・文化に触れ心底楽しむが、KGBの監視によりソ連に強制帰国させられそうになったため緊迫の亡命を図る BBCが製作に係わっているため構成は緻密 監督は英国の名優レイフ・ファインズ(1962~)で、多数の現役プリンシパルたちが出演しておりバレエ・シーンは見所 封切後1ヶ月以上経っているが、小劇場ながら満員で年配女性観客が多い 原題も"The White Crow"=「白いカラス(反逆児)」
アナと世界の終わり(米・英) ⇒英国の青春学園ゾンビ映画を一風変わったミュージカル仕立てにした作品 英国は実にゾンビ映画が好きなようだ 歌と音楽を楽しみながら観ればいいと思う ロケ撮影はスコットランドで行われたらしく、寒い時季だったようで屋外の撮影には苦労した模様 原題は"Anna and the Apocalypse"=「アナと黙示録」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年6月 9日 (日)

6月2日~6月8日の週に観た劇場映画

6月2日(日曜)~6月8日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。出来のいい作品が多かったように思いました。

パリの家族たち(仏) ⇒題は"La fête des mères"(仏)="Mothers Day"=「母の日」 フランス・パリに住む様々な女性が幸せを求めて必死に生きる様を描く群像劇 女性大統領まで登場するが、女性の地位向上も目指しているのかもしれない 「母の日」の由来は米国にあるそうだ 1905年5月9日に社会活動家であった母をフィラデルフィア亡くしたアンナ・ジャーヴィス(1864~1948)が、母親が生きているうちに感謝する機会を設けるべきとの運動を起こしたことから、5月の第2日曜日が母の日となったようだ
オーファンズ・ブルース ⇒最近学校の卒業製作が正式上映されることが増えた 本作も工藤梨穂監督(福岡県出身・1995~)の京都造形芸術大学映画学科の卒業製作 孤児院出身で健忘症のヒロインのひと夏を描くが、筆者には不条理劇のように観えてよく分からなかった 終映後「あみこ」(2018)の山中瑤子(長野県出身・1997~)と「小さな声で囁いて」(2019)の山本英(あきら・広島県出身・1991~)が加わったトークショーがあったが… 若さを武器に、大学からわずかな卒業製作費用(確か20~30万円)を得て、キャストもスタッフも仲間内ボランティアですませて、本作を製作したのには感心
320-20190616t013350643ゴジラ キング・オブ・モンスターズ ⇒「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019)でスーパーヒーローたちが勢揃いしたように、本作では怪獣たちが総出演 ゴジラ、キング・ギドラ、モスラ、ラドンを始めとして、他に14体が登場 エンド・クレジットのキャストの項目で、ゴジラたちがHimselfと表示されていたのが面白かった 本作は米国のレジェンダリー・ピクチャーズ(カリフォルニア州バーバンク)が東宝と提携して製作する、ゴジラとキングコングが登場するモンスターバース・シリーズの第3作目 第1作目が「GODZILLA ゴジラ」(2014)、第2作目が「キングコング 髑髏島の巨神」(2017)で、次作第4作目に来年公開予定の「ゴジラVSコング」(仮題)が控えている 監督(兼脚本)は「スーパーマン リターンズ」(2006)や「X-MEN: アポカリプス」(2016)の脚本を担当したマイケル・ドハティ(米国オハイオ州コロンバス出身・1974~) 本作では怪獣の姿形には東宝の監修が入っているらしく我々には親しみやすい VFXに1,000人単位のスタッフを使えるだけあって、製作費は2億ドル(約220億円)とも言われる 前項「オーファンズ・ブルーズ」の製作費数10万円と対照的 レジェンダリー・ピクチャーズは2016年1月に中国の大連万達(ワンダ)グループ(北京市)に35億ドルで買収されており、そのせいか中国関連の場所・人物も登場 本件買収にからみ万達グループは中国政府から銀行融資を絞られるという制裁を受けている それから戦闘兵站場面で、あのオスプレイらしき機体が大活躍しているのは、それだけ機動性が高いということか 原題は"Godzilla: King of the Monsters"=「ゴジラ:怪獣たちの王」24日
320-20190616t013301428さよならくちびる ⇒ハルレオという女性デュオの解散ツアーをロード・ムービー風に描く ハルを門脇麦(米国ニューヨーク州生まれ東京都出身・1992~)が、レオを小松菜奈(東京都生まれ山梨県出身・1996~)が、そしてローディ(バンドのスタッフ)を成田凌(埼玉県出身・1993~)が演ずる 2018年7月14日に静岡県浜松市、15日に三重県四日市市、16日に大阪市西天満、18日に新潟市、21日に山形県酒田市、22日に青森県弘前市、そして最後に24日に北海道函館市と回る ロケ撮影も似たような予定で進んだようだが、すべての場所に行った訳でもなさそう 東京都、埼玉県、栃木県などでもロケ撮影された模様 楽曲は秦基博(宮崎県日南市出身・1980~)が「さよならくちびる」を、あいみょん(兵庫県西宮市出身・1995~)が「たちまち嵐」と「誰にだって訳がある」を提供 門脇と小松が本当に歌っているそうだが、かなり上手で結構感動してしまう 監督(兼原案・脚本)は「黄泉がえり」(2003)の塩田明彦(京都府舞鶴市出身・1961~) 門脇麦の顔を観ると、「愛の渦」(2014)での肢体を思い出してしまう
貞子 ⇒作家・鈴木光司(静岡県浜松市出身・1957~)のホラー小説「リング」(1991)から始まるシリーズを次々と映画化(1998~)して一大ブームを引き起こした中田秀夫監督(岡山県出身・1961~)が、鈴木のシリーズ最新作品「タイド」を原作内容にとらわれず映画化した作品 ややマンネリ化しているせいか、余り怖くなかった感じ ロケは埼玉県や東京都大島町(大島)などで行われた模様 廃墟の撮影には栃木県の某大谷石採石場跡地が使われたらしい

320-20190616t013221260町田くんの世界 ⇒人間社会や日常生活ではなかなか観られず、感じられない無償の愛が描かれていたと思う 現代のキリストのようでもあり、現実社会へのアンチ・テーゼのようでもある 最後は恋愛に目覚めた新人俳優2人のファンタジーになってしまったのが少し残念 原作は漫画家・安藤ゆき(大阪府出身)が少女漫画雑誌に連載している同名原作コミック(2015~) ファンが多いためか、ピンクの応援グッズを持参した若い女性の応援団が… 監督は「舟を編む」(2013)の石井裕也(ゆうや・埼玉県さいたま市出身・1983~)で、新人2人の周りを中軸・ベテラン俳優で固めたのは流石 VFXにはエンド・クレジットに数10人の名前が ロケは昨年2018年夏に主に栃木県佐野市、宇都宮市、鹿沼市などで行われた模様 劇場出口でぴあの映画初日満足度出口調査に遭遇し、思わず高い点数を口走ってしまった
僕はイエス様が嫌い ⇒新人監督・奥山大史(ひろし・1996~)の初長編作品 ミッション系小学校に通い始めた、東京出身の少年の戸惑いを描く 大学同窓会の懇親会の後だったのでやはり緊張を維持できず 東京から転校する田舎町には群馬県中之条町を使った模様

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年6月 2日 (日)

5月26日~6月1日の週に観た劇場映画

5月26日(日曜)~6月1日(土曜)の週は、5本の劇場映画を観ました。インドネシアの若手女流監督の作品に驚かされ、また日韓でも大量のVFXを投入した作品が製作されていることをしりました。

嵐電 ⇒京福電気鉄道嵐山線(通称「嵐電」)は京都に残る唯一の路面電車 本線は四条大宮から嵐山まで運行し、支線の北野線は帷子(かたびら)の辻から北野白梅町(はくばいちょう)まで走る 映画産業の最盛期には沿線に多数の撮影所があったらしいが、今でも東映と松竹の大規模撮影所が残る この嵐電にまつわるラブ・ストーリーをオムニバス風に、幻想的に描くが、ややインパクトが弱い 監督は「ゲゲゲの女房」(2010)の鈴木卓爾(静岡県磐田市出身・1967~)で、現在京都造形芸術大学准教授 嵐電の主要駅やその付近でロケ撮影
神と共に 第一章:罪と罰(韓) ⇒人間は死後49日間に7つの地獄の裁判を受け、すべてを無罪で通過すると現世に生き返るという話 7つの地獄とは、殺人地獄、怠惰地獄、裏切り地獄、不義地獄、ウソ地獄、暴力地獄そして天倫地獄の7つ 韓国の大ヒットWebコミックの映画化らしい 神々の話としながら、閻魔大王、輪廻転生、49日など仏教やヒンドゥー教の概念を大幅に取り入れている 俳優たちはほとんどクロマキー合成用の緑色の背景の前で演技したようで、大部分のシーンはVFXで製造 100人単位で米国のVFX会社も製造に参画した模様 引続き第二章も公開予定 英語原題は"Along with the Gods: The Two Worlds"=「神々と共に:二つの世界」で、邦題はかなりの意訳
アメリカン・アニマルズ ⇒2004年に米国ケンタッキー州レキシントン市にあるトランシルヴァニア大学の図書館で発生した、12億円以上の価値のある複数の希少本の強盗事件(実話)を基に製作された作品 4人の学生が破天荒な窃盗に挑む話であり、盗難本の売却のためにニューヨーク市やオランダのアムステルダム市も訪れる 時々実行犯人の本人そのものが登場し、コメントするのがユニーク 絵の上手い犯人の一人が鳥の画集を盗もうとして、結局鳥の絵描きになったのは皮肉か… 原題も"American Animals"=「米国の動物、人でなし」
320-20190610t184505667マルニナの明日(インドネシア・仏・マレーシア・タイ) ⇒噂に違わず強烈な印象を残すナシゴレン・ウェスタン 本作が30歳代のモーリー・スリヤ女流監督(インドネシアの首都ジャカルタ市出身・1980~)の製作とは… ナシゴレンはインドネシア風のチャーハン(焼飯)のことで、当然ながらマカロニ・ウェスタンへのオマージュ インドネシアの家父長制社会への批判やウーマン・リブ(女性の地位向上)などの狙いもありそう 第1幕「"Robbery" 強盗団」、第2幕「"The Journey" 旅」、第3幕「"Confession" 自首」そして第4幕「"The Birth" 出産」の4幕構成 ロケはインドネシア東部のスンバ島で行われた模様 英語原題は"Marlina the Murderer in Four Acts"=「4幕構成のl殺人者マルリナ」か
空母いぶき ⇒漫画家かわぐちかいじ(本名:川口開示・広島県尾道市出身・1948~)の同名雑誌連載原作コミック(2014~)の実写映画化 原作では中国人民解放軍が尖閣諸島や与那国島を制圧することになっているようだが、本作ではさすがに配慮したか某国が沖縄南方に位置する架空の波留間諸島を制圧したことから物語は始まる ミサイルと迎撃ミサイルの撃合い、戦闘機同士の空中戦、ミサイルや魚雷への迎撃など、かなりリアルな戦闘模様の映像が流れる 撮影ははぼ東映東京撮影所(練馬区大泉)内で行われた模様で、海上シーンや戦闘シーンは大部分がVFXか ロケは、他に茨城県つくば市、群馬県前橋市、長野県諏訪市、静岡県熱海市でも行われたようだ

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年5月26日 (日)

5月19日~5月25日の週に観た劇場映画

5月19日(日曜)~5月25日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。何度かゴルフをプレーしたため、話題がやや旧くなりました。

コレット(英・米) ⇒フランスの女流作家シドニー=ガブリエル・コレット(1873~1954)の伝記的作品 舞台はすべてフランスだが、英国と米国の共同製作なので台詞はすべて英語 コレットはフランスの田舎サン・ソヴールの出身だが結婚して1893年に花の都パリに出る 夫のゴースト・ライターになったり、パントマイムや踊り子をしたりしながら、フランス有数の女流作家になる 夫も同性愛だったが本人もそうで、19世紀末から20世紀中にかけて爛熟した仏芸術の旗手の一人で、ウーマン・リブの先駆けとも思われる ココ・シャネル(仏・1883~1971)やジャン・コクトー(仏・1889~1963)ととても親しく、またオードリー・ヘップバーン(英・1929~1993)を発掘したことでも知られる 原題も"Colette"で邦題どおり
魔睡 ⇒森鴎外(島根県津和野町出身・1862~1922)の同名原作短編小説(1909)を映画化 催眠術を使った性犯罪行為をテーマにした作品で、本作も成人指定 台詞・物言いやセットは大正時代を反映していると思われるが、男女の行為は昔も今も変わらないのか… 作品中に千葉県の小湊鉄道線の上総鶴舞(かずさつるまい)駅らしい「かづさつるまい」駅が登場するので、ロケは千葉県だったのではないか
コンフィデンスマンJP ⇒映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005)を始めとして、ヒットした数々の映画やTVドラマの脚本を担当した古沢良太(こさわりょうた・神奈川県厚木市出身・1973~) 彼のオリジナル同名TVドラマの映画化 長澤まさみ(静岡県磐田市出身・1987~)などの主要キャストはそのまま ストーリーは逆転に次ぐ逆転で、何が本筋が分からなくなるほど 舞台がかなりの部分香港なので、猛暑の中昨年7月29日から10日間香港ロケを敢行したようだ 日本では東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県などでロケ撮影した模様
320-20190605t230929863居眠り磐音 ⇒福岡県北九州市出身の小説家・佐伯泰英(1942~)の時代劇シリーズ「居眠り磐音」(全51巻・2002~2016)の映画化 佐伯時代劇小説の初映画化であり、松坂桃李(神奈川県茅ケ崎市出身・1988~)が時代劇初主演 18世紀後半の江戸と豊後関前藩(大分県杵築市がモデル)の場面から物語が始まる 封建社会における主従関係、男女関係、派閥・権力争いなどはこんなものかと感じた しかし、家のために女性が犠牲になり、最後は江戸吉原の太夫までに登り詰めるのはいかがなものか ロケ地は大分県杵築市、滋賀県彦根市、そして京都太秦の松竹撮影所など

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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