カテゴリー「映画(2019年)」の24件の記事

2019年6月16日 (日)

6月9日~6月15日の週に観た劇場映画

6月9日(日曜)~6月15日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。今年も話題作がどんどん公開されています。

320-20190616t202712346長いお別れ ⇒認知症というものは、長い時間をかけて患者を見送ることだとよく分かった 時間が長いだけに、ただ悲しむだけではなく、いろいろ発生する事件をも余裕で受け止めて、笑い飛ばすことも必要だと感じた 原作は小説家・中島京子(東京都出身・1964~)の同名原作小説(2015) アルツハイマー型の認知症を患った父親が、徐々に父でも夫でもなくなっていく家族の10年間を描く 中島の実父がアルツハイマー型の認知症を2004年に発症し2013年亡くなった経験を基にしているそうだ 本作では、2009年春から2016年に亡くなるまでの7年間としていたと思う 中島が直木賞(第143回・2010年上半期)を受賞した「小さいおうち」(2010)も山田洋次監督(大阪府豊中市出身・1931~)により映画化(2014)されている 本作の監督(兼脚本)は「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016)で一躍有名になった中野量太(京都市出身・1973~) 家族の住宅は東京都狛江市の多摩川沿いにある設定だが、セット・ロケ地は千葉県野田市らしい その他のロケ地は狛江市多摩川緑地公園、野田市ノア・森の遊園地、神奈川県川崎市はるひ野駅、栃木県足利市などか
エリカ38 ⇒昨年亡くなった樹木希林(東京都出身・1943~2018)が盟友浅田美代子(東京都出身・1956~)のために企画した作品 浅田が主演だが樹木もその母親役で出演 樹木の本当に最後の遺作ではないか 2017年4月にタイで逮捕された山辺節子(熊本県益城町出身・1955~)の実話詐欺事件がモデル 山辺は企業へのつなぎ融資を騙った詐欺だが、本作では国際協力に関した資金詐欺でネズミ講(無限連鎖講)の雰囲気もある 本当の富裕層にはカリスマ性のある人物が語る感動する話には1,000万円程度のお金を提供することには何の問題もないようだ 企画・製作にチームオクヤマの社長でKATSU-doの会長である奥山和由(愛媛県生まれ東京都出身・1954~)が携わった 監督(兼脚本)は日比遊一(名古屋市出身・1964~) ロケ地は東京都内各地と栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、そしてタイ
The Crossing ザ・クロッシング Part I(中) ⇒「レッドクリフ」(Part 1:2008・Part 2:2009)のジョン・ウー監督(中国広州市生まれ香港出身・1946~)が第二次世界大戦(1939~1945)後の国共内戦(1946~1950)や中台関係の歴史的事実を基に製作したいと考えていた作品らしい 原題にある「太平輪」は当時の中華民国の客船名 1949年1月に約1,000人の国民党系の人々を乗せて、上海市から台湾の基隆市に向けて夜間航行中、無灯火だったため舟山群島海域の白節山付近で貨物船と衝突・沈没 生存者わずか50人という大惨事となった 本作は2部作であり、第1部(2014)では中国大陸における国共内戦で国民党側が敗戦していく様を描き、第2部(2015)では太平輪の沈没事故を中心に描く模様 2部併せて製作費76億円といわれ、日中韓の中堅俳優を起用し大きなスケールの作品としている 中国製であるが、筆者が観てもやや台湾寄り・西側寄りの編集になっているので、台湾では大ヒットしたが中国では大コケしたらしい 原題は「太平輪 乱世浮生 The Crossing 1」=「太平輪 混沌とした人生 (いろいろな)交差その1」か
パラレルワールド・ラブストーリー ⇒東野圭吾(大阪市生野区出身・1958~)の比較的初期の作品である同名原作小説(1995)の映画化 原作がそうなのだろうが、現実、記憶、幻覚、幻想、創られた記憶等々が入り交じって分かりにくい 監督は森義隆(埼玉県所沢市出身・1979~)で、宇多田ヒカル(1983~)の「嫉妬されるべき人生」が主題歌 ロケ地は埼玉県、東京都、神奈川県など首都圏各地
スノー・ロワイヤル ⇒2014年のノルウェー・スウェーデン・デンマーク合作のブラック・コメディ・アクション作品「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」(日本では劇場未公開)を製作したハンス・ぺテル・モランド監督(ノルウェー・1955~)自身が米国でセルフ・リメイク 主演はリーアム・ニーソン(北アイルランド出身・1952~) 息子の死の復讐を誓う、模範市民賞受賞の除雪作業員が、誤解に基づく込み入った情況に巻き込まれながらも目的遂行 クエンティン・タランティーノ(テネシー州出身・1963~)ばりの派手なアクションは見物 舞台は米国コロラド州内のスキーリゾートの設定だが、ロケ撮影はカナダのアルバータ州で行われた模様 原題は"Cold Pursuit"=「寒冷の中での追跡」かつ「冷酷な追跡」か 邦題は「007」シリーズからの連想か

320-20190617t015929616ホワイト・クロウ 伝説のダンサー(米・露・仏) ⇒ソ連生まれの天才バレエ・ダンサーであるルドルフ・ヌレエフ(1938~1993)が1961年5月にフランスのブルージュ空港で西側に亡命に至る経緯を描く シベリア鉄道の列車の中で生まれたヌレエフは、中央アジアのタタール系であり、幼少期からダンスに目覚め、1955年17歳の時にウファから出てレニングラード(現サンクトペテルブルグ)のワガノワ・キーロフ・バレエ学院に入学 名教師プーシキンに師事した後、1958年にキーロフ・バレエ団(現マリインスキー・バレエ団)に入団 わずか3年後の1961年に初の海外公演でフランス・パリに滞在し西側の自由・文化に触れ心底楽しむが、KGBの監視によりソ連に強制帰国させられそうになったため緊迫の亡命を図る BBCが製作に係わっているため構成は緻密 監督は英国の名優レイフ・ファインズ(1962~)で、多数の現役プリンシパルたちが出演しておりバレエ・シーンは見所 封切後1ヶ月以上経っているが、小劇場ながら満員で年配女性観客が多い 原題も"The White Crow"=「白いカラス(反逆児)」
アナと世界の終わり(米・英) ⇒英国の青春学園ゾンビ映画を一風変わったミュージカル仕立てにした作品 英国は実にゾンビ映画が好きなようだ 歌と音楽を楽しみながら観ればいいと思う ロケ撮影はスコットランドで行われたらしく、寒い時季だったようで屋外の撮影には苦労した模様 原題は"Anna and the Apocalypse"=「アナと黙示録」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年6月 9日 (日)

6月2日~6月8日の週に観た劇場映画

6月2日(日曜)~6月8日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。出来のいい作品が多かったように思いました。

パリの家族たち(仏) ⇒題は"La fête des mères"(仏)="Mothers Day"=「母の日」 フランス・パリに住む様々な女性が幸せを求めて必死に生きる様を描く群像劇 女性大統領まで登場するが、女性の地位向上も目指しているのかもしれない 「母の日」の由来は米国にあるそうだ 1905年5月9日に社会活動家であった母をフィラデルフィア亡くしたアンナ・ジャーヴィス(1864~1948)が、母親が生きているうちに感謝する機会を設けるべきとの運動を起こしたことから、5月の第2日曜日が母の日となったようだ
オーファンズ・ブルース ⇒最近学校の卒業製作が正式上映されることが増えた 本作も工藤梨穂監督(福岡県出身・1995~)の京都造形芸術大学映画学科の卒業製作 孤児院出身で健忘症のヒロインのひと夏を描くが、筆者には不条理劇のように観えてよく分からなかった 終映後「あみこ」(2018)の山中瑤子(長野県出身・1997~)と「小さな声で囁いて」(2019)の山本英(あきら・広島県出身・1991~)が加わったトークショーがあったが… 若さを武器に、大学からわずかな卒業製作費用(確か20~30万円)を得て、キャストもスタッフも仲間内ボランティアですませて、本作を製作したのには感心
320-20190616t013350643ゴジラ キング・オブ・モンスターズ ⇒「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019)でスーパーヒーローたちが勢揃いしたように、本作では怪獣たちが総出演 ゴジラ、キング・ギドラ、モスラ、ラドンを始めとして、他に14体が登場 エンド・クレジットのキャストの項目で、ゴジラたちがHimselfと表示されていたのが面白かった 本作は米国のレジェンダリー・ピクチャーズ(カリフォルニア州バーバンク)が東宝と提携して製作する、ゴジラとキングコングが登場するモンスターバース・シリーズの第3作目 第1作目が「GODZILLA ゴジラ」(2014)、第2作目が「キングコング 髑髏島の巨神」(2017)で、次作第4作目に来年公開予定の「ゴジラVSコング」(仮題)が控えている 監督(兼脚本)は「スーパーマン リターンズ」(2006)や「X-MEN: アポカリプス」(2016)の脚本を担当したマイケル・ドハティ(米国オハイオ州コロンバス出身・1974~) 本作では怪獣の姿形には東宝の監修が入っているらしく我々には親しみやすい VFXに1,000人単位のスタッフを使えるだけあって、製作費は2億ドル(約220億円)とも言われる 前項「オーファンズ・ブルーズ」の製作費数10万円と対照的 レジェンダリー・ピクチャーズは2016年1月に中国の大連万達(ワンダ)グループ(北京市)に35億ドルで買収されており、そのせいか中国関連の場所・人物も登場 本件買収にからみ万達グループは中国政府から銀行融資を絞られるという制裁を受けている それから戦闘兵站場面で、あのオスプレイらしき機体が大活躍しているのは、それだけ機動性が高いということか 原題は"Godzilla: King of the Monsters"=「ゴジラ:怪獣たちの王」24日
320-20190616t013301428さよならくちびる ⇒ハルレオという女性デュオの解散ツアーをロード・ムービー風に描く ハルを門脇麦(米国ニューヨーク州生まれ東京都出身・1992~)が、レオを小松菜奈(東京都生まれ山梨県出身・1996~)が、そしてローディ(バンドのスタッフ)を成田凌(埼玉県出身・1993~)が演ずる 2018年7月14日に静岡県浜松市、15日に三重県四日市市、16日に大阪市西天満、18日に新潟市、21日に山形県酒田市、22日に青森県弘前市、そして最後に24日に北海道函館市と回る ロケ撮影も似たような予定で進んだようだが、すべての場所に行った訳でもなさそう 東京都、埼玉県、栃木県などでもロケ撮影された模様 楽曲は秦基博(宮崎県日南市出身・1980~)が「さよならくちびる」を、あいみょん(兵庫県西宮市出身・1995~)が「たちまち嵐」と「誰にだって訳がある」を提供 門脇と小松が本当に歌っているそうだが、かなり上手で結構感動してしまう 監督(兼原案・脚本)は「黄泉がえり」(2003)の塩田明彦(京都府舞鶴市出身・1961~) 門脇麦の顔を観ると、「愛の渦」(2014)での肢体を思い出してしまう
貞子 ⇒作家・鈴木光司(静岡県浜松市出身・1957~)のホラー小説「リング」(1991)から始まるシリーズを次々と映画化(1998~)して一大ブームを引き起こした中田秀夫監督(岡山県出身・1961~)が、鈴木のシリーズ最新作品「タイド」を原作内容にとらわれず映画化した作品 ややマンネリ化しているせいか、余り怖くなかった感じ ロケは埼玉県や東京都大島町(大島)などで行われた模様 廃墟の撮影には栃木県の某大谷石採石場跡地が使われたらしい

320-20190616t013221260町田くんの世界 ⇒人間社会や日常生活ではなかなか観られず、感じられない無償の愛が描かれていたと思う 現代のキリストのようでもあり、現実社会へのアンチ・テーゼのようでもある 最後は恋愛に目覚めた新人俳優2人のファンタジーになってしまったのが少し残念 原作は漫画家・安藤ゆき(大阪府出身)が少女漫画雑誌に連載している同名原作コミック(2015~) ファンが多いためか、ピンクの応援グッズを持参した若い女性の応援団が… 監督は「舟を編む」(2013)の石井裕也(ゆうや・埼玉県さいたま市出身・1983~)で、新人2人の周りを中軸・ベテラン俳優で固めたのは流石 VFXにはエンド・クレジットに数10人の名前が ロケは昨年2018年夏に主に栃木県佐野市、宇都宮市、鹿沼市などで行われた模様 劇場出口でぴあの映画初日満足度出口調査に遭遇し、思わず高い点数を口走ってしまった
僕はイエス様が嫌い ⇒新人監督・奥山大史(ひろし・1996~)の初長編作品 ミッション系小学校に通い始めた、東京出身の少年の戸惑いを描く 大学同窓会の懇親会の後だったのでやはり緊張を維持できず 東京から転校する田舎町には群馬県中之条町を使った模様

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2019年6月 2日 (日)

5月26日~6月1日の週に観た劇場映画

5月26日(日曜)~6月1日(土曜)の週は、5本の劇場映画を観ました。インドネシアの若手女流監督の作品に驚かされ、また日韓でも大量のVFXを投入した作品が製作されていることをしりました。

嵐電 ⇒京福電気鉄道嵐山線(通称「嵐電」)は京都に残る唯一の路面電車 本線は四条大宮から嵐山まで運行し、支線の北野線は帷子(かたびら)の辻から北野白梅町(はくばいちょう)まで走る 映画産業の最盛期には沿線に多数の撮影所があったらしいが、今でも東映と松竹の大規模撮影所が残る この嵐電にまつわるラブ・ストーリーをオムニバス風に、幻想的に描くが、ややインパクトが弱い 監督は「ゲゲゲの女房」(2010)の鈴木卓爾(静岡県磐田市出身・1967~)で、現在京都造形芸術大学准教授 嵐電の主要駅やその付近でロケ撮影
神と共に 第一章:罪と罰(韓) ⇒人間は死後49日間に7つの地獄の裁判を受け、すべてを無罪で通過すると現世に生き返るという話 7つの地獄とは、殺人地獄、怠惰地獄、裏切り地獄、不義地獄、ウソ地獄、暴力地獄そして天倫地獄の7つ 韓国の大ヒットWebコミックの映画化らしい 神々の話としながら、閻魔大王、輪廻転生、49日など仏教やヒンドゥー教の概念を大幅に取り入れている 俳優たちはほとんどクロマキー合成用の緑色の背景の前で演技したようで、大部分のシーンはVFXで製造 100人単位で米国のVFX会社も製造に参画した模様 引続き第二章も公開予定 英語原題は"Along with the Gods: The Two Worlds"=「神々と共に:二つの世界」で、邦題はかなりの意訳
アメリカン・アニマルズ ⇒2004年に米国ケンタッキー州レキシントン市にあるトランシルヴァニア大学の図書館で発生した、12億円以上の価値のある複数の希少本の強盗事件(実話)を基に製作された作品 4人の学生が破天荒な窃盗に挑む話であり、盗難本の売却のためにニューヨーク市やオランダのアムステルダム市も訪れる 時々実行犯人の本人そのものが登場し、コメントするのがユニーク 絵の上手い犯人の一人が鳥の画集を盗もうとして、結局鳥の絵描きになったのは皮肉か… 原題も"American Animals"=「米国の動物、人でなし」
320-20190610t184505667マルニナの明日(インドネシア・仏・マレーシア・タイ) ⇒噂に違わず強烈な印象を残すナシゴレン・ウェスタン 本作が30歳代のモーリー・スリヤ女流監督(インドネシアの首都ジャカルタ市出身・1980~)の製作とは… ナシゴレンはインドネシア風のチャーハン(焼飯)のことで、当然ながらマカロニ・ウェスタンへのオマージュ インドネシアの家父長制社会への批判やウーマン・リブ(女性の地位向上)などの狙いもありそう 第1幕「"Robbery" 強盗団」、第2幕「"The Journey" 旅」、第3幕「"Confession" 自首」そして第4幕「"The Birth" 出産」の4幕構成 ロケはインドネシア東部のスンバ島で行われた模様 英語原題は"Marlina the Murderer in Four Acts"=「4幕構成のl殺人者マルリナ」か
空母いぶき ⇒漫画家かわぐちかいじ(本名:川口開示・広島県尾道市出身・1948~)の同名雑誌連載原作コミック(2014~)の実写映画化 原作では中国人民解放軍が尖閣諸島や与那国島を制圧することになっているようだが、本作ではさすがに配慮したか某国が沖縄南方に位置する架空の波留間諸島を制圧したことから物語は始まる ミサイルと迎撃ミサイルの撃合い、戦闘機同士の空中戦、ミサイルや魚雷への迎撃など、かなりリアルな戦闘模様の映像が流れる 撮影ははぼ東映東京撮影所(練馬区大泉)内で行われた模様で、海上シーンや戦闘シーンは大部分がVFXか ロケは、他に茨城県つくば市、群馬県前橋市、長野県諏訪市、静岡県熱海市でも行われたようだ

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2019年5月26日 (日)

5月19日~5月25日の週に観た劇場映画

5月19日(日曜)~5月25日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。何度かゴルフをプレーしたため、話題がやや旧くなりました。

コレット(英・米) ⇒フランスの女流作家シドニー=ガブリエル・コレット(1873~1954)の伝記的作品 舞台はすべてフランスだが、英国と米国の共同製作なので台詞はすべて英語 コレットはフランスの田舎サン・ソヴールの出身だが結婚して1893年に花の都パリに出る 夫のゴースト・ライターになったり、パントマイムや踊り子をしたりしながら、フランス有数の女流作家になる 夫も同性愛だったが本人もそうで、19世紀末から20世紀中にかけて爛熟した仏芸術の旗手の一人で、ウーマン・リブの先駆けとも思われる ココ・シャネル(仏・1883~1971)やジャン・コクトー(仏・1889~1963)ととても親しく、またオードリー・ヘップバーン(英・1929~1993)を発掘したことでも知られる 原題も"Colette"で邦題どおり
魔睡 ⇒森鴎外(島根県津和野町出身・1862~1922)の同名原作短編小説(1909)を映画化 催眠術を使った性犯罪行為をテーマにした作品で、本作も成人指定 台詞・物言いやセットは大正時代を反映していると思われるが、男女の行為は昔も今も変わらないのか… 作品中に千葉県の小湊鉄道線の上総鶴舞(かずさつるまい)駅らしい「かづさつるまい」駅が登場するので、ロケは千葉県だったのではないか
コンフィデンスマンJP ⇒映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005)を始めとして、ヒットした数々の映画やTVドラマの脚本を担当した古沢良太(こさわりょうた・神奈川県厚木市出身・1973~) 彼のオリジナル同名TVドラマの映画化 長澤まさみ(静岡県磐田市出身・1987~)などの主要キャストはそのまま ストーリーは逆転に次ぐ逆転で、何が本筋が分からなくなるほど 舞台がかなりの部分香港なので、猛暑の中昨年7月29日から10日間香港ロケを敢行したようだ 日本では東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県などでロケ撮影した模様
320-20190605t230929863居眠り磐音 ⇒福岡県北九州市出身の小説家・佐伯泰英(1942~)の時代劇シリーズ「居眠り磐音」(全51巻・2002~2016)の映画化 佐伯時代劇小説の初映画化であり、松坂桃李(神奈川県茅ケ崎市出身・1988~)が時代劇初主演 18世紀後半の江戸と豊後関前藩(大分県杵築市がモデル)の場面から物語が始まる 封建社会における主従関係、男女関係、派閥・権力争いなどはこんなものかと感じた しかし、家のために女性が犠牲になり、最後は江戸吉原の太夫までに登り詰めるのはいかがなものか ロケ地は大分県杵築市、滋賀県彦根市、そして京都太秦の松竹撮影所など

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2019年5月19日 (日)

5月12日~5月18日の週に観た劇場映画

5月12日(日曜)~5月18日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。スーパーヒーロー・ファンタジー・アクション作品にいいものがありました。

ドント・ウォーリー ⇒米国オレゴン州生まれの風刺漫画家ジョン・キャラハン(1951~2010) 彼は8歳の時に女性教師から受けた性的虐待がきっかけで、12歳からアルコール乱用になり、さらに21歳の時に自動車事故で下半身麻痺となり電動車椅子生活 27歳の時に禁酒しアル中を脱却し風刺漫画家生活に入る 彼の自伝小説"Don't Worry, He Won't Get Far on Foot"=「心配無用、彼は徒歩では遠くに行けない」(1989・邦訳なし)をガス・ヴァン・サント監督(ケンタッキー州出身・1952~)が映画化 俳優ロビン・ウィリアムス(イリノイ州出身・1951~2014)が1994年にこの映画化権を獲得していたが、彼の死去で主演をホアキン・フェニックス(米国プエルトリコ出身・1974~)に代えて製作 ロケ地はキャラハンが後年実際に住んでいたオレゴン州ポートランド市とカリフォルニア州ロサンゼルス市など アマゾン作品で、原題はキャラハンの自伝小説と同じ
RBG 最強の85才 ⇒「ビリーブ 未来への大逆転」(2018・日本公開2019)で詳しく描かれた現米国最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg:RBG・1933~)に関するドキュメンタリー 彼女はニューヨーク市ブルックリン区の貧しいユダヤ人家庭に生まれたが、コーネル大、ハーバード大、そしてコロンビア大で苦学し、その後男女平等を確保するための裁判に取り組んだ 米国女性の権利保障・拡大は彼女によって達成されたと言ってもかまわない 娘のジェーン・ギンズバーグ(ニューヨーク州出身・1955~)のインタビュー中心に進行するが、民主党系の元大統領のジミー・カーター(ジョージア州出身・1924~)、ビル・クリントン(アーカンソー州出身・1946~)、そしてバラク・オバマ(ハワイ州出身・1961~)の3氏も登場 原題は単に"RBG" 女性で3文字で呼ばれる人物は珍しいらしい
320-20190524t233314566シャザム! ⇒DCコミックスの新しい形のヒーロー 終盤の場面には初代ヒーローのスーパーマンの影も 基本的には勧善懲悪のファンタジー・アクション作品だが、親子兄弟の断絶・母子家庭の問題・家族愛・養子里親家庭の課題などファミリーを扱う作品にもなっている 1974年の米国ニューヨーク州北部をドライブする70年代風大型セダンの疾走映像から始まり、舞台は現代のペンシルベニア州の州都フィラデルフィアに移る VFXの技術者は割と少なく100人規模 続編も匂わすような終わり方 原題は"Shazam!" この名は神話伝説の神々の名前から採っているという話もあるが、もう感動詞(感嘆詞)にもなっているというような指摘もある
僕に、会いたかった ⇒島根県立隠岐島後高校(隠岐・中ノ島・海士町)の有名な島留学制度を基軸に、隠岐・西ノ島・西ノ町の漁港で働く、海難事故で記憶喪失になった漁師の日常、そして彼らを取り巻く島民たちとの交流を描く 「たたら侍」(2017)など地元島根県の作品にこだわる錦織良成監督(出雲市出身・1962~)が製作(兼脚本) 「たたら侍」と同様に本作でもEXILE HIRO(五十嵐広行・広島県竹原市生れ横浜市出身・1969~)がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、彼が会長のLDHが配給 主役の漁師役はEXILE TAKAHIRO(田崎敬浩・山口県下関市生まれ長崎県佐世保市出身・1984~)が、その母親役を松坂慶子(東京都大田区出身・1952~)が、そして東京から島留学の女子高生役を山口まゆ(東京都出身・2000~)がそれぞれ演じる ロケ撮影は、2018年3月末から4月中にかけて西ノ町と海士町で行われた 西ノ島の景勝地・魔天崖・赤尾展望台・鬼舞展望所をカバーし、隠岐島前高校、浦郷漁協、あすか食堂(あすか軽食喫茶)なども使われた
轢き逃げ 最高で最悪の日 ⇒水谷豊(北海道芦別市出身・1952~)が監督製作した2本目の長編映画作品 脚本も彼の完全オリジナルとのこと 企業内での派閥争い、嫉妬する同僚の駆引き、娘を亡くした父親の必死の捜査などいろいろ工夫されている しかし、やや必然性が感じにくいプロットもあるような感じが… ラスト・シーンが手紙なのはやはり泣かせる 舞台の街は神倉市となっているが、ロケ撮影はほとんど神戸市で行われた模様 北野エリア、元町、南京町、三宮、神戸大学、小磯記念美術館、アジュール舞子、ポートアイランドなどが使われたようだ 轢き逃げ事件現場の「喫茶スマイル」前の坂は東灘区住吉山手9丁目あたりの坂らしいが、喫茶店そのものは合成のようだ

ある少年の告白 ⇒米国人作家ガラード・コンリー(アーカンソー州出身)の原作小説"Boy Erased: A Memoir"=「消された少年:回想録」(2016)の映画化 牧師の息子で同性愛の少年は、両親によって州認可の矯正施設に入所させられる そこでは非人間的でかなりひどい扱いを受ける 米国では未だ30数州でこの種の矯正施設が認可されているそうだ キリスト教は同性愛に厳しいが、神道や仏教はそれほどでもないのでは… 原題はやはり"Boy Erased"=「消された少年」
320-20190524t233439891アベンジャーズ エンドゲーム ⇒こちらはマーベル・コミックのヒーローたちが集結した「アベンジャーズ」シリーズ3作品(2012・2015・2018)に続く実写版第4作で、完結編 サノスとの闘いにより半数のスーパーヒーローたちを失ったアベンジャーズは、タイム・トラベルを利用して全員を復活させようとする 3時間の長尺だが、全てのヒーローたちが登場する超大型アクション編なため、余り厭きることはない 結局アイアン・マンとブラック・ウィドウ(ナターシャ)は死に、キャプテン・アメリカは老人となる しかし、しっかり近日公開の「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」につないでいる 3時間のVFXを製作するためには1,500人くらいの技術者が必要だったようだ 原題も"Avengers: Endgame"
幸福なラザロ(伊) ⇒20世紀末になってもイタリアの片田舎で違法に搾取される労働者たち その中で貧しくても、お人好しで幸せなラザロ 農場主の悪事が発覚しても、どこまでも真っすぐで、そのままで幸せなラザロ まるで現代のイエス・キリスト 最後は中上流の普通の人々に理解されなかったか… 原題は"Lazzaro felice"="Lazarus happy"で邦題どおりか
320-20190524t233513298僕たちは希望という名の列車に乗った(独) ⇒ドイツ人のディートリッヒ・ガルストカ(1939~2018)が自身の実体験を書いたノンフィクション小説「沈黙する教室 1956年東ドイツ 自由のために国境を越えた高校生たちの真実の物語」(独語原題"Das schweigende Klassenzimmer: eine wahre Geschichte über Mut, Zusammenhalt und den Kalten Krieg"="The silent classroom: a true story of courage, cohesion and the Cold War"=「沈黙する教室:勇気と結束、そして冷戦に関する実話」2006・邦訳2019) 「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」(独語原題:"Der Staat gegen Fritz Bauer"="The state against Fritz Bauer"=「国家対フリッツ・バウアー」2015・日本公開2017)のラース・クラウメ監督(伊生まれ独在住・1973~)が製作(兼脚本) 第二次世界大戦(1939~1945)後の米ソ冷戦・東西冷戦時の隠れた実話がまだまだありそうだ 1956年10月のハンガリー動乱の犠牲者に対し2分間の黙とうを捧げたため、東独政府を敵に回した進学高校のクラスを描く 社会主義政府が高校生たちに対して、彼らの親たちも巻き込んだ、いかにも陰湿で独善的で欺瞞に満ちた扱い・処分を行ったかが描かれる 舞台は当時東独のスターリンシュタットで、ポーランドとの国境の街 現在はアイゼンヒュッテンシュタットと改名されている 原作小説の舞台は実は別の街シュトルコー 1956年末には4人以外のクラスの級友全員がベルリン経由で西独に脱出し、そこで高校卒業資格取得試験を受けた この時はまだ東西ベルリンを隔てる壁は建設されていなかったそうだ 本作製作にもアマゾンが参加しているようだ 原題は単に"Das schweigende Klassenzimmer"(独)="The silent classroom"=「沈黙する教室」で、邦題はかなりな意訳
あの日々の話 ⇒劇団「玉田企画」が2016年と2018年に公演した同名舞台劇を、主宰する玉田真也監督(兼原案・脚本、石川県出身・1986~)が映画化 舞台劇らしく基本的にカラオケ・ボックスの部屋だけでのストーリー展開で、台詞と仕草・表情で全体を盛り上げる 大学生のサークルの二次会で起こりそうな期待とハプニングを描く ほぼすべてカラオケ・ボックスの部屋のセットで撮影した模様 終映後のトークショーに本作の玉田監督と現在大ヒットしている「愛がなんだ」(2018)の今泉力哉監督(兼脚本、福島県出身・1981~)が登場 舞台と映画の違いなどが話された後、今泉監督の第9作目の「愛がなんだ」の話に 筆者はこの作品と今泉監督のイメージの違いにやや驚く 福島県人的な感じもする 彼は9月公開の、伊坂幸太郎(千葉県出身・1971~)の原作小説(2014)を映画化した作品「アイネクライネナハトムジーク」をしきりに宣伝

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2019年5月12日 (日)

5月5日~5月11日の週に観た劇場映画

5月5日(日曜)~5月11日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。インディーズ・自主制作的なB級作品が多かったが、いずれも結構面白いと思いました。

リアム16歳、はじめての学校(加) ⇒母子家庭で、母親から自宅で英才教育を受けていた16歳の息子が、一目惚れから公立高校に通学することになったことから始まるすれ違い、愛憎などを描く 原題は"Adventures in Public School"=「公立学校での冒険」
キュクロプス ⇒「シン・ゴジラ」(2016)で助監督を務めた大庭功睦(おおばのりちか・福岡県出身・1978~)が自主制作(兼監督・脚本)した作品 フィルム・ノワール的な作品で、キュクロプスとはフランスの画家オディロン・ルドン(1840~1916)が描いた、神話に登場する一つ目の巨人 大庭監督の貯金全額450万円に加えて両親から借金をして総額650万円の低予算で製作したとは思えないレベル 充分にリアリティがあり、警察とヤクザの関係もかくありなんと思わせるほど 撮影は2017年3月10日から10日間で千葉県木更津市、館山市などで短期集中的に行われたようだ
主戦論 ⇒米国フロリダ州出身の日系米国人ミキ・デザキ(1983~)が製作した韓国人慰安婦に関する論争を扱ったドキュメンタリー 日本での英語教育の経験もあるデザキ氏がクラウドファンディングで資金調達をし、監督・脚本・撮影・編集・ナレーションを担当した完全自主制作 したがって、一方の主張だけに与せずに両論をなるべく公平に扱おうとしており、両陣営から多くの論客が登場 彼女らが慰安婦(コムフォート・レディ)なのか姓奴隷(セックス・スレーヴ)なのかが最大の論点だと感じた 米軍のヒアリング資料も含めて現存する資料では姓奴隷であったという証拠はないが、韓国の慰安婦支援団体はそうだと主張する慰安婦がいる限り事実を認めろと議論 筆者にとっての新しい事実としては、韓国の慰安婦支援団体は、ベトナム戦争(1955~1975)時に韓国兵がベトナム女性を凌辱し落し子が多く生まれた問題についても像を造って支援していること しかし、問題を起こした韓国軍や韓国政府に対して謝罪や補償を求めている訳ではなさそう 原題は"Shusenjo: The Main Battleground of the Comfort Women Issue"=「主戦場:慰安婦問題の主戦場」か
320-20190514t141248124オーヴァーロード ⇒前半は戦争映画、後半はホラー映画という、余り観たことのない不思議なミックスの作品 「スター・トレック」や「スター・ウォーズ」シリーズの製作・監督・脚本まで務めるほどになった大物プロデューサー・J・J・エイブラムス(米国ニューヨーク市出身・1966~)が製作陣のトップ 原案・脚本は「ハンガー・ゲーム」(2012)の脚本を担当したビリー・レイ(米国テネシー州出身・1971~) 第二次世界大戦(1939~1945)欧州戦線で、連合国側がノルマンディ上陸作戦(1944)を実行する時の話 連合国側の空爆支援を妨害する電波を出す枢軸国ドイツ側のアンテナが、フランスの海岸近くの村で教会の塔に設置されている この塔を爆破するミッションを与えられた連合国米国の空挺部隊が、激しい高射砲の砲火を浴びて墜落しそうな航空機機体から降下するところからすべてが始まるが、かなりリアル 以降地上の潜入戦・スパイ戦・ゲリラ戦になるが、フランスの村人との交流、ドイツ軍将校の振舞い、ドイツ軍の地下秘密研究所等々と話がだんだんホラー化 フランス娘の叔母が自宅2階の部屋で怪物として突如登場する場面は怖かった B級作品に分類されるとは思われるが、一見の価値あり 原題は"Overlord"=「絶対君主、最高君主」か("Overload"=「過負荷、過積載」ではない)
ザ・フォーリナー 復讐者(英・中・米) ⇒英国のスパイ・アクション小説家スティーヴン・レザー(1956~)の原作小説「チャイナマン」(1992・邦訳1996)の映画化 「007 ゴールデンアイ」(1995)と「007 カジノ・ロワイヤル」(2006)のマーティン・キャンベル(ニュージーランド出身・1943~)が監督し、ジャッキー・チェン(香港出身・1954~)とピアース・ブロスナン(アイルランド出身・1953~)が主演 「007 ゴールデンアイ」ではブロスナンは初ジェームズ・ボンド役でキャンベルとタッグを組んだ 元米国特殊部隊員(チェン)、元IRA(アイルランド共和軍)活動家のアイルランド政治家(ブロスナン)、そしてIRA過激派の3者が入り乱れたアクションが描かれる IRAのテロ活動がまだ盛んだった頃が舞台なのでやや旧い感じがするし、チェンがカンフーを封印したアクションに特化したのはいかがなものか ロケ撮影は英国ロンドンとその北方50kmにあるルートンで行われた模様 原題は"The Foreigner"=「外国人」

初恋 お父さん、チビがいなくなりました ⇒鹿児島県指宿市出身の漫画家・西炯子(にしけいこ)の連載コミック「お父さん、チビがいなくなりました」(2013~2015)の実写映画化 老年夫婦の日常生活の課題について、「マエストロ!」(2015)の小林聖太郎(しょうたろう)監督(大阪市出身・1971~)が本作を製作 倍賞千恵子(東京都豊島区出身・1941~)、藤竜也(中国北京市生まれ・1941~)、そして星由里子(東京都千代田区出身・1943~2018)というベテラン俳優陣が起用された 退職後の亭主がこんな感じでは、妻から離婚を求められても仕方がないような気がしながら観た 黒猫チビが結構重要な役割を果たすが、この猫はとてもよく訓練されていると思った 星は昨年5月に亡くなったので、これが遺作とのこと 昨年2018年2月から3月にかけて撮影され、ロケ首都圏の東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県 老夫妻が暮らす家は東京都昭島市にある一軒家らしい
320-20190514t141305104ラ・ヨローナ 泣く女 ⇒悪霊物にはある程度免疫があり、灯り・音楽・場面転換などの観客を怖がらせるテクニックについてはよく理解しているつもりの筆者でも、本作は充分に怖かった 1963年にメキシコで起きた悲劇から発生した悪霊が、1973年の米国ロサンゼルス市に現れ、人々を恐怖に陥れる 1973年の設定なので携帯電話はもちろんないし、人々は巨大なステーション・ワゴンを運転しており、また今は誰もはかないラッパ・ズボンをはいている ただハッピー・エンドなのは救い 視覚効果を得意とする米国人マイケル・チャベスが監督し、ホラー作品を得意とするジェームズ・ワン監督(マレーシア出身・豪州在住・1977~)と米国人脚本家のゲイリー・ダウベルマンが製作陣に加わっている ワン監督は「ソウ」シリーズや「死霊館」シリーズを監督又は製作しており、ダウベルマンは「IT イット ”それ”が見えたら、終わり」(2017)の脚本を担当 原題は"The Curse of La Llorona"=「ラ・ヨローナの呪い」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年5月 5日 (日)

4月28日~5月4日の週に観た劇場映画

4月28日(日曜)~5月4日(土曜)の週は、5本の劇場映画を観ました。10連休中は映画館がとても混雑していて、鑑賞数が限られました。

イメージの本(スイス・仏) ⇒フランス・ヌーベル・ヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダール(パリ出身・1930~)の最新作 新たに撮影した映像に、様々な絵画、映画、文章、音楽を巧みにコラージュし、現代の暴力、戦争、不和などに満ちた世界に対する“怒り”をのせて、この世界が向かおうとする未来を指し示すものらしい 斬新な色彩による映像には驚かされるが、やはり筆者にはよく分からない 原題は"Le livre d'image"(仏)="The image book"で、邦題どおりか
320a僕たちのラストステージ(英・加・米) ⇒恥ずかしながら喜劇役者コンビ・ローレル&ハーディのことはよく知らなかった スタン・ローレル(英国出身・1890~1965)とオリヴァー・ハーディ(米国ジョージア州出身・1892~1957)のコンビで、映画がサイレントからトーキーに変化する時代に活躍 漫才コンビのような2人は日本でも「極楽コンビ」として親しまれたようだ 本作では、2人の人気が頂点にあった1937年に物語が始まり、映画製作者と決別した後落ち目になり、1953年に復活をかけた英国ツアーを企画 ニューカッスル、グラスゴーなど場末からスタートしたが、ついにはロンドンのライセウム劇場で2,000人の観客の前で公演 ロンドンでは劇場近くの最高級のサヴォイ・ホテルに泊まり、それぞれの夫人を米国から呼び寄せることができたが… ジョン・S・ベアード監督(英国スコットランド出身・1972~)がオリジナルの映像もふんだんに使用し、実物そっくりに扮した2人に巧みに演じさせる ロケ地はロンドンを中心に、すべて英国内だった模様 特に気が付いたのは、当時の背広のカラー(襟)が今のものと比べてとても幅広く、2倍くらいあることか 原題は"Stan & Ollie"=「スタンとオリー」
麻雀放浪記2020 ⇒戦前東京府東京市生まれの小説家・雀士・阿佐田哲也(本名:色川武大・1929~1989)の原作小説「麻雀放浪記」(青春編1969・風雲編1970・激闘編1971・番外編1972)を映画化 2度目の映画化であり、1作目は青春編を基に1984年に製作された「麻雀放浪記」 イラストレーターの和田誠(大阪市出身・1936~)が監督(兼脚本)し、真田広之(東京都品川区出身・1960~)が主演 今回の2作目は、何と終戦直後1945年の東京の焼け跡から2020年オリンピック中止の東京にタイム・スリップするという大きなトリックを加えて製作 「孤狼の血」(2018)の白石和彌(北海道旭川市出身・1974~)が監督し、斎藤工(たくみ・東京都港区出身・1981~)が主演・熱演 2020年には国民全員がマイ・ナンバーで管理されており、メガネ型スマホで顔を観るといかなる人物であるか分かるという監視社会 出演者の1人であるピエール瀧(静岡市出身・1967~)が今年2019年3月にコカイン使用容疑で逮捕されたが、筆者の観る限り端役だったためか東映は予定どおり公開強行 撮影は東映東京撮影所(練馬区)で主に行われたと想像されるが、台東区などでのロケ撮影もあった模様
バースデー・ワンダーランド ⇒岩手県出身の児童文学作家・柏葉幸子(かしわばさちこ・1953~)の原作児童小説「地下室からのふしぎな旅」(1981)のアニメ映画化 柏葉の本業は薬剤師らしい ワーナー・ブラザーズも製作に係わっており、とにかくお花畑のシーンがカラフルで美しい 筆者はやはりアニメは苦手
320-20190507t135313151愛がなんだ ⇒この歳になって久々に男女の恋愛について考えさせられた ここには同性愛は登場しない 恋愛とは何と感情的なものか 恋愛とは何と一方的なものか 恋愛とは何と揺れ動くものか 恋愛とは何とコントロールできないものか 恋愛とは何と一人相撲なのか いろいろな思いがあふれてきた 共感する30歳前後の若者が多いのか連日劇場は満員 特に女性観客が多く目立つ また若いカップルも結構いた 原作は、最近その作品がよく映画化されている直木賞作家角田光代(横浜市出身・1967~)の同名原作小説(2003) 一応描かれているのは、一方的に男に恋する女と逆に一方的に女に恋する男 そして女同士は幼馴染み 主人公の身長148.5cmの岸井ゆきの(神奈川県出身・1992~)と185cmの成田凌(埼玉県出身・1993~)のバランスの悪さも結構イケてるのかもしれない 本作に触発されたかもしれないが、「美人が婚活してみたら」(2019)にも観客が回っているよう ロケ地は東京都を主体に山梨県と千葉県だったようだ 東京都各地、千代田区・港区・世田谷区・練馬区・板橋区・渋谷区・国立市などで撮影されたらしいが、特に世田谷区豪徳寺の商店街が重要な場所として使われている

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2019年4月28日 (日)

4月21日~4月27日の週に観た劇場映画

4月21日(日曜)~4月27日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。10連休を狙った作品が増えているようです。

アガサ・クリスティー ねじれた家(英) ⇒英国の著名な推理小説家アガサ・クリスティー(1890~1976)の小説"Crooked House"=「ねじれた家」(1949・邦訳2004)の映画化 小説はクリスティー本人が「無実はさいなむ」(1958・邦訳2004)と並んで最高傑作と評したらしい ギリシャ出身の富豪一族の豪邸で2つの殺人事件が発生するが、一族の名声に傷がつかぬようにと衝撃の結末を迎える 原題も原作と同じ"Crooked House"
ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ(伊・仏・独) ⇒ナチス・ドイツが欧州各地から約60万点の美術品・芸術品を略奪したといわれるが、未だに10万点ほどは発見されていないという ナチス・ドイツが美術品・芸術品を略奪するに至った経緯、そして連合国側がそれらを奪還する調査活動を描く 未だに略奪品の発見は続いているようだ 原題は"Hitler contro Picasso e gli altri"(伊)="Hitler against Picasso and the others"=「ヒトラー対ピカソ他」か
キングダム ⇒佐賀県出身の漫画家・原泰久(1975~)が2006年から週刊漫画雑誌に長期連載し続けている作品「キングダム」の実写映画化 争乱が続く中国春秋戦国時代(770B.C.~221B.C.)の物語 すでにラジオ・ドラマ化、TVアニメ化されたいるが、今回「GANTZ」(2011)をヒットさせた佐藤信介監督(広島県出身・1970~)が実写映画化を担当 本作では255B.C.の中国西方の秦国内で物語が始まり、秦国王位争いを描くが、原作の第5巻位までの話なので続編があるかもしれない 若手・ベテランの一流俳優陣を起用し、昨年2018年4月から6月にかけて中国と日本でロケ撮影された模様 最初の20日間中国の浙江省寧波市象山映視場(超大規模スタジオ)とその郊外で撮影 中国では楽に100頭の馬を調達して撮影できたという その後日本の熊本県、鹿児島県、宮崎県、静岡県、千葉県、栃木県などで撮影された模様 スケールは雄大だが、筆者にはやや冗長な感じがした
320-20190504t231031411ザ・バニシング 消失(蘭・仏・1988) ⇒オランダの首都アムステルダム生れで在住のティム・クラベー又はクラッベ(1967~)のサスペンス・スリラー小説"Het Gouden Ei"(蘭・1984)="The Golden Egg"=「黄金の玉子」(邦訳本は「失踪」1993)の映画化 1993年には米国ハリウッドでもリメイク 日本ではなぜか未公開になっていたが、今回劇場初公開 スタンリー・キューブリック監督(ニューヨーク市マンハッタン区出身・1928~1999)が最も恐ろしい作品と言っていただけあって、物語の展開そしてラスト・シーンは確かに恐ろしい 殺人などの場面がないだけに余計怖いのかもしれない 1988年の作品だけに、携帯電話は一切存在せず公衆電話が大活躍 またドライブでオランダからフランス南部へ向かうが、当然カーナビもない 改めて30年間(平成年間とほぼ同じ)の社会変化の大きさに驚く 原題は、"Spoorloos"(蘭)="No trace"=「無痕跡」か
魂のゆくえ(米・英・豪) ⇒小津安二郎監督(東京都出身・1903~1963)や作家の三島由紀夫(東京都出身・1925~1970)に傾倒し、大の親日家であるポール・シュレイダー監督・脚本家(ミシガン州出身・1946~)が製作 内容はとても思索的で、理想と現実、環境問題と子孫への責任、宗教の救いと限界などが淡々と語られる 結局は愛がすべてを救うのか… 原題は"First Reformed"で、イーサン・ホーク(テキサス州出身・1970~)が演じる主人公の牧師が務める教会の名称 あえて和訳すると「第一改革派」か

L・DK ひとつ屋根の下、スキがふたつ。 ⇒漫画家・渡辺あゆの連載漫画「L♡DK」(2009~2017)の実写映画化だが、壁ドンを流行語にした第1作目「L・DK」(2014)の続編らしい 結構ロング・ランになっているので、わざわざ観に行った 現代の若者たちの少しややこしいが、結構純粋で真面目な恋愛模様を描いていて好感 ロケ地は主に神奈川県横浜市で、一部千葉県柏市のようだ

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2019年4月21日 (日)

4月14日~4月20日の週に観た劇場映画

4月14日(日曜)~4月20日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。少し作品の端境期のようです。

多十郎殉愛記 ⇒84歳の中島貞夫監督(千葉県出身・1934~)が平成最後のチャンパラ時代劇という触れ込みで本作を製作 中島監督の教え子の熊切和嘉監督(北海道出身・1974~)も監督補佐で参加するという豪華な布陣 ラスト30分間の、ワイヤー・アクションもVFXもない殺陣のアクション・シーンが見物 主演は高良健吾(熊本県出身・1987~)と多部未華子(東京都出身・1989~)が主演 東映に加えよしもとも製作に参加 撮影は昨年2018年3月下旬から3週間東映京都撮影所(東映太秦映画村)を中心に京都でロケか
320-20190430t233028806ハンターキラー 潜航せよ(英) ⇒米国オハイオ州出身のジョージ・ウォレスとアラバマ州出身のドン・キース(1947~)の原作小説"Firing Point"(2012・邦訳なし・タイトル和訳は「発砲先、目標」か) ウォレスは米国海軍・原子力潜水艦の元艦長で、米国海軍の特殊部隊ネイビー・シールズ(Navy SEALs)との共同作戦・戦術を立案・開発 本作もその作戦・戦術に沿ったものになっている ロシア領海に近いバレンツ海でのリアルな潜水艦アクション、ロシア大統領をも巻き込んだクーデター騒乱、ネイビー・シールズ部隊の潜入・大統領救出作戦など、あきさせない 主役の艦長をジェラルド・バトラー(英・1969~)が、統合参謀本部議長を「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」(2017)で第90回アカデミー賞(2018)主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマン(英・1958~)が演じた 米国海軍が製作に全面協力しており、ハワイのパール・ハーバーで実物の潜水艦を使った撮影も行われたようだ また潜水艦の外観と内部について、実物そっくりのセットをそれぞれロンドンの2つのスタジオに製作・撮影 ロシアの海軍基地の銃撃アクション・シーンはブルガリアの黒海沿岸の海軍基地で撮影されたそうだ 原題も"Hunter Killer"で、これは敵潜水艦を発見・攻撃する目的の潜水艦のこと
ザ・プレイス 運命の交差点(伊) ⇒「おとなの事情」(伊・2016)をヒットさせたパオロ・ジェノヴェーゼ監督(伊・1966~)が、米国のテレビ・ドラマを基に製作(兼脚本) ザ・プレイスというビストロ(小レストラン・居酒屋)の一番奥にいつも座る謎の男に、9人の老若男女が自分の欲望を叶えるための相談をするが、犯罪行為を含むかなり無理な行動を要求される 結果がどうなるかは観てのお楽しみ 撮影が行われたビストロはイタリア・ローマに実在し、ロケの舞台は何とここだけ 原題は単に"The Place"
芳華 Youth(中)⇒「唐山大地震」(中・2010)のフォン・シャオガン(馮小剛)監督(中国北京市出身・1958~)が、人民解放軍文芸工作団(文工団)での自分自身の体験とゲリン・ヤン(厳歌苓・中国上海市出身の米国人・1959~)同名原作小説を基に製作 毛沢東(1893~1976)が死去し、唐山大地震が発生し、四人組が失脚した激動の1976年に、文工団(歌劇団)に1人の新人女性団員が加わるところから物語は始まる 厳しいダンス・音楽の練習、中国各地への人民軍慰問公演、1979年の中越戦争などを経て、ついに文工団解散まで、時代に翻弄される若者たちの人生を描く 中国でもイジメが普通にあったこと、出身身分により差別があったこと、当時テレサ・テンの唄が秘かに流行っていたことなどに注目 原題も「芳華 Youth」
320-20190430t233001384ハロウィン ⇒ジョン・カーペンター監督(米国ニューヨーク州出身・1946~)が脚本と音楽も兼ね、1978年に低予算で製作したB級ホラー作品「ハロウィン」は大ヒットし、同監督の出世作となった 本作はそのちょうど40年後を描いた続編で同監督が製作総指揮と音楽担当で復帰 「ハロウィン」シリーズはこれまでに計10作も製作されているが、2作目からのストーリーはすべてリセットし本作では新しいものとしている 舞台は第1作目と同じハロウィン(2018年10月31日)のイリノイ州ハドンフィールド また同じキャストでローリー・マイヤーズとマイケル・マイヤーズ(ブギーマン:殺人鬼)が復活 「ゲット・アウト」(2017)の製作者も加わったためか、ホラー作品には慣れている筆者でもたまに怖くなった 最後は銃器で武装した女3人と不死身のブギーマンの戦いになるが、ブギーマンは殺害されたように見えて多分生きているのではないか 生きていればさらに続編が創られそうだ 撮影はサウス・カロライナ州チャールストンとその周辺で1ヶ月間弱で行われたようだ 原題も"Halloween"

名探偵コナン 紺青の拳(フィスト) ⇒シンガポールを舞台にコナンとキッドが大活躍 マリーナベイ・サンズをあんなに破壊していいのだろうか 時々種明かしが挿入されるが、筆者には展開が速すぎて付いて行けない 相変わらず女性観客が多い
殺人鬼を飼う女 ⇒東京都出身のホラー小説家・大石圭(1961~)の同名原作小説(2010)を、「リング」(1998)や「スマホを落としただけなのに」(2018)の中田秀夫監督(岡山県出身・1961~)が映画化 1998年2月14日のバレンタイン・デイに継父から虐待を受けた主人公の少女が20年後に4人の人格を持った多重人格の女性として登場 4人の人格を別々の4人の女優が演じるという新企画 R18+なので男女の絡みがある殺人シーンが続くが、終盤の女人格3人と男1人の絡みは見物 ロケ地は埼玉県三郷市や千葉県流山市らしく、登場する川は江戸川のようだ

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2019年4月14日 (日)

4月7日~4月13日の週に観た劇場映画

4月7日(日曜)~4月13日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。事実に基づいた作品が多く、またそれらが素晴らしいものでした。従前の常識、概念、壁、しきたり、差別などを打ち破ることは、人間の理性でしかできない崇高なことだと感じます。

320-20190417t040421055ビリーブ 未来への大逆転 ⇒米国連邦最高裁判所の判事9人の内3人の女性判事がいるが、その1人で史上2人目の女性判事(1993年ビル・クリントン大統領(1946~)により任命)であるルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBGと3文字でも呼ばれる・1933~)がガラスの天井と闘うキャリアを描く 彼女はニューヨーク市ブルックリン区でユダヤ系の子孫として誕生 コーネル大からハーバード大ロー・スクール(マサチューセッツ州)へ進学(筆者もコーネル大にいたことがあるので同窓後輩、ユダヤ系の学生が多かった) 1956年のハーバード大ロー・スクール入学者500人の内女性はわずか9人 コーネル大で出会って結婚し、同じハーバード大ロー・スクール同窓の、やはりユダヤ系の夫マーティン・ギンズバーグ(1932~2010)がニューヨーク市の法律事務所(税法専門)に就職したため、コロンビア大ロー・スクール(ニューヨーク市)に移籍 ハーバード大時代には夫が精巣ガンで闘病すると代わりに夫の授業に出席したりしながらも最優秀な成績で法学位を取得 大学卒業後早速女性差別に遭遇し、判事にもなれず法律事務所にも就職できなかった 大学教員を続けながら夫から紹介された「独身男性が母親を介護した費用が所得控除にならない」という案件を男性差別として提訴することにより、逆に女性差別撤廃への突破口を見付けた ギンズバーグ夫妻には娘が1人いるが、その中で家事を分担しあい、仕事でも励まし合い、お互いの目標・理念を追求していったのは家族の理想像だと思う ルースの甥のダニエル・スティープルマンが脚本を書き、ミミ・レダー(1952~)が監督 ルースを「博士と彼女のセオリー」(英・2014)のフェリシティ・ジョーンズ(英・1983~)が、マーティンを「君の名前で僕を呼んで」(伊・仏・伯・米・2017)のアーミー・ハマー(1986~)がそれぞれ演じている 作品中の舞台はニューヨーク市であることが多いが、撮影はもっぱらカナダのモントリオール市で行われた模様 原題は"On the Basis of Sex"で、意訳すると「性別に基づいて」または「性別に基づく社会」か
320-20190417t040510947ブラック・クランズマン ⇒イリノイ州シカゴ市出身で元黒人警察官のロン・ストールワース(1953~)が、1970年代半ばに自身がコロラド州コロラドスプリングス市の警察署に黒人警察官として初めて採用され、KKK(クー・クラックス・クラン)への潜入捜査の任務を遂行する経験を書いた回想録"BlacKkKlansman"(本作の原題どおり)を映画化 監督はジョージア州アトランタ市出身の、差別を糾弾する問題作を多く手掛けてきた黒人のスパイク・リー(1957~) KKKへの潜入を企画したのが黒人警官のストールワースだったのに、実際に潜入したのは白人警官のフリップ・ジマーマンという奇抜な計画を、当初の企画どおり半コメディ風サスペンスとして描く ストールワースを演じたのは、デンゼル・ワシントン(ニューヨーク州出身・1954~)の息子で元アメリカンフットボール選手のジョン・デヴィッド・ワシントン(ロサンゼルス市出身・1984~) またジマーマンを演じたのは、「スター・ウォーズ」シリーズのカイロ・レン役を務めているアダム・ドライバー(カリフォルニア州出身・1983~) 昨年2018年の第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールの「万引き家族」(2018)に次ぐ賞のグランプリを受賞 1970年代半ばのKKKリーダーの発言「アメリカ・ファースト」や「アメリカを再び偉大に」が最近またよく聞かれるのは悪夢か…
320-20190417t040547333マックイーン モードの反逆児(英) ⇒2017年に日本で公開された米国作品「メットガラ ドレスをまとった美術館」(2016)で、本ドキュメンタリー作品の主人公であるファッション・デザイナーのリー・アレキサンダー・マックイーン(英・1969~2010)がデザイン・制作したいろいろなドレスが芸術品・美術品として米国ニューヨーク市のメトロポリタン美術館に保存・展示されていることを初めて知った マックイーンは英国ロンドンの労働者階級の街イーストエンドに生まれたが、服の仕立てに目覚めイタリアでの修行・英国大学での教育を経て23歳でファッション・デザイナーとしてデビュー その後27歳で仏国パリのジバンシーのデザイナーに抜擢され、マックイーンとジバンシーの2つのブランドを持ってそれぞれ年に数回のショーを開催 材料、形状、大道具・小道具など従来のファッション・ショーの常識を完全に覆すショーで、モードの反逆児とされた さらに、ジバンシーと離れてグッチjと契約するに至るが、実母の葬儀の前日に自殺 マックイーンを見出した女性、同性愛のパートナー(仕事上のパートナーでもある)、下働きの同僚たち、その他ファッション関係者からの驚くべきコメントが続く マックイーンはスリムで繊細なファッション・デザイナーのイメージとは異なり、ラグビー選手のようなずんぐりした体形で、後にHIV陽性にもなった 原題は単に"McQueen"
320-20190417t040617019バイス ⇒2001年1月20日から2009年1月20日までの8年間、ジョージ・W・ブッシュ(ジュニア)米国第42代大統領(1946~)の下で副大統領を務めたディック・チェイニー(1941~)の勝手自伝的・半コメディ作品 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(2015)のアダム・マッケイ監督(1968~)が製作(兼脚本) 物語はチェイニーの地元ワイオミング州キャスパーから始まり、妻リン(1941~)の叱咤激励もあり紆余曲折を経て1973年にワシントンD.C.にたどり着き、ドナルド・ラムズフェルド(1932~)の薫陶を受けながら出世 1975年にラムズフェルドの次の大統領首席補佐官、1979年にワイオミング州選出下院議員、1989年に国防長官(この頃筆者はニューヨーク市に駐在)、1995年から一時民間会社ハリバートン社CEOを経て、ついに2001年に副大統領に就任 ブッシュ(ジュニア)大統領との暗黙の了解で外交・安全保障の実質的な責任者(陰の大統領)となり、"Unitary Executive Theory"(統一行政権理論)という憲法解釈を持ち出し、イラクには大量破壊兵器が実在するとしてイラク戦争などに邁進・暴走した チェイニー、ラムズフェルド、ブッシュ(ジュニア)それぞれに扮したクリスチャン・ベール(英・1974~)、スティーヴ・カレル(1962~)、サム・ロックウェル(1968~)などは本物に実によく似ていた 本年の第91回アカデミー賞(2019)メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したのもうなづける ただし、英国ウェールズ系米国人(ケルト人)なので体形はずんぐりむっくりしており、ブッシュ(ジュニア)大統領よりかなり背が低かったと思う 原題も"Vice"、あえて和訳すると接頭辞として「副、次席、代行」などだが、名詞とすると「罪悪、邪悪、悪徳、不徳」などの意味もある チェイニーの地元ワイオミング州について豆知識を 同州は全米50州の内で一番人口が少なく約56万人 米国連邦議会下院議員の定数435人(任期2年間)は各州の人口に比例して割り当てられるので、ワイオミング州は1人 現在チェイニーの長女エリザベス(リズ)・チェイニー(1966~)が選出されている 上院議員100人は各州を国と見て国を代表する定数2人(任期6年間で2年毎に1/3を改選) ワイオミング州議会の定数は下院60人・上院30人の計90人 日本で人口が最少の県は鳥取県で約56万人 衆議院定数465人(任期4年間・解散あり)の小選挙区分289人の内鳥取県には2人を割当て 参議院定数242人(任期6年間・3年毎に1/2を改選)の大選挙区分146人の内鳥取・島根両県に1人 鳥取県議会の定数は35人(任期4年間) 米国の人口は日本のそれの2.5倍だが、どちらの議員定数を多いと見るか ただし、各州議会は州内の憲法、民法、刑法などを区々に立法 米国連邦議会は連邦国家の憲法、外交、安全保障、州にまたがる案件についての立法を担当
ショーン・オブ・ザ・デッド(英・仏) ⇒英国製のゾンビ・ホラー・コメディB級作品 英米では2004年の公開だから、日本では15年目で初公開 エドガー・ライト(英・1974~)が監督(兼脚本)し、サイモン・ペッグ(英・1970~)とニック・フロスト(英・1972~)が主演(ペッグは脚本も兼務) この3人の組合せの最初の作品で、後に「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」(英・2013)も製作 ライト監督はB級作品を得意としていたが、米国ハリウッドで「アントマン」(2015)や「ベイビー・ドライバー」(2017)も監督(兼脚本) 2009~2013年頃米国女優のアナ・ケンドリック(1985~)と交際していたそうだ ペッグは「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」(2015)、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」(2015)、「スター・トレック BEYOND」(2016)、「レディ・プレイヤー1」(2018)そして「ミッション・インポッシブル フォール・アウト」(2018)のVFX大作に次々と脇役出演する売れっ子となっている ペッグとフロストが脚本を担当し主演したSFコメディ作品「宇宙人ポール」(米・仏・英・2011)も記憶に残る 原題も"Shaun of the Dead"で邦題どおりだが、あえて和訳すると「死人・死者の(一人の)ショーン」か

荒野にて(英) ⇒原題は"Lean on Pete"で、脇役の競走馬の名前のようだが、あえて和訳すると「ピートに乗って傾けて」か… 米国ネヴァダ州出身の作家・音楽家のウィリー・ヴィローティン(1967~)の同名原作小説(2010・和訳は2019)を「さざなみ」(英・2015)のアンドリュー・ヘイ監督(英・1973~)が映画化 米国オレゴン州ポートランドに暮らす孤独な少年が孤児となり、途中からは世話をしていた競走馬と一緒に叔母のいるワイオミング州ララミーを目指すロード・ムービーになる
美人が婚活してみたら ⇒最近は吉本興業やその子会社のKATSU-doの製作作品が増えているような気がする 本作も吉本製作でKATSU-do配給 詳細不明の漫画家・とあるアラ子(東京都出身・1983~)の多分同名原作漫画を、「勝手にふるえてろ」(2017)の大九(おおく)明子監督(横浜市出身・1968~)が映画化 当然コメディ作品だが、(怒られるかもしれないが)主人公が美人中の美人とも観えないところも意表を突いているのかも… 名前は出さないが共演の親友役の女優の方が、やや色黒だが筆者好み ロケ地は主に東京都(一部千葉県)で墨田区、台東区、新宿区、千代田区、杉並区、江東区、港区、北区と多方面にわたる

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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