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2020年1月の7件の記事

2020年1月26日 (日)

1月19日~1月25日の週に観た劇場映画

1月19日(日曜)~1月25日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。年が明けると、今年のアカデミー賞を狙う作品群がどんどん日本公開されます。

fc669e0b211aeefaパラサイト 半地下の家族(韓) ⇒情報化社会、SNS社会においてますます明らかになった格差問題 特に韓国社会では顕著になっているようだが、本作は、その社会格差問題を基調に置きながら、寄生と共生の難しさをファンタジーとして表現 コメディでもあり、ホラー・サスペンスでもあり、すべてを融合するのはとても難しそうだが、微妙なバランスを保っていることに驚く 監督(兼共同脚本)は「スノーピアサー」(韓・米・仏・2013)でも階級闘争を描いたポン・ジュノ(韓国大邱市出身・1969~) 昨年(2019年)のカンヌ国際映画祭では、クエンティン・タランティーノ(米国テネシー州出身・1963~)監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(米・2019)やケン・ローチ(英・1936~)監督の「家族を想うとき」(英・仏・ベルギー・2019)などを抑えて、全会一致で韓国映画初のパルム・ドールを受賞 プールの中に造った半地下の家や高台にある超高級住宅など、道路以外はすべてセットを構築したというポン監督のこだわりが分かる 筆者にはやや違和感を感じた点が2点 一つ目は、豊臣秀吉(1537~1598)が李氏朝鮮(1392~1910)に攻め込んだ、文禄の役(1592~1593)と慶長の役(1597~1598)の時に、朝鮮側水軍の指揮官だったイ・スンシン(李舜臣・1545~1598)将軍がパーティの飾り物で登場したこと イ将軍は日本との海戦で決定的な役割を果たしてはいないようだが、救国の英雄とされている 日本のパーティで日清戦争(1894~1895)や日露戦争(1904~1905)の英雄、東郷平八郎(1948~1934)元帥海軍大将や乃木希典(1949~1912)陸軍大将が登場するだろうか 二つ目はモールス符号(発明:1837・国際規格:1851)も登場し、短音を「トン」、長音を「ツー」と表現しているが、これは日本から導入された表現方法ではないか 英語では、そもそもモールス符号はドット(点)とダッシュにより構成されており、それらは「ディ」と「ダー」と省略して表現されているようだ 英語原題も"Parasite"=「寄生虫、寄生」
ジョジョ・ラビット ⇒米国コネチカット州州都のハートフォード生まれで、ベルギー国籍も有し、2006年からはニュージーランドで暮らす作家クリスティン・ルーネンズ(1964~)の小説"Caging Skies"(2008)(直訳すると「檻・籠に閉じ込められた空」か:未邦訳)が原作 ルーネンズはイタリア人の母とベルギー人の父の娘で、若い時はフランスでファッション・モデルをしていたようだ 1996年頃から小説家を目指し、2000年にはフランス・ノルマンディーにあるカーン平和博物館で本原作小説のヒントを得たようだ それは第二次世界大戦(1939~1945)中のオーストリア・ウィーンでの出来事で、ヒトラー・ユーゲント(ナチス党の地域青少年教化組織)の一員を目指すジョジョ(ヨハネス・ベツラー)が、彼の両親が自宅に匿っていたユダヤ人少女を発見したこと ニュージーランドの映画監督・脚本家・俳優・コメディアンであるタイカ・ワイティティ(首都ウェリントン出身・1975~)が映画化(兼脚本・出演) 原作小説にも強い賛否があるようだが、筆者にも違和感が残った 本作では、ジョジョの空想であるアドルフ・ヒトラー(1889~1945・ワイティティ監督が演技)が登場し、ジョジョを励ますが、同時にそれらがヒトラー及びナチスを揶揄し、皮肉るものなのだろう ジョジョの心境の変化そして独り立ちは充分理解できるが、一歩間違えると扮装ではあるとしてもナチスの恰好をして騒ぐことを助長するのではないか またビートルズの楽曲とともに作品がスタートするので、現代の寓話だと誤解する人もいるのではないか ロケ撮影はチェコの首都プラハで主に行われた模様 原題も"Jojo Rabbit"
ペット・セメタリー ⇒米国メイン州ポートランド出身のモダン・ホラー小説家スティーヴン・キング(1947~)の原作小説"Pet Cematary"(1983)(邦訳:「ペット・セマタリー」1989)の2度目の映画化 1度目は邦訳本も出版された1989年 「ペット霊園」を意味するタイトルの正しい綴りは"Pet Cemetary"であるが、子供たちが可愛い綴りミスをしたいう前提で"Pet Cematary"としているらしい 本作の原題も綴りミスをした方だが、邦題は正しい綴りとしているようだ 原作小説は余りの恐ろしさに出版をしばらく見合わせていたという逸話があるくらいで、ホラー映画に慣れている筆者でも数度はかなりドキッとした 米国バーモント州ラッドロー(Ludlow)という実在の町で起きる、森に魔力があるという不思議な事件が題材 1度目の映画化では弟が事故死するが、2度目の映画化の本作では姉が事故死 観客は最初は男ばかり10数人だったが、開映間際に女性が3人加わった
bdef173ffd93baaeイントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(米・英) ⇒英国の気象学者ジェームス・グレーシャー(1809~1903)が高空の大気の温度と湿度を測定するために気球飛行をした史実に基づく作品で、自然科学に興味があれば実に面白い 1862年9月5日にグレーシャーは、気球操縦士とともに、当時フランス人が持っていた高度7,000mの世界記録突破を目指して飛行し、高度11,277m(約7miles)まで到達 これは酸素ボンベなしでの気球飛行記録として現在まで破られていない記録だそうだ グレーシャーはこの飛行で成層圏内の温湿度測定を行い、気象学の発展に大いに寄与 本作では、男性操縦士を女性と設定変更しフェリシティ・ジョーンズ(英国バーミンガム出身・1983~)が演じ、グレーシャーをエディ・レッドメイン(ロンドン出身・1982~)が演じる この2人は「博士と彼女のセオリー」(2014)でダブル主演しており、息の合ったところを見せている 両者は第87回アカデミー賞(2015)主演男優賞と主演女優賞にノミネートされ、レッドメインが主演男優賞を受賞 本当に飛行できる19世紀型ガス気球の精巧なレプリカを建造したこと、2人は撮影のため実際にその気球で高度900mを飛行したこと、特にフェリシティは高度600mで気球によじ登ったことなどが、撮影秘話として特筆される 原題は"The Aeronauts"=「気球操縦士」
49029a069417656dフォードvsフェラーリ ⇒やはり事実に基づき、実写をフル活用して製作された作品は面白い 本作を製作したジェームズ・マンゴールド(ニューヨーク市出身・1963~)監督(兼製作・脚本)は、本作に約105億円の製作費をかけたそうで、映像は実にリアル 同監督は「LOGAN ローガン」(2017)でやはり約105億円、「ウルバリン:SAMURAI」(2013)では約140億円を費やしたらしく、この金額は不思議ではないのだろう ロケ撮影は2018年夏~初秋に米国カリフォルニア州とジョージア州、そしてフランスのル・マンなどで行われた模様 フォード・モーターの本社・工場、マイルズのワーク・ショップ(ガレージ)、フェラーリ本社、米国内のレース・コースやテスト・コース、そしてル・マン24時間レースのコースまで緻密で膨大なセットを米国内に構築 本作は、1)ル・マン24時間レースでも優勝したことのある優秀なドライバーだが、病気のため引退しレーシング・カーのデザイナーになったキャロル・シェルビー(テキサス州出身・1923~2012)が、英国から移住した優秀な整備工・ドライバーとして活躍していたケン・マイルズ(英国出身・1918~1966)と組むところ、2)フォード社は、大衆車からレーシング・カーまでにラインナップを拡大させようとするリー・アイアコッカ(ペンシルベニア州出身・1924~2019)営業担当役員の主張に沿い、イタリアのフェラーリ社の買収に乗り出すが失敗し、ル・マンでフェラーリに勝利することを目指すところ、3)フォード社はシェルビー・マイルズと組んで、無尽蔵の資金提供をし、フォードGT40を製作・改良し続け、ついに1966年6月のル・マンで、フェラーリに勝利し1~3位を独占するところ、などを描く シェルビーを「オデッセイ」(2015)のマット・デイモン(マサチューセッツ州ケンブリッジ出身・1970~)が、マイルズを「バイス」(2018)のクリスチャン・ベール(英国ウェールズ出身・1974~)がそれぞれ演じている 当然ながらスタント・ドライバーが多数おり、また実写映像が多いがVFXも使われている 原題も"Ford v. Ferrari"で邦題どおり

記憶屋 あなたを忘れない ⇒ロンドン生まれで神戸市在住の弁護士・小説家の織守(おりがみ)きょうや(1980~)のホラー小説「記憶屋」(2015)の映画化 映画作品自体はホラーよりファンタジー的だと思う 誘拐・強盗・強制性交の被害者のトラウマを避けるために、その記憶を消すという意図は分かるが、この場面でどうしてそうなるのかという必然性が少し理解できないところがあった 主役2人の故郷が広島で首都圏の大学に通学中という設定なので、ロケ撮影は昨年の冬に広島県と、東京都、神奈川県、栃木県、山梨県などの首都圏で行われた模様
ナイト・オブ・シャドー 魔法拳(中) ⇒ジャッキー・チェン(香港出身・1954~)主演で、中国・清代の怪異短編小説集「聊斎志異(リアオ・ツァイ・ツィ・イ)」の作者・蒲松齢(プ・ソン・リン・1640~1715)をモデルにした作品 主人公・蒲松齢が陰陽の筆で妖怪を地獄に封じ込める アニメ・VFX大活用で、またボリウッド(インド・ムンバイ)作品のように唄・音楽と踊り・ダンスも織り込まれている エンドクレジットのデザイナー・ポスプロ・VFX担当には千数百人の名が 原題は「神探蒲松齢 "The Knight of Shadows: Between Yin and Yang"」(中・英)=「探偵蒲松齢 影の騎士:陰と陽の間」か
サヨナラまでの30分 ⇒完全オリジナル脚本による、音楽バンド・ファンタジー作品 ゴースト的な話だが、発想は結構面白い 本作のために6曲ものオリジナル楽曲が創られたのも特筆される 北村拓海(東京都出身・1997~)は歌手でデビューし、実際にバンド活動もしており、歌もうまいことは知らなかった ヒロインの久保田紗友(さゆ・2000~)は売出し中だが、筆者の故郷でもある札幌市出身なので言及したい ロケ撮影は昨年(2019年)夏長野県松本市、塩尻市などで行われた模様

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2020年1月19日 (日)

1月12日~1月18日の週に観た劇場映画

1月12日(日曜)~1月18日(土曜)の週は、5本の劇場映画を観ました。今年5月に90歳になるクリント・イーストウッド監督はまだまだ健在のようです。

320bac50d2ba94e9リンドグレーン(スウェーデン・デンマーク) ⇒スウェーデンの児童文学作家アストリッド・リンドグレーン(女性・1907~2002)を知っているだろうか 「長くつ下のピッピ」(1945)で始まる童話シリーズは世界100ヶ国以上で翻訳・出版され、世界中によく知られているはずだ 本作は彼女の16歳から10年間余りの苦難と激動の時代を描く スウェーデン南部のスモーランド地方、田舎の小さな牧場で、自然の中幸福に育ったアストリッド 文才があったために、田舎の新聞社に雇われるが、親友の父親でもある社主と関係が デンマークで出産し、男子をそこに置いたまま、スウェーデンで教師や事務員をするが、なかなか自分の子を引き取れない 常に前向きな彼女は自分で数々の苦境を突破していき、最後には面倒見のいい、最愛の人を見付けたようだ 気が付いたことは、当時はスウェーデンでもまだ姦通罪があったらしいこと、デンマークでは出生後まもない幼児たちを育てる女性たちがいたこと、また馬車を引く馬たちは道産子のように太く短い脚であることか 原題は"Unge Astrid"(デンマーク)="Unga Astrid"(スウェーデン・言語はよく似ている)="Young Astrid"=「若き日のアストリッド」でこの方が分かりやすい
カイジ ファイナルゲーム ⇒「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009)、「カイジ2 人生奪回ゲーム」(2011)に続く第3作目で最終編らしい 前2作と同様に、佐藤東弥(東京都西東京市出身・1959~)監督と主演の藤原竜也(埼玉県秩父市出身・1982~)がタッグ 原作漫画作者の福本伸行(神奈川県横須賀市出身・1958~)が脚本に加わり、完全なオリジナル・ストーリーとしたらしい ハイパー・インフレになり、預金封鎖され、新円発行などという極限的な話も盛り込まれている 福士蒼汰(東京都出身・1993~)を悪役として使い、藤原と吉田鋼太郎(東京都出身・1959~)との舞台俳優同士の掛合いも見物 撮影は2018年10~12月に行われ、ロケ地は栃木県(大谷石洞窟、岩船山など)、千葉県、群馬県、東京都、茨城県(鹿島スタジアム)など首都圏各地だった模様 人間秤のセットは日活調布撮影所(東京都調布市)に造ったようだ
ラストレター ⇒岩井俊二(宮城県仙台市出身・1963~)監督の集大成のような作品(兼原作・脚本)にしようとしたらしい 公開当時大評判になった初監督長編作品「Love Letter」(1995)の系譜を継ぐようだ 「四月物語」(1998)で主演した松たか子(東京都出身・1977~)を再度主演に 「Love Letter」で共演した中山美穂(長野県佐久市生まれ・東京都小金井市出身・1970~)と豊川悦司(大阪府八尾市出身・1962~)が本作の終盤にも登場するのが面白い SNS全盛時代に、3組の微妙な文通を軸に話を盛り上げる しかし、少しひねり過ぎの感じもあり、また2人の少女が過去と現在で違った役どころで一人二役を演ずるので頭が少し混乱 ロケ撮影は、2018年7月末~8月末に、岩井監督の故郷・宮城県仙台市、そして白石市、大崎市などで行われた模様 冒頭と結末に登場する滝は宮城県七ヶ宿(しちかしゅく)町にある滑津(なめつ)大滝
127a09e79163754aリチャード・ジュエル ⇒クリント・イーストウッド(カリフォルニア州サンフランシスコ出身・1930~)監督が、高齢にもかかわらずまたまた話題作を製作 「アメリカン・スナイパー」(2014)や「ハドソン川の奇跡」(2016)と並ぶ、史実に基づいた優れた作品 一度は英雄になったが、その後疑問を呈され地に落ちた人物の疑いを晴らすという展開は「ハドソン川の奇跡」と似ている 今回はFBIとメディアに狙われた最悪の情況下での闘いを描く 主人公は実在だった人物リチャード・ジュエル(バージニア州出身・1962~2007) 正義感がやや強すぎな太った男で、法執行官"law enforcer"を目指す また銃器や爆弾に詳しく、銃器も多数所有 1996年夏ジョージア州アトランタでオリンピック実施中に開催されていた協賛コンサートの会場・センテニアル・オリンピック・パーク(百年五輪公園)で事件が起きる 7月27日夜、警備員として働いていたジュエルはベンチ下の不審なバックパックを見付け、手順に沿って州警察の爆弾処理班を呼び、パイプ爆弾であることを確認 警察官とともに観客に避難を呼びかけている途中に爆発し、2人が死亡し100人以上が負傷 出遅れたFBI捜査官が現場を仕切り、一種の焦りからかプロファイリングによりジュエルを犯人と特定 地元新聞の女性記者が色仕掛けで知合いのFBI捜査官からネタを仕入れスクープ(ここは本当なら大問題) とうとうジュエルは全米のあらゆるメディアから攻撃され、FBIからも厳しい捜査・取調べを受ける 結末の記録映像に実在の本人たちが登場するが、よくもこんなに彼らに似た俳優を探し、さらに似せたメークをし喋り方までまねさせたなと思う ジュエルを130キロ以上に太ったポール・ウォルター・ハウザー(ミシガン州出身・1986~)が、ジュエルを助ける奇特な弁護士をサム・ロックウェル(カリフォルニア州出身・1968~)が、そしてジュエルの母親をキャシー・ベイツ(テネシー州出身・1948~)がそれぞれ演じる 本作は作家・ジャーナリストのマリー・ブレンナー(テキサス州出身・1949~)の雑誌記事(1997)に基づいており、推定無罪の原則から逸脱した捜査手法(ゴーン事件を思い出すかもしれないが、ジュエルは逃亡せず正々堂々と無実を証明)やメディアの報道姿勢の問題を提起 真犯人のエリック・ルドルフ(フロリダ州出身・1966~)は事件の6年後の2003年に逮捕され終身刑に処されている その後ジュエルは念願の警察官(法執行官の一種)になったが、持病の心臓病で2007年にジョージア州の自宅で死去 ロケ撮影はほぼアトランタ(米国の映画撮影聖地の一つ)で行われた模様 原題は"Richard Jewell"で邦題どおりだが、「ジュエル」の発音は「ジュウォール」に近い
ダウントンアビー(英・米) ⇒英国で大ヒットし、日米でも放映された、同名TVドラマ・シリーズ(英・2010~2015)の映画化 TVドラマの終了時点の1年半後、1927年の時代設定 原案・脚本はいずれも英国のジュリアン・フェロウズ(エジプト・カイロ生まれ・1949~) 監督はTVシリーズの一部も担当したマイケル・エングラー(米) 本作では、英国王の一行がダウントンアビーに一泊する騒動の顛末を描く 大きな城のような邸宅を構える、当時の英国貴族の暮らし、経済情況が大変であったことが分かる さらに女性が中心になって一家が運営されているのにも驚く 邸宅の主・グローリー家の人々、そのプロフェッショナルな使用人たち、そして王室とその侍従・使用人たちなど、数10人が短時間の間に多数登場し入り乱れるので、筆者の理解力では付いて行けなところも結構あった 邸宅の撮影には、TVも映画も、英国南部のヨークシャー州にあるハイクレア・カースル(カントリー・ハウスだそうだ)を使用 原題は"Downton Abbey"=「ダウントン修道院」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2020年1月13日 (月)

ワープステーション江戸@茨城県つくばみらい市 その3

ワープステーション江戸@茨城県つくばみらい市
2018年に完成した近現代エリア(明治・大正・昭和ゾーン)
路面電車も復元されている
これは撮影用の造り物だが、細部にわたり本物そっくりに製作されており、線路軌道上を走行できるとのこと
NHKの大河ドラマ「いだてん 東京オリンピック噺」(2019)はこのエリアで撮影されたようだ
写真は路面電車とオフィス街

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ワープステーション江戸@茨城県つくばみらい市 その2

ワープステーション江戸@茨城県つくばみらい市
この施設は2000年に茨城県と筑波郡伊奈町(2006年に谷和原村と合併しつくばみらい市に)がテーマパークとして建設(2012年からはNHKエンタープライズが所有)
NHKの大河ドラマ:「いだてん 東京オリンピック噺」(2019)「おんな城主 直虎」(2017)「真田丸」(2016)「花燃ゆ」(2015)「軍師官兵衛」(2014)
NHKの連続テレビ小説(朝ドラ):「なつぞら」(2019)「とと姉ちゃん」(2016)「花子とアン」(2014)
などのロケ撮影地として活用されているようだ
1枚目の写真は江戸城 大手門、2枚目は長屋門から観た大手門、3枚目は戦国時代の砦

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ワープステーション江戸@茨城県つくばみらい市 その1

ワープステーション江戸@茨城県つくばみらい市を訪問
劇場映画のロケ地に最近茨城県がよく登場
その主要な場所がここ
2012年4月からはNHKエンタープライズ(NHKの子会社)が所有しており、数々の大河ドラマや朝ドラ(連続テレビ小説)のロケ撮影に使われている
1枚目の写真は城郭・大名屋敷につながる高麗門と手前の商家町
2枚目は歌舞伎などのための芝居小屋か

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2020年1月12日 (日)

1月5日~1月11日の週に観た劇場映画

1月5日(日曜)~1月11日(土曜)の週は、9本の劇場映画を観ました。新年最初の週は、少し気張りました。観る機会がなかったが、ロングランになっている作品群を鑑賞できました。

1632fa1aae57d560この世界の(さらにいくつもの)片隅に ⇒漫画家こうの史代(広島市出身・1968~)の原作連載漫画「この世界の片隅に」(2007~2009)を片渕須直(大阪府枚方市出身・1960~)監督が2016年に同名アニメ映画化 この前作に予算の都合でカットした部分を追加し、さらに多くの修正、微調整を加えて、129分から168分に約40分長尺化したものが本作 前作は日本でスマッシュ・ヒットし、何と世界60ヶ国以上で上映され、27億円以上の興行収入を得た 片渕監督はこの収入の一部を活用して、作品をさらに完成したものにしたかったようだ 前作では余り描かれなかった、呉の遊郭で出会った若い遊女との交流の場面を大幅に追加 厭戦・反戦メッセージが弱まったという批評もあるが、「生きることが大事」「人生の目的は生きること」などという人間の根源的なメッセージはよく聴こえてくる
e272394ea5978410スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け ⇒ジョージ・ルーカス(カリフォルニア州出身・1944~)監督が製作した「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」(1977)から始まった「スター・ウォーズ」シリーズもついに本作で完結 順番でいくと本作は「エピソード9」に当たり、順序の前後はあるが42年間の長期にわたる旅であった 全体のストーリーはよく知られていると思うが(登場キャラクターが多すぎて、筆者は実はよく理解しきれていない)、旧3部作(1977~1983)はルーク・スカイウォーカーが、新3部作(1999~2005)はルークの父アナキン・スカイウォーカーが、そして続3部作(2015~2019)は新たな女性登場人物レイがそれぞれ主人公だと思う 完結編の本作は善悪や結末が結構明快なので分かりやすい J・J・エイブラムス(ニューヨーク市出身・1966~)が監督(兼脚本)し、ジェダイ(正義のレジスタンス)側のレイをデイジー・リドリー(英国ロンドン出身・1992~)が、ダーク・サイド(暗黒面)のカイロ・レン(ベン・ソロ)をアダム・ドライバー(カリフォルニア州サンディエゴ出身・1983~)がそれぞれ演じる 沙漠のシーンはヨルダン南部のワディ・ラム(月の谷)という何もないが美しい沙漠にセットを構築して撮影したようだし、ポスプロ・VFXには1,000人以上が係わり、スタントやコスチュームのチームも人数が多い 原題は"Star Wars: The Rise of Skywalker"で、意味はほぼ邦題どおりか 「スター・ウォーズ」教の信者が世界中にいて、製作するたびに大ヒットするので、またまた新たな3部作を考えているという話もあるという
ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 ⇒次期米国大統領選出馬を狙う、有能な女性国務長官(日本の外務大臣に相当)と冴えないジャーナリストあがりのスピーチ・ライターとの恋愛を描いたコメディ 2人の関係は、ニューヨーク市ブルックリン区で子供時代に少女だった女性がベビー・シッターをしたこと ニューヨーク市で再会し、外交が仕事なので、ストックホルム、ハノイ、リスボン、ニューデリー、モスクワ、マニラ、カルタヘナ(コロンビア)そしてブエノスアイレスと2人一緒にプライベート・ジェットで世界を回る ワシントンD.C.の結構ドロドロした政治の世界が描かれ、マニラでテロが発生した時に結ばれるがモリーと呼ばれる成分がMDMAのドラッグを使ったりとか、夢物語・ファンタジーであるがかなりリアルで危ないコメディ マニラのベッド・シーンでは、「プリティ・ウーマン」(1990)の挿入歌であった、スウェーデンのバンド・ロクセットが歌う「愛のぬくもり "It Must Have Been Love"」が使われている 監督は「50/50 フィフティ・フィフティ」(2011)のジョナサン・レヴィン(ニューヨーク市出身・1976~)、女性国務長官をシャーリーズ・セロン(南ア出身・1975~)が、スピーチ・ライターをレヴィン監督によく起用されるコメディアンでもあるセス・ローゲン(加バンクーバー市出身・1982~)がそれぞれ演じる 原題は単に"Long Shot"だが、「ごくわずかな成功の確率しかない挑戦・トライ」のことを意味するようだ
”隠れビッチ”やってました。 ⇒イラストレーターとして幅広く活躍している「あらいぴろよ」の同名原作漫画(2016)の実写映画化 こんな表裏のある、ある意味イタイ女性も実在するのかもしれない、と意外に思ってしまった 原因は親父のDVで男性不信になったことのようにも 佐久間由衣(神奈川県横須賀市出身・1995~)が主役を熱演 シェアハウスの、ニューハーフ的なルームメイトを村上虹郎(東京都出身・1997~)が好演 「モテキ」(2011)の主演で注目した森山未來(神戸市出身・1984~)が主役を暖かく包み込む役柄 ロケ撮影は首都圏で行われたようだが、詳細は不明 エンドクレジットのロケーション協力施設には、グランドプリンスホテル新高輪が挙がっていた
映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ ⇒時間の都合で鑑賞 「すみっコぐらし」の人気キャラクターたちが、いつも行く喫茶店の地下でとびだす絵本に出会い、桃太郎、マッチ売りの少女、人魚姫、アラビアンナイト、赤ずきんなどの童話の世界に遊ぶ

殺さない彼と死なない彼女 ⇒主にツイッター上で自作作品(4コマ漫画)を発表している、いわゆる「SNS漫画家」の世紀末(女性・広島在住・1995~)の同名漫画原作(単行本・2017)の映画化 昨年(2019年)11月15日劇場公開だから、ややロングランに 殺さない彼(小坂)と死なない彼女(鹿野)、きゃぴ子と地味子、そして撫子(原作では君が代)と八千代の3組の高校生のちょっと変わった交流・生態を描く 死なない彼女の部屋には、なぜいつもロウソクが沢山点灯されているのだろうか ロケ撮影は2018年10~11月に、千葉県八千代市(八千代西高校)、柏市(ららぽーと柏の葉)、香取市(香取神宮、佐原)、流山市などで行われた模様
デニス・ホッパー 狂気の旅路 ⇒ハリウッドの異端児デニス・ホッパー(米国カンザス州出身・1936~2010)の半生を追ったドキュメンタリー ホッパーはジェームズ・ディーン(インディアナ州出身・1931~1955)主演の「理由なき反抗」(1955)に出演しており、ディーンに似せられた 「イージー・ライダー」(1969)の監督・脚本・出演で、ニュー・シネマの旗手として一躍時代の寵児になるが、次作「ラストムービー」(1971)でその難解さにより映画会社と対立 しばらく荒れた生活を送るが、デヴィット・リンチ(モンタナ州出身・1946~)監督の「ブルー・ベルベット」(1986)で復活 「ラストムービー」も同時公開中 原題は"Along for the Ride"で、あえて和訳すると「一緒に乗って行くと」か
697e55d169c97082エクストリーム・ジョブ(韓) ⇒筆者も大好きな韓国作品「サニー 永遠の仲間たち」(2011)の脚色にも係わったというイ・ビョンホン(有名韓国男優と同じような名前だが別人)監督が製作した超絶刑事・サスペンス・アクション・コメディ作品 韓国では大ヒットした模様 同じ警察署内でライバル同士の麻薬捜査班と組織犯罪捜査班 麻薬捜査班の5人が麻薬取引組織の監視のために、薄給ながらフライド・チキン(鶏の唐揚げ)屋を購入し経営することになるところがとても面白く、異色 国際麻薬取引組織に食い込んだ後の潜入捜査、そして最後の大集団による乱闘アクションはさすが韓国作品らしい チキン屋が取り上げられたのには意味があり、実際韓国では中年退職者が最も容易に開業できるのがチキン屋で、全国に8万7千店余りが営業中とのこと 韓国男性の人生を表わすのに「起・承・転・チキン」という流行語まであるようだ 原題も"Extreme Job"だが、あえて和訳すると「両極端の仕事」か
2add4c08bf71d99aアナと雪の女王2 ⇒劇場公開後1ヶ月半余り経ったが、東宝シネマズのフリーパスを入手したこともあって、ようやく鑑賞 前作「アナと雪の女王("Frozen")」(2013)と異なり、物語展開が明快で、途中の謎解きも分かりやすく、ハリウッド的ハッピーエンド結末も好ましい 作品はよりミュージカル風になっており、歌曲、特に主題歌"Into the Unknown"の難度は上がっているのではないか 難しいとされる水や氷のアニメ表現は相変わらず見事で、映像制作のための新たなソフトウェアも開発したようだ 前作に引き続き、クリス・バック(米国カンザス州出身・1959~)とジェニファー・リー(ロード・アイランド州出身・1971~)が共同監督 元々の企画はバックが提案したものとのこと 原題は"Frozen II"で、直訳すると「氷結、凍結 第Ⅱ部」か 邦題は主人公たち、特に妹に焦点を当てているが、原題は広く「氷雪の世界」をイメージ

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2020年1月 2日 (木)

新年のご挨拶と2019年に鑑賞し、これはと感じた劇場映画作品

初春や 令和の陽光(ひかり) やすらけく

よき新春をお迎えのことと存じます
本年もよろしくお願い申し上げます

昨年は、「令和」に改元されましたが、国内では相次いで自然災害に襲われ、国際では国家間の対立が多く表面化しました。
今年は、東京オリンピック・パラリンピックを迎えますが、激しさを増す自然災害への備え、米中の覇権争い、韓国・北朝鮮との関係などの課題が山積みです 東京都では知事選挙もあります

昨年は339本の劇場映画作品を鑑賞しました これはと感じた作品10本を以下にご紹介いたします
迫り来る嵐(中):本格的な中国版フィルム・ノワール
女王陛下のお気に入り(愛・英・米):英国アン女王の秘話
ビール・ストリートの恋人たち(米):黒人男女のみずみずしい恋愛
グリーン・ブック(米):黒人の公民権運動の一端がうかがえる
運び屋(米):史実に基づく話で、イーストウッド監督自ら熱演
愛がなんだ(日):男女の恋愛について久々に考えさせられた
誰もがそれを知っている(西・仏・伊):よく練られた家族サスペンス
風をつかまえた少年(英・マラウィ):少年が風力発電機を自力製作
ホテル・ムンバイ(豪・印):テロから多数の宿泊客を救った従業員
家族を想うとき(英・仏・ベルギー):英国でも悪化する労働環境

皆様方にとって、輝かしい新年となるようお祈り申し上げます

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