« 1月26日~2月1日の週に観た劇場映画 | トップページ | 新型コロナウイルスは生物兵器なのか? »

2020年2月 9日 (日)

2月3日~2月8日の週に観た劇場映画

2月3日(日曜)~2月8日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。
今回から書式を少し変更しました。5本以上鑑賞した場合は、冒頭に作品名を羅列することにします。それから作品毎に製作国と製作年を明記することにもします。

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密(米・2019)
バッドボーイズ フォー・ライフ(米・2020)
続・荒野の用心棒(伊・西・1966)
風の電話(日・2020)
プロジェクト・グーテンベルク 贋作王(香・中・2018)

グッド・ライアー 偽りのゲーム(米・2019)
彼らは生きていた(英・2018)

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密(米・2019) ⇒「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(2017)を監督(兼脚本)したライアン・ジョンソン(米国メリーランド州シルヴァー・スプリング出身・1973~)が、「ミステリーの女王」と呼ばれた英国の推理小説作家アガサ・クリスティ(デヴォン州出身・1890~1976)へのオマージュとして、100%オリジナル脚本で製作(兼監督・脚本)した作品のようだ オールスター・キャストで、全員が怪しくて、最後に見事な種明かしがあるところがクリスティ風で、古典的 探偵役は現在進行中の「007」(第21作・2006~)のジェームズ・ボンド役でおなじみのダニエル・グレイグ(英国チェスター出身・1968~) 舞台は米国北東部の大都市郊外にある大邸宅で、一部コメディ的でもある 原題は"Knives Out"で、あえて意訳すると「使えない、刃のない短剣・ナイフ」か
バッドボーイズ フォー・ライフ(米・2020) ⇒「バッドボーイズ」シリーズ(米・1995・2003)の第3作目 ウィル・スミス(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身・1968~)とマーティン・ローレンス(米・1965~)の、麻薬捜査官ダブル主役コンビは健在 舞台は米国フロリダ州マイアミからメキシコへ飛ぶが、痛快・豪快なコメディ・サスペンス・アクションはただ観ているだけもいい 終盤の廃ホテルにヘリが墜落し炎上するシーンは見事 今回から監督は本シリーズの生みの親マイケル・ベイ(ロサンゼルス出身・1965~)からベルギーの監督コンビのアディル・エル・アルビ(1988~)とビラル・ファラー(1986~)に交替 原題も"Bad Boys for Life"=「ずっとバッドボーイズ」か
efc045c1340e07b7続・荒野の用心棒(伊・西・1966) ⇒イタリアのセルジオ・コルブッチ監督(ローマ出身・1927~1990)が製作(兼脚本)した古典的・伝説的なヴァイオレンス・マカロニ・ウエスタン オリジナル・ネガフィルムから4Kスキャン・レストアされたデジタル・リマスター版 イタリアの俳優フランコ・ネロ(1941~)が、米国南北戦争終了後の北軍の流れ者ジャンゴ(主人公)を熱演 なぜか泥々のシーンが多く、主人公が泥の上を棺桶を引きずりながら登場するシーンは象徴的 原題は"Django"=「ジャンゴ」で、2012年にクエンティン・タランティーノ監督(米国テネシー州ノックスヴィル出身・1963~)が製作した「ジャンゴ 繋がざれざる者」は本作へのオマージュ 観た作品はイタリア語版なので、イタリア語で米国の南北戦争やメキシコ国境が語られるとやや不思議な感じ 欧米では吹替えで外国映画を鑑賞するのが普通のようで、英語圏ならば英語に吹替されたものが上映されているはずだ
風の電話(日・2020) ⇒岩手県大槌町の高台の公園に実在する、死者と話ができるという「風の電話」をモチーフに、諏訪敦彦(すわのぶひろ・広島市出身・1960~)監督が製作した作品 諏訪の出身地広島から大槌まで旅する、悲しみから再生にわずかに向かうロード・ムービー 9歳の時に東日本大震災(2011)により大槌町で家族を失い孤独になり、広島県呉市にある伯母の家で暮らすヒロインを演じるのはモトーラ世里奈(東京都出身・1998~) 伯母の入院を機に広島から大槌に向かうことになり、道中で三浦友和(山梨県塩山市出身・1952~)、西島秀俊(東京都八王子市出身・1971~)、西田敏行(福島県郡山市出身・1947~)らのベテラン俳優陣が演じる人々に出会い、触れ合い、助けられる 広島の原爆被害・水害、東日本大震災による福島原発事故・津波被害などのイメージを織り込みながら大槌の「風の電話」に辿り着く ロケ撮影は、広島県から首都圏、福島県、岩手県とヒロインの移動に応じて行われたようだが、結果的に少し冗長か
プロジェクト・グーテンベルク 贋作王(香・中・2018) ⇒香港のフィルム・ノワール代表作といわれている「インファナル・アフェア」(直訳すると「地獄の事件簿」か)シリーズ3部作(2002~2003)の脚本を一貫して担当したフェリックス・チョン(香・1968~)が監督として本作を製作 今回は米国100ドル札の贋札(偽札)造りの話だが、恋愛・射撃・爆発アクションなどの見所シーンも山盛り 香港の名優2人、チョウ・ユンファ(1955~)とアーロン・クオック(1965~)が共演 話の舞台はタイの刑務所から始まり、カナダ・バンクーバー、メキシコ・スアレス、キューバ・ハバナ、インド・バンガロール、アイルランド・ダブリン、ラオス・パクセー、そしてゴールデン・トライアングルと世界各地を転々とし、内容も結構複雑なので、老化しつつある筆者の頭では付いて行けなくなった 中国・香港では大ヒットしたようだ 原題は「無雙 Project Gutenberg」(中)=「比類なき・無敵 プロジェクト・グーテンベルグ」か

0bf76be6d3dc3c01グッド・ライアー 偽りのゲーム(米・2019) ⇒ディズニー初のアニメ実写化作品「美女と野獣」(米・2017)を監督(兼脚本)したビル・コンドン(ニューヨーク市出身・1955~)が製作 英国出身の2人の名優ヘレン・ミレン(ロンドン出身・1945~)とイアン・マッケラン(ランカシャー出身・1939~)を起用した、とても気の利いた騙し合い・トリック・ミステリー作品 英国の小説家ニコラス・サール著の、本作原題"The Good Liar"=「良い嘘つき(一種の英国流ブラック・ユーモアか)」と同名の原作小説(英・2016・邦訳:「老いたる詐欺師」2017)の映画化 主人公が老人2人のため、若者には余り人気がないかもしれない しかし、彼らの歳に近付いている筆者にとっては、少しロマンチックな雰囲気で始まりながら、だんだんドキドキ・ハラハラになって、最後には見事などんでん返しになるところはとても面白い 舞台は2009年のロンドンなので、市内とロンドン西方30km弱にあり、ヒースロー空港至近のシェパートン・スタジオで撮影されたようだ また、ナチスに絡む話も登場するのでドイツ・ベルリンでもロケ撮影をした模様 "fond of love"を古風な言い方として何度か取り上げている
dabc51f704783d31彼らは生きていた(英・2018) ⇒「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ3部作(ニュージーランド・米・2001~2003)で一躍著名になったピーター・ジャクソン監督(ニュージーランド・1961~)が第一次世界大戦(1914~1918)終戦後100年目のタイミングで製作した渾身のドキュメンタリー ロンドンにある英国帝国戦争博物館に収蔵されていた2,200時間以上もある記録映像を基に製作 元々の映像は白黒で無声無音であったためカラー化修復し、BBCが保有する退役軍人たちのインタビューを抜粋・同期させ、追加の音声や効果音も加えて、実にリアルで生々しく斬新な映像作品に仕上げている 開戦当時の英国国内は妙に楽天的で、19歳以上の若者が募兵されたがそれ以下の少年たちも偽って志願 約6週間の訓練を経て欧州大陸の西部戦線に投入されるが、ついにはベルギーのエスコー川付近での過酷な塹壕戦に突入 気の抜けない交替勤務の合間の休憩、食事、排泄などのシーンもユーモラスに語られる 最後に菱型戦車も参戦し、ドイツ軍陣地へ向かっての突撃・総攻撃になるが、歩兵はドイツ軍の機関銃に多数倒れながらも敵陣を制圧 この間の終盤30分間のシーンは息付く暇もなく、目が離せない 降伏後のドイツ軍兵士は協力的で、特にバイエルンやザクセン出身の連中は人がいいと語る 100万人の英国人が死亡したが、帰国後の英国国内は無関心で余り感謝されなかったと締めくくる 全くもって戦争は悲惨で無意味だと痛感させる 当時各国兵士にも感染し、第一次世界大戦終結を早めたというスペイン風邪についてのコメントはなかった 原題は"They Shall Not Grow Old"で、直訳すると「彼らは古くならない、古びない」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品

|

« 1月26日~2月1日の週に観た劇場映画 | トップページ | 新型コロナウイルスは生物兵器なのか? »

映画(2020年)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 1月26日~2月1日の週に観た劇場映画 | トップページ | 新型コロナウイルスは生物兵器なのか? »