消費税についての一考
消費税についての、小生の考えを少々書きます。
消費税は、基本的に納税側にも徴税側にも都合がいいものと考えます。もちろん国家には一定額の税収が必要であることを前提とします。
【納税側の感覚】
・一度消費税額が組み込まれてしまえば、税込みの価格でその物品・サービスが必要かどうかを考えること(酒、ガソリン、タバコなどには、消費税の他に高額の税が課されているが、一度決定されればそれは余り誰も気にしない)
・高額な商品は、恐らくそれがとても必要で、どうしてもほしい時に購入するものだから、消費税が高額でも喜んで支払うだろうこと
・巷間よく言われる消費税の逆累進性については、標準税率を充分に高額にして生活必需品には半額程度の軽減税率を課せば、公平感は保たれること(この場合高所得者が高価格の贅沢品を購入する場合には、一種の財産税・贅沢税的なものとなる)
【徴税側の論理】
・個人・法人の消費額は、国全体の景気に余り左右されないので、消費税額の変動が少なくほぼ一定の税収額が見込まれること(国家予算策定が容易になる)
・徴税を物品・サービスを販売する事業者(企業・個人)に任せられるので、徴税が容易で徴税コストも低くなるであろうこと
6月8日付け東洋経済オンラインの記事「ドイツが『消費税3%下げ』に踏み切る意味:歳出削減を徹底、単なる景気対策ではない」のリンクを示します。これをもって、日本でも消費喚起のために消費減税をすべきと考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし、ドイツの国家財政状況は日本のそれとは余りにも違います。憲法に財政収支を黒字にするように書き込み、徹底した歳出削減を行い、2012年からはずっと財政黒字を続けています。一方で2007年に消費税率(欧州では付加価値税(VAT)率)を17%から19%に引き上げています。しかし、軽減税率は低く抑えており、7%です。以下はさるエントリーに小生がコメントしたものです。
==========
日本の国民の動きが遅いのか、選ばれた国会議員たちがだらしないのか、我が国では機敏な政策運営・変更ができませんね。国会での約束などどこ吹く風、議員たちはとにかく自己保身・現状維持ファーストです。
ドイツでは消費税を7月から3%下げても、年末にはまた容易に元に戻せるのでしょう。その前に社会的に必要ならば、消費税を19%にまでも上げるという果断な決断・決定ができることは素晴らしいと思いませんか。
2012年12月の衆議院選挙(都知事選挙も同時だったらしい)で自民党が大勝して安倍政権が誕生しました。確かその直前11月の国会の党首討論で、当時の民主党野田首相と自民党安倍総裁の間で大事な約束がなされました。衆議院を解散するが、消費税を10%に増税するとともに、議員定数を80人程度削減するというものだったと思います。それから消費税を政争の具にしないことも合意されました。
それにもかかわらず、安倍長期政権は消費税を10%にするのに7年も要したし、消費税を政争の具にしたし、さらに議員定数の削減は全く進みませんでした。安倍首相は「あの悪夢のような民主党政権に戻りたいのか」とよく言っていましたが、現在の新型コロナ対応を見ていると、今度は「あの悪夢のような自民党政権に戻りたいのか」と思ってしまいます。
2011年に東日本大震災・福島原発大事故が発生し、当時の民主党政権(菅首相)が右往左往しましたが、今の自民党政権も同じようにただ右往左往しているようです。自民党は単に運が良かっただけではなかったのではないでしょうか。実際原発導入を長期間・強引に推進してきたのは彼らですから。
現在の国民の苦境に当たって、国会議員たちが自分たちの身を切る改革を国民に示すために、コンピューター・システムの知識も経験もない高齢の国会議員たちを中心として、その定数を削減するとともに、議員費用も減らしてほしいといのが、小生の偽らざる思いです。
| 固定リンク
« 特別定額給付金(10万円)の給付状況について | トップページ | 6月30日付けBBCニュース・ジャパンの記事「インフルエンザの新型、中国で発見 『世界的流行も』と科学者」は中国共産党のプロパガンダかも »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 6月30日付けBBCニュース・ジャパンの記事「インフルエンザの新型、中国で発見 『世界的流行も』と科学者」は中国共産党のプロパガンダかも(2020.07.02)
- 消費税についての一考(2020.06.20)
- 特別定額給付金(10万円)の給付状況について(2020.06.13)
- 【動画】中国のサプライチェーン支配:中国共産党を助けたアメリカ(2020.05.05)
- 第45回小平市民文化祭・小平青少年吹奏楽団演奏会を聴いて(2007.11.25)
コメント