11月19日~11月25日の週に観た劇場映画
11月19日(金曜)~11月25日(木曜)の週は2本の劇場映画を観た
★パワー・オブ・ザ・ドッグ(128分・ニュージーランド・豪・2021)
★ONODA 一万夜を越えて(174分・仏・独・ベルギー・伊・日・2021)
(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品
★パワー・オブ・ザ・ドッグ(128分・ニュージーランド・豪・2021) ⇒原作はトーマス・サベージ(1915~2003・米国ユタ州ソルトレイクシティ出身)の小説「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(1967、邦訳:2021) それに惚れ込んだジェーン・カンピオン監督(1954~・ニュージーランド・ウェリントン出身)が脚本も兼ね製作 同監督は「ピアノ・レッスン」(1993)で第46回カンヌ国際映画祭(1993)の最高賞パルム・ドールを受賞しているが、本作でも第78回ヴェネツィア国際映画祭(2021)の銀獅子賞(監督賞)を獲得 本作の舞台は茫漠な土地が拡がる、1920年代の米国モンタナ州 主人公の兄弟は広大な牧場を所有し、多くの牛を放牧・飼育している 兄弟は性格が全く異なり、兄は無骨骨太で根っからのカウボーイだが、弟は慎重居士で事務作業に明るい 一種の西部劇だが、第一次世界大戦(1914~1918)勝利後に米国が世界最強国となる過程の話であり、田舎とはいえ車が走り街には病院もある 弟がバツイチの女性と結婚することになり、兄と弟の嫁そしてその連れ子との確執が明らかに 兄の性癖など細部について徐々にやや恐怖が増すように描写され、微妙なクライマックスを迎える 兄フィルを「モーリタニアン 黒塗りの記録」(129分・英・2021)にも出演していたベネディクト・カンバーバッチ(1976~・英国ロンドン出身)が熱演 彼はむさ苦しく、臭いカウボーイになりきるため、監督の指示もあって、1週間風呂に入らずに役作りをしたらしい ロケ撮影はコロナ禍による中断もありながら、全編ニュージーランドで行われたとのこと ネットフリックスでも無料配信しているようだ
★ONODA 一万夜を越えて(174分・仏・独・ベルギー・伊・日・2021) ⇒小野田寛郎(おのだひろお:1922~2014・和歌山県亀川村・現海南市出身)は元予備陸軍少尉で、情報将校として太平洋戦争(1941~1945)に従軍したが、戦争終結後もフィリピン・ルパング島に残留しゲリラ戦を続けた 戦争終結29年後の1974年に日本に帰還した時は日本で大ニュースとなった 彼の実話を基にフランスのアルチュール・アラリ監督(1981~・パリ出身)が脚本も担当し、フィクションとして製作したのが本作 いわゆる負け犬だった小野田は陸軍中野学校二俣分校(@静岡県浜松市天竜区)でゲリラ戦(遊撃船)についての教育を受け、それが彼が生き延びる原動力となったようだ 中野学校は当初諜報・スパイの教育を行う機関としてスタートしたが、戦局悪化に伴いゲリラ戦の教育機関に変化 最後まで生き延びて目的を達することが小野田の至上命題となり、米軍からの戦争終結広報や日本からの捜索隊を敵側のプロパガンダと見做したらしい 生き延びる過程で、30人前後のフィリピン現地人を殺害していることは忘れてはいけない 主人公の小野田は青年期を遠藤雄弥(1987~・神奈川県厚木市出身)が、青年期を津田寛治(1965~・福井市出身)がそれぞれ演じた 筆者も生前の小野田寛郎氏本人と2、3度お会いしているが、小柄な好々爺にしか見えなかった 第74回カンヌ国際映画祭(2021)でも上映されたが、3時間近い長編は鑑賞に少々疲れた エンド・クレジットがフランス語だったのでややチンプンカンプン ロケ撮影はカンボジア南部のガンボットにて行われた模様
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