11月12日~11月18日の週に観た劇場映画
11月12日(金曜)~11月18日(木曜)の週は7本の劇場映画を観た コロナ禍で長期間中断していた劇場映画鑑賞をついに再開 いつまた中断になるか分からないので精を出すすもり
★アイス・ロード(109分・米・2021)
★★モーリタニアン 黒塗りの記録(129分・英・2021)
・007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(164分・米・2021)
★老後の資金がありません(115分・日・2021)
・キャッシュトラック(118分・米・英・2021)
・皮膚を売った男(104分・チュニジア・仏・ベルギー・スウェーデン・独・カタール・サウジアラビア・2020)
・ドライブ・マイ・カー(179分・日・2021)
(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品
★アイス・ロード(109分・米・2021) ⇒筆者の劇場映画鑑賞再開を記念する第1作は、名優リーアム・ニーソン(1952~・英国北アイルランド出身)が主演する本作 ニーソンにはスティーヴン・スピルバーグ監督(1946~・米国オハイオ州シンシナティ出身)の作品「シンドラーのリスト」(米・1993)で主演して以来注目 筆者より1歳年下だが元気一杯で、このところ本作のようなアクション映画で大活躍 本作では重量30トンのトレーラー・トラックが氷上を疾走し、カーチェイスや殺陣もある CGやVFXは余り使わず、カナダ・マニトバ州のウィニペグ湖でほとんどロケ撮影したらしい 氷の割れ目から水中に入るシーンがあるがノー・スタントで演技したとのこと ストーリーには重大な裏切りなども登場するが、ハラハラしながらも全般的には安心して観られる エンド・クレジットには大道具係、ドライバー、スタントマンなどの名前が多く並ぶ VFX関係は数10人で、この種の作品では少ない 本作もかなり前に完成していたと思われ、ニーソンの次作「マークスマン」(108分・米・2021)も来年早々に公開予定 本作原題も"The Ice Road"
★★モーリタニアン 黒塗りの記録(129分・英・2021) ⇒原作はモハメドゥ・ウルド・スラヒ(1981~・モーリタニア出身)著の「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」(2015、英語版は"Guantanamo Diary" 2015) 原作を読んだ「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014・米)主演のベネディクト・カンバーバッチ(1976~・英国ロンドン出身)が映画化を熱望し、事実に基づいたドキュメンタリー風の本作製作が実現 モハメドゥは2001年9月11日に起きた米国同時多発テロの容疑者として母国モーリタニアで米国が拉致・誘拐 ヨルダン⇒アフガニスタン⇒米国アリゾナ州アルバカーキと移送され、最後にキューバにある悪名高いグアンタナモ米軍基地に収容される ここでは今やよく知られているが、尋問に加えて音、光、水、睡眠剥奪、女性による強制性交などの特殊拷問もモハメドゥに対し2003~2005年に平然と行われた 2005年に弁護を担当することになった、名優ジョディ・フォスター(1962~・米国加州ロサンジェルス出身)扮する弁護士の尽力により、ついに2010年に拘束は不当と裁判で勝訴 この陰にカンパーバッチ扮する米軍検察官による良心に基づく辞任があった しかし、モハメドゥがグアンタナモ収容所から解放されたのはさらに6年後の2016年 この収容所はジョージ・W・ブッシュ米国第43代大統領(2001~2009:1946~・米国コネチカット州ニューヘイヴン出身)の時代に、ドナルド・ラムズフェルド国防長官(1932~、米国イリノイ州シカゴ出身)により設置されたもの バラク・オバマ米国第44代大統領(2009~2017:1961~米国ハワイ州ホノルル出身)が閉鎖する方針を表明したものの、いまだに実現していない アメリカは正義の国だと思っていたモハメドゥがそれでも「愛と赦し」を信じ、彼の母国語では「自由」という語は「許す」という意味でもあると語るのは実に感動的 米国が法治で正義の国だと思っていた者にとっては本作は非常にショッキングな作品であり、余りチャイナの実態と変わらないではかとも感じてしまう しかし、このような作品が英国BBCによって製作・上映され物事の裏側の恥部が晒されることが、誤りがあってもすべてを明らかにしようとする民主主義に基づく透明性はチャイナのそれと大きく違うことは明白 たまたま本年6月にラムズフェルドが亡くなったのは何かの因縁か グアンタナモ収容所の撮影は南アフリカにセットを造り行われたようだ 原題は単に"The Mauritanian"
・007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(164分・米・2021) ⇒MI6(英国秘密情報員)の6代目007号ジェームズ・ボンドを演じていたダニエル・クレイグ(1968~・英国チェスター出身)の5作目で卒業作品 コロナ禍のため完成後公開延期が続き、上映まで2年近くを要した 冒頭からの車やオートバイを使ったアクションから始まり、最後まで各種アクションは派手で魅力的だが、2時間45分という尺はやや長すぎないか 父方日系のキャリー・J・フクナガ(1977~・米国加州オークランド出身)が米国人として初監督を務めた 車・バイク・服・時計などのプロダクト・プレイスメント、また日本の前掛けや畳が登場するなどいろいろな話題に事欠かない かなりの撮影は英国ロンドンの北部郊外にあるいつものパインウッド撮影所で行われた模様 スタントも多いし、VFX担当も数100人と少なくない 原題は単に"No Time to Die"
★老後の資金がありません(115分・日・2021) ⇒垣谷美雨(1959~・兵庫県豊岡市・旧出石町出身)著の同名小説(2015)を映画化 「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(2018)の前田哲が監督 人生100年時代の老後資金について、全編軽いコメディながらもいろいろな含蓄がある 親の介護、親の葬儀、兄弟姉妹の確執、子供の結婚などについて具体的な課題提示 しかし、最後のオチがこれで本当にいいのかどうかは不明 天海祐希(1967~・東京都台東区出身)が主演で、草笛光子(1933~・横浜市神奈川区出身)が義母の重要な役 区役所委員の役で劇作家・脚本家・演出家・映画監督の三谷幸喜(1961~・東京都世田谷区出身)も登場 ロケ地は東京都世田谷区自由が丘や千葉県大網白里市(九十九里浜沿岸)などらしい 氷川きよし(1977~・福岡市出身)が唄う主題歌「Happy!」も面白い
・キャッシュトラック(118分・米・英・2021) ⇒米国LA(加州ロサンジェルス)を舞台にした現金輸送車(キャッシュトラック)を巡るガン・アクション大作 撃合いが大好きな映画ファンにはもってこいか 今やハリウッド・アクション・スターのジェイソン・ステイサム(1967~・英国ダービシャー出身)とガイ・リッチー監督(1968~・英国ハートフォードシャー出身)の黄金コンビが復活 ただ主役が余りにも不死身で無敵のような気もするが 原題は"Wrath of Man"=「男の怒り・憤り」だが、分かりやすくするために現金輸送車を意味する邦題に変更したものか
・皮膚を売った男(104分・チュニジア・仏・ベルギー・スウェーデン・独・カタール・サウジアラビア・2020) ⇒カウテール・ベン・ハニア(1977~・チュニジア出身・女性)が監督と脚本を兼ねた 内戦の続くシリアから抜け出して欧州にいる恋人に会いたい男が主人公 彼はとある著名芸術家に出会い、真に奇妙な芸術作品として欧州に脱出することになる 数奇な経験を経て主人公は新しい人生に 原題は"L'Homme qui a vendu sa peau"(仏)="The Man Who Sold His Skin"(英)で邦題どおりか
・ドライブ・マイ・カー(179分・日・2021) ⇒月刊「文藝春秋」2013年12月号に掲載された村上春樹(1949~・京都市伏見区出身)著の「ドライブ・マイ・カー」が原作 筆者も当時すぐに読んだが、本映画作品は相当に脚色されているようだ 筆者にはほぼ3時間の尺は少々長すぎるように感じた 多くの話題作品を創り出している濱口竜介(1978~・神奈川県出身)監督が映画化を熱望し脚本も兼ねた スウェーデンの名車サーブの走行とアントン・チェーホフ(1860~1904・露タガンログ出身)作の劇中劇「ワーニャ伯父さん」(1899・1900)公演に係わる部分がキーになる場面 ロケ地は広島県広島市・呉市・東広島市、東京、千葉、北海道赤平市などのようだ 車の自由な走行を撮影するために当初は韓国釜山でのロケを想定したようだが、コロナ禍で広島県に主要ロケ地変更した模様
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