7月10日~7月30日の間に観た劇場映画
7月10日(日曜)~7月30日(土曜)の間には僅か1本の劇場映画しか観られなかった 外は猛烈に暑いし、オミクロン株は猛威を振るっているし、7月30日(土曜)には甥っ子の挙式があったので、最近はもっぱら再びの自粛生活 本件はかなり前の話になったが、やっとアップできた
★リコリス・ピザ(134分・米・2021)
(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品
★リコリス・ピザ(134分・米・2021) ⇒舞台は1973年の米国カリフォルニア州サン・フェルナンド・バレー 携帯電話もスマホもSNSもない世界 サン・フェルナンド・バレーはロサンゼルス郡北西部の谷あいにある地域で、いくつかの市が含まれる 15歳の高校生ゲイリー・ヴァレンタインが10歳年上・25歳の写真撮影アシスタントのアラナ・ケインに一目惚れ ゲイリーは舞台子役としても活躍しており、アラナは写真撮影のためにたまたまゲイリーの通う高校を訪れたもの 若い男・少年は得てして年上の女性に憧れ恋するものだ そこからやや波瀾万丈・ハチャメチャなひと夏が始まるという青春群像劇でもある 1970年代に米国の学生生活の一端を味わった筆者には共感できる部分もかなりあった
米国映画産業関係者にとっては、本作はとてもとても映画愛に溢れたものらしい 全編にわたってオマージュやパロディや監督人脈による俳優起用などなど、見所満載のようだ 本作の監督はポール・トーマス・アンダーソン(1970~・米加州LA郡サン・フェルナンド・バレー出身)で、脚本・製作・撮影も兼ねる 彼はPTAと呼ばれ世界三大映画祭すべてで監督賞を受賞している 米国で3文字で名前を呼ばれることは、著名で尊敬され愛されていることだそうだ PTAはゲイリーに、盟友で名優のフィリップ・シーモア・ホフマン(1967~2014・米NY州ロチェスター出身)の息子クーパー・ホフマン(2003~)を起用 またアラナには、3姉妹で構成するポップ・ロックバンド「ハイム」の末娘アラナ・ハイム(1991~・サン・フェルナンド・バレー出身)をあてた 両者とも映画初出演のようだが、主役をやり切っている PTAは過去にハイムのMVや短編ドキュメンタリーを手がけていた ハイムは日本公演も何度か実施しているようだ またアラナの姉2人と両親も本作に出演しており、現実と同じユダヤ系のケイン家族として登場
オマージュやパロディも数多(あまた)で、まずゲイリーのモデルは映画・TVプロデューサーのゲイリー・ゴーツマン(1952~・LA郡出身)とのこと 彼は映画「羊たちの沈黙」(118分・米・1991)や「フィラデルフィア」(125分・米・1993)で製作総指揮を執っている 一時は子役としても活躍していたようだ 1998年からはトム・ハンクス(1956~・加州コンコード出身)と共同映画プロダクション会社を経営 次にウイリアム・ホールデン(1918~1981・米イリノイ州出身)らしき役をショーン・ペン(1960~・LA郡サンタモニカ出身)が、サム・ペキンパー(1925~1984・加州フレズノ出身)監督らしき役をシンガーソングライターのトム・ウェイツ(1049~・LA郡ボモナ出身)がそれぞれ演じている
さらに映画プロデューサーのジョン・ピーターズ(1945~・サン・フェルナンド・バレーのヴァン・ナイス出身)が実名のまま登場し、その役をブラッドリー・クーパー(1975~・米ペンシルベニア州フィラデルフィア出身)がカバー ピーターズは1970年代に歌手のバーブラ・ストライサンド(1942~・米NY州NY出身)と交際しており、彼女が主役・主題歌歌手を務めた映画「スター誕生」(140分・米・1976)の製作を担当した クーパーは3度目のリメイクである映画「アリー/スター誕生」(135分・米・2018)を監督(兼脚本・製作・主演)しており、その製作にもピーターズが加わっているという熱の入れよう このあたりがピーターズが実名で登場している理由かもしれない その他新進若手米国監督やレオナルド・デカプリオ(1974~・LA出身)の父親が出演するなどなど、PTA人脈の広さを感じさせ、ハリウッド映画人にとっては話題に事欠かないようだ
本作の撮影は2020年8月から11月にかけて、サン・フェルナンド・バレーを中心としたロサンゼルス郡一帯で行われたようだ 近所に丘陵もゴルフ場も多くある 原題も"Licorice Pizza" このタイトルは、1969年から1980年代後半にかけてカリフォルニア州南部で店舗を展開していたレコード販売チェーン店の名称から取られたものらしい 店名のイニシャルはLPとなり、LPレコードを含蓄しているとのこと
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