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2022年9月の2件の記事

2022年9月19日 (月)

9月前半に観た劇場映画

9月前半は少しペースが上がって、3本の劇場映画を観ることができた まだまだ秀作は少ないか

ブレット・トレイン(126分・米・日・西・2022)
ジュラシック・ワールド 新たなる支配者(147分・米・2022)
地下室の変な穴(74分・仏・ベルギー・2021)

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

1bd38f6baf9c75e7ブレット・トレイン(126分・米・日・西・2022) ⇒原作は日本の小説家・伊坂幸太郎(1971~・千葉県松戸市出身)の「マリアビートル」(2010) 伊坂の小説は日本で数多く映画化されているが、本作は米国ハリウッドで製作された 監督は「デッドプール2」(120分・米2018)のデヴィッド・リーチ(1975~・米ウィスコンシン州出身)で、主演は大物俳優のブラッド・ピット(1963~・米オクラホマ州出身) 原作小説の登場人物はすべて日本人だが、本作では米国人、日本人、中国人、ロシア人などと多国籍化 アクション・コメディ・スリラー作品としてB級感溢れる映像を楽しむにはもってこい リーチ監督自身が元スタントマンだけあって、狭い列車の中を縦横無尽に使ったアクションは見物 撮影は2020年10~11月に行われた模様 新型コロナウイルスによる渡航制限などのため、残念ながら日本でのロケ撮影はなかったようだ ロサンゼルス市内でのロケ撮影、日本で撮影された映像などを使ったソニー・ピクチャーズ・スタジオ(米CA州ロサンゼルス郡カルバー・シティ)のセットでの撮影などを駆使 エンド・クレジットにはスタントマンが数10人、VFX担当として200~300人の名前が列挙されていた 原題も"Bullet Train"=「新幹線、弾丸列車」 昔日本の漫画では弾丸のことをビュレットなどと書いてあるものがあって、米国でそう発音したら「ブレット」だと修正された記憶がある 「ビュレット」は"burette"であって、化学分析の際に滴下した液の容量を秤量するための実験器具のことらしい

f9aa3298ca44d751ジュラシック・ワールド 新たなる支配者(147分・米・2022) ⇒日本公開からかなり時間が経ったが、やはり観ておかなければと思った 本作は「ジュラシック・パーク」「ジュラシック・ワールド」シリーズの第6作目で最終章・完結編とのこと 最後の作品だからか上映時間は2時間半弱とやや長尺 第1作目「ジュラシック・パーク」(127分・米・1993)と第2作目「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」(129分・米・1997)は、いずれもマイケル・クライトン(1942~2008・米シカゴ出身)の同名原作小説をスティーヴン・スピルバーグ(1946~・米オハイオ州シンシナティ出身)監督が映画化 第3作目以降は原作の発想を生かしながらも独自路線のようだ 物語はややマンネリ化してきている感じがしたが、まさに現実に生きているような、数々の恐竜の自然な姿・映像には相変わらず感動 雪景色の中を恐竜が自由に動いているのにはやや驚いたが、マルタ島の街中で恐竜がバイクに乗った主人公をチェイスするシーンは斬新 撮影は2020年2月から開始されたが、途中新型コロナウイルス感染症の流行で何度か中断の上、秋には撮影を終えたようだ 恐竜がすでに世界中で人類と共生しているという前提なので、ロケ地は世界各地にまたがり、米国カリフォルニア州サンフランシスコ・ハワイ州オアフ島・ジョージア州アトランタ、マルタ共和国(マルタ島)、カナダ、英国、イタリアなど スタジオは英国のパインウッド・スタジオ(バッキンガムシャー州アイバー・ヒース、ロンドン西方郊外・ヒースロー空港の近く)とカナダのブリッジ・スタジオ(ブリティシュ・コロンビア州バーナビー、バンクーバーの隣町)が使用されたらしい 原題は"Jurassic World: Dominion"で、邦題は妥当か

e8ccaab61c0a90f2地下室の変な穴(74分・仏・ベルギー・2021) ⇒この不思議なタイトルの作品は、フランスのカンタン・デュピュー(1974~・パリ出身)監督が脚本・撮影・編集も兼ねて製作したもの 彼の作品が日本で公開されるのはこれが最初らしいが、これまで奇想天外な設定の物語をフランスの一流俳優を起用して数々映画化しているそうだ 郊外の一軒家の地下室にある穴に入ると「時間が12時間進んで、肉体が3日分若返る」という奇抜な設定から巻き上がる騒動を描く 主な出演者が中高年の俳優4人だけで速めの展開というフランス映画らしい作品だが、観客にはいろいろなことを考えさせる 人間というものは意外と単純で、女も男も若返りに執着するものだと感じさせる 女は美貌とスタイル、男はやはり精力が一番の課題らしい 原題は"Incroyable mais vrai"(仏)="Incredible but true"で、直訳は「信じ難いが本当」か

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2022年9月 4日 (日)

8月に観た劇場映画

8月は終盤になってやっと3本の劇場映画を観ることができた

サバカン SABAKAN(96分・日・2022)
アキラとあきら(128分・日・2022)
NOPE/ノープ(131分・米・2022)

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

192d10035d825359サバカン SABAKAN(96分・日・2022) ⇒美しい大村湾に面した長崎の田舎町に住む2人の小学5年生が繰り広げる、誰にでも懐かしさと愛おしさを思い起こさせるひと夏の物語 「スタンド・バイ・ミー」(89分・米・1986)を彷彿とさせる 少し話はそれるが長崎県は大村湾をぐるりと囲んだ地域だと筆者は思う さて本作は少年主人公・久田孝明が成長した現在の姿から始まる 現在の久田は草彅剛(1974~・愛媛県三瓶町現西予市生まれ・埼玉県春日部市出身)が演じる そして1986年夏の回想に移り、境遇がかなり違う久田と竹本の2少年の話が展開 草彅は最終盤にしか再登場しない(ナレーションはやっているかも) 少年2人の演技も上手いが、久田の両親役の尾野真千子(1981~・奈良県西吉野村現五條市出身)と竹原ピストル(1976~・千葉県出身)の演技が秀逸で、長崎弁の掛合いは見物 昔の長崎弁では女が男に向かって「タマ潰すぞ」などと平気で言っていたのだろうか 本作は2021年夏に撮影され、ロケ地は大村湾に面した長崎県長与町、時津町などのようだ しかし、駅の場面は島原鉄道の古部駅(長崎県瑞穂町)らしくここは島原半島北部なのでNY有明海に面している その他西海市や長崎市でもロケ撮影が行われた模様 監督・脚本は元お笑い芸人の金沢知樹(1974~・長崎県出身)だが、故郷が長与町ということで彼の少年時代の自伝ではないかという声もある

47ddd1c41a298fc9アキラとあきら(128分・日・2022) ⇒池井戸潤(1963~・岐阜県加茂郡出身)の同名原作小説(2017・文庫)の映画化 原作小説は元々2006年から2009年にかけて月刊誌に連載されたもの 2017年にTVドラマ化され、今回改めて劇場映画化された模様 全く生立ちの違う2人の少年が東大卒業後大銀行員となり出世を競うが、お互いに挫折を経て2人共通のM&Aに携わり苦境を突破するという痛快な話ではある だだし時代設定が旧いので、現在の銀行は役割分担が進んでいて、大型M&Aは投資銀行、日本では証券会社などが担当していることから若干違和感があった 撮影は2021年7~8月に東京都、横浜市、さいたま市、千葉市、静岡県伊東市・東伊豆町・沼津市などで行われたようだ

1cb66f1684d4f9ccNOPE/ノープ(131分・米・2022) ⇒「ゲット・アウト」(103分・米・2017)で一気に脚光を浴びたジョーダン・ピール(1979~・米NY市出身・黒人)が脚本を書き監督した作品 「アス」(116分・米・2019)に次ぐ3作目だが、次々と社会課題や映像技術に挑戦しながらも、映画愛に満ちている作品を創作するのは流石 一言でいえば、本作はUFO西部劇的大スペクタクルで、恐ろしげな通奏低音と共に展開される映像は見物 ただ主観的には「ゲット・アウト」ほどの驚きはなかったか 主役に「ゲット・アウト」と同じダニエル・カルーヤ(1989~・英ロンドン出身・黒人)を起用 馬に乗る黒人は映画・映像の歴史的には意味があるそうだ IMAXカメラでの撮影を駆使し、撮影監督には「ダンケルク」(106分・英・米・仏・蘭・2017)や「TENET テネット」(151分・米・英・2020)でも活躍したホイテ・ヴァン・ホイテマ(1971~・スイス出身・蘭国籍)を起用 IMAXとは70ミリ・フィルムを横に使ってフィルム上のコマ(フレーム)を大きくして、それだけ高精細にした撮影方法 エンド・クレジットにはアーティスト名が100人程度登場するので、描かれた映像が大々的に活用されているものと思う ロケ地は米国加州LA地域一帯で、サンタ・クラリタの牧場、ハリウッドの街中、バーバンクの電気店などか 原題も"Nope"=「Noのスラング的言い方」で、「ムリムリムリ」という感じらしい

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