12月前半に観た劇場映画
12月前半には4本の劇場映画を観た なかなか理解が難しい作品も多かった
・ある男(121分・日・2022)
★ビー・ジーズ 栄光の軌跡(111分・米・2020)
・MEN 同じ顔の男たち(100分・英・米・2022)
・夜、鳥たちが啼く(115分・日・2022)
(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品
・ある男(121分・日・2022) ⇒上質なミステリー作品だと思うが、人と人が複雑に入れ替わっているので、結構分かりにくい 特にアルコールに浸されていた脳には… 人は何をもってその人と判断できるのかという、結構根源的な問いかけをしてくる また物語の裏には、犯罪者の家族への差別や民族・人種差別などの差別問題にへの視点もあるように思える 芥川賞作家・平野啓一郎(1975~・愛知県蒲郡市出身)の同名原作小説(2018)の映画化 「蜜蜂と遠雷」(118分・日・2019)の石川慶監督(1977・愛知県豊橋市出身)が原作に惚れ込み製作 主要な3人の出演者は妻夫木聡(1980~・福岡県柳川市出身)、安藤サクラ(1986~・東京都出身)そして窪田正孝(1988~・神奈川県出身)で、いずれも芸達者 筆者は11月に柳川を訪れて川下りを楽しんだが、内堀脇に柳川高校があり「ここに妻夫木が通っていた」と船頭さんが叫んでいた 本作の撮影は2021年1月~3月に行われた模様 ロケ地は山梨県笛吹市、静岡県富士宮市、北九州市、宮崎市、群馬県渋川市伊香保温泉、横浜市、川崎市などか なお、本作は第79回ヴェネツィア国際映画祭(2022)オリゾンティ・コンペティション部門正式出品作品となった
★ビー・ジーズ 栄光の軌跡(111分・米・2020) ⇒筆者が高校1年生の時に日本でも大ヒットした、ビージーズの「マサチューセッツ」(英・1967)はよく覚えている 本作はビージーズの生立ちから活躍までを紹介するドキュメンタリー作品 ビージーズの中心メンバーは、英国マン島出身のバリー・ギブ(1946~)、ロビン・ギブ(1949~2012)そしてモーリス・ギブ(1949~2003)の3兄弟 ロビンとモーリスは二卵性双生児 1人生き残り、米国フロリダで生活しているバリーのナレーションで話は進むが、貴重な映像と音源で一杯 3兄弟は1950年に英国マンチェスターに、そして1958年に豪州ブリスベンに移住 早くから音楽活動を始めるが豪州で人気バンドとなった ビートルズのマネジャーであったブライアン・エプスタイン(1934~1967・リヴァプール出身)が目を付け、1967年に英国でワールド・デビュー 1975年からは活躍の舞台を米国に移し、「サタデー・ナイト・フィーバー」(118分・米・1977)に楽曲が多く取り入れられ一大ディスコ・ブームを巻き起こした 原題は"The Bee Gees: How Can You Mend a Broken Heart"で、直訳すると「ビージーズ:どう傷ついた心を回復させたか」か
・MEN 同じ顔の男たち(100分・英・米・2022) ⇒グロテスクで怖い作品を観たい方は是非観てほしい 最初はただの男女の諍いだと思っていたら急転回 ヒロインが癒しのために訪れたカントリーサイドで恐怖の体験を 筆者にはよく分からなかったが、田舎で登場する数人の男たちは一人多役で皆同じ顔をしているらしい 終盤の身勝手な男の再生産のようなシーンは特にグロテスク 全裸の男のイチモツはかなり大きくしてあるようだ 監督と脚本はアレックス・ガーランド(1970~・ロンドン出身) 彼は「ザ・ビーチ」(119分・米・英・2000)の原作小説の著者であり、SFスリラー作品「エクス・マキナ」(108分・英・2015)の監督・脚本を兼ねた 一筋縄ではいかない作品を製作することで知られている ヒロイン役はジェシー・バックリー(1989~・アイルランド・キラーニー出身)が務め、難しい一人多役はロニー・キニア(1978~・ロンドン出身)が熱演 撮影は2021年3月~5月に英国グロスターシャー州ウィジントンにて行られた模様 ロケに使われたカントリーハウス、広い農場、教会などがあるようだ 原題は単に"Men"=「男たち」
・夜、鳥たちが啼く(115分・日・2022) ⇒北海道函館市出身の小説家・佐藤泰志(1949~1990)の同名原作短編小説(1991)の映画化 彼は函館西高校時代から優れた文芸作品を書いており、その後5度も芥川賞候補になったが果たせず 1990年に東京・国分寺市で自死したこともあって、悲劇的な小説家として知られる 一時すべての作品が絶版になっていたが、近年再評価の上再刊されまた本作も含めて6作品が映画化 筆者はそのうち本作を含めて4本の劇場映画作品を観た いずれも身近な出来事を描いており、仕事、人間関係、男女関係などに関する様々な悩みや問題を抱える人物たちが登場 彼らのやり場のなさ、行き場のなさが身につまされる 本作の監督は城定秀夫(じょうじょうひでお:1975~・東京都八王子市出身) 主演は、いずれも出演作の多い山田裕貴(1990~・名古屋市出身)と松本まりか(1984~・東京都出身) 撮影は恐らく2021年のまだ暖かい時季に埼玉県飯能市、東京都杉並区・足立区、神奈川県三浦市などで行われた模様 どうでもいいことかもしれないが、作品内でビールを飲むシーンが結構ある その銘柄はどうもモルツらしいので、サントリーのプロダクト・プレイスメントがあったのかもしれない
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