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2023年1月の3件の記事

2023年1月30日 (月)

1月上旬に観た劇場映画

1月上旬には3本の劇場映画を観た それぞれ特徴のある作品だった

ケイコ 目を澄ませて(99分・日・2022)
終末の探偵(80分・日・2022)
非常宣言(141分・韓・2022)

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

95930266b23f8316ケイコ 目を澄ませて(99分・日・2022) ⇒プロの映画評論家にはとても受けがいい作品のようだ 監督と脚本を兼任した三宅唱(1984~・札幌市出身)は濱口竜介監督(1978~・川崎市出身)に続く期待の星とされている 濱口監督は「偶然と想像」(121分・日・2021)で第71回ベルリン国際映画祭(2021)の銀熊賞を受賞し、また「ドライブ・マイ・カー」(179分・日・2021)で第94回アカデミー賞(2021)の国際長編映画賞を受賞している 本作は聾(聴覚障害)だが女子プロボクサーになった小笠原恵子(1979~・埼玉県川越市出身)の著者「負けないで」(2011)を土台にしている 岸井ゆきの(1992~・神奈川県秦野市出身)が主演を務め熱演している またボクシング・ジムの会長役の三浦友和(1952~・山梨県甲州市出身)がいい味を出している 岸井はクランク・インする前に三宅監督と一緒に3ヶ月間ボクシングの練習をしたようだ そのためか結構様になっていて、小笠原も短期間に上達したことに驚いていたという なお、欧米では聾が主人公なら聾の俳優を起用するものらしく、そういう意味での批判はあるようだ 撮影には16ミリ・フィルムを使用したとのこと 撮影は多分2021年に行われたと想定され、ロケ地は東京都豊島区・台東区・葛飾区などのようだ

5491129502c36c0b終末の探偵(80分・日・2022) ⇒割と上映時間が短めなので、同日2本目として本作を観た とにかく多くの映画作品、TVドラマ、舞台、TV-CFなどに出演している北村有起哉(1974~・東京都出身)が主演 彼の父親・北村和夫(1927~2007・東京都文京区出身)もよく知られた俳優 有起哉の主演作品は少ないが、本作ではやさぐれた風体の私立探偵を好演 裏社会のどぶさらいとして、落ちぶれヤクザと中国系マフィアに絡みながら、移民問題や誘拐事件にも係わる 抗争アクションもあり、ハードボイルドであるが、情もなさけもある展開 ロケ地はほぼすべて東京都町田市内とのこと 探偵事務所のある喫茶店「KENT」はJR横浜線の町田駅前に実在 その他町田市街と鶴川団地や恩田川沿いも使われようだ 撮影時期は恐らく2022年前半と想定される

4af8d63a8c3befea非常宣言(141分・韓・2022) ⇒韓国の2大スター、ソン・ガンホ(1967~・韓国慶尚南道金海市出身)とイ・ビョンホン(1970~・韓国京畿道城南市出身)が共演 ソンはご存じのとおり昨年「ベイビー・ブローカー」(129分・韓・2022)で第75回カンヌ国際映画祭(2022)の男優賞を韓国人俳優として初めて受賞 本作は過去何度も製作された航空旅客機のハイジャック事件をテーマとしたもの これまでのものと違うのは、未知の病原性ウイルスを使った自爆テロであること あまり出口のないような情況でのパニックが本作の映像の特徴 特筆なのは米国から韓国に本物の航空機の部材を持ってきて、ハリウッドの技術者の協力を得て360度回転する旅客機のセットを造り上げたこと したがって映像にはそのリアルな感覚がしっかっり残っている 撮影は2020年に新型コロナによる中断もはさみながらも行われたようだ やや長めの作品なので、鑑賞前に美味しい食事とアルコールを楽しんでしまった筆者は最後までは緊張が続かなかった 原題は"Emergency Declaration"で邦題どおりだと思うが、日本では「緊急事態宣言」や「非常事態宣言」ともいわれているようだ

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2023年1月18日 (水)

2022年12月後半に観た劇場映画

2022年12月後半には3本の劇場映画を観た 年をかなり越えてしまったが急いでキャッチ・アップ

月の満ち欠け(128分・日・2022)
ラーゲリより愛を込めて(133分・日・2022)
Dr.コトー診療所(134分・日・2022)

(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品

9ddd7cc37281f682月の満ち欠け(128分・日・2022) ⇒結構お涙頂戴の作品だった 女子の輪廻転生の話のためか、Snow Manの目黒蓮(1997~・東京都出身)が出演しているためか、劇場は若い人中心に女性たちで満員 かなり驚いた 直木賞を受賞した、佐藤正午(1955~・長崎県佐世保市出身)の同名原作小説(2017)の映画化 監督は廣木隆一(1954~・福島県郡山市出身)で、2022年11月~12月に「あちらにいる鬼」「母性」そして本作と3本もの話題作を公開 駆け出しの頃に自由にピンク映画を製作したことがキャリアに役立っているという 主演は大泉洋(1973~・北海道江別市出身)で、3代いる「るい」の初代を有村架純(1993~・兵庫県伊丹市出身)が演じる 目黒は有村の年下のボーイフレンド役 2代目の「るい」が誕生したとされる1980年はジョン・レノン(1940~1980・英国リヴァプール出身)が亡くなった年であり、その年に発表された彼の楽曲「ウーマン」が効果的に使われている 本作中では東京・新宿区の高田馬場駅周辺が話の展開に重要な場所と設定されているが、さすがに現地ロケはできなかったようだ 茨城県筑西市に広大なセットを造り撮影し、背景は現在の風景と組み合わせたとのことらしい 高田馬場駅は筆者が通勤に使っていたところだが、映像は1980年代の雰囲気が出ていたと感じた その他ロケ地は東京・武蔵野市・新宿区・中央区・品川区・立川市・多摩市、千葉県・白子町・南房総市・野田市、さいたま市など首都圏各地 撮影は2021年11月~12月に行われたという

cca4dc42c495c918ラーゲリより愛を込めて(133分・日・2022) ⇒ロシアのウクライナ侵略を目の当たりにして本作を鑑賞すると、現代のソ連・ロシアが国際信義にも人間性にも欠け、いかに信用できない国であるかが理解できると思う もちろん戦前の日本も似たようなもので、自慢できるような国ではなかったことも当然である 国の性質が変わったと世界に知られるようになるまでには、とても長い年月がかかるであろう 本作は辺見じゅん(1939~2011・富山市出身)著のノンフィクション「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」(1989)の映画化 辺見は角川グループ創業者の角川源義(1917~1975)の長女 本作の主人公は山本幡男(1908~1954・島根県隠岐郡西ノ島町出身)でほぼ実話のようだ ロシア語に堪能だった山本は1945年にハルビン特務機関に配属されたが、日本が無条件降伏した後シベリアのスヴェルドロフスク(現エカテリンブルグ)収容所へ送られた 彼の従軍背景からなかなか帰国が許されず、ハバロフスク強制労働収容所で病を得て1954年に死去 しかし、彼はそこで俳句のアムール句会を立ち上げるなど文化活動を収容者の生きる糧にした 草野球の試合も企画 本作の監督はやはり昔ピンク映画を撮っていた瀬々敬久(ぜぜたかひさ、1960~・大分県豊後高田市出身)で、山本役を二宮和也(1983~・東京都葛飾区出身)が演じている 同僚収容者役に松坂桃李(1988~・神奈川県茅ケ崎市出身)、中島健人(1994~・東京都出身)、桐谷健太(1980~・大阪市北区出身)、安田顕(1973~・北海道室蘭市出身)など 山本夫人役の北川景子(1986~・神戸市出身)も熱演 1997年にTVドラマ化された時に山本を演じた寺尾聡(1947~・横浜市保土ヶ谷区出身)が本作でも山本の長男役として登場 撮影は2021年10月下旬~12月下旬 収容所のシーンの撮影は新潟県湯沢町の苗場スキー場の広大なセットで行われたようだ ハルビンで爆撃されるシーンは茨城県つくばみらい市にあるワープステーション江戸の大正時代を模したコーナーで撮影されたとのこと ここは現在は非公開になっているが、2020年3月までは公開されており筆者も一度訪れた その他茨城県の他所、群馬県、房総半島、北海道知床・オホーツク海などでもロケされたようだ 犬のクロがナホトカからの帰還船を追って来て、船上に引き上げられ一緒に日本に渡ったというのも実話らしい

2183b616b7a0b692Dr.コトー診療所(134分・日・2022) ⇒山田貴敏(1959~・岐阜市出身)の同名原作漫画(2000~2010)の映画化 2003年、2004年そして2006年に3度もTVドラマ化されている 本作も監督:中江攻(1963~・宮城県出身)、主演:吉岡秀隆(1970~・埼玉県蕨市出身)、共演:柴咲コウ(1981~・東京都豊島区出身)以下、TVドラマ以来のキャスト・スタッフがほぼ全員復帰して製作されたようだ 天皇・皇后両陛下と愛子さまも本作を劇場でご覧になったようだ 終映後に愛子さまから好意的なコメントがあったようだが、吉岡は緊張していたためか全く覚えていないという 本作のテーマ、離島や僻地で医療サービスをどう提供・維持するかは、現在も継続している課題だと思う 本作のように熱意と誠意だけでは解決しないと思うが… 筆者は本件TVドラマは全く観ていないが、中島みゆき(1952~・北海道札幌市生まれ・帯広市出身)の主題歌「銀の龍の背に乗って」(2003)は知っていた 今回改めて歌詞をよく読んでみると、本作のイメージを的確に表していると感じた 撮影は2022年6月~8月に行われたようだ 前半6月の3週間は日本最西の島・沖縄県与那国島(作中では志木那島とされている)でロケ撮影が敢行されたとのこと 与那国島には「Dr.コトー診療所」のセットがそのまま残されている 7月以降の後半は場所は不明だが、恐らく首都圏でスタジオ撮影が行われたと想定される

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2023年1月 4日 (水)

2023年年賀状の文面

新年は 病禍・戦禍を 乗り越えて
本年もよろしくお願い申し上げます
2023年元旦

 

昨年後半は、コロナ・パンデミックからウィズ・コロナの時代に確実に移行したように感じました 恐る恐るではありますが、ごく普通に劇場映画鑑賞やカラオケ・スナックを楽しめました また京都、博多、養老渓谷などにも足をのばすことができました

しかしながら、昨年2月には無謀にもロシアがウクライナに侵攻し、まだこの戦争は続いています 世界情勢は一変し、西側諸国の再団結、エネルギー価格高騰によるインフレ進行、世界経済の低迷などが一気に起こりました

今年の干支は癸卯(みずのとう)です 60種類ある年の40番目で、すべてがリセットされ草木が茂り始める頃とのことです たまたま癸卯の音読みは「きぼう」なのです 病禍と戦禍を乗り越えるという希望を胸に抱き、今年は自らの年齢と同じ72の神社仏閣を参拝したいと考えています

今年は、皆様方にとって、健康で平和な年そして夢を叶える年となるようお祈り申し上げます

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