1月上旬に観た劇場映画
1月上旬には3本の劇場映画を観た それぞれ特徴のある作品だった
・ケイコ 目を澄ませて(99分・日・2022)
・終末の探偵(80分・日・2022)
・非常宣言(141分・韓・2022)
(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品
・ケイコ 目を澄ませて(99分・日・2022) ⇒プロの映画評論家にはとても受けがいい作品のようだ 監督と脚本を兼任した三宅唱(1984~・札幌市出身)は濱口竜介監督(1978~・川崎市出身)に続く期待の星とされている 濱口監督は「偶然と想像」(121分・日・2021)で第71回ベルリン国際映画祭(2021)の銀熊賞を受賞し、また「ドライブ・マイ・カー」(179分・日・2021)で第94回アカデミー賞(2021)の国際長編映画賞を受賞している 本作は聾(聴覚障害)だが女子プロボクサーになった小笠原恵子(1979~・埼玉県川越市出身)の著者「負けないで」(2011)を土台にしている 岸井ゆきの(1992~・神奈川県秦野市出身)が主演を務め熱演している またボクシング・ジムの会長役の三浦友和(1952~・山梨県甲州市出身)がいい味を出している 岸井はクランク・インする前に三宅監督と一緒に3ヶ月間ボクシングの練習をしたようだ そのためか結構様になっていて、小笠原も短期間に上達したことに驚いていたという なお、欧米では聾が主人公なら聾の俳優を起用するものらしく、そういう意味での批判はあるようだ 撮影には16ミリ・フィルムを使用したとのこと 撮影は多分2021年に行われたと想定され、ロケ地は東京都豊島区・台東区・葛飾区などのようだ
・終末の探偵(80分・日・2022) ⇒割と上映時間が短めなので、同日2本目として本作を観た とにかく多くの映画作品、TVドラマ、舞台、TV-CFなどに出演している北村有起哉(1974~・東京都出身)が主演 彼の父親・北村和夫(1927~2007・東京都文京区出身)もよく知られた俳優 有起哉の主演作品は少ないが、本作ではやさぐれた風体の私立探偵を好演 裏社会のどぶさらいとして、落ちぶれヤクザと中国系マフィアに絡みながら、移民問題や誘拐事件にも係わる 抗争アクションもあり、ハードボイルドであるが、情もなさけもある展開 ロケ地はほぼすべて東京都町田市内とのこと 探偵事務所のある喫茶店「KENT」はJR横浜線の町田駅前に実在 その他町田市街と鶴川団地や恩田川沿いも使われようだ 撮影時期は恐らく2022年前半と想定される
・非常宣言(141分・韓・2022) ⇒韓国の2大スター、ソン・ガンホ(1967~・韓国慶尚南道金海市出身)とイ・ビョンホン(1970~・韓国京畿道城南市出身)が共演 ソンはご存じのとおり昨年「ベイビー・ブローカー」(129分・韓・2022)で第75回カンヌ国際映画祭(2022)の男優賞を韓国人俳優として初めて受賞 本作は過去何度も製作された航空旅客機のハイジャック事件をテーマとしたもの これまでのものと違うのは、未知の病原性ウイルスを使った自爆テロであること あまり出口のないような情況でのパニックが本作の映像の特徴 特筆なのは米国から韓国に本物の航空機の部材を持ってきて、ハリウッドの技術者の協力を得て360度回転する旅客機のセットを造り上げたこと したがって映像にはそのリアルな感覚がしっかっり残っている 撮影は2020年に新型コロナによる中断もはさみながらも行われたようだ やや長めの作品なので、鑑賞前に美味しい食事とアルコールを楽しんでしまった筆者は最後までは緊張が続かなかった 原題は"Emergency Declaration"で邦題どおりだと思うが、日本では「緊急事態宣言」や「非常事態宣言」ともいわれているようだ
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