2月後半に観た劇場映画
2月後半には3本の劇場映画を観た 桜花の時期を迎え頑張ってキャッチアップ中
・シャイロックの子供たち(122分・日・2023)
★★BLUE GIANT(134分・日・2023)
・エンパイア・オブ・ライト(115分・英・米・2022)
(注)★★は超お薦め、★はお薦めの作品
・シャイロックの子供たち(122分・日・2023) ⇒強欲な銀行員たちが暗躍する経済・ミステリー作品 池井戸潤(1963~・岐阜県出身)の同名原作小説(2006)の劇場映画化 原作小説は10編からなる短編連作であり、本作映画では主役となる西木雅博が途中で行方不明になる 池井戸自身が文藝春秋2023年2月号の対談で明かしているが、劇場映画化は無理だと思ったらしい しかし原作者もシナリオ創りに参加して、西木中心の2時間ものに改編したらしい 監督は池井戸原作の「空飛ぶタイヤ」(120分・日・2018)も担当した本木克英(1963~・富山市出身) 主人公・西木は阿部サダオ(1970~・千葉県松戸市出身)が演じ、やや抑えた演技ながら、頼りなさげだが結局は優秀な銀行員を熱演している 原作にはない謎の老人を登場させ、柄本明(1975~・東京都中央区銀座出身)に演じさせている 撮影は2022年8~10月頃に行われた模様 東京第一銀行長原支店のロケ撮影は茨城県古河市にある足利銀行旧古河支店(移転決定後の跡施設)を利用したとのこと 銀行の本店は東京都千代田区大手町にある大手町プレイス・イーストタワーにあるとした模様 その他ロケ地は、東京都・千代田区・丸の内オアゾ、大田区、府中市、神奈川県川崎市などのようだ
★★BLUE GIANT(134分・日・2023) ⇒是非劇場に足を運んで、本作で本物で圧倒的な素晴らしいジャズ音楽を大音量で堪能してほしい そういう意味でなるべく前方の座席を選ぶのがいいと思う 世界に通用するミュージシャンを目指す若者たちの成長アニメ物語であり、成長過程での音の変化も鑑賞できる 演奏しているのは3人の一流ミュージシャン ピアノは上原ひろみ(1979~・静岡県出身)、テナーサックスは馬場智章(1992~・北海道札幌市出身)、そしてドラムは石若駿(1992~・北海道清里町出身)がそれぞれ演奏 上原はご存じ世界的に著名なジャズ・ピアニストで、本作中のすべての音楽を作曲し、監修しているとのこと 馬場は本作に応募があった世界中のプレーヤーからオーディションの結果満場一致で選ばれたという 上原も馬場も米国ボストンのバークリー音楽大学に留学しているのは奇縁か 石若は東京藝大卒で上原から直接指名を受けたようだ この3人が本作ではJASSというジャズ音楽トリオとなり、ここでしか聴けない演奏を展開する 漫画家・石塚真一(1971~・茨城県常総市出身)の同名漫画(2013~2016)が原作 監督は立川譲(たちかわゆずる:1981~)だが、原作者やプロデューサーとともに2017年から映画化の企画をあたため実現に至ったらしい 製作はやはり3人のプロ演奏家のプレイを先に録音してからアニメ映像を制作するという順になったようだ サックスの演奏シーンは一部モーション・キャプチャーも使われたという
・エンパイア・オブ・ライト(115分・英・米・2022) ⇒1980年代初頭、英国南部の静かな街の海に面した映画劇場を舞台に、映画愛と当時の社会世相を反映した物語を紡ぐ 「アメリカン・ビューティー」(122分・米・1999)や「1917 命をかけた伝令」(119分・英・米・2019)のサム・メンデス監督(1965~・英バークシャー州レディング出身)が脚本も兼ね製作 映画劇場の主任役のヒロインには「女王陛下のお気に入り」(120分・英・愛・米・2018)のオリヴィア・コールマン(1974~・英ノーフォーク州ノリッジ出身)を起用 大学進学の夢破れてこの劇場で働くことになり、ヒロインと親密な交流をする黒人青年をマイケル・ウォード(1997~・ジャマイカ・スパニッシュ・タウン出身・幼少期に英ロンドン移住)が演じる 映画愛の象徴として「炎のランナー」(124分・英・米・1981)や「チャンス」(130分・米・1979)などが登場する 当時はマーガレット・サッチャー(1925~2013・英リンカシャー州グランサム出身)が首相の頃で、高失業率、人種・移民差別、暴動などの大きな社会問題もあり、それらも本作に反映されている パワハラ、セクハラ、LGBTQなどはまだまだ一般的に認識されていなかっただろう 撮影は恐らく2021~2022年の寒い時季に、主に英国ケント州マーゲイトとその近郊にて行われたと想定される エンパイア劇場としてはマーゲイトの海辺にある元映画館・ダンスホールのドリームランドという施設を利用 1930年代に建設された建物は時代考証に合わせて大規模な改装工事を実施したという 原題は"Empire of Light"で邦題もそのままだが、映画の話でもあるので「上映の光に満ちた夢の世界」的な意味もあると思う
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