カテゴリー「札幌タイムス」の5件の記事

2008年4月 4日 (金)

沖縄とともに北海道もバイオ燃料への挑戦を(2008.4.4付け札幌タイムス・コラム記事)

 東京は桜花爛漫で、新年度に入りました。そう今年7月にはいよいよ北海道洞爺湖町でサミットが開催されます。その主要な議題の一つは環境問題、つまり地球温暖化問題と言われております。

 北海道は言うまでもなく農業大国です。農業産出額は1兆円を越え、食料自給率も全国平均が40%であるのに対し何と200%以上もあります。一方、沖縄県の農業産出額は1千億円未満であり、食料自給率はおよそ30%です。しかしながら、私の知る限りですが、バイオ燃料を活用した地球温暖化問題への取組みでは、北海道は沖縄に若干遅れを取っているのではないでしょうか。

 沖縄・宮古島では2005年10月から、環境省がバイオエタノール実証プロジェクトを推進しております。これはサトウキビから砂糖を採った後の廃蜜を原料としてバイオエタノールを製造し、それを3%混ぜたガソリン(E3)を使って実車走行させるものです。公共交通機関の発達していない宮古島で、約2万台の全自動車が自島生産のバイオエタノールを混ぜたE3を使うというのが目標の一つになっています。バイオマスを活用してカーボンニュートラルで持続的に再生可能なバイオ燃料を製造し、循環型社会を実現すれば、地球温暖化問題を緩和できることになります。

 昨年6月に、北海道でも十勝地区で三菱商事とキリンビールが農林水産省による国家プロジェクト「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」の一つに参画することが発表されています。来年3月に年間1.5万KL規模のバイオエタノールを製造するプラントを稼動させようとするものです。やはり公共交通機関が少ない北海道でも、ある地域の全自動車が自地域生産のバイオエタノールを使うという具体的な目標があってもいいのではないでしょうか。バイオエタノールの原料としては、食料や飼料を使うのは本末転倒ですから、北海道ではイネ科の植物やヤナギ、ポプラ等の成長の早い樹木を活用することができるようです。

 広大な自然を有する北海道が、耕作地以外の土地を最大限に活用しながらバイオ燃料を製造することにより循環型社会を実現し、他に先駆けて環境先進自治体となる夢を見るのは私だけでしょうか。

(注)本記事は、筆者が2008年4月4日付け週刊札幌タイムスのコラム「がんばれ北海道」に寄稿したものです。

  • バイオマス 温暖化への 切り札か

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2008年2月15日 (金)

東京で北方領土問題(北海道の国境問題)を考えると(2008.2.15付け札幌タイムス・コラム記事)

 2月7日は北方領土の日でした。ロシア大使館近くに所在している当社の周辺は、街宣車によりとても賑やかになります。この日は1855年に日露通好条約が締結された日で、1981年に北方領土の日とするよう閣議決定されたそうです。確か8月8日にもやはり賑わいます。この日はソ連が当時まだ有効であった日ソ中立条約の破棄を一方的に宣言し、宣戦布告した日のようです。

 北海道から離れた東京で生活しているのですが、こうして年2回北方領土問題について考えるようになりました。昨年8月に北大スラブ研究センターの岩下明裕教授の講演を拝聴しました。そして、岩下先生の著書「北方領土問題」も読みました。これまでの歴史、外交、議論等を俯瞰し、その上で過去を乗越え未来を築く新しい提案があることを知り感動しました。

 いまや北方領土問題は、千島列島(クリル諸島)に国後島と択捉島が含まれるか否かの国境問題に集約されているように思えます。1951年のサンフランシスコ平和条約では日本が千島列島を放棄することが明記され、日本もこの条約を批准しました。しかし、ソ連と中国は講和に調印しなかったため、千島列島は誰に引き渡されたのか不明確でした。ソ連は千島列島を引き継いで所有と主張し、日本は一度も他国の領土になったことのない国後島と択捉島は固有の領土と主張しているようです。1956年に国交回復を果たした日ソ共同宣言では、内外のいろいろな事情により国境問題は不幸にも棚上げされました。ただし、当時のフルシチョフ書記長は歯舞諸島と色丹島のみを返還する方針は持っていたようです。

 岩下先生の提案は、そこで歯舞・色丹の2島に国後の1島を加えた3島返還の条件でウィン・ウィンに妥結し、日露は平和条約締結に進んだらどうかというものと受け取りました。中露がすべての国境問題を五分五分で解決した事実を参考にして、①面積が五分五分に近いこと、②排他的経済水域も五分五分に近いこと、③日露それぞれの世論がそれを受け入れる素地ができつつあること等がその理由です。50年余り膠着している状態から次の新しい段階に進んで、北海道そして日本の力を試す時期ではないかと感じます。

(注)本記事は、筆者が2008年2月15日付け週刊札幌タイムスのコラム「がんばれ北海道」に寄稿したものです。

  • 歴史越え 北方領土 ここに在り

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2007年12月21日 (金)

北海道と沖縄の観光振興にカジノ誘致を(2007.12.21付け札幌タイムス・コラム記事)

 雄大な自然が残る北海道、そしてちゅら(美しい)海に囲まれた沖縄では、観光が一大産業に発展しております。北海道の観光収入はおおよそ1.3兆円といわれ、道のGDPの約6.5%を占めます。一方、沖縄県の観光収入はおよそ4,000億円で、こちらは県のGDPの1割にも達しております。

 しかしながら、北海道と沖縄の経済は未だ自立していないとされ、国家予算において開発・振興のための取組みがなされております。2001年1月の省庁再編により、北海道開発庁と沖縄開発庁は他省庁と統合され、現在それぞれ国土交通省と内閣府の一部になっています。そしてその予算額は、北海道開発に約7,000億円、沖縄振興に約3,000億円という巨額なものです。

 そこで提案ですが、北海道と沖縄の経済の自立を少しでも早めるために、観光振興の目的でカジノを誘致してはいかがでしょうか。ただし、カジノを誘致したい都府県は全国に沢山ありますので、単なる手前勝手な要求をするだけでは勝ち残れません。国との交渉に当たっては、次のような前提条件を示せば少しは有利になると思います。

 (1)カジノ税収の半分は開発・振興予算の削減に充てること、(2)残りの半分は犯罪防止のために使うこと、(3)先住・少数民族が優先的に雇用されること、等の条件が考えられます。ところで、カジノの売上げや税収はどの程度見込めるのでしょうか。米国の先例では、カジノの売上げが3兆円程度、税収が数千億円程度あるようです。経済規模が米国の約4割の日本では、荒く見積もってカジノの売上げが1.2兆円程度、税収が2,000億円程度見込めるのではないでしょうか。

 観光振興のためのカジノ誘致が、北海道と沖縄の経済的な自立を助け、同時に開発・振興のための国家予算を削減する、一石二鳥の案にならないか真剣に実現を願っております。

(注)本記事は、筆者が2007年12月21日付け週刊札幌タイムスのコラム「がんばれ北海道」に寄稿したものです。

  • カジノから 経済自立の 道筋を

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2007年10月19日 (金)

奪われて棄てられた土地~北海道と沖縄(2007.10.19付け札幌タイムス・コラム記事)

 北海道には固有の言語と文化を有する先住民、アイヌ民族がおりました。しかし、明治維新後政府は北海道の警備と開拓のために、屯田兵などの移民を送り込み、アイヌ民族の土地を奪いました。沖縄にはやはり固有の言語と文化を有する琉球民族がおりました。15世紀には琉球統一が進み、首里城を王都とした琉球国が創立されました。しかし、17世紀に江戸幕府の命を受けた薩摩藩が琉球国を攻撃し、属国としました。

 日本が無条件降伏をした第二次世界大戦では、沖縄は日米の戦場とされ戦後米軍の管理下に置かれました。1952年に締結された平和条約の協議では、日本は天皇制を守るために、千島列島と南樺太と共に北海道の主権も放棄しようとしたといわれます。結果的にソ連(現ロシア)が北海道にまでも進出することに危惧を抱いたマッカーサー元帥により、北海道は守られたそうです。北海道も沖縄もまさに奪われて棄てられた土地と考えざるを得ません。

 米軍が沖縄を管理していた間に、東アジアの拠点として沖縄各地には多くの米軍基地が建設されました。現在もそのほとんどが存続し、日本の米軍基地の75%(面積比)が沖縄に存在するといわれております。米軍基地関係の沖縄県の所得は約2,000億円と推定され、沖縄県のGDPの5%以上を占めます。また、開拓の経緯からか北海道には陸上自衛隊の駐屯地が数多く存在し、全国130ヶ所の内の約2割、28ヶ所を数えます。自衛隊関係の北海道の所得は推計するしかありませんが、防衛省の人件・糧食費の約2割が使われていると考えると約4,000億円になります。これは北海道のGDPの約2%を占めます。いずれも地域経済的には一定の重みのある話ではあります。

 奪われて棄てられた、辺境だが地政学的に重要な地に、国防の役割が多く課されるのは自然なことかもしれません。しかし、沖縄県民は常に米軍基地を何とかしてほしいと声を上げております。北海道民は自衛隊基地については何も発言していないように感じられます。自衛隊を好みそうな都会の知事達に、このことをもっとアピールした方がいいのではないでしょうか。

(注1)第二次世界大戦後の日本との平和条約は、1951年にサンフランシスコで署名され、翌1952年日本で批准され発効しました。
(注2)本記事は、筆者が2007年10月19日付け週刊札幌タイムスのコラム「がんばれ北海道」に寄稿したものです。

  • 辺境の 国防の士に 力添え

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2007年8月31日 (金)

北海道のキロロと沖縄のキロロ(2007.8.31付け札幌タイムス・コラム記事)

 人は誰しもそれなりの歳をとり、ある程度の役職に就くと、社会的な役割を期待されます。部下の結婚披露宴で媒酌人や主賓としての祝辞を依頼されることなどは、その代表的なものでしょうか。最近は東京では媒酌人をたてることが珍しくなりましたので、私ももっぱら主賓としての祝辞を依頼されます。ここ数年申し述べた祝辞には、いつも次のような話題を含めております。

 私は、長い結婚生活をうまく維持するコツは、夫婦が友達関係も維持することだと考えております。この気持ちを込めて、最後に私の好きな沖縄出身のデュオの歌の一節を朗読させていただきます。彼女らは、私の出身地である北海道のあるリゾートを訪れ、大変感動し、そのリゾートの名前をデュオの名にもらいました。それは「キロロ」という名です。「キロロ」という言葉は、北海道ですからアイヌ語です。そして、その意味は「心」です。

 では、「Best Friend」の一節を朗読いたします。

「時には急ぎすぎて 見失う事もあるよ
仕方ない
ずっと見守っているからって笑顔で
いつものように抱きしめた
みんなの笑顔に 何度助けられただろう
ありがとう ありがとう Best Friend
ずっと ずっと ずっと Best Friend」

 この話題は少し脚色されているかもしれません。沖縄のキロロが小学生の時に訪れたところは、ヤマハのキロロリゾートではなく池田町だったらしいです。アイヌ語の「キロロ」には何やら別の意味もあるようです。しかし、彼らはその名前をキロロと決める前に沖縄でヤマハのコンサートに出場しています。また、キロロリゾートに問い合わせると「キロロは心という意味です」という回答を得ています。脚色は許容の範囲内ではないかと思います。

 北海道と沖縄、何かとても違うような気もしますが、実はとても共通したことも多いのではないでしょうか。それぞれ独自の言語・文化を持った先住民族がおりました。中央からとても離れていますが地政学的に重要な場所です。道/県民性はどちらも開放的で、大らかではないでしょうか。まずはキロロに見倣って、北海道と沖縄がお互いを知り、交流して、共感すれば、何か新しい取組みが自ずと生まれてくるのではないでしょうか。

(注)本記事は、筆者が2007年8月31日付け週刊札幌タイムスのコラム「がんばれ北海道」に寄稿したものです。

  • 北と南 不思議に交わる 運命(さだめ)の糸

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