中国共産党とその私兵・中国人民解放軍についての書籍3冊を読んで
最近中国共産党とその私兵・中国人民解放軍について勉強している 中国国民が幸せになるのならば、その政治体制については余り関心がない しかし、その影響が外国にも国際的にも悪影響を与えるものならば許しがたい その上、中国国内にも自由、基本的人権や民主主義が存在しないならば…
矢板明夫(1972~・中国天津市生まれ・残留孤児2世)、石平(1962~・中国四川省生まれ・2007日本帰化)、藤井厳喜(1952~・東京都出身)3氏による著書3を冊読んだ 3氏ともガチガチの反中・親台派だから、台湾を高く評価するが中国共産党についてはボロボロに書いている これらの記述すべてが事実・真実とは決して思ってはいない また当面中国や香港を訪れるつもりはない
3冊を通じていろいろなことが書いてあるのだが、今まで余りお目にかからなかった事項を何点か紹介したい
◆今年は60年に1回中国で大事件や大動乱が起きる庚子(かのえね・コウシ)の年(ややこじつけもありそうだが…)
2020年 今年
1960年 中国共産党主席・毛沢東(1893~1976)がソ連からの借金をすべて返済するための大躍進政策(大飢饉が発生し3,000~4,000万人が餓死)
1900年 北清事変(義和団の乱等とも・8ヵ国連合軍に西太后《1835~1908》の清朝が惨敗)
1840年 アヘン(阿片)戦争(英国に清国が負け香港を割譲)
◆1936年の西安事件により蒋介石(1887~1975)の国民党軍による毛沢東の紅軍(共産党軍)の討伐が中止され(第2次)国共合作成立 満州事変(1931~33)により故郷を追い出された張学良(1901~2001・張作霖の息子)の東北軍(国民党側)が西安に駐屯しており、長征により延安まで逃げ延びた紅軍の策略により張学良が西安で蒋介石を拘束 1964年に毛沢東は日本の中国侵略のお陰で生き延びたと語ったという
◆外国人記者として初めて延安に入ったエドガー・スノー(1905~1972・米)が1937年に「中国の赤い星」を上梓 軍紀が厳しく、上下関係なく寝食を共にする紅軍を好意的に書いたため、当時欧米が共産党寄りに これは共産党の宣伝上手に乗せられたもので、実際は軍閥があり上下関係も厳しく略奪もあったらしい 特に幹部たちは長征に付き添った農村出身の妻と離婚し、共産主義に憧れてやってきた若い女性たちと次々と結婚したという 毛沢東は4回、朱徳(1886~1976)は6回、劉少奇(1898~1969)も6回、そして葉剣英(1897~1986)は何と9回も妻を換えているとのこと
◆鄧小平(1904~1997)が1978年に開始した改革開放路線により国防費が削減された それに伴い人民解放軍の特権はだんだん失われ民間との所得格差も広がったため、代わりに軍ビジネスが盛んになった それは闇ビジネスや上から下までの汚職(賄賂)に発展し役職は金で買うものになった 部隊を故意に定員割れとし余剰の物資を転売、部隊の管理牧草地を農牧民に無断転貸、管理牧草地で農牧民に冬虫夏草を採取させピンハネ等々は普通に行われているらしい そう考えると南シナ海の基地建設も空母建造も軍のどこかで金が抜かれているのかもしれない
◆中国では退役軍人が年金などの待遇改善を求めるデモが頻発しており、それに自分たちの将来の姿を投影する現役軍人の士気をとても下げている また自分たちの先輩軍人を取り締まることができないという矛盾を抱える
◆バラク・オバマ前米国大統領(1961~)には中国系カナダ人と結婚した異父妹や中国人と結婚した在中の異母弟がいたので中国共産党は御しやすかったが、ドナルド・トランプ現大統領(1946~)は大統領収入が1ドルなのでビジネスマンのくせに個人的な損得では動かない 娘イヴァンカ(1981~)の夫ジャレッド・クシュナー(1981~)にビジネスを持ちかけたが、クシュナーは機密情報からは遠ざけられた
◆台湾は中国国内で工場等のビジネスを行っているので、武漢ウイルスについては2019年12月から武漢市の病院に問合せ調査をし、31日には武漢市からの直行便の乗客全員への検疫を強化 2020年1月12日に衛生福利部(日本の厚労省)から専門家2人を派遣 中国政府が武漢市を封鎖した前日22日に武漢市と湖北省からの団体旅行受入れを中止し、26日に湖北省からの入境を禁止し、さらに31日には中国からのすべての観光ツアー客を帰国させ、ついには2月6日から中国人の入境を全面禁止とした
◆中国共産党の幹部が異なることを言う時は党内で深刻な権力闘争が起きている可能性が高い 李克強首相(1955~)が5月28日に全国人民代表大会の記者会見で「中国には月収1000元(約1万5000円)の人が6億人もいる」と明かし、中国国民の約半分は貧困状態にあると示し、また6月1日には同首相は国内の雇用問題を解決するために、「露店経済」を推奨(露店経済は現在紛糾中) 中国には現在2憶人の失業者がいるという話もある 中国国防大学教授の戴旭(1964~)や「超限戦」(1999・中・邦訳2001)の著者・喬良(1955~)が習近平(1953~)政権に批判的・抑制的な言説をしている 習近平の属する太子党派と李克強の属する共青団(中国共産主義青年団)との間で相克があるのかもしれない
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