カテゴリー「メセナ」の12件の記事

2009年1月31日 (土)

川畠成道ニューイヤーコンサート2009(@紀尾井ホール)を聴いて

 紀尾井ホールで開催された、日本ユニシス・プレゼンツ「川畠成道ニューイヤーコンサート2009」を聴いて参りました。ピアノは、ロデリック・ジェイムズ・チャドウィックさんでした。成道さんとチャドウィックさんは英国王立音楽院の同窓生のようです。彼らは、成道さんの最新のCDアルバム「ザ・ベスト」でも合奏しております。

 川口リリア音楽ホールの公演とは異なり、800席の紀尾井ホールはほぼ満席でした。今回も日本ユニシスの社員達が、ボランティア活動として目の不自由な方々のご案内を担当しておりました。したがって、会場には盲導犬の姿もちらほら、皆大人しく一緒に音楽を聴いておりました。

 プログラムは次のとおりでした。

  1. ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ト長調 作品100
    A.ドヴォルザーク(1841-1904)
  2. ヴァイオリンソナタ 第2番 イ長調 作品100
    J.ブラームス(1833-1897)
           ~ 休 憩 ~
  3. 歌の翼に 作品32の2
    F.メンデルスゾーン(1809-1847)
  4. ハンガリー舞曲 第5番
    J.ブラームス(1833-1897)
  5. コンソレーション
    F.リスト(1811-1886)
  6. 熊蜂の飛行
    N.A.リムスキー=コルサコフ(1844-1908)
  7. アヴェ・マリア
    C.グノー(1818-1893)
  8. カルメン幻想曲
    F.ワックスマン(1906-1967)
          ~ アンコール ~
  9. オブリヴィオン(忘却)
    A.ピアソラ(1921-1992)
  10. チャルダッシュ
    V.モンティ(1868-1922)
  11. カンタービレ
    N.パガニーニ(1782-1840)
  12. ひばり
    G.ディニーク(1889-1949)
  13. アリア
    J.S.バッハ(1685-1750)

 チャドウィックさんは成道さんの様子をよく見ながらピアノを弾いており、そのせいか、成道さんはとても気持ち良さそうにヴァイオリンを奏でておりました。今回も成道さんはサービス精神が真に旺盛で、アンコールとして5曲も小品を演奏して下さいました。特にひばりは好きな曲とのことで、この曲と最後のアリアは即興でリフレインを増やして、普通よりとても長い演奏を聴かせて下さったのでした。

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2008年8月17日 (日)

小平青少年吹奏楽団 第23回定期演奏会を聴いて

 昨年に引続き「ルネこだいら」大ホールで開催された「小平青少年吹奏楽団 第23回定期演奏会」を聴いて参りました。今回の趣向の一つは、東京パイプバンドとの共演でした。次は東京パイプバンドが舞台で紹介されている時の写真です。左端でマイクを持ってご紹介しているのが、緒形まゆみ先生です。

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 演奏プログラムは次のとおりでした。

  • 第1部
    • 青空の彼方へ ~Journey to hopeful skies~
    • ワルツを踊る猫
    • さんぽ ~映画「となりのトトロ」より~
    • アフリカン・シンフォニー
    • 吹奏楽のための交響的印象 海響
  • 第2部
    • 【バグパイプとの共演】ハイランド・カテドラル
    • 【バグパイプとの共演】スコティシュ・ファンタジー
    • 日本の歌 浜辺の歌・赤とんぼ・ふるさと
    • 涙そうそう
    • リバーダンス
  • アンコール
    • 君といつまでも
    • アメリカン・パトロール

 第1部の3曲目では「2008ミュージックスクエアinルネこだいら」に参加した子供達が一緒に演奏と歌に加わりました。また、第1部の4曲目とアンコールの最後の曲は、小中学生等の吹奏楽経験者も舞台に上がって合奏しました。楽しい一日のようでした。

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2008年5月10日 (土)

川畠成道グランドファミリーコンサート2008を聴いて(そして新宿「銀座いらか」での食事)

 今年7年目を迎える、川畠成道さんのグランドファミリーコンサート2008が東京オペラシティコンサートホールであり、聴いて参りました。3階席まで約1,500ある座席は、2階席までほぼ一杯で1,200人位のファンが集っているようでした。またもや9割方は女性のようです。ピアノは寺嶋陸也さんで、川畠成道さんと一緒に登場してすぐ難曲の1曲目の演奏が始まりました。寺嶋さんには、いつもは横にいる楽譜のページめくりのための女性が付いておらず、ご自分で楽譜をめくっておられました。

 1曲目の演奏終了後、司会の黒柳徹子さんが登場しました。着物風のピンクの派手な衣裳をまっとっておりました。彼女もお父様がヴァイオリニストだったそうで、ご自身も声楽を習っていたことがあるので、川畠さんのヴァイオリンはとても響きがいいことがよく分かるそうです。次の曲「愛の挨拶」はエルガーが最愛の妻に贈った曲であるというエピソードを紹介する流れで、黒柳さんは昨年川畠さんが結婚されたことをバラしてしまいました。会場全体からお祝いの拍手の嵐が巻き起こりました。私の隣のご婦人は、10年間ファンクラブで追っかけをやっているが全然知らなかったとのことです。なぜかしばらく伏せられていたのでした。きっとファンの皆さんに気を使わせたくなかったのだと思います。

 さて、今回のコンサートのプログラムは次のとおりです。

前奏曲とアレグロ(クライスラー)
愛の挨拶(エルガー)
タイスの瞑想曲(マスネ)
中国の太鼓(クライスラー)
ウィーン奇想曲(クライスラー)
愛の悲しみ(クライスラー)
愛の喜び(クライスラー)

   ―― 休 憩 ――

歌の翼に(メンデルスゾーン)
サクラ変奏曲(玉木宏樹編曲)
ただ憧れを知る者のみが(チャイコフスキー)
ひばり(ディニーク)
ロンドンデリーの歌(アイルランド民謡)
ツィゴイネルワイゼン(サラサーテ)

   ―― アンコール ――

ボカリーズ(ラフマニノフ)
チャルダッシュ(モンティ)
アリア(バッハ)

 休憩後、黒柳さんが衣裳を変えて登場しました。今度は豪華な青いドレスでした。川畠さんと寺嶋さんが前半の正装のまま登場し、黒柳さんがお二人に若干インタビューをしました。黒柳さんが川畠さんから聴き出してくれたことが2点あります。一つは、今秋デビュー10周年の全国ツアーを予定しており、その締めくくりとして11月16日(日曜)にサントリーホールで東京特別公演を行うとのことです。13人の川畠成道特別編成アンサンブルでヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「四季」を演奏する予定のようです。また、先の話ですが来年には欧州でのツアーを企画したいと考えているそうです。

 もう一つは、4月にドイツ・ベルリンのエヴァンゲリッシュ教会でベストアルバムの録音を完了させたとのことです。このアルバムには16曲収録されおり9月に発売予定だそうですが、すべて改めて演奏し直して録音したとのことで、どう進歩しているのかよく聴いてほしいそうです。ところでこの教会は森の中にあり、成道さんはそこでは3回目のレコーディングだったとのことで、あの名匠カラヤンもこの教会を使って名レコーディングを残しているそうです。寺嶋さんのコメントとしては、ピアノの音はヴァイオリンに比べて大きいので演奏の時に気を使うとのことですが、川畠さんのヴァイオリンの音は大きいそうです。

 「ひばり」の演奏後、黒柳さんが今度は黒と白のドレスに着替えて登場し、この機会を利用して、彼女はしばらくユニセフ(国連児童基金)親善大使の仕事の話をされました。アフリカのアンゴラという国では1,000人中260人が 5歳までに死亡してしまうそうです。10年前には375人もいたとのことです。日本ではその数は4人とのことです。読書きできない国は発展しないので、教育が必要だそうです。

 川畠さんはヴァイオリンの弓を3本持っていて曲によって使い分けているそうですが、アンコールも定番のチャルダッシュを含め3曲も演奏して下さいました。そして、約2時間半の演奏会が午後4時にお開きとなりました。今回「サクラ変奏曲」を初めて聴きましたが、重音の響きが素晴らしく、左手のピチカートも魅力的で、私が今まで聴いた中では一番のサクラの演奏でした。

 良いコンサートを聴いて幸せな気持ちのまま、やや早めの夕食にすることにしました。前回のコンサート終了後と同様に、JR新宿駅南口・ルミネ1の7階にある関西料理「銀座いらか」に向いました。ここは、いい料理といいお酒をいい雰囲気でリーズナブルな価格で楽しめるところだと思います。ルミネカードを持っていればさらにお得ですね。

  • 音楽と 食・素敵な ハーモニー

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2008年3月29日 (土)

川畠成道アヴェ・マリアでつなぐチャリティコンサート2008を聴いて

 本日午後初台(住所は西新宿)にある東京オペラシティコンサートホールで開催された「川畠成道アヴェ・マリアでつなぐチャリティーコンサート」を聴いて参りました。ちょうど今月が川畠さんのコンサート活動開始10年目の節目に当たるそうです。ピアノ伴奏が山口研生さん、司会が竹下景子さんでした。川畠さんのコンサートに司会が付いたのは、私の知る限り初めてですが、今回から協賛になった三菱電機(株)のご意向なのでしょうか。川畠さんと竹下さんは今回が初対面だったそうですが、なかなか気の合った司会進行でした。

 東京オペラシティコンサートホール(次の写真)は、響きがいいといわれている紀尾井ホールと同様に内装に総天然木が使用されております。客席は1600席余りと紀尾井ホールの2倍以上ありますが、やはり響きのいいホールでした。紀尾井ホールにはない、スイスのクーン社製のパイプオルガンが舞台後方の正面2階席に設置されております。いつもの川畠さんのコンサートのように2階席までほぼ満席でした。それに今回特筆すべきことは、1階席中央横通路に面した前面の開いている座席に、盲導犬を連れたお客様が並んでいたことです。10匹程の盲導犬達は伏せをして大人しくコンサートを聴いておりました。

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 今回のプログラムは小品中心で、次のとおりでした。

タルティーニ: 悪魔のトリル
シューベルト: アヴェ・マリア
シャミナード: スペイン風セレナーデ
モシュコフスキー: ギターレ
パガニーニ: カンタービレ
パガニーニ: ラ・カンパネラ

   ―― 休 憩 ――

グノー: アヴェ・マリア
リムスキー=コルサコフ: 熊蜂の飛行
ドヴォルザーク: スラブ舞曲 第2番
ハチャトゥリアン: 剣の舞
カッチーニ: アヴェ・マリア
モンティ: チャルダッシュ

   ―― アンコール ――

ショパン: ノクターン
ディニーク: ひばり
メンデルスゾーン: 歌の翼に

 オープニングの曲は小品とはいえ約15分とやや長いものです。しかし「悪魔のトリル」という曲名から何かを連想させるように、この曲には面白い裏話があるそうです。舞台で川畠さんが説明して下さいましたが、プログラムの彼直筆の曲目解説から引用すると次のとおりです。なかなかの名文です。

 時はバロック時代、演奏家に創作力とアドリブの能力がもとめられていた時代に生きた、若き名ヴァイオリニストで作曲者のタルティーニは、ある夜ヴァイオリンを弾く悪魔の夢を見る。夢の中で悪魔が彼に聴かせたものは、この世のものとは思えない見事なトリルの曲で、感動のうちに夢から覚めたタルティーニは、すぐにそれを楽譜に書きとめた。それがこの「悪魔のトリル」である。出だしのフレーズも、聴く者の心を惑わすように美しいが、やはりその後に続く、カデンツァを含む中間部での華麗な超絶技巧は圧巻だろう。

 川畠さんは来月4月にドイツのベルリンで9枚目のCDのレコーディングをするそうです。ベスト盤を創るのだそうですが、選んだ全曲目を再度演奏し、これまでの成長のすべてを注ぎ込むのだとのことです。完成するのが楽しみです。レコーディングで困るのは、雑音排除のため冷暖房がないので、とても寒かったり暑かったりすることだそうです。来月のベルリンはまあまあではないかと予想されていましたが、ベルリン在住の山口さんによれば時として分からないとのことでした。

 後半では川畠さんと山口さんはカジュアルなシャツに着替えて来ました。さらにタップシューズも履いていたらしく、「剣の舞」では途中突然タップを踏んだりしていました。彼曰くこのパフォーマンスは世界初だそうです。また、川畠さんは、小品を弾くとその国、その時代にタイムスリップし不思議な気分になるとおっしゃっていました。また、10数年間使用中のヴァイオリンは1770年製(ベートーベンの誕生年、多分ストラディバリウスでしょう)でもう身体の一部のようなものだそうです。そういいながら、アンコールを今回はやや少な目の3曲程弾いて下さいました。

 最後に付け加えますが、チャリティコンサートですから収益金の半分は小児がんのために寄付されるそうです。実に素晴らしいことですね。また、会場の好意によりホワイエで、後援の毎日新聞社と協力の(財)がんの子供を守る会がそれぞれ募金活動を行っておりました。川畠さんの尊敬されるところは、ご自身が視力障害を乗り越えられたことに加えて、それだからこそか今回のようなチャリティ活動に本当に快く積極的に取り組んでおられることだと思います。次回は5月10日(土曜)に同じ会場で黒柳徹子さんの司会により行われる「川畠成道グランドファミリーコンサート2008」です。

  • 10年目 原点に還る コンサート

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2008年3月21日 (金)

川畠成道と東京ニューシティ管弦楽団との共演を聴いて

 東京ニューシティ管弦楽団の第54回定期演奏会を聴いて参りました。西池袋にある東京芸術劇場大ホールまで出掛けました。指揮が内藤彰さん、ヴァイオリンが川畠成道さん、そしてコンサートマスターが鈴木順子さんでした。プログラムは次のとおりで、シベリウスの没後50年を記念しているとのことです。

ジャン・シベリウス(1865-1957)

交響詩「フィンランディア」(8分)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調Op.8(31分)
 第1楽章 アレグロ・モデラート
 第2楽章 アダージョ・ディ・モルト
 第3楽章 アレグロ、マ・ノン・トロッポ
    ―― 休 憩 ――
交響曲第2番 ニ長調「ブライトコップ新版2006」(43分)
 第1楽章 アルグレット
 第2楽章 アンダンテ・マ・ルバート
 第3楽章 ヴィヴァチッシモ
 第4楽章 アレグロ・モデラート

 次の写真は大ホール2階席後方からステージを撮ったものです。ステージ後方上部にある世界最大級のフランス/マルク・ガルニエ社製作のパイプオルガンが目立っています。合計1,999席という巨大なホールですが、3階に分かれた座席が巧みに設計・配置されており、1階席中央に座ってみるとそんなに広くは感じませんでした。3階席までは確かめられませんでしたが、1・2階席はほぼ満席でした。シベリウス作品の演奏ということで、母国フィンランドの方々らしいお客さんが来られていました。彼らは多分ご招待が多いのかもしれません。シベリウスは日本では武満徹に相当する作曲家なのではないかと思います。

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 東京ニューシティ管弦楽団は、1990年に音楽監督・常任指揮者に内藤彰さんを擁し設立された割と若い楽団です。内藤さんの指導により、「いつも なにかが あたらしい」として、いろいろ斬新な試みをしているようです。オペラでの分野では特に評価が高いようで、またオペラ歌手との共演も数多いとのことです。今回は川畠成道さんとの共演になった訳です。

 楽団は最近ピリオド奏法に取り組んでいて、本演奏会もその奏法で演奏されました。プログラムにある内藤さんの解説によれば、「ピリオド奏法は作曲家が作曲していた当時の演奏法で、20世紀初頭までの弦楽器奏法は、現在行われているようなヴィブラートによって表情をつけるのではなく、現在はほぼすたれてしまった、特有な弓使いによって曲想を豊かに表現していた」とのことです。

 何と、開演前に内藤さんがステージ上に現れピリオド奏法について注意を促して下さいました。ヴァイオリンの名手、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)もパブロ・デ・サラサーテ(1844-1908)もピリオド奏法で演奏していたそうです。現存しているレコードを聴くと、確かにそうなのだそうです。ヴィブラート奏法で多人数が弦楽器を演奏すると、音程が少しずつずれて濁った音になるそうですが、ピリオド奏法で演奏すると澄んだ音になるそうです。

 いざ演奏が始まると、確かに弦楽器の音がとても澄んで綺麗な感じがしました。全く新しい経験と言ってもいいものでした。ヴァイオリン協奏曲では、川畠さんはもちろんヴィブラートをよく利かせて演奏するのですが、楽団がピリオド奏法で出す澄んだ音色とよく調和しておりました。ヴァイオリニストを目指していたというシベリウスのこの曲は、演奏するには優れた技巧が必要ですが、もちろん川畠さんは難なく演奏していました。前半最後にあったアンコールでは、川畠さんはヴァイオリン協奏曲の多分第1楽章を再度独奏して下さいました。

 ところでこの楽団ではとても沢山の女性が活躍しております。約20人のヴァイオリン奏者は、2、3人以外は女性のようでした。約10人のビオラ奏者は全員が女性で、8人のチェロ奏者は半分が女性でした。6台のコントラバスも2人が女性でした。

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 午後9時10分にすべての演奏が終了し、クロークに預けていた鞄とコートを受け取り、長い長いエスカレーターで1階のガラス張りの大アトリウム(上の写真)に、幸せな気持で降りて参りました。池袋駅に向かうため外に出ると、来た時にも演奏していたストリートミュージシャンの声が聞こえました。ふと声の主の上方を見上げると、十四夜の月が傘を伴って輝いておりました(下の写真)。

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  • 春の月 斬新な音 吸い込まん

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ブルックナー:交響曲第9番 4楽章完成版(キャラガン版1983年/2006年9月補完) Music ブルックナー:交響曲第9番 4楽章完成版(キャラガン版1983年/2006年9月補完)

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ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》第3稿コースヴェット版世界初演ライヴ Music ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》第3稿コースヴェット版世界初演ライヴ

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ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》/第6番《田園》新ブライトコップ版 Music ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》/第6番《田園》新ブライトコップ版

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2008年2月18日 (月)

川畠成道特別演奏会(第6回文京福祉チャリティーコンサート)を聴いて

 文京シビック大ホール(写真)で開催された第6回文京福祉チャリティーコンサート「川畠成道特別演奏会」の夜公演を聴いて参りました。(財)富士福祉事業団が競輪補助事業として主催したチャリティーコンサートでした。そういう訳で、いつもの川畠さんのコンサートと違って男性の数が多かったように思います。もちろん1800席の客席はほぼ満席でした。

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 指揮は東京フィルハーモニー交響楽団指揮者の渡邊一正さんでした。そして、川畠成道特別編成オーケストラが共演するというものでした。このオーケストラは、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団そして新日本フィルハーモニー交響楽団(創立順)の在京4オーケストラからピックアップされたメンバーにより編成されたものだそうです。チャリティーに対する川畠成道さんの姿勢が多くの仲間の共感を呼んだものだと思います。

 プログラムは次のとおり(昼夜共通)ですが、最初の曲がオーケストラだけで演奏された以外はすべて川畠成道さんと特別編成オーケストラの共演でした。川畠さんの心に沁みる音とオーケストラの幅広い音がよく調和して素晴らしい演奏会になりました。アンコールも含めて曲目が作曲家の誕生年順に並んでいるのはご愛嬌でしょうか。

モーツァルト(1756-1791)/歌劇 《ドン・ジョヴァンニ》 より序曲
メンデルスゾーン(1809-1847)/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
   ―― 休 憩 ―― 
サン=サーンス(1835-1921)/序曲とロンド・カプリチオーソ 作品28
マスネ(1842-1912)/タイスの瞑想曲
サラサーテ(1844-1908)/ツィゴイネルワイゼン 作品20
   ―― アンコール ――
モンティ(1868-1923)/チャルダッシュ

 川畠さんは今回も最後に難曲のツィゴイネルワイゼンを演奏して下さいました。アンコールは、今回は昼夜2回公演のためかさすがにチャルダッシュの1曲だけした。川畠さんはこの曲が好きなのではないかと思われます。私もアンコール曲としてすでに数回聴いたことがあります。曲調に大きな変化があり、テクニックも必要なとても受ける曲だと考えます。以前にご紹介しましたが、チャルダッシュはフィギュアスケートの浅田真央さんが2006年シーズンのフリーの演技に使った曲だそうです。

  • 音楽の 力を魅せる コンサート

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2007年8月27日 (月)

小平青少年吹奏楽団 第22回定期演奏会を聴いて

 先週の日曜日に「ルネこだいら」大ホールで催された「小平青少年吹奏楽団 第22回定期演奏会」を聴きに参りました。国立音大卒で、小平では二中(初赴任校)と六中で教えて下さった緒形まゆみ先生が小平市の支援を得て創立した楽団が、小平青少年吹奏楽団です。緒方先生の指揮の下、今回50人の編成で演奏したプログラムは次のとおりですが、第2部が始まる時には小平市の小林正則市長がご挨拶されました。

  • 第1部
    • 青空の彼方へ ~Journey to hopeful skies~
    • バレエ音楽「ガイーヌ」より「剣の舞」
    • クラリネット・キャンディ
    • 熊蜂の飛行
    • 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
    • 舞踏会の美女
    • 組曲「惑星」より「木星」
  • 第2部
    • ラプソディ・イン・ブルー (ピアノ演奏:増田 理恵)
    • おもちゃの交響曲
    • ブラジル
    • スター・ウォーズ・コンサートセレクション

 第2部はいろいろと趣向が凝らされていました。最初の曲では、国立音大・同大学院修了のプロ・ピアニスト、増田理恵さんがゲストとして共演して下さいました。米国音楽を作り上げたと言われるジョージ・ガーシュインが作曲した、20分近い曲「ラプソディ・イン・ブルー」に挑戦しました。増田さんの洗練されたピアノ演奏とよくマッチさせて楽団も演奏したと思います。

 2曲目と3曲目は当日午前に行われた音楽普及活動「ミュージック・スクウェア in ルネこだいら」と関係した演奏でした。「おもちゃの交響曲」では午前中に音楽と触れた子供達と共演し、「ブラジル」では午前中の大合同バンドに参加した楽器経験者を加えた100人近い大編成で演奏が行われました。最後の曲「スター・ウォーズ・コンサートセレクション」もかなりの大曲で、6本の映画の場面を思い出しながら聴いた人も多く、好評のようでした。

 本演奏会では毎回、朝鮮半島に渡った日本人妻を長年にわたって支援している韓国慶州にあるナザレ園への寄付を集めておりましたが、今年は中断しました。今年7月に発生した中越沖地震で楽器が校舎ごと潰れてしまった新潟県の楽団が多く、少しでも早く演奏活動を再開できるよう支援するための寄付募集となりました。

 今回の演奏会も小平六中卒で小平青少年吹奏楽団でチューバを吹いている大学生の愚息が参加しているので参った訳ですが、1,000人を超えるお客様に支えられて毎回演奏が良くなっていくような気がします。やはり芸術・文化活動はお客様が育てるものであることを実感しています。

  • コンサート 市民が育てる 市の楽団

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2007年5月15日 (火)

川畠成道グランドファミリーコンサート2007を聴いて

 先週土曜日12日に、東京オペラシティコンサートホール(タケミツメモリアル)で催された、「川畠成道グランドファミリーコンサート2007~音楽の楽しさをご家族揃って」を聴いて参りました。川畠成道さんのヴァイオリンとアンソニー・ジョン・ヒューイットさんのピアノによるコンサートで、いつものようにとても美しく、心に染み渡る音で、およそ1,000人はいるかという大聴衆を楽しませて下さいました。

 プログラムは次のとおりです。

  • 第1部
    • クライスラー: 前奏曲とアレグロ~プニャーニの様式による
    • ベートーベン: ソナタ5番ヘ長調作品24“春”
  • 第2部
    • クライスラー: 愛の喜び
    • クライスラー: シンコペーション
    • ドビュッシー: 月の光(「ベルガマスク組曲」より)
    • リムスキー=コルサコフ: 熊蜂の飛行
    • カッチーニ: アヴェ・マリア
    • サラサーテ: ツィゴイネルワイゼン
  • アンコール(配付されたプログラムには紹介されておりません)
    • マスネ: タイスの瞑想曲
    • モンティ: チャルダッシュ (注)フィギュアスケートの浅田真央さんが2006年シーズンのフリーの演技に使ったそうです。
    • ドヴォルザーク: ユーモレスク
    • ディニーク: ひばり
    • サン=サーンス: 白鳥

 このコンサートはお子さんも含めた沢山の人々に、音楽に親しみ、音楽を楽しむ機会を提供できるように企画されたものようです。それ故、小学生から高校生までのために1,000円の学生席も用意されておりました。現に私の隣席は、恐らく小学校低学年の女のお子さんでした。

 アンコールの途中で川畠さん本人がマイクを持って発言されておりましたが、私が聴いたのが正しければ、確かこのコンサートは今回で8回目であり、アンコール曲等の中には8回連続で演奏したものもあるそうです。今回も日本ユニシス(株)が協賛しており、プログラムによれば、「日本ユニシスは、川畠成道さんの音楽性と、医療・福祉・教育分野における精力的な活動に共感し、1998年の日本デビュー時から応援しています」とのことです。

  • 人と人 つなぐ音楽 永久(とこしえ)に

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2007年4月21日 (土)

川畠成道&マリボール歌劇場管弦楽団のコンサートを聴いて

 本日、川畠成道さんのコンサートを聴いて参りました。彼の技術の確かさと、多分それとは普通両立しないと思われる程のサービス精神にほとほと感じ入ってしまいました。今回はスロヴェニア国立マリボール歌劇場管弦楽団との共演でした。

 場所は、東京ドームすぐそばの文京シビックホールで、文京区役所や区民施設等が同居している文京シビックセンター内にある、1,802席もある大ホールです。文京シビックセンターは旧文京公会堂の跡地に1994年(平成6年)に複合施設として竣工したもので、当時はこれ程豪華な建物が必要かと区政批判の対象にもなりました。しかし、音響的にも確かな文京シビックホールで今回川畠さんのコンサートを聴いて、ここにこのホールがあって良かったなと思いました。建築物の評価は時代によって本当に変化します。

 さて、定刻の午後3時を5分程過ぎた時に楽団員が入場して参りました。私は1階席中央やや後ろのS席23列21番に陣取り、ホール全体が楽に見渡せる好位置で見守りました。1階席は9割方満席でしたので、2階席も合わせ千数百人以上は聴衆がいたものと思われます。プログラムは次のとおりでした。

メンデルスゾーン:

  • 序曲「フィンガルの洞窟」 op.26
  • ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64

ヴォルフ・フェラーリ:

  • 歌劇「おろかな娘」序曲
  • 歌劇「4人のきむずかし屋」より 間奏曲
  • 歌劇「マドンナの宝石より 組曲――祭り/間奏曲/セレナータ/ナポリの踊り
  • ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.26

 川畠さんは当然ながら二つのヴァイオリン協奏曲の時に出演しました。私はオペラには余り詳しくはないので、車の名のようなフェラーリという名の作曲家はよく知りませんでしたが、歌劇の間奏曲等を聴いていると「あっ何だこれも、あれも聴いたことがあるな」という感じでした。そういう意味でフェラーリのヴァイオリン協奏曲が日本初演だといういうのは、少し不思議な気がしました。

 この協奏曲にはエピソードがあるようです。コンサートのプログラムで解説を書いているオペラ評論家の永竹由幸さんによれば、ロマンスの薫りがするのだそうです。ドイツ人のフェラーリは第二次世界大戦を避けるためオーストリア・アルプスの山中に疎開したが、そこに敵国アメリカの天才少女ジューリア・バスタボが転がり込んできたというのです。バスタボはドイツ留学中に帰国できなくなったもので、約1年半二人で暮らす内にフェラーリは50歳も年下のバスタボに恋をしてしまったようで、この協奏曲は彼女のために作曲したものらしいのです。いくつになっても恋愛は創造・創作の原動力なのですね。

 川畠さんの真骨頂はプログラム上の曲をすべて演奏し終わってから発揮されました。演奏終了後聴衆の大喝采の中アンコール曲を始める訳ですが、それが何とサラサーテのツィゴイネルワイゼンでした。普通ならコンサートのメイン・プログラムにもなりうる難曲ですが、彼はオーケストラをバックに見事に弾いてしまいました。そしてアンコールはこれでまだ終わらず、彼はもう1曲独奏で弾いてくれました。私は彼の演奏ではまだ聴いたことのない、不協和音の一杯詰まった現代音楽の難しそうな曲(他人のブログを拝見するとイザイの曲らしい)でした。

 アンコールでこんなことができるのは、目の障害のせいですべてを暗譜して完全に弾けるようにしなければならない川畠さんの置かれた境遇のせいですが、それだけに彼の精神力そして努力の結果得た技術の確かさが聴衆の心を強く打つのだと思います。前にも書きましたが、彼の存在そのものが我々の励みであり、日本の誇りでもあります。のみならず、彼は「社会派アーティスト」として、積極的に国内外で平和・弱者に光を当てるチャリティー・コンサート活動にも取り組んでおります。プログラムの紹介では、今や中学音楽鑑賞教材や高校英語教科書に彼の映像や文章が使用されており、その音楽性のみならず、人格面においても多方面に大きな影響を与えているとのことです。どうやら教育の場でもなくてはならない人になりつつあるようです。

 いつもはコンサート終了後すぐに帰途に就くのですが、今回は深い感動を味わったために、会場で購入した川畠さんの8枚目のCD「美しき夕暮れ」を持って、いつの間にか女性の多いサイン会の行列に並んでおりました。CD上に彼がマジックでサインしてくれる時に、「今回も素晴らしい演奏でした。ありがとうございました」と声をかけ、握手をして参りました。さすがに商売道具の手はしっかりしていましたが、小柄で細い彼の体は心配でした。完璧な技術とあり余るサービス精神を持つ彼は、人から見えないところで大変な努力をしているのではないでしょうか。ツアースケジュールも今年はとても過密になってきているように思えます。是非とも心と体の健康には充分にお気を付けていただきたいものです。

  • 感動の 嵐をもたらす ヴァイオリン
  • これ程の 社会性が 音楽に

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2006年11月30日 (木)

炎のコバケンと魂の成道、そして紅葉

20061126  先週末、「炎のコバケン」こと小林研一郎さん(指揮)と「魂の成道」こと川畠成道さん(ヴァイオリン)が共演した、日本フィルハーモニー交響楽団第310回名曲コンサートに行って参りました。場所はサントリーホールでした。プログラムは次のとおりです。

ベートーヴェン: 《エグモント》 序曲(約9分)
サン=サーンス: 序曲とロンド・カプリチオーゾ(約10分)
マスネ: タイスの瞑想曲(約4分30秒)
サラサーテ: ツィゴイネルワイゼン(約10分)
休憩(15分)
ベートーヴェン: 交響曲 第5番 《運命》 ハ短調(約31分)

 私のお目当ての川畠成道さんは、2~4曲目を楽団と一緒に演奏してくれました。やはり、私は聴いていると涙が溢れてきて困りました。彼の本当に美しいヴァイオリンの音色とその背景にある彼の魂が私の心を打って止まないのです。彼を支援している日本ユニシス(株)が編集しているClub Unisys Plusサイトに、彼の夢の実現までの軌跡が上手くまとめられております。読んでみてまたまた感動してしまいました。

 川畠成道さんが日本デビューしたのが、1998年3月やはりサントリーホールにて小林研一郎氏指揮、日本フィルとの共演だったとのことです。この組合せは何かの縁があるのでしょうね。私はサントリーホールに行ったのは2回目です。上の携帯写真はサントリーホールのフォイヤーで、時節柄クリスマスツリーとリースが飾られています。それからホールオープン20周年のペナントも飾られていました。

20061124gc  東京もいよいよ外は紅葉の季節です。先週行った八王子方面のゴルフ場に綺麗に紅葉したモミジがありましたので、携帯で撮影しました(下の写真)。

  • 東京の 季節の変化に 音楽を

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